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【第775回】代議士公設美人秘書殺人事件の巻(沢井美優『未解決の女』第3話)



 すみません。8月8日の【第773回】で『約束のネバーランド』を取り上げたとき、北川さんはあと年内に『ドクター・デスの遺産』と『ファースト・ラヴ』と、ぜんぶで映画3本の公開が待機していると書いたが、『ファースト・ラヴ』は2021年2月公開予定でした。その特報が先日解禁された。





 さて本日のお題はテレビ朝日の木曜ドラマ『未解決の女 警視庁文書捜査官 Season2』第3話「国語教師」(2020年8月20日放送、原作:麻見和史/脚本:大森美香・本村拓哉/照明:花岡正光/撮影:五木田智/監督:樹下直美)。脚本のクレジットを見て一瞬ぎくっとしたが、木村拓哉じゃないよ。



 このシリーズは初めて観た。原作は『ヴェサリウスの柩』の人だけど、だいぶ原作とは違う設定っぽい。なんかキャストにやたらと人気者を揃えて豪華。


注意】以下、一部ネタバレを含みます。



 オープニングは高校バスケの練習風景。取材中らしく機材をもった人がいて、壁ぎわに我々には見覚えのある綺麗なお姉さんもいる。





 活躍するエース選手の伊藤健太郎。遠くからそれを見守る地味な国語教師の高梨臨。



 2017年、稜泉学園高校男子バスケ部は初めて地区予選を勝ち抜き、東京代表として全国大会に出ることになった。得意顔で取材を受ける監督の片山先生(谷田歩)。


 
 だが片山先生はその2週間後、校内の体育教官室で、鉄アレイで頭を殴り殺され、還らぬ人となって発見された。警察が捜査に入る。状況からして明らかに内部の犯行で、犯人が見つかるのも時間の問題かと思われた。


 
 なにしろこの先生、熱血コーチとして校長から可愛がられているのを良いことに、実際にはパワハラのやりたい放題、けっこう学内のあちこちから怨みを買っていたのである。ちょっと捜査すれば誰かが口を割って、すぐに容疑者を絞り込めそうな事件ですよね。なのに、スキャンダルを怖れた校長が校内に箝口令を敷いたために、真相は薮の中……って、いくらフィクションでも警察をなめすぎだろう、それは。



 ともかくそういうことで事件は未決のまま。それから3年後の2020年、都内のマンションで女性の他殺体が見つかる。これが国会議員の秘書だった。ていうか沢井美優だった。



 沢井さんがミステリドラマの死体で出てくるのは2年ぶりかな。村川透監督の「西村京太郎トラベルミステリー68 山形・陸羽西線に消えた女 復讐殺人」(2017年9月20日放送、テレビ朝日・東映)以来だね。その前は児玉宜久監督の『捜査指揮官 水城さや2』(2014年1月6日放送、TBS・ユニオン映画)だった。



 沢井さんの殺害現場を担当するのはごぞんじ工藤阿須加。こっちが岡部刑事。若手の多部刑事には仮面ライダーエグゼイドの飯島寛騎。



多 部「お疲れさまです」
岡 部「お疲れ」



多 部「被害者は上原望 34歳。第一発見者は夕食の約束をしていた彼女の母親」



多 部「デッキの中にこんなDVDが入ったままだったそうで……」
岡 部「稜泉学園?」


 被害者宅のDVDデッキに残されていたのは、テレビの報道番組の一部を録画したディスク。やたらとキレイな字で「稜泉学園バスケ部 木曜日」と書かれている。



 3年前、東京予選を勝ち抜いたものの、事件のショックで全国大会は緒戦で敗退した稜泉学園が、再び全国への切符を手に入れよみがえった。亡くなった監督のためにも、今度こそ勝利を目指して特訓中、という報道番組にありがちなコーナー。その部分だけを録画したDVDが、被害者の自宅から発見されたのである。これは何か事件に関係あるに違いない。




 というわけで、多部や岡部、それに桑部刑事(山内圭哉)たち殺人犯捜査第五係の部屋に、ウワサを聞きつけた部外者の八代刑事(波留)、古賀警視(沢村一樹)、宗像刑事(皆川猿時)といった面々が勝手に入り込んでくる。彼女たちは未解決事件を専門に扱う「特命捜査対策室」のメンバーで、ちょうど3年前の「稜泉学園高校体育教師殺人事件」を再捜査中だったのである。



桑 部「被害者とこの映像との関係は?」



岡 部「まだ わかりません。それに、このディスクに残されていた指紋も、被害者のものではなかったんです」



矢 代「えっ?  という事は、別の誰かがそのディスクを被害者の家に持ち込んだ、という事でしょうか?」
岡 部「ああ……」



岡 部「矢代!」



古 賀「このDVDを 持ち込んだ人間が、この代議士公設美人秘書殺人事件の犯人である可能性は、大いにあるな」



宗 像「公設美人秘書?」



桑 部「はああ? またなんなんすか、いつの間にか 特対がお揃いで。またこっちに首突っ込む気ですか?はあ?」


 「公設秘書殺人事件」が「公設美人秘書殺人事件」に格上げだ。グッジョブ沢村一樹。
 で「特対」こと特命捜査対策室は、何か手がかりはないかと、片山先生最後の姿を収めた3年前の取材ビデオを取り寄せてチェック。そしてそこに沢井美優の姿を発見する。



 実は上原望(沢井美優)は稜泉学園の卒業生で、2年前に議員秘書になる前は、学園の広報で事務職員として働いていた。しかし学園理事だった唐木田議員の奥さん(西尾まり)に気に入られて、唐木田議員の秘書に転身した。そういうことも夫人が決めてしまうのだ。唐木田美枝子夫人は、三代続く政治家一家の娘。唐木田議員(冨家規政)は その婿養子で今の地位を築いた。奥さんの意向に逆らえない立場なのである。



  一方、3年前に殺された体育教師の片山についても、実は同僚教師にイジメをしていたなどの実像が明らかになってきた。



 「特命捜査対策室」の八代(波留)と同僚の草加刑事(遠藤憲一)は、殺された片山のお母さんに話を聞こうと、母親が入っている老人ホームに向かう。そこはとんでもない高級老人ホームだった。



矢 代「草加さん……ここですか?」



草 加「ああ。片山の母親がここに入ってる。しかし要介護状態で会話もままならず、面会できなかった」
矢 代「そうですか。 いやあ、立派な施設ですね」



草 加「ああ、入所費用が三千万だってよ」
矢 代「三千万!?」


╳    ╳    ╳



矢 代「3年前、片山先生は入所費用を現金で支払っています。学校の話によると、バスケ部の関係で講演依頼や特別ボーナスはあったものの、とてもそんな額ではなかったと」



岡 部「失礼します……あっ係長」



岡 部「 調べてみたら、3年前の同じ頃に上原望にも多額の金が振り込まれていました」
矢 代「えっ?」



桑 部「金額は?」
岡 部「一千万円です。上原望はその金を頭金にマンションを買っていました」



国木田「いじめの次は、入手先不明の大金ですか」



草 加「片山が三千万、上原一千万。金を受け取った二人が、殺されている。金をめぐっての怨恨の線が出てきた」


 どういうことかというと、沢井さん演じる学園広報職員の上原望は、前から政治の仕事に興味があった。そこで学園理事の唐木田議員夫人のふところに入り、週末は唐木田事務所で手伝いのバイトをするようになった。そのうち目ざとく、唐木田議員が当時の秘書、大野多恵(黒坂真美)と浮気をしている事実をつかんだ。


 
 この情報を利用して、二人の密会写真を盗撮、唐木田をゆすったのが体育教師の片山先生。写真のデータを五千万円で買い取らせ、そのうち三千万円で母親を高級特別擁護老人ホームに入れてやって、一千万円を情報提供者の上原望に分け前として与えたのだから、なんかワルなりに律義な奴という気もしてくる。



 金を出したのは唐木田議員というよりは奥さん、代々続く名門政治家の家系のお嬢さま、唐木田美枝子夫人(西尾まり)だった。怒り心頭でダンナに平手打ちを食らわせながらも、政治家としての夫を守るため、五千万円の支払いに応じた。これで、もともと夫人に頭の上がらなかった婿養子の唐木田議員は、完全に奥さんの尻に敷かれる結果となった。夫人はもちろん、秘書の大野多恵をクビにして、最近のお気に入り、学園職員の上原望を引き抜いて、夫の公設秘書にした。
 一千万のキャッシュもさることながら、上原望の野望は、大野多恵を引きずり下ろして自分が政治家の秘書の地位につくことにあった。そんな望を殺したいほど憎む人がいるとすれば、それは前任の秘書、大野多恵以外にはない。DVDにラベルがわりに書かれた「稜泉学園バスケ部 木曜日」の達筆な文字も、大野多恵のものであった。警察は多恵(黒坂真美)に事情聴取する。



多 恵「上原望が私をはめたの。被害者は私のほうです」



多 恵「お世話になりました」



多恵のM「奥様に解雇を言い渡された、その日……」



片 山「じゃあ、どうもありがとうございました」




 望 「奥様も大変ですよね」



 望 「先生と大野さんの尻拭いで、あんな大金、払うなんて」



多 恵「えっ?」






多恵のM「私の後釜には上原望が就いたと、あとで聞いた」



 望 「失礼します」



多 恵「それから何度も議員秘書の面接を受けた」



多 恵「でも奥様に邪魔をされて、全て不採用」



多 恵「おかげで今は水商売ですよ」



多恵のM「そしたらこの間、テレビで……」



片 山「ドゥ マイ ベスト!」



ナレーター「実は、片山コーチはこの撮影の2週間後に亡くなりました」





多恵のM「2人は3年前に知り合いだった!」



多恵のM「それですぐ、彼女に話しに行ったら……」



 望 「私は唆されただけなんです」



多 恵「唆された?」



 望 「ごめんなさい!今はお金ならあります。いくら払ったら許してもらえますか?」



多 恵「お金ならいいの」



多 恵「あなたには私と同じ目に遭ってほしいの」



 望 「同じ目?」



多 恵「今の告白を録音したわ。奥様、あなたが共犯だと知ったら、私ときっと同じ目に遭わせるでしょうね」



 望 「そんな事… …絶対にさせない!」



 望 「ちょっと… 貸しなさいよ!」



多 恵「離して!」
 望 「きゃあ!」



 望 「ちょっと!」
多 恵「痛い!」



 望 「きゃあっ!」



 望 「ちょっと……待ちなさい!」









望の母(留守番電話から)「もしもし、母さんです」



望の母「もう近くまで来てるので、部屋に行きますね」



(電話が切れる音)



多 恵「あの電話さえかかってこなければ……」



桑 部「これを取り忘れなかったか?」



桑 部「娘を殺されたおふくろさんが、手掛かりを残してくれたってわけだ。残念だったな」


 なんか取っ組み合いがダイナミーックで、さすが沢井美優(笑)。
 ともかく、こういうかたちで代議士公設美人秘書殺人事件は解決。で、ここから、じゃあ3年前に体育教師の片山を殺したのは誰かという話になる。ドラマ的にはこっちがメインの話だと思うが、例によって沢井さんの出演シーンは以上でおわったので、このレビューもこれで終了。





 たださっきも観たとおり、冒頭で、今をときめく伊藤健太郎がバスケ部エースとして活躍していて、国語教師の高梨臨がそれを遠目に見守る、という場面が出てくるから、わかっちゃう人には大体わかっちゃうだろう。伊藤健太郎はもう23歳とのことだが、3年前の高校生時代と、教育実習生として稜泉学園に帰ってきた現在とを演じて無理やり感がないのは『今日から俺は!』の効果かも知れない。



 高梨臨さん、仕事もプライベートも順調そうで何より。なお来週の第4話は永井大がゲスト出演するそうだ。セーラームーンの沢井美優、シンケンジャーの高梨臨、タイムレンジャーの永井大と、小林靖子チルドレンの出演が続くが、まあ偶然でしょうね。
 そんじゃま、今回はこんなところで。