実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第430回】DVD第3巻:Act.11の巻(8)


前回のコメント欄で百日紅さんが情報提供してくださったように、明日、2013年8月4日(日)にニコファーレでセーラームーン20周記念イベントがある。昨年7月以来ですね。
メインコンテンツは主要スタッフ、キャストそろっての新ミュージカルの制作発表なので、当然ミュージカルの戦士たちは変身後のコスチュームで登場するはずだ。これが最大の目玉であるが、もうひとつ、アニメ関係で何かサプライズがあるらしい。
……って言っても、同日に(新作アニメの主題歌を歌うことが決定している)ももいろクローバーZが、日産スタジアムでライブをやっているのだから、両者が連動して何かあるのだろう。ちまたでは「会場を中継して、ももクロが新作セーラームーンの主題歌を披露するんでしょ」と話題だが、それだけでは当たりまえ過ぎてちょっとつまんない。名古屋支部としては、さらなるサプライズに期待したい。


(1)ももクロの5人がセーラー戦士役で声優に挑戦することが発表される。
(2)実は順調に制作されていた新作アニメの映像の一部がバックに流れる。
(3)アンコールに応え劇場版『悪夢ちゃん』のエンディングテーマも披露。
(4)セーラームーンにも悪夢ちゃんにも縁がある事務所の先輩女優登場!


このくらいやってくれたら、確かにサプライズだったと認めよう。別に私に認められる必要もないだろうが。



1. 真『筆談ホステス』外伝 〜その後の仁義なき戦い〜


土屋アンナの舞台降板騒動が、かなりの話題になっている。ご存知の方も多いと思うが、この8月に東京と大阪で計15ステージほど上演されるはずだったアンナ主演のミュージカル『誓い〜奇跡のシンガー〜』の全公演が、初日を翌週に控えた土壇場でキャンセルになった。同時に公式サイトに、すべての責任は理由なく稽古を放棄した土屋アンナにあり、損害賠償などの法的措置に訴えたいとの厳しい見解が示される。土屋アンナも即刻、原作者に無許可で内容を大幅に改変した運営サイドの過失を公表した。次いで「原作者」濱田朝美がブログを更新し、自分の知らないうちに勝手に舞台化され、泣き寝入り寸前だったところを土屋アンナに守ってもらった、と土屋アンナを全面的に支持。これに応えて運営サイドは、原作者には代理人を通じて承諾をとっているし、原作はあくまで「原案」で、舞台は、実話に基づくフィクションとして構想されているので問題はない、土屋アンナはその台本を読んで主演を引き受けていたはずで、勝手な契約破棄は許されない、と反論。だいたいそんな状況だ。



だいぶ昔ですけど1979年、今村昌平監督が佐木隆三の『復讐するは我にあり』を映画化すると発表した時、深作欣二や藤田敏八や黒木和雄が、こっちが先に許可を得ていたと主張して大いにモメたことがあった。それについて筒井康隆がエッセイを書いていたが、我が国の映画・演劇業界では、酒席での口約束や社交辞令のたぐいでも(書面がなくても)慣例的に正式な承諾の返事とみなされる場合があるので、作家は気をつけなければいけない、とのことである。そういう不思議な常識がまかり通る世界であれば、演出家の言い分にもいちおうの筋は通っている。
が、しかし、今回の件に関して言えば、その後マスコミも注目する中で関係者周辺から聞こえて来るのは、いずれも演出家(制作会社の代表も兼ねている)のいかがわしさを印象づけるエピソードばかり。フィクションとは言え、最後に主人公が死ぬ(としか解釈できない)内容の台本で、アンナがクレームをつけると、「はっきり死んだとは書いてないじゃないか」と詭弁を弄したとか、原作者との摩擦が明らかになると、役者たちに「原作者は被害妄想で言っていることがおかしい」と吹聴したとか、相手役は当初、坂口憲二を予定していると言っていながら、実は坂口憲二には全然オファーしていなかったとか、オーディションでは演技力よりチケットをさばけるかどうかを問われたとか、いろいろ。対するアンナは、リハをボイコットしてファンを悲しませたことは事実だが、でも原作者を擁護して筋を通したのは偉い、さすが姐さん、カッコいいぜ、などなど各方面でその義侠心が讃えられていて、イメージ的には白黒決着ついたと言って良い。



原作者の濱田朝美さん(現在は「天羽柚月」に改名)は、進行中の手足の機能障害と言語障害で介護を受けながらも、車椅子でストリートライブをやっておられるインディーズの歌手で、CDも自主制作している。彼女が2009年9月に刊行した自伝的ノンフィクション『日本一ヘタな歌手』(現在絶版)が、今回の芝居の「原案」である。報道によると、版元の光文社は取材に対して「今般の舞台化につきましては関与しておりませんので、コメントは差し控えさせていただきます」(広報室)と答えているそうだが、でも芝居の資料にははっきりこう書いてあるぞ。


原案 浜田 朝美「日本一下手な歌手」(光文社刊)
協力 宮本 修(光文社)


本の出版を担当した編集者が、社名カッコ入りでクレジットされているのに「関与しておりません」もないと思うのだが。
この宮本修さんという人については、しばらく前のアサヒドットコムに次のような記事が出ていた。


〈本の舞台裏〉 障害持つ人の輝き


 耳が聞こえない銀座のホステスの生きざまと接客術がつづられた『筆談ホステス』と、全盲のママさんシンガー・ソングライターの軌跡を描いた『愛はみえる』の2冊の自伝が話題になっている。本を世に送り出したのは、光文社の編集者・宮本修さん(38)だ。


『筆談ホステス』著者の斉藤里恵さん(25)は最初、尻込みしていたという。宮本さんは「銀座のお店でナンバーワンになったのに、本を出して好奇の目が注がれることで、日常が乱されるのをこわがっていた」と振り返る。宮本さんは「あなたの存在自体が障害を持っている人に夢を与える」と説得。斉藤さんはにっこりと笑って、持ち歩いているメモ帳に「わかりました」と書いた。(中略)5月末の発売直後、書店からの注文の電話が鳴りやまなかった。初版6千部でスタートしたが、これまでに3万部が売れている。


『愛はみえる』は立道聡子さん(27)が自らの生い立ちや、やはり全盲の夫との結婚、2人でもうけた男児のことを丁寧に語っている。宮本さんは、立道さんに4年間も密着取材したテレビディレクター八木里美さん(31)に共著者になることを依頼し、八木さんが立道さんの口述をまとめた。宮本さんは「立道さんの生の感情を伝えられた」と言う。(西秀治)
asahi.com(2009年7月5日


聴覚障害を持つホステスが自らの半生を綴った(当時まだ25だったけど)斎籐理恵『筆談ホステス』と、全盲のシンガー・ソングライター立道聡子に、テレビのディレクター八木里美が取材した『愛はみえる〜全盲夫婦の“たからもの”』は、共に宮本修のプロデュースで、2009年5月に光文社より出版された。前者は北川景子主演で毎日放送でドラマ化、2010年1月にTBS系列で放送され、後者は上戸彩主演のドラマ版が、2010年9月にフジテレビで制作・放送されている。



邪推であるが、これで「ユニークな業種でがんばる身障者のノンフィクションを出版、人気女優でフィクション化して売り上げさらにアップ」という方程式みたいなものができたのではないか。
そして2009年9月に、同じ宮本修氏が担当編集者となって、肢体障害の歌手、濱田朝美の『日本一ヘタな歌手』が刊行され、今年に入って舞台化が発表されたわけである。常識的に考えれば、ここで原作本に重版がかかって、舞台とのタイアップで売り出されるところだが、光文社の原作はすでに絶版(いまヤフオクで高騰中だそうである)著者は光文社とは縁を切り、2013年4月に芸名を変えて歌手として再出発しているという。この辺りになにやら面倒な事情を伺わせる。今回の騒動を受けて、土屋アンナ擁護のために久々に濱田朝美名義で更新された旧ブログのなかでも「元担当」は、著者と演出家を引き合わせ、挨拶をさせた仲介者として振る舞っているし、著者が舞台化にクレームをつけ、演出家が「そんなに許可と言うのなら、別に貴女でなくとも、障がい者はたくさん世の中にいる。違う人に頼んでも良いんだよ!」と逆ギレすると、あいだに入って演出家をなだめたりしている。要するに(ブログの記述を信頼するなら)版権がらみであれこれ関わりをもっているわけで、出版社が「今般の舞台化につきましては関与しておりません」というのはちょっとどうか。一社員の暴走に過ぎないと言いたいのかも知れないが、社員である以上「関与しておりません」とは言えないはずである。
私は、上戸彩さんと小出恵介さんのドラマ『愛はみえる〜全盲夫婦に宿った小さな命』の方は観ていないが、『筆談ホステス 〜母と娘、愛と感動の25年。届け!わたしの心〜』についてはこのブログでも詳しくレビューした(ここ)。水商売の世界なんてよくは知らない私の目から見ても、「ちょっとこれは……」と困惑するくらいピュアに描かれていて、「実話に基づくフィクション」というより、ほとんどファンタジーに近いのではないかという気もした。



ドラマとして面白かったから名古屋支部的には文句はない。「原作者」のリアル筆談ホステスさんも、そもそもが水商売という虚々実々きわまる世界で生きてきたわけだし、実際には綺麗事ばかりではなかったであろう自らのキャリアを、北川景子主演のフィクションとして語り直すことで、何と言うか、まあ過去をロンダリングできたんだから、かなり喜んでいたというのもウソではなかろう。上戸彩さんのドラマの場合も、べつに不満やトラブルは聞こえていないから、同じだったんじゃないかな。
ひょっとするとそれで、エージェントである光文社(もしくは宮本氏)の側に「実話に基づくフィクション(主演は人気女優)であれば、事後承諾でもきっと原作者に喜んでもらえるはずだ」という油断というか過信ができちゃったのかも。それで今回の舞台化も、細かいところまで作者当人と話を詰めないままゴーサインを出しちゃった。ところが舞台を担当した甲斐という人が、これまでになく胡散臭い人物で、フィクションだからと「母との約束をはたした主人公が静かに死んでいく」なんてひどいオチをつけてしまった。それで原作者や役者たちの不審を買い、収集がつかなくなってきた……というのが今回の事件のおおざっぱな流れかなと思うのだが、もちろん私の妄想で裏付けなどがあるわけではない。ただの勘ぐりです。


2. 英語ならムーン、マーズ、マーキュリー、ジュピター(別に英語じゃなくても…)



さて、間が空いてしまったけどDVDレビューの続きだ。Act.11。
愛野美奈子がトラックと接触事故を起こして軽傷を負い、十番病院に入院中という情報を得たうさぎは、居ても立ってもいられず、同じく美奈子ファンのまことと連れ立って十番病院へ潜入。一方レイと亜美はクラウンでまじめにセーラーVを研究中。



亜美はネットであれこれ検索。
非公認サイト「セーラーVファンクラブ」や「セーラーVを見守る会」が立ち上げられていたり、緊急討論「セーラーVは美少女か、そうでないか」が開催されたり、ネット上ではだいぶ美奈子、いやVちゃん人気が高いが、そんななか、ひとつ気になるイベント通知を見つけだす。



「星のまつり」〜月と火星と水星と木星、大集合 ゲストはV 本日12/18開催
会場 I.O.Z HALL



亜 美「レイちゃん、ルナ」



レ イ「ん?星のまつり、月と火星と水星と木星、大集合。ゲストは……V!」
亜 美「これ英語なら、ムーン、マーズ、マーキュリー、ジュピター」



レ イ「私たちのこと。それで、Vは……セーラーV」


亜 美「うん」



ル ナ「うーん、偶然にしては揃いすぎるわね」     
亜 美「今日開催みたいだし、いちおう調べた方が良いかも」


第418回】および【第420回】で、斎藤社長が病室で、手帖を見ながらスケジュールチェックしている場面を詳しく確認した。その結果、このAct.11のお話は2013年12月17日(水)から始まっていることが明らかになった。その後、地場衛が「幻の銀水晶をお願い」という夢にうなされてめざめるシーンが挿入されている。これが真夜中の出来事で、日付が変わって、今このシーンは、すでに12月18日(木)になったということだ。
まだ冬休みにはほんの少し早いが、学校がある日には見えない。うさぎとまことは病院に潜入し、レイと亜美はクラウンでネット検索。この日も祝日か。いや、もうこのへんのことはあまり考えないでおこう。



十番病院の病室には美奈子と社長(池田成志)がいる。美奈子は12時40分より、TVワールドの「JamJam」という番組で電話インタビューを受けることになっていたけど、たぶんそれが終った後ぐらいなのだろう。ノートパソコンを開いて、翌日締め切りのナコナコクリスマスバージョンのデザインをしている。



ここのところ美奈子が不意に居なくなってしまうのが気がかりで、社長はなかなか部屋を出て行こうとしないし、美奈子もしばらくは社長の前で不審な行動は控えたいところだ。しかしアルテミスは、敵が「星のまつり」というイベントを仕掛けて戦士たちとセーラーVをおびき出そうとしている事実をつかみ、美奈子に呼び出しをかける。こうなると従わないわけにはいかない。



謎の声「美奈子、急いで出てくれ」


  頷き、そっと出ようとする美奈子。



斎 藤「美奈子、部屋から出る時はほかの患者さんに気づかれないように」



美奈子「うん、大丈夫」


なんてことをしているうちに、レイと亜美はさっさと「星のまつり」会場までやって来た。ロケ地は六本木のチャペル付き結婚式場&レストラン「タトゥー東京」。ほかにもドラマのロケに使われているが、おそらく最も有名なのは、『ショムニ』と同じころ同じフジテレビで好評を博していた『お水の花道』(1999年)『新・お水の花道』(2001年)の舞台「クラブ・パラダイス」であろう。主演の財前直見さんたちがお客さまをお見送りするとき、クラブの外観に使用されていたロケ地である。



ル ナ「う〜ん」



亜 美「ここね。誰もいないみたいだけど」
レ イ「気をつけて、いやな気配がするわ」

3. ファースト・コンタクト


場面は再び病室。クマのぬいぐるみに話しかけながらネイルケアに余念のない社長。
考えてみると、池田成志さんって、これ以降も特撮などではチョコチョコお見かけするが、セーラー戦士との共演が思いつかないなぁ。と思ってちょっと調べたけど、ホントに共演はなさそう。沢井美優が本当のチョイ役で出演したNHK『キャットストリート』に出ているが、池田成志は第1話で沢井美優は第3話、接点なし。
まあいいや。そんな社長がふと美奈子のいた場所をよくチェックすると、病院のスリッパが放置されている。美奈子はトイレとか売店に行ったのではなく、靴に履き替えて病院から外出しようとしているのだ。慌てて後を追う社長。さあいよいよ、美奈子とうさぎが直接対面を果たします。



社 長「ねぇクマくん、フーして、ふふん」




社 長「……あの子、靴で……まさか!」


╳    ╳    ╳



うさぎ「あれ……あの子……」



社 長「美奈子ぉ!」



うさぎ「え、やっぱり」



社 長「美奈子、美奈子」



まこと「なんだあの人」
うさぎ「もしかして妖魔、美奈子が危ない」


╳    ╳    ╳


  非常階段を降りてゆく美奈子。
  だがその時、社長の悲鳴が。



社 長「ぎやあああ」



  慌てて階段を駆け上がる美奈子。



社 長「あいててててて」
うさぎ「美奈子になにする」



美奈子(セーラームーン、どうして?)


予期しなかったプリンセスとの対面に動揺する美奈子。はたしてセーラームーンの目的は?
というところで以下、次回に続く。








おまけ】新ミュージカル制作発表