実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


最新記事〕 〔過去記事〕 〔サイト説明〕 〔管理人

【第628回】オフホワイトのヒマトークの巻(沢井美優in仮面ライダーエグゼイド)



 8月10日に、モモコこと清浦夏実と沖井礼二のバンドTWEEDEESが、名古屋で初の単独ツアーライブをやるので「行くぞ!」と意気込んでいたものの、諸般の事情でライブをあきらめ、当日、関東入りするハメになってしまいましたトホホ。
 ということもあるし、お盆休みでもあり、精神的にダレている(いつもそうか)。本日は沢井美優さんが出演された『仮面ライダーエグゼイド』第42話のレビューを、と思ったんだけど、これはそれほど字数を要するネタではないので、前半どうでもいいような話題でフリートークさせていただきます。ヒマな方だけお付き合いください。

1. たそがれのアイドル戦国時代



 というわけで、今年も8月4日、5日、6日と、お台場の青梅特設会場でTIF(「TOKYO IDOL FESTIVAL2017」)が開催、無事終了したようですね。
 もともとフジテレビ「アイドリング!!!」の門澤清太プロデューサーが立ち上げたアイドルフェスティバル(厳密には女子アイドル専門のフェスティバル)で、同氏が「アイドリング!!!」を離れた2013年、そして「アイドリング!!!」そのものが消滅した後の2016年と、何度か存続が危ぶまれた。それに2015年あたりで美少女アイドルグループも飽和状態になり、いくつものグループがメンバー脱退や活動停止、解散などのかたちで淘汰されていった。でもこのフェスティバルは順調で、2010年のスタート時は参加アイドル45組、観客動員数約5,000人だったのが、8回目の今年は参加アイドル233組、動員は過去最高の8万人を越えたという。2014年には『ウォール・ストリート・ジャーナル』誌で「日本で楽しむ夏のミュージック・フェス5選」に選ばれた(「フジロック」「TIF」「ROCK IN JAPAN」「サマソニ」「東京JAZZ」ソースは


 そして今年2017年はチェアマンに指原莉乃がついた。思い起こせば指原莉乃は、2012年6月に日本武道舘で「第一回ゆび祭り 〜アイドル臨時総会〜」を開催した。開催直前に指原莉乃そのひとが異性関係のスキャンダルで文春砲(とは当時言わなかった)を浴びて、AKB48からHKT48へ移籍したりしてこれまた開催が危ぶまれたが、「第一回ゆび祭り」は無事開催されて、私はそのDVDを鑑賞して「やっぱり指原莉乃はアイドル界の総帥となる人だ」と思った。
 あれから5年。その間に指原さんはAKBシングル選抜選挙で三連覇を含む四度の首位獲得を果たして絶対女王となり、しかしそのぶんアイドル界はつまんなくなった(個人の感想です)。そんな閉塞状況を打破すべく、再び指原莉乃が動いた。それが今回のTIFである。したがって5年ぶりに開催された「第二回ゆび祭り」と考えて良いと思う(個人の感想です)。



 という感じでラインナップを眺めているといろいろ感慨がある。「第一回ゆび祭り」に参加したアイドルは、(1)私立恵比寿中学、(2)乃木坂46、(3)PASSPO☆、(4)渡り廊下走り隊7、(5)ももいろクローバーZ、(6)東京女子流、(7)SUPER☆GIRLS、(8)Buono!、(9)アイドリング!!!、(10)指原莉乃、の選ばれし10組だった。セーラームーン関係者としては、PASSPO☆の保護者みたいなかたちで振付師の竹中夏海さんが参加して、歌う順番を決めるくじ引きをやっていたような気もするが、間違っているかも知れない。



 上の10組のうち、すでに存在しなくなったのは(4)渡り廊下走り隊7、(8)Buono!、(9)アイドリング!!!、の3組である。それ以外のみなさんは今回のTIF2017にも顔を出す(ももクロは佐々木彩夏一名のみのソロ出場)。なかでも「節目」という感じがしたのは、久々に参加する私立恵比寿中学と東京女子流。私立恵比寿中学はなんと5年ぶりのTIFで、東京女子流は、大人の思惑に振り回され「アーティスト宣言」してアイドル活動を封印した2014年以来、3年ぶりの登場である。写真で見たら、なんか女子流は真っ赤なコスチュームで、すごく吹っ切れた感じでいいなぁ。新作『睡蓮』も良いし。アーティスト宣言とは何だったのか。



 それから、このあいだ最上もがが電撃脱退した「でんぱ組. inc」は、メンバーの藤咲彩音と古川美鈴が個別に参加。Bisは直前にメンバーの体調不良を理由に出演キャンセルしたが、元Bisの寺嶋由芙はソロ出場。「Dorothi Little Happy」は、5人組から2人組になり、先月ついに白戸佳奈も芸能界を引退して、高橋麻里のソロプロジェクトになってしまったけど、今回も登場したみたい。そのドロシーからすったもんだで分裂した「callme」の三人は出場。お台場に諸行無常の鐘の声が聞こえるようである。



 もうひとつ、今年は新企画として「TIF2017全国選抜ライブ」というインディーズ・アイドルの選抜勝ち抜き枠が設けられた。全国七ブロックに分かれて、一次選考(書類と動画ファイルでスタッフが選考)、二次選考(仮想公開ライブというよく分からない形式)を経て、残った8組が最終選考ライブをやって、現場とネット視聴者による投票の結果で1組のみが選ばれるという地下アイドルの甲子園である。中部ブロックからは「Candy☆Drops」が選ばれた。う〜んと、記憶にないな。以前ある人に誘われて(笑)大須のライブハウスへ「KNU」と「VIC:CESS」を観に行った時、一緒に出ていた「Gallop」というグループが印象に残ったんだけど、そこと同じ事務所の姉妹グループみたいだ。
 というわけで、参加したわけでもないし、今後参加するつもりもないんだけど、なぜか毎年そわそわ気になるTIF。自分の備忘録がわりにトピックを書き留めてみた。参加されたドルヲタの皆様はおつかれさまでした。


2. 軍艦島でおしおきよ

 さて、お盆休みで実家なのだが、うちの実家は『朝日新聞』をとっている。久しぶりに開くと「韓国映画『軍艦島』史実と創作のはざまで」という記事が目についた。



 製作費約22億円。舞台は長崎県の端島(通称・軍艦島)。韓国で今夏、日本統治下の過酷な労務動員を題材にした映画「軍艦島(グナムド)」が最大の話題作だ。観客動員数は2週間ほどで600万人超。歴史を土台に大幅な創作を加えた映画は、日韓双方で波紋を広げている。どんな内容なのか。
 公開初日の7月20日、ソウル市龍山区の複合映画館では八つのうち四つのスクリーンで「軍艦島」を上映した。どの回も満席だ。
 映画では終戦直前、朝鮮半島から徴用されて島で働かされた朝鮮人約400人が、強制労働の証拠隠滅のために労働者を抹殺する日本側の企てを察知し、脱走を試みる。朝鮮人が米軍のスパイと疑われて無差別に殺害され、日本人と朝鮮人が銃撃戦をするなど、現実とは想像しにくい話も出てくる。……(中略)……韓国人の柳昇完(ユ・スンワン)監督(43)が「歴史的事実を基盤にした創作」と語るように、史実を忠実に再現したわけではない。ただエンドロールでは、2015年に軍艦島が世界遺産登録された際、戦時中の苛酷な労務動員を含む歴史を知らせるとしたユネスコの勧告について、日本政府は履行していないと言及、観客には事実と虚構の境界がわかりにくい。 (『朝日新聞』2017年8月11日)


 以下、記事の内容は、実際に終戦間際に軍艦島で働いていた方の談話とか、菅官房長官が記者会見でこの映画について問われた話とか、韓国国内でも賛否両論がある話とかが続く。
 この映画はいろいろ気になるポイントがあるのだ。たとえば朝日の記事は「観客動員数は2週間ほどで600万人超」と書いているけれども、実はそのうち500万人は最初の週に叩き出した数字である。すさまじいスタートダッシュだったんだけど、2週目はいきなり客足が4分の1以下に落ちて100万人しか上積みできなかった。どうしてかというと、最初の週末は、韓国全国の映画館の総計2,500スクリーンのうち、2,000以上のスクリーンでこの『軍艦島』が上映されて、ほとんど他の映画が締め出された状態だったのだ。これが韓国の映画ファンの不満を買って、次の週にもうひとつのこの夏の話題作『タクシー運転手』が公開されたとたん、一気に動員がそちらへ流れて、『軍艦島』は現在ぐんぐん失速中なのである。オールスターキャストの大規模予算作品で、動員800万はクリアしないと製作費を回収できないとも言われているけど、なんとかそのくらいまでいけるか、という感じになってきちゃったらしい。



 景気づけか聯合ニュースは、先週は北米42都市で『軍艦島』が封切られて、週末の売り上げが40万ドル(約4400万円)でランキング5位になったと報道している。「えっ?たった40万ドルで5位?」と思って記事をよく見ると、全米5位というのは「スクリーン当たりの平均興行収入」の順位だった。これどういうふうに考えようか。この4月に新海誠のアニメ『君の名は(Your Name)』が全米303館で上映されて、初週末は170万ドルの売り上げでボックス・オフィス13位、最終的には400万ドルを越えた(これがポケモンやジブリだと1,000万ドルを越えたりもする)。規模が違うのでよくわからないが、単純にここから類推すると『軍艦島』も200万ドル〜250万ドルくらいは行けるんじゃないか。確かに韓国映画としてはけっこうなヒットであろう。



 いやそれは一番興味のある話題ではないのだ。実はこの『軍艦島』という映画、韓国のポータルサイトのユーザー評価平均値が10点満点中5.34という微妙な得点で、それにはひとつ理由がある、と『文春デジタル』は指摘する。


 主人公が親日派を断罪するときのセリフ「民族の名で君を処断する」も話題だ。日本のアニメ、セーラームーンの「月に代わってお仕置きよ!(韓国では「正義の名で君を許さない!」と訳されている)」を連想させると冷笑を買っているのだ。


 私は文春砲とかあまり好きじゃないが、この点に関しては朝日は文春を見習って欲しい。映画『軍艦島』の最大のポイントはきっとこれじゃないのかなぁ。シリアスな抗日映画なのに、クライマックスで主人公が決めるセリフが「民族の名に代わっておしおきよ!」だもんだから、客席から「セーラームーンじゃん」とクスクス笑いが漏れてしまう。それが鳴り物入りで公開されたにも関わらず、興行成績が伸び悩んでいる一番おおきな理由ではないのか?(あくまでも個人の感想です)


3. パンデミック



 くだらん話ばかりで済まない。最後は『仮面ライダーエグゼイド』第42話「God降臨!」だ(2017年8月6日、テレビ朝日、脚本:高橋悠也/撮影:倉田幸治/監督:山口恭平)。
 観たことない人のために簡単に説明しておくと、今回のライダーは史上最も学歴が高くて、しかも小学生男子に「将来なりたい職業」のアンケートをとれば(スポーツ選手以外で)必ず上位に来るふたつの職業「お医者さん」と「ゲーム関連」をくっつけちゃって、天才ゲーマーのお医者さんを主人公にしている。
 研修医である主人公の所属は「電脳救命センター」。ここはゲームを媒介して生身の人間に感染する新種のコンピューターウィルス、通称「ゲーム病」を治療するために作られた部門で、ゲーム病を治すためには、ライダーに変身してゲームのヴァーチャル空間に入り、戦って敵を倒さなければいけない。だから医者の仮面ライダーが続々登場する、という趣向だ。



 もう第42話で、話は終盤に差しかかっているので、ゲーム病はパンデミックを起こして、沢山の感染者が聖都大学病院に担ぎ込まれる。そのなかの一組、鈴木塔子(沢井美優)と息子の陸(松浦理仁)の母子に外科医の鏡(瀬戸利樹)が語りかける。



 鏡 「すみません。病室の空きがないので、こちらで安静にしていてください」



塔 子「はい」






 鏡 「これでは人手がいくらあってもたりない……」


  すごく苦労してそうなお母さんである。たぶんシングルマザー。綺麗なので夜のお仕事で息子を養っているのかもしれない。



 モヤモヤして分かりにくいけど、みんなを守るために戦うライダー。でも苦戦。苦戦していると人間に感染したウィルスも暴れるらしい。



 陸 「お母さん、苦しいよ」



塔 子「だいじょうぶ、だいじょうぶ」



 母子を見守っている女の子は西馬二コ(黒崎レイナ)。「跳ねっ返りで、最初は主人公のことを誤解していて、敵愾心や対抗心をもっているんだけど、いろいろ分かってきて少しずつ素直で良い子になっていく」という、ヒーローものでは定番のキャラクターですね。



 次第に医療の仕事にも興味をもつようになってきていて、病院で苦しんでいる子供たちのために何かしてあげたいと思って、駆けつけてきた。得意のゲームで沢井さんの息子を励ましたりする。



ニ コ「やったあ」
 陸 「すごい!」



ニ コ「でしょう、はい交替」
 陸 「うん」



ニ コ「すごいじゃん。そうそう」



塔 子「この子さえ……助かれば……」
大 我「ダメです。息子さんは母親が必要です」



大 我「あなたも生きないと!」



 この人も仮面ライダーに変身するお医者、花家大我(松本享恭)。髪の色で分かるように(笑)腕は確かな無免許医である。一方、子どもを育てるための夜のお仕事で化粧が濃いぶん、昼間は質素で薄化粧で、ふだんの疲れも顔に滲み出てしまっているお母さん(個人の感想です)。



 そうこうするうち、ライダーの攻撃を受けた怪人の身体から、何かよく分からない光が出る。



 するとみんなのゲーム病がたちまち治る。とりあえず事件は解決だ。



塔 子「大丈夫?」



 陸 「うん」



塔 子「もう痛いとこない?」



 陸 「ない!」


 以上、やつれにやつれた沢井美優さんでした。でも鈴木塔子という立派な役名があって、オープニング・タイトルではゲスト俳優のトップ扱いなのにもかかわらず、ちょっと出番が少ないんじゃないか。



 ……と思っていたら、次回も引き続きご出演だそうだ。やったあ。しかし来週は放送がお休みなので一週間待たなくてはいけない。
 ということで、今回はこれくらいで。みなさん良いお盆休みを。