実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第338回】DVD第2巻:Act. 8の巻(その13)


スティーブ・ジョブズの仕事のなかで一番クールだったのは、スカリーと衝突してAppleを離れていたときに立ち上げたNeXTだと思うんだけど、違うかな。
私が(仕事の都合もあって)Macユーザーになったのは20余年も前の話だが、本当はNeXTのパソコンが欲しかったんだよ。実は雑誌で読んで写真で見ただけで、触ったことすらないんですけどね(笑)。
NeXTのコンセプトやアイデアが後代に及ぼしたインパクトには、iPhoneやiPad以上のものがあると思う。OSやWebブラウザについて考えるとき、私たちがあたりまえに前提としているイメージのかなりの部分は、NeXTによってもたらされたものだ、という言い方もできる。
まあ偉そうに蘊蓄を傾けるほどITに詳しいわけでもないのでこのくらいにしておくが、ちょっと追悼したくて書いてみた。

1. 最近のプリンセス


さて、次の水曜日に、松嶋菜々子主演『家政婦のミタ』第1話がオンエアされる。沢井さんがゲスト出演されるそうだが、公式HPには名前もそれらしい写真もないや(涙)。
仕方がないので代わりににこちらのCMをどうぞ。



名古屋ではオンエアされていない。少なくとも私は観ていない(もし中京地区で「家政婦じゃないけどミタよ」という人がいたらコメント下さい)放送されている地区はどことどこなのか。

2. さよなら〜sweet days


前回にも書いたように、このブログ、今月いっぱいはわりと短めの記事で切り上げるつもりです。仕事が今年最後のピークで、週末も家で準備しなきゃならない書類が色々ある、というのが理由のひとつだが、実はそれよりおおきな問題として、週末が来ても、な〜んかやる気が起きない、というのがあるな。


*背後にぼんやり見えるのは霊ではありません


先々週までは、土曜は午前5時には目をさまし、テレビを点けっぱなしでノートパソコンをパタパタ叩いていた。名古屋では「ウォーキング天気」などという非実用的なコーナーはオンエアされなかったし(そういう理由ではない)みゅうみゅうの出番なんてごくわずかだから、天気予報とクイズと特集の合間にブログの記事をけっこう書けた。
いや今だって、テレビをつければ宮本さんとかモッチとかアズーとか上重は相変わらず元気に出ているんだろうけどさ。ていうか、最近はみゅうみゅうよりもモッチを観ることが目的だったような気もするが、実際にみゅうみゅうが降板してみると、習慣で早朝に目を覚ましても、テレビを点ける気すら消え失せているのが自分でも驚きである。
 まあとにかく、三年間おつかれさま。楽しかったよ。ありがとう。

3. さらにしつこくあのシーン(補遺)


本題に入る前に、前回、ワゴンで脱走するシーンの、台本には書いてないセリフを拾っておくつもりで忘れていたので、リプレイします。


レ イ「とめてよ」
まこと「やだね。とめないよ」
レ イ「バッカみたいじゃん」
まこと「いいじゃん」



まこと「行くよ〜」



レ イ「行け〜」


何度も何度もすまぬ。でも何度観てもいい場面ですね。
「行くよ」「行け〜」も含めて、ここのセリフはすべて台本に無い。アドリブとも思えないし、たぶん監督が決めたんじゃないかと思う。いかにも躍動感があって、同時録音みたいな気もするが、アフレコかも知れない。いやもうぜんぜん分からなくてすみません。

4. 仮面の女 平井愛子


台本に無いといえば、ここから後も、基本的な流れはともかく、細々と監督の手が入って、台本に無い要素が加えられていることが分かる。たとえばこの次のシーン、ジェダイトVSセーラームーンを比較してみましょうか。オリジナル脚本ではこうなっている。

<シーン31>会場


   ピアノの旋律が流れている暗い会場内に、なる達参加者が倒れ伏してる。
   その中に立っているうさぎ。
うさぎ「なるちゃん……?何なの、これ」
   突然、正面に浮かび上がるジェダイト。
うさぎ「!」
ジェダイト「見つけたぞ、セーラームーン……」
うさぎ「確か……。ジェ、ジェダイト……!」
ジェダイト「貴様をこの手で……!」
うさぎ「ムーンプリズムパワーメイクアップ!」
   うさぎが変身。
   かろうじてジェダイトの攻撃を受け止める。


このあたりは、脚本家もたぶん、まあ細かいところは現場の状況次第で変わっていくだろうな、くらいの気持ちで書いているような気もしますね。たとえば最初のところ、台本には「なるちゃん……?何なの、これ」としか書かれていないが、その場には香奈美や桃子も倒れているわけで、当然うさぎのセリフも「なるちゃん、なるちゃん……香奈美、桃子……何なの、これ」という感じだ。



この場面で、なんだかよく分からないのが香奈美だ。香奈美はここでもナコナコの着ぐるみをかぶっている。実はこのAct.8で、香奈美は一度も顔を出していない。学校の廊下で、みんなで「クピッ!」の練習をしているときでも、ナコナコなりきりコンテストにエントリーするために行列を作っているときも、手作りのナコナコの頭をかぶっていて、顔が見えない。このシーンでも、かぶりものをしたまま倒れている。



何なんだこの人。
ひょっとして香奈美役の平井愛子が、どたんばで病気するか何か、都合で出られなくなっちゃったので、代役でごまかしたのか、なんて可能性も考えてみたが、しかしDVDの特典映像に収録された未使用シーン(まだコスチュームの準備ができていないときの練習風景)では、ちゃんと出演してるので、そういうことでもないらしい。



それで私、考えたのですが、香奈美はAct.6で、けっこう高価そうなカメラをもって、ストリートバスケのタケル少年の追っかけをやって写真を撮っている。そしてず〜っと後のAct.30で、うさぎが(黒木ミオの悪だくみにひっかかって)美奈子のシークレットライブを企画すると、やはり同じようなカメラを持参してくる。



この件に関して、コメント欄で「香奈美はカメ子ではないか」と指摘したのはStreamKatoさんだったと思うが、そういう香奈美のキャラ設定ってスタッフが考えたことだろうか。私は、ひょっとすると、Act.6で出てきた「香奈美はカメラ少女」という設定を大事にキープして、Act.30で再利用したのは平井愛子自身だったのかも知れない、と思っている。そしてひょっとすると彼女は、このAct.8でも、なんらかの信念のもとに役を作り込んだ結果「香奈美は今回、終始かぶりものをしなければいけない」という演技プランを立てたのだ。どういうプランかは知らないが。
えーと、「香奈美は背が小さいんだけど、なんとかナコナコなりきりコンテストで審査員にアピールしたい、という気持ちが強くて、ナコナコの首から上の着ぐるみを作って、ずーっとかぶっている」みたいな。
ちなみに、平井愛子はこの春、『侍戦隊シンケンジャー』のシンケンピンクこと高梨臨や『キューティー・ハニー THE LIVE』の「白いハニー」竹田真恋人と一緒に、「劇団†勇壮淑女」の公演「ゾビンとミルルのグルグルしたハナシ」(2011年3月30日〜4月3日、中野ザ・ポケット)に客演したそうだが、そのことを告知してから半年ちかくもブログの更新がなくて、ちょこっと心配だったりもした。そうしたら、そういう私の気持ちが通じたのか、このブログを書いている10月8日の土曜日にひさびさの更新があって、ホッとしました(ブログはここ)。やれやれ、ちびっ子元気だったか。
一方、桃子役の清浦夏実は、この間お伝えしたとおり、久々にアニメのエンディングテーマを歌っている。サンライズ制作、NHK教育テレビの『ファイ・ブレイン』(毎週日曜日午後5時30分〜)で、裏番組は『笑点』である。シングルCDリリースの発売日は11月23日。まだジャケット写真が公開されていなくて、ブログによれば、先日撮影したとのこと。ジャケットデザインが公開されてから、改めて御紹介したいと思います。

5. まるでレ●ル●さんのように……

で、台本ではここで突然ジェダイトが表れることになっているが、完成作品では、ここで一瞬、ダーク・キングダムに場面が映り、すぐにこっちに戻る。田崎監督は、わりと台本よりも場面をこまかく割ってテンポを出すタイプだと思う。

ゾイサイトの幻想即興曲はいまや絶好調!



ゾイサイト「飛べ!」



コンテスト会場の壇上に瞬間移動するジェダイト。


忽然と現れるジェダイト 安座間美優の後ろのレ●ル●さんみたい


ジェダイト「見つけたぞ、セーラームーン……」



この時の台本のジェダイトのセリフは「見つけたぞ、セーラームーン……貴様をこの手で……!」となっていて、この手でどうするかがよく分からないが、完成作品のジェダイトは、言葉ではなく態度で示す。「見つけたぞ、セーラームーン」と言うなり、セーラームーンをめがけてダッシュして、ラリアートをぶち込もうとするのだ。文字どおり「この手で」倒そうとするのである。カメラはそれを横移動で捉える。
これを受けるうさぎも、台本の印象よりも精悍で敏捷だ。台本では「確か……ジェ、ジェダイト……!」と、やや狼狽しながらも「ムーンプリズムパワーメイクアップ!」と反撃の体勢を整えるのだが、完成バージョンではジェダイトラリアートを素早く交わして変身する。さすが沢井美優である。

ジェダイト「見つけたぞ、セーラームーン……」


うさぎ「確か、ジェダイト……!」



ジェダイトダッシュ



ジェダイトラリアート!



空振りだぁ!



うさぎはすばやく体勢を整え



うさぎ「ムーンプリズムパワーメイクアップ!」


変身バンクは省略させていただいてよろしゅうございますね。どうしても観たいという方はこちらでどうぞ。

6. くるりんぱ(もしくは、たまらさん名前をつけてください)


この後のアクションについて、台本のト書きは「うさぎが変身。かろうじてジェダイトの攻撃を受け止める」と素っ気ないが、演出はなんだか色々なことをしている。
まず驚かされるのは、ジェダイトの卑怯な掟破りである。なにしろまだ変身ポーズを決めている最中のセーラームーンの背後から首を絞める。ひどい。



卑怯な不意うちからもがいて逃れようとするセーラームーンだが、ジェダイトはその手をつかんでハンマーに固めてぶんまわす。なんだか痴話ゲンカみたいだ。



で、この後がよくわからないんだが、中学とかでやったフォークダンスみたいな感じで、ジェダイトがくるっとセーラームーンを回す。オクラホマミキサーってこんな感じじゃなかったか?これは一体、攻撃なのか?



で、正面に回ったところで前蹴り。蹴られた勢いでセーラームーンは会場外へ飛び出して、ジェダイトも後を追う。



いわばリングアウトであり、ここからが場外乱闘である。ま、技の詳細については、また、たまらさんが来たときにでもお伺いして、技の名前もつけてもらうこととしよう。


あれ、今日のブログは短くなるって冒頭に宣言したのに、何かいつもと変わらなくなってきた。もう終わりにしよう。
アクションシーンを克明に解説したのは、意味がよく分からないからだ。そのことについては【第256回】にも詳しく書いたけど、あらためて確認しておきたい。
このAct.7とAct.8で、パイロット版の監督だった田崎竜太はセーラームーンを去り、仮面ライダー555に専念することが決まっていた。でもまだセーラームーンに関しては「アクションシーンをどうするか」という課題が、半分くらい未解決のまま(いや、もっとか)残されていた。だから田崎パイロット監督としては、この最後の登板で、アクションシーンの基本方針をある程度はっきり示したかっただろう、と思うのだ。
実際、Act.7冒頭の、東京ドームでの納豆妖魔とセーラームーンの戦いには、そういう「戦闘シーンのお手本を示す」という意志を感じることができた。初期に試みたヒラヒラ路線はもう少し抑えて、そのぶんシリアスな方向性にもっていく。本人たちのアクションも積極的に採り入れる。沢井美優が中心ならできる、だいたいそんな感じだ。
でもそうすると、このAct.8のアクション演出って、どういうことなのか。自分が担当する最後のセーラームーンのエピソードの、最後の変身アクションに、掟破りの「変身ポーズ中に後ろから首を絞める攻撃」とか、ラリアート空振りからキックでロープアウトで場外乱闘というプロレス的試合展開とか、沢井美優の高い身体能力でそれらしく見えているけどなんか間の抜けたコスプレジャージとか、そういうのをぶちこんだこのアクション場面には、これでセーラームーンを去る田崎監督の、どのようなメッセージを読み取ればいいのだろうか。



てなわけで、以下次回。結局ちっとも短くなっていないじゃん。



実際、この三年間、土曜日が楽しかったよ。