TBS『カンナさーん』なんだけど、コメント欄でご指摘いただいたとおり、前回ご紹介した泉里香の看板画像は、第1話と第2話が逆になっていた。改めてお届けします。
そして第3話(2017年8月1日放送)。私のように、冒頭で泉里香の看板を確認したら満足してドラマを観ない、というフラチな視聴者が多かったのか、今回は泉里香の看板が番組最後に回されたので、私は全編視聴してしまった。
今回は「みんなで海に行きたい」という息子(川原瑛都)のたっての願いで、カンナさん(渡辺直美)が、息子と別れた夫(要潤)と夫の今の恋人(シシド・カフカ)と義理の両親(遠山哲也・斉藤由貴)と、全員で海水浴に行くという話。海岸に着いたところで「絶対にママの見えないところに行っちゃだめよ」という前フリがあって、でもちょっと目を離した隙に、海に浮輪だけ残して息子の姿が見えなくなる。CMあけにはすぐに、砂浜でみんなのために貝殻拾っているのが見つかるんだけど、心配したじゃないと激しく叱りつつ、目を離してごめんなさいと激しく謝り。一人息子を抱きしめるカンナさんに、みんなが母の力を見せつけられる、という、まあものすごくベタな話だ。
ベタな話なんだけど、上に名前をあげたキャストがすべてぴったりハマって、物語の面白さを3、4割増しにしている。脚本のマギーには悪いけど、役者のマギーもうらやむほど(推定)のキャスティングの勝利。
エピローグになって、ようやく泉里香の看板が登場するが、残念ながら前回のものと同じ。まあそうちょくちょく付け替えるわけにもいかないか。
で、ラスト、主人公のカンナさんはアパレル会社で働く雇われデザイナーなんだけど、世界的に有名なファッション界のカリスマ(加藤雅也)が彼女の作品に目をつけ、コラボしたいということで会社に乗り込んでくる。
「見つけた」という感じで渡辺直美を抱きしめる加藤雅也。この展開、この後の回で泉里香の本編出演はありか? 最終回に要潤の新たな浮気相手として登場するとか。刮目して待て。
さて、私はカン違いしていた。実は8月になれば『帰ってきた家売るオンナ』のDVDが届くので、今年の夏休みはそれの特集でいこうと思って、実写版DVDレビューを再開せずにいたのだ。でも『帰ってきた家売るオンナ』は9月発売でした。
ということで、実写版レビュー、いよいよAct.15に入ってまいります。
本編が放送されたのは2004年1月17日の土曜日。あれからもう13年半で、戦士もみんなアラサーだ。
アバン・タイトル。ナレーターはうさぎで、うさぎだから好物のニンジンなのか、ニンジンのかたちの窓から語る。このワイプのイラストは沢井美優自身が描いたものである、と東映公式に書いてあったと思う。
うさぎ「新しい敵、クンツァイトに妖魔にされそうになって大ピンチだった私を、亜美ちゃんたちが助けてくれました。大感謝!」
マーキュリー「うさぎちゃんを、返して」
うさぎ「でも、もう一人だけ感謝しなくちゃいけないのがタキシード仮面」
うさぎ「また、危ないところを助けてくれたんだよね」
鈴村展弘監督は、ここでちょっと新しいパターンを作った。シリーズ前半のアバンの語り手はだいたいうさぎである。うさぎはクラウンのカラオケステージ、ごくまれに自宅の自分の部屋で「前回までのあらすじ」を視聴者に向かって語る(アバンについての詳しい分析は10年ほど前に書いたここをお読みいただけると嬉しいです)。
そのとき仲間の戦士はいない。当然というか、これはドラマ本編とは違う、視聴者に語りかけるコーナーなのである。ところが、鈴村監督は今回、その暗黙のルールを破ってしまうんだよね。
アバンのナレーションをやっていたうさぎが、そのままドラマのなかの月野うさぎに戻って、仲間と会話しちゃうという初のパターン。っていうか、これ以降もこんなのなかったような気がする。
うさぎ「これでみんなもタキシード仮面のこと、見直してくれたんじゃ……」
まこと「泥棒は泥棒」
亜 美「悪い人じゃないと思うんだけど…」
うさぎ「うんうん」
レ イ「なにか不吉なものを感じるのは確かよ」
ル ナ「やっぱり、タキシード仮面には近づかない方がいいわ」
三 人「うん」
うさぎ「はぁ……ダメか」
と、ため息をつくテーブルが、よく見れば前回までの白いテーブルではなくて、三日月デザインのものになっている。
それからカラオケステージの周囲や背後に、星とか果物とか風船とかの飾りつけがあって、全体的にクラウンの部屋の雰囲気が、この回から一気に華やかになっている。これについても10年ほど前、推測を述べたことがあるけど(ここ)、もういちどまとめておくと、このテーブルはもともとAct.14のために発注されたのではないかと私は推測している。
Act.14より前のエピソードを見ると、クラウンの中は飾り付けもそんなにはない。せいぜい戦士たちの写真が壁に貼ってあった程度だった。あるいは当初から、初登場ではがらんとしていたAct.2のクラウンが、だんだん可愛いアイテムで一杯になっていって、女の子たちの秘密の部屋にふさわしくなっていく感じにしよう、という演出プランがあったのかも知れない。ともかくAct.14、つまり新年パーティーのための飾り付けが、戦士たちによる最初の大がかりなお部屋のデコレーションであった。Act.12とAct.14を較べると、Act.14でいきなり飾り付けが増えているのがよく分かる。
で、次にAct.14とAct.15を較べると、さすがに内装は新年パーティーよりちょっと落ち着いているけど、でもカラオケステージ周りを中心に、けっこう飾りがそのまま残されていることがわかりますね。しかもAct.14では白かったテーブルが、Act.15では三日月デザインになった。これで第1クールよりもだいぶ華やかな室内になりました。
だからひょっとして、このカラフルなテーブルは、本来Act.14の新年パーティー用に発注したんだけど、間に合わなくてこのAct.15が初登場になったんじゃないのかな、と私は思うんですよ。そしてまた、このクラウン改装には、Act.14を監督した舞原賢三が絡んでいるのではないか、とも勝手に推測しております。「女の子たちの集まる場所としてこれじゃ殺風景すぎる」とかね。まあ本当に妄想ですが。
さて、次に場所が変わって愛野邸。部屋にいる美奈子というのも珍しい。
というか、このAct.15以外に、美奈子の自宅がドラマに出てきたことがそもそもなかったですよね。
美奈子「おやすみなさい」
美奈子「また妖魔がつきまとってる」
アルテミス「ああ。プリンセスと幻の銀水晶は、敵の狙いだからね」
美奈子「なんとかしなきゃ。このまま追い詰められたら、たいへん」
アルテミス「うん」
すでにダーク・キングダムに自宅の住所を把握されているというのも凄い話だが、たぶんこの時点で、美奈子は以後アルテミスと二人、逃亡者のように転々とホテル暮らしをすることになって、自宅も両親も最終回まで画面には出てこない、という方針は決定していたのでしょうね。というところでタイトル。
すみません今回はこのへんで。息子と実写版ジョジョに行く約束しているんです。