実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第43回】アバン・タイトルのナレーションに関する番外編の巻

 「また来週」なんて前回の日記に書いちゃいましたが、補足です。というか、だいぶ前に作った資料にちょっと手をいれて蔵出しする。  前回、Act.27のレビューでは、まずアバン・タイトルにおけるうさぎちゃんのナレーションを紹介してみた。なんとなくそうしたのだけれど、後から考えると、この回のアバンは、ある意味、うさぎちゃんによる番組ナビの、言ってみれば総括ともいえるポジションにある。書いているときはそのことをすっかり忘れていたのだけれど、記憶のどこかに引っかかっていて、それでつい全文引用したんだと思う。  前回の日記をアップして、自分で読み直しているうちに「あ、そういえば」と思い出して、むかし作ったデータを引っ張り出してみた。以下は、実写版セーラームーン全話におけるアバン・タイトルの語り手のリストである。  この表の見方ですが、最初の「緞帳」の有無というのは、オープニングで赤いカーテンがぱっと開く、あれがあるかないかですね。これはAct.7までは出てきません。そしてAct.14だけはなぜか緑色です。なぜでしょうか。あとはもちろん、ぜんぶ赤です。  「ナビゲーター」というのはもちろん、語り手です。「うさぎ(兎型)」とある場合には、前回のハイライトシーンが流れている画面の右下の隅っこで、うさぎちゃんが兎型にくりぬかれた窓のなかでお話をしているという意味。「亜美(アップ→惑星記号)」という場合は、亜美ちゃんは緞帳が開くと最初はアップで視聴者に向かって語りかけている。それから小さくなって、画面の隅で、マーキュリーのシンボルマーク(水星の惑星記号)の形にくりぬかれた窓の中でお話を続ける、という意味です。分かりますよね。Act.12で美奈子が語っている窓の形が、何なのかちょっと分かりません。もう一度見てみれば分かるのかも知れませんが、まあいいや。コメント欄でどなたかに教えていただけることに期待したいと思います(他人だのみ)。  備考欄には、基本的にはそれぞれの語り手がどこで話しているか、制服か私服か、だけを書いておきました。当然ですがクラウンが圧倒的に多いです。ナビゲーターなしのアバンの回については、だいたいどんなシーンであるかを備考欄に書いておきました。

アバン語り手一覧

話 数 緞帳 ナビゲーター 備 考
Act.01 セーラーV対タキシード仮面
Act.02 うさぎ ナレーションのみ
Act.03 うさぎ(兎型) クラウン、制服
Act.04 うさぎ(兎型) クラウン、制服
Act.05 亜 美(アップ→惑星記号) 自宅、勉強机からくるり、制服
Act.06 バスケをするカケル君
Act.07 セーラームーン(月型) 場所は不明、唯一の変身姿
Act.08 うさぎ(月型) クラウン、制服
Act.09 猫ルナ(アップ→丸) うさぎの部屋
Act.10 うさぎ(アップ→月型) うさぎの部屋、パジャマ
Act.11 うさぎ(兎型) クラウン、制服
Act.12 美奈子(不明:何の形だ?) おそらくクラウン(!)、私服
Act.13 プリンセス(ヴィーナス)登場シーン
Act.14 猫ルナ(アップ→猫型) クラウン
Act.15 うさぎ(アップ→にんじん型) クラウン、私服
Act.16 うさぎ(アップ→ハート型) クラウン、私服
Act.17 猫ルナ(猫型) クラウン、机の下から顔を出す
Act.18 ヴィーナスとマーズのにらみ合い
Act.19 ダーク・キングダムでメタリア復活
Act.20 亜 美(惑星記号) クラウン、制服
Act.21 無(亜美の独白あり) マーキュリー拉致
Act.22 ダークマーキュリー登場
Act.23 うさぎ ナレーションのみ
Act.24 ダーキュリーに襲いかかるネフライト
Act.25 「どうして今まで気づかなかったんだろう」
Act.26 プリンセス覚醒
Act.27 うさぎ(アップ→月型) クラウン、私服
Act.28 人ルナ(猫型) クラウン、途中でくしゃみをして猫に
Act.29 クラウンで亜美ちゃんお帰りパーティー
Act.30 人ルナ(猫型) クラウン
Act.31 まこと(アップ→星型) クラウン、制服
Act.32 うさぎ(月型) クラウン?制服
Act.33 「オレは信じない。だから帰ってきた」
Act.34 人ルナ(アップ→猫型) クラウン
Act.35 道路に倒れる黒木ミオを助ける衛
Act.36 美奈子ライブで倒れる
Act.37 人ルナ(アップ→猫型) クラウン
Act.38 ハープを弾くプリンセスムーン
Act.39 「うさぎ、オレは今からお前の敵になる」
Act.40 「アルテミス、私きめた。もう歌はやめる」
Act.41 うさぎ(四角) クラウン、制服
Act.42 人ルナ(アップ→四角) ぐるぐる回って、どこですかここは?
Act.43 人ルナ(猫型) クラウン?
Act.44 「あなたをリーダーとは認めない」
Act.45 人ルナ(猫型) クラウン
Act.46 「戦う力さえ残ってないの」
Act.47 ホテルから手術に向かう美奈子
Act.48 美奈子、別れの挨拶
Act.49 エンディミオンを刺すセーラームーン

 さて集計結果です。全49話中、冒頭にナビゲーター(語り手)が出てきて「これまでのあらすじ」などを語る回は計27回、その内訳は次の通り。

うさぎ 13回(制服6回、私服3回、声のみ2回、パジャマ1回、変身した姿1回)
ルナ 10回(人7回、猫3回)
亜美 2回
美奈子 1回
まこと 1回
レイ 0回

 うさぎとルナをあわせて27話中23話分。要するにほとんどこの二人(一人と一匹)でやっているわけですね。  それから、オープニングで赤い緞帳が開くときには、ほとんどの場合、誰か語り手がいます。いないのは2回。まずAct.13、これはヴィーナスがプリンセスの名のりをあげる場面を、ちょっと派手に飾ったというところでしょう。それからAct.29。これも「亜美ちゃんお帰りパーティー」の幕開けで、お祝い代わりの赤い緞帳という感じかな。  と、全体をトータルしてしまうと「それがどうした」ということになるわけだが、これを前回レビューしたAct.27までと、それ以降で区切って考えてみると、ちょっと面白いのだ。Act.27までで、アバン・タイトルにナビがあったのはぜんぶで17話、その内訳はこうなる。

【Act.1~Act.27】
うさぎ 11回
ルナ 3回
亜美 2回
美奈子 1回
まこと 0回
レイ 0回

 語り手はほとんど常にうさぎであり、ルナの登場回数は亜美や美奈子とたいして変わらない。要するにAct.27までの実写版は、うさぎが語る「私たち戦士の戦いと友情の物語」なのである。ところが、小池里奈ちゃんの登場以降は次のようになる。

【Act.28~Final Act】
人ルナ 7回
うさぎ 2回
まこと 1回
亜美 0回
美奈子 0回
レイ 0回

 展開がシリアスに、重くなるにつれ、そもそも「アバンで誰かが前説を言う」こと自体が激減しているのだが、それはともかく、10話中、実に7話までがルナ人間体。つまりここから先、後半の物語は、側近のルナの目から語られた「プリンセスと戦士たちの物語」なのである。  というわけで、ルナ自身は「銀水晶の力によって人間になれた」「その目的は戦士たちを鍛え、戦いに力ぞえをするため」だとかなんとか言っているが、番組的には、実は彼女が人間化した最大の意義は「物語の語り部となる」という点にある。  衛との恋、プリンセスとしての自覚、いろいろなことがあって、うさぎちゃんはもう前半のように、番組冒頭で、ワクワクドキドキした気分で自分たちの冒険を楽しく語れなくなってしまった。そんなうさぎちゃんに代わって、視聴者の小さいお友達の目線に立って物語の案内役をつとめる、それがルナ人間体が登場した最大の理由だった、ということが言いたいわけです。  もともとこのリストは、『M14の追憶』で「Act.2の準備台本にはちびうさがナビをやるという案も書かれていた」という記事を読んだときに「そういえばルナって前説が多かったけど、それはそういう、小さいお友達への番組案内役、という初期のちびうさ構想を反映しているんじゃないかな」と思ったのがきっかけで作ったものだ。まだ自分でブログを始めるなんて思っていなかった。でも出来あがった記事は他人様のブログのコメント欄に書き込むにはあまりに長すぎて、結局ボツにしたんです。そういう元ネタが作ってあったので、今回はあまり新しい文章を書かず、手も酷使せずに短期更新できた。めでたしめでたし。  ではまた。次の更新は、うまくいけば週末、遅くて月曜日です。