実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第822回】天国と地獄の巻(泉里香『高嶺のハナさん』第9話)


 う〜ん。ちょっと心配だったので、うちでも盛り上げようとした『キネマの神様』の興行成績がねぇ、週末興収7200万円で7位スタートか……。



 山田洋次監督作品の興行成績は「寅さん」終了後の『学校』シリーズや『虹をつかむ男』シリーズのころにだいぶ低迷して4億円、5億円の時もあったんだけど、『たそがれ清兵衛』で時代劇に転向してからは10億円台に復調し、その後は吉永小百合や松たか子と組んで、時にはけっこうなヒットも飛ばしている。最近(2016年〜2018年)の『家族はつらいよ』3部作のうち、2作目(9億3000万円)と3作目(9億5000万円)は低かったが、それでもまあ10億円弱と言って良い、昨年の『男はつらいよ お帰り 寅さん』(2020年)なんか、15億円を叩き出している。私も、吉岡秀隆と後藤久美子による大人の恋愛ドラマに、不覚にも涙してしまった。



 それらに較べると『キネマの神様』の場合、先ほどの初週末興行成績から考えると、最終的には5億円か6億円は行くかな、という数字で、確かにやや淋しい。私自身がまだ映画を観ていないので、批評も飛ばし読みしかしていないけど、プロのライターたちがおおむね御大に敬意を表しているのに対して、ネット上のシロウトたちは歯に衣着せない感じ。ただ北川さんはどちらからも高評価で嬉しい。今回は、北川景子が山田洋次作品に出演してきちんと評価を得ることが重要だったわけで、いちおう目的は果せた(何の?)。



 さてお盆休みでありますが、わたくし在宅ワークに忙殺されているため手短に『高嶺のハナさん』第9話の最初の方をいっちゃおうと思います(2021年6月5日、BSテレ東、原作:ムラタコウジ/脚本:宮本勇人・内藤亮瑛/照明:丸山和志/撮影:神田創/監督:内藤亮瑛/プロデューサー:瀧川治水・清家優輝)。ここから最終話となる第12話までは、第1話と第2話の内藤亮瑛が担当、脚本クレジットにも名を連ねてドラマをまとめてゆく。本日はオープニングの「地獄」(イチゴちゃん)と「天国」(ハナさん)の対比場面。



ナレーション<彼女は天井苺(あまい・いちご)。社内随一のあざとかわいい女子である>



ナレーション<人生イージーモード…… だったものの、ダメ社員、弱木強(よわき・つよし)に恋をして>



ナレーション<コクって、フラれて>



ナレーション<人生ハードモードへ突入したのだった>



 あっ、申し遅れましたが、このドラマのナレーションは子どもの声である。恋愛レベルは小学5年生、という設定にちなんでいるのかな。語っているのは新津ちせ。言わずと知れた『君の名は』のアニメ監督、新海誠さんの愛娘で、NHK発の大ヒット曲「パプリカ」を歌っていた小学生ユニットFoorinのメンバーで、日本語版『アナと雪の女王』ではアナの少女時代の声を担当……って、なんだかすごい11歳。セーラームーン的には、ネルケ版第一期セラミュの締めくくりとなった『ミュージカル 美少女戦士セーラームーン-Le Mouvement Final-』(2017年9月 - 10月)で、ちびちび(ダブルキャスト)を演じ、セーラーコスモス役の大久保聡美などと舞台を踏んでいる。



 そして実は泉里香とも、すでに3年前に共演しているというのだから、おっそろしい子である。ドラマ『海月姫』第9話(2018年3月12日、フジテレビ)より。




 さて、イチゴちゃんが(たぶん)人生最初のガチ恋に破れてやさぐれている一方で、いま人生の頂点というか、ルンルンなのがこっちの人。



ナレーション<高嶺華と弱木強が取り組むクールジャパン・オカシ・プロジェクト、通称COPのプレゼンテーションが間近に迫っていた>



 華 「聞かせてちょうだい」



弱 木「はい」



弱 木「お歯黒チョコ。歯に優しい、柔らかいチョコです」



弱 木「歯が真っ黒になって、おもしろい顔になります」



 華 「歯が真っ黒になって喜ぶ現代人がいる?」



弱 木「なるほど~」



 華 「じゃない!」



弱 木「切腹ストロベリー」



弱 木「日本といえば侍。侍といえば切腹」



弱 木「切ったお腹から、新鮮なイチゴゼリーがバーッと飛び出す」



 華 「イチゴを血に見立てたら、食べづらいでしょ」



 華 「その発想なかった、じゃないでしょ!」



弱 木「耳なし芳一クッキー」



弱 木「日本で有名な怪談を楽しみながら耳を食べられます」



 華 「食べたら呪われそう」



 華 「ほめてない!」



弱 木「福袋寿司」



 華 「お菓子じゃなくなってる!」



弱 木「お年玉」



 華 「食べ物ですらない!」



弱 木「……以上です」




弱 木「……だめですか?……」



 華 「1ミリでも良いと思ってるなら、一度死んだほうがいいわね」




 華 (最高!)



 華 (2人きりで弱木きゅんのダメダメな企画を堪能できるなんて天国すぎ!)



弱 木「今日中に別案を考えてきます」



 華 「待ちなさい!」



マーキュリー「うさぎちゃんを、返して!」


 あっすみません、ワザとらしく間違えました。ちなみに、ご本人もとっくに忘れちゃっているだろうが、私は以前、M14さんにそそのかされて「実写版セーラームーン全編のなかで、誰が何回『待ちなさい!』と言っているか」を調べたことがあります。詳しい集計はそのときのブログ(第124回)に譲るとして、結論だけ紹介しときますね。


 以上、集計すると「待ちなさい」というセリフが出なかったエピソードがぜんぶで27話とけっこう多い。残りの22話のうち、Act.4、Act.17、Act.33の3話では2回「待ちなさい」が出て来るので、実写版では総計25回の「待ちなさい!」(まこと・ジュピターは「待て!」)が言われたことになる。内わけは、やはりうさぎが最も多くて10回(変身前3回・変身後7回)、次いでレイの7回(変身前2回・変身後5回)、後はまこと3回(変身前2回・変身後1回)、美奈子2回(変身前のみ)、ルナ2回(変身前と後、1回ずつ)といった感じで、亜美はAct.14の1回(変身後)きりである。



 亜美が少ない理由としては「こっちよ!」「逃げても無駄よ」などの、インパクトのある名セリフに恵まれていた、ということが考えられる。唯一、渾身の「待ちなさい」が、大好きなうさぎちゃんをクンツァイトに連れ去られたAct.14だというのも、ちょっと心温まる話です。


 つまり泉里香にとってはAct.14以来の「待ちなさい!」になる、と。まあ、ほとんどの人にとってどうでもいい情報でしたね。はい、じゃあ『高嶺のハナさん』に戻ります。



 華 待ちなさい! プレゼンの締め切りまで時間がないから、ここで一緒に考えましょう」



弱 木「わかりました」




 華 (やった~!)



 華 (これで弱木きゅんと一緒にいられる)



 華 (でも、ちょっと待ってよ。これってパワハラかな?)



 華 「無理しなくていいのよ。自分の席のほうが仕事がしやすければ、そっちでも」



弱 木「ここのほうが、集中してできそうなので」



 華 (はぁ~ 天国!)


 大事な企画のプレゼンをしなければならない締め切りが迫っているのに、ロクなアイデアが出ない。普通なら眼の前が真っ暗になるところだが、企画がゴミすぎればゴミすぎるほど華にとっては快感なのだ。ここ、最終回の最後のセリフ「もう発想がゴミすぎて逆に可愛い!毎回毎回、弱木の仕事がもう地獄すぎて気分は天国!」の伏線と言っていいのかな。だから締め切りギリギリまで、使い物にならないアイデアばかり出し続けてもらったほうが、華にとっては天国なのである。地獄が天国。いや、私自身、いまちょうど大事なプレゼンを控え、アイデアがいまいちまとまらない状況なので、このハナさんのメンタルは信じられない。そっちが気になるので、私はもうブログをこのくらいで終わりにして、仕事に戻ります。ではまた。



 そういえば、WOWOWオリジナルの松岡昌宏主演ドラマ『密告はうたう 警視庁監察ファイル』は8月22日から放送開始だそうだ。予告を泉里香は制服警官の姿なので、捜査側かと思ったら、これは内部告発に基づいて、警察が警察内部の不正や犯罪を暴くという話だそうで、泉里香は捜査の対象になるみたいだ。全6話。WOWOW加入者限定だが、これも見逃せない。色々あってたいへんです。