『リコカツ』落ち穂拾いの続き。第7話で咲(北川景子)が文芸部の小松原編集長(濱田マリ)に離婚届を見せる場面(北川さん顔がちょっと笑っているかも)。手前に積まれている本の中に、『脳みそとアップルパイ』と『砂にまみれたアンジェリカ』のタイトルが見える。どちらも泉澤陽子が脚本を手がけたTBSドラマ『大恋愛』のなかに出てくる間宮真司(ムロツヨシ)の小説のタイトルなんだが、この二冊に挟まれた本のタイトルがよく分からないんだよね。
拡大してみると「チャワンを落としただけなのに」と読めるのだが、ややボンヤリ。どうだろうか。ブルーレイとか買う人がいたら、拡大して確認してみてくれ。
さて、前回コメント欄の最後の方で、『ナイト・ドクター』の小松彩夏の役どころというか、ドラマへの絡み方が昨年の『アンサング・シンデレラ』最終回と同じ感じだ、というご指摘をちょうだいした。そうしたら、この2つのドラマはどちらもフジテレビ野田悠介プロデューサーの作品だった。
私は『アンサング・シンデレラ』を見逃していたのだが、同じプロデューサーが手がけた医療ドラマってことで、タイミング良くTVerで再配信されていた。ちょっと観てみよう。
フジテレビ木曜劇場『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』第11話「大切な日常、それぞれの未来」です(2020年9月24日、原作:荒井ママレ/脚本:黒岩勤/照明:富沢宴令・藤本潤一/撮影:長谷川諭/プロデュース・演出:野田悠介)。オープニングですね。
主人公、薬剤師の葵みどり(石原さとみ)が田んぼのなかを自転車飛ばしてやってきたのは、萬津産婦人科病院。分娩室には産気づいた米川理恵(小松彩夏)と夫の和馬(牧田哲也)を、助産師の木下佳純(伊勢志摩)と加藤静香(水田萌木)、それに若手医師の道場健太郎(前原滉)が取り囲んでいる。
出産の様子を外から見守っている子どもたちは五人。なんとこれが六人目の出産である。子役たちのなかには、鈴木福君の弟(鈴木誉)と妹(鈴木楽)が紛れ込んでいるぞ。みんな小松彩夏が生んだのか。
佳 純「いきんで」理 恵「んん~っ」
加 藤「はい目開けて」佳 純「いい調子、いい調子」
道 場「いきみ方いいですよ!頭きてますからね」佳 純「向き、変わったね。道場先生、脚かかえて」
道 場「はい」佳 純「大きく吸って! いきんで!」
理 恵「んん~っ」和 馬「理恵!大丈夫か? 落ち着け! 落ち着け~!」
佳 純「米川さんちょっと黙ってて!もう慣れてるでしょ!」
道 場「もうすぐですからね!」
子ども「みどりちゃん!」
子ども「お母さんどう? 生まれそう?」みどり「うん順調だよ。もう6回目だから余裕って言ってたし」
(産声)
佳 純「理恵さん、元気な女の子ですよ~」
理 恵「何度産んでも、感動……」
和 馬「ああっ……」
(たおれる音)
佳 純「毎回たおれてるし」理 恵「また?」
みどり「米川さん 大丈夫ですか!?」
理 恵「みどりさん、いいよ、もう放っといて」
佳 純「みどり。廊下のベンチに出しといて」みどり「はい!」
みどり「理恵さん、おめでとうございます」
みどり「みんな手伝って」
子ども「またかよ~」
なるほどそういうことか、いやね、昨年暮れのブログ(ここ)でこのドラマについて触れたとき、小松彩夏がブログで「子供は何度産んでも感動です 笑」と言っているのを読んで、「こまっちゃんそんなに出産シーンの経験あるっけ?」みたいな疑問を書いたんです(妊婦はドラマ『子ほめ』と映画『Miss ZOMBIE』で経験ずみだけど)。でもこれは、たんにドラマのセリフだったんですね。失礼しました。
にしても、確かにコメント欄でご指摘いただいたとおり、ちゃんとセリフはあるし、主人公とも絡むけど、基本的に物語の展開とはなんの関わりもないという、美味しいのか残念なのかわからない役どころ。小松彩夏らしいといえば小松彩夏らしい。
あっそういえば(突然ですみません)3月の荻野可鈴に続いて、志田友美も6月いっぱいでタンバリンアーティスツを離脱した。5月に出した写真集のタイトルが「リスタート」で、髪の毛も切っていたもんな。
おキレイでスタイル抜群の志田さんだから、いろんなところが放っておかないだろうとも思うが、これまでの経緯を考えると、たいへんはたいへんだろうね。小松彩夏さん、とりあえずフリーになった同郷の後輩を励ましてやってください。
さあ『高嶺のハナさん』再起動……だが、今回もここまでで、だいぶ力をつかい果してしまった。あまりたくさんは進められません。すみません。
チャラ田(猪塚健太)から「高嶺さんのことをどう思ってるんだっけ?」とカマをかけられた弱木君(小越勇輝)は、精いっぱいのリスペクトを込めて「高嶺さんのことはタコ焼きのタコみたいな存在だと思っています!」と宣言。
ここで弱木がいきなり、ハナさんの大切さを「タコ焼きのタコ」と喩えるのは、原作的には、弱木がかつて大坂で暮らしていたことを暗示する重要な伏線である(そうかぁ?)。原作では、次の6月の人事異動で、総務からやってきたイチゴちゃんと一緒に、大阪から淀屋橋ウメがやってくる。この子が弱木の幼なじみで、弱木のことをツヨシ、ツヨシと呼んで、やたらと馴れ馴れしい。ハナさんとイチゴに共通の仮想敵ができるのである。
でもドラマ版では、淀屋橋ウメが登場する余裕もなく物語は終わるので(続編に期待したいですね)この「タコ焼きのタコ」発言から弱木が大阪出身であるという話は展開せず、ただ、チャラ田が弱木の家でタコ焼きパーティーすることを思いつくだけだ。タコパの雰囲気はまあまあ原作マンガに近い。ただハナさんだけがちょっと違う。原作のハナさんはドキドキしっぱなしなのに、泉里香はテンションあがりまくりで浮かれている。
ほぼ原作に忠実に物語が進行するのは、ここらあたりまで。ドラマ版は第6話(2021年5月15日、BSテレ東、原作:ムラタコウジ/脚本:宮本勇人・内藤瑛亮/照明:丸山和志/撮影:神田創/監督:内藤瑛亮/プロデューサー:瀧川治水・清家優輝)。ちょうど折り返し点で、まだまだ連載中で新キャラも登場する原作から離れて、結末への流れを意識しはじめる。その場合、いちばんキャラが変わってくるのはチャラ田で、原作のチャラ田は、このあたりで少しシリアスモードをチラ見せはしたが、結局その後も、にぎやかしのカン違い野郎のままである(だから玉砕もしていない)。一方ドラマ版の猪塚健太は、このあたりから、次第にハナさんに本気なところも見せるようになり、物語に絡んでくる(だから最後に玉砕する)。
イチゴちゃん(香音)は、弱木への恋に悩むようになってから、ふわふわした生き方をやめて、真面目ちゃんに変わっていくところは基本的に一緒。
ただ心配なのは、ドラマ版のイチゴちゃんは、シリアスになればなるほど深酒になっていくのだ。原作マンガのイチゴもコンビニに自転車で駆けつけては飲んでいるが、せいぜいワンカップ一杯か、もう少しライトな「ほろよい」系のカクテルだったりビールだったりする。
がしかし、ドラマ版のイチゴは日本酒一本やり。それもコンビニ前で、一人ガチ飲み。ナンパをかける男もいない。メチャクチャ可愛いとはいえ、ここまでやさぐれていると、声をかけづらいのかね。
ほぼ居酒屋のおっさん状態である。手にしているカップには「OWN CUP KOMUSUBI BIG 300」の字が読み取れる。「オウンカップ小結ビッグ300」これはつまり「ワンカップ大関ジャンボ300」のことである。
ラベルの上部に赤い帯で「たっぷり300mlの飲みごたえ」と書いてあるところまで本家と一緒。で、もういちどコンビニ前のイチゴちゃんの傍らを拡大してみてみると、空のワンカップが七つあることがわかる。
うち300mlのビッグサイズが手前のふたつ(ひとつはテープに隠れて見えにくいが、下の方にちゃんと「ビッグ300」の表記が見える)。残りの5つが通常の180mlサイズ。それからいま現在イチゴちゃんが手にしているのはビッグ300。全部合わせると1800ml。つまり、いま飲んでいるカップを空ければ、ちょうどひとりで一升瓶を空けたことになる。いくらなんでもコンビニ前で一升酒はまずいよ、イチゴちゃん。
話がハナさんから離れてゆく一方なので、強引にもどして終わりにしたい。え〜と、COPのプレゼンも目前に迫り、来る日も来る日も子供の落書きみたいなお菓子のデザインばかり出してきた弱木だったが、最後に一発、五重の塔ドーナツ(原作では「ゴリング」)という起死回生の妙案(ということにしてください)を思いつく。
ハナさんもこれは使えると多いに盛り上がったところで、今回はこのへんにさせていただきます。どちらさまもお疲れ様。(何を言っているんだ?)
あっ、読み返してみたら、話が脇道にそれて、タコパの夜を飛ばしてしまった。どうしよう。来週戻ろうか……。