実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第843回】DVD第5巻:Act.18の巻(02)





 中川龍太郎監督の新作『やがて海へと届く』の公開日が決定。なんか、緊急事態宣言とかの影響で予定が伸びないことを願う。




 何度も書くけど、楽しみですね。
 まったく関係のない話だし、前から言っていることだけど、NHKオンデマンドはどうして有料なのか。私の理解では、受信料とは国民に義務化されたサブスクリプション制である。この解釈はたぶん間違っているんだろう。でも単純に考えて、受信料は国民の義務と主張したいなら、前提として、NHKオンデマンドのコンテンツを国民全員が無料で享受できるシステムになっているのが筋だろう。違うかな(やっぱり自信がない)。私は小林靖子の『岸辺露伴は動かない』を全話もう一度じっくり観たいんだけど、そういうわけでオンデマンドの有料視聴に納得がいかなくて、今のところ我慢している。



 そういえばテレ朝の今年(2022年)の春ドラマのラインアップに『家政夫のミタゾノ』第5シーズンが決定したらしいけど、初めて「ミタゾノの呪い」を跳ね返した飯豊まりえの(詳しくはここ)、初の2シーズン連続出演に期待したい(ほんとうは伊野尾くんもシーズン3と4とに続けて出演しているけどね)。



 さて本題。実写版セーラームーンAct.18レビューは、ひさびさのダーク・キングダムから。しかし今回のエピソードはは全体的に青春ドラマしていて、ダーク・キングダムのパートですら、観ようによっては学園ドラマの一シーンのように思えてしまうところが楽しい。
 



クンツァイト「ジェダイト、エナジーを集めるはずが、何もしないうちにセーラー戦士どもに追い払われたらしいな」



ジェダイト「まだ終わったわけではない。これからゆっくりとエナジーを頂くつもりだ」



ネフライト「それにプリンセスも見つかった。幻の銀水晶も合わせて、ベリル様に」



ベリル「期待しておるぞ。二人が力を合わせれば、かなうはず」




クンツァイト「弱い者ほど節操なく群れる」



ベリル「クンツァイト、少しは口を閉じておれ!」


 以上、いがみ合う不良生徒とそれをいさめるヤンクミ先生でした(古いね)。そういえば杉本彩って「女教師」役をやっていそうで、多分やっていないね。彩さんだったらまだいけるのではないかと思うが、ただ杉本彩の「女王の教室」なんて聞けば、特殊な性癖の男性ばかりが集まってしまい、難しいことになるとは思う。



 さて十番中学。今回の先生は、Act.16には出ていた(そして英会話の練習でうさぎと山本ひこえもんを組ませた)担任の桜田先生(大寶智子)ではなくて、Act.17でクッキー作りの指導をした家庭科の菊池先生だ。演じているのは松井涼子さん。小林靖子作品で言うと、この後、映画『劇場版 仮面ライダー電王 俺、誕生!』で、主人公の良太郎(佐藤健)の、幼年時代のお母さん役で出演されている。



 ちょっと待った。そういえばこのシーンは、撮り直されているんだった。まずはDVD収録の特典映像より。



菊池先生「はい、あらぁ、頑張ったじゃない」



菊池先生「88点」
な る「ホントですか? やったぁ!うふ」



菊池先生「はい水野さん」



菊池先生「あら、さすが綺麗ねぇ。そうね、93点」



亜 美「……93点……」



菊池先生「月野さん」



菊池先生「月野さん、これじゃマフラーじゃなくてハンカチよ。一体どうしたの?」



うさぎ「……すいません……」


 第16話でセーラーマーズから「亜美ちゃんは100点を狙いすぎよ」と言われてから、まだ2話しか経っていないのに、93点で軽くヘコんでいる亜美(笑)……はともかく、この、最後の菊池先生とうさぎのやりとりの撮り直しから(どちらの台詞もちょっと変更されている)実際の本編は始まっています。では改めてスタート。



菊池先生「月野さん…、これじゃ、マフラーじゃなくてハンカチよ?!」



うさぎ「……はい」



な る「どうしたの? 地場くんにあげるんでしょ?」



うさぎ「ううん。それはない。あの人、彼女いるし」



な る「ウソっ、そうなの⁈ ヤダもう……」



╳    ╳    ╳



亜 美「そうか、うさぎちゃん、あの人のこと……それで編めなかったんだ」



うさぎ「この毛系買った時さ、本当は心の中で、タキシード仮面じゃなくて、地場衛に合わせてたんだよね」






うさぎ「だから編もうとすると、どうしても気になって、編めなくて」



まこと「まったく意外すぎだよ、嫌ってると思ってたのに」
うさぎ「私だってそう思ってたもん。でも気がついたら……」



まこと「気がついたら彼女がいたわけか……で? あきらめんの?」



うさぎ「え?」
まこと「地場衛のこと、あきらめるわけ?」



うさぎ「だって彼女すごい可愛いし、優しそうだし」



まこと「そんなの関係ない。タキシード仮面好きになるより、よっぽどいいよ。彼女だってどの程度付き合ってるか分からないんだし」



まこと「よし。じゃあ私が情報を集めてあげる」



うさぎ「そんな。いいよ、私……」



まこと「うさぎ、こういうのは、やれることはやっとかないと、後悔するよ」


 小林靖子が、物語優先ではなく、キャラクター優先の作劇術をはっきり確立したのが、前作『未来戦隊タイムレンジャー』だと思う。そして全話を単独執筆したこの実写版セーラームーンでは、その手法がさらに洗練されている。登場人物の感情の流れに基づくキャラクターの出し入れが、話の流れを決めてゆく。大阪なると木野まことは、もともとうさぎをめぐって競合する立ち位置にいるので、これからまことのキャラクターを前面に出すために、どこかでなるを撤退させなければならない。だからAct.15での恋のキューピッド役、Act.16とAct.17での亜美との確執と和解という花道を、なるのために作ってあげた。そしてAct.18のこの場面から、なるの担当だったうさぎの恋の応援役を、何かと面倒見の良いまことが交替することになる。その面倒見の良いキャラクターは、やがてまことと元基を結びつけてゆくだろう。



 一方、教会にはレイが自転車で乗りつける。2011年に北川さんがソニーのデジタルカメラ「サイバーショット」のCM「沖縄旅行編」で自転車に乗った時、自転車にのるのはだいたい10年ぶり、みたいなことを言っていたが、ということはこのとき以来、ということになります。



 同じ年のフジテレビ『謎解きはディナーのあとで』第5話(2011年11月)では、お嬢様は自転車の練習をしていた。また同じくフジテレビの『探偵の探偵』第9話(2015年9月)では、なかなかハードな自転車でチェイスというシーンもあった。



 北川さん作品の自転車シーン特集というのも、良いかもね。なんて脱線しました。話を戻して、ここでまたまた、美奈子とレイの意地の張りあい……というよりも、美奈子が一人で突っ張っていることがよく分かるシーンが挟まれる。レイがドッグフードを抱えている様子を見て、手ぶらできてしまった美奈子は「しまった」という顔ですぐにタクシーを出すのだ。









美奈子(あっ、ドッグフード)



美奈子「運転手さん行ってください」




 レイのほうはまあ「何だ?」ってきょとんとしている感じ。まったく美奈子ってば。というあたりで、そろそろ更新したほうが良い時間になってきたかな。では今回は、このくらいにしておきましょう。またね。