実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第461回】DVD第3巻:Act.12の巻(3)


『ごちそうさん』終了。松浦雅さんにおかれましては、お疲れさまでございました。


1. 商売としてはそれなりに盛り上がっている


さて、以前ちらっと紹介したきり、放ったらかしにしておいたがS.H.フィギュア―ツの関節可動式セーラー戦士フィギュア。間もなく、2014年4月19日にはセーラーヴィーナスが発売になって4体になる。仮面だけとは言えセーラーV変身キットやアルテミスが付属でつくなど至れり尽くせりのこのシリーズ。そういえばマーキュリーもゴーグルとポケコンがついていた。マーズはもちろん「悪霊退散」の御札。





そしてついに5人目の戦士の発売が予告された。いよいよ盛り上がってまいりました。



S.H.Figuarts セーラージュピター
2014年4月2日予約開始/7月発売
メーカー希望小売価格 4,200円(税抜)
詳しくはここをクリック!

S.H.Figuarts可動フィギュアシリーズで遂にセーラー戦士5人が勢揃い! 第5弾は、木星を守護にもつ保護の戦士セーラージュピター! 発売は、7月に決定しました。『S.H.Figuarts』ならではの豊富な表情パーツ・手首交換パーツに加え、必殺技「シュプリーム・サンダー!」といった各場面を再現するためのアンテナ付き前髪も付属します!


これ名古屋駅西口前のビックカメラの3F玩具売場にディスプレイされているんだよね。新幹線を降りるとついふらふら立ち寄って見入ってしまう。「アンテナ付き前髪付属」のジュピター発売で、これで完結か。それとも引き続きタキシード仮面やちびうさも発売されるのか。あるいは外部戦士も続々登場という展開なのだろうか。私はサターンが出たらサターンだけ買うかも知れない(つまらぬウソを)。
てなわけで本題。

2. これは感動だ


いやその前にあれだ、出張前にももクロと北川さんのコラボのことを話題にしたけど、その後、北川さん自身がブログでこの件について書かれているのをうっかり見過ごしていた。皆さんもう読んでおられるのだろうが、私はつい最近まで気がつかなくて、いまだ感涙にむせんでいる。北川さんの記事はいつ消えてしまうか分からないので、ここに採録しておく。


 ドラマ『悪夢ちゃんスペシャル』は、5月3日公開の映画『悪夢ちゃん The 夢ovie』に先駆け放送されます。
 スペシャルドラマのストーリーが映画に繋がって行きますので、ぜひ併せてご覧いただきたいと思っています。

(中略)
 スペシャル最大の見どころは、今回ゲストで登場してくれた、ももいろクローバーZの5人のお芝居と、劇中で披露してくれるダンス、歌です。
 ももクロちゃんたちは夢を追いかける女子高生役で出演してくれました。
 そして…ご存知の方もいらっしゃるかとは思いますが、恥ずかしながらわたくし北川景子(27)、今回劇中でももクロちゃんとユニットを組ませてもらい、「きもクロ」として6人でスペシャルの中で歌ったり踊ったりさせて頂きました。



 今回のこの企画では、なんともありえないことにももクロちゃんたちと同じ衣装を作っていただき、同じダンスの先生、そして同じボイトレの先生にご指導頂きました。
 ダンスや歌は、デビュー作『美少女戦士セーラームーン』のミュージカルで一度やらせて頂いたきり10年以上ブランクがありましたし、当時も5人の中で一番下手だったので(笑)ずっとダンスや歌に対する苦手意識が大きかったのですが、今回ももクロちゃんを担当する諸先生方がとても丁寧に、そして優しく教えてくださり、全てを楽しんで取り組むことが出来ました。
 ももクロメンバーが初心者の私を受け入れ、アドバイスを交えつつ常に明るく接してくれたのも大きな救いでした。
 衣装に関しては、こういうと烏滸がましいにもほどがありますが、初めてのフィッティングで着させて頂いた時にまんざらでもなかったと言いますか、チョーカーがちょっと緩くて動くと回ってしまいそうだから1センチ詰め、ブーツのフィット感が足りないと戦えないから5ミリ詰め…などと真剣にぶつぶつ唱えつつ着替えては「あ…これ、セーラームーンじゃないんだった。」と我に返る瞬間がありました。
 不思議なもので全くああいった格好に抵抗がないどころか、あの類のコスチュームを着ると、やっぱり私は戦士なんだと無意識に思ってしまう自分がいます。(笑)



 きもクロとして劇中のコンサートシーンだけでなく、雑誌や新聞、テレビの取材もやらせて頂いたのですが、やりながら最後までとても違和感があったのは、あーりんとの歳の差10歳はもちろんのことですが、自分の担当色が黒かったことと、自分がセンターに居ることでした。
 ももクロちゃんとフォーメーションを組んでいるはずなのに周りが沢井さんや里香、こまっちゃん、みゅうなんじゃないかと錯覚したり、「センターってこんなに踊るとき、フォーメーションを組むときに大変なんだな。沢井さん、やっぱり凄かったなぁ。」と思ったり、改めて戦士の皆に感謝した撮影期間でもありました。
沢井さんのことだけはいまだに呼び捨てにできないのは、そういう「真ん中」に対する尊敬がずっとあるからなんだと思います。
 セーラームーンのことばかりお話してしまいましたが、ももクロちゃんたちを見ていると本当に仲が良くて、10年前の私たちを見ているようで懐かしく、青春っていいなぁとしみじみ感じました。
  (北川景子Diary 2014年3月11日)


あっだめだ。やっぱりまた泣けてきた。


3. 走れミス・ゾンビ。


それでは今度こそ本題。前回はどこまでいったかな。キックだ。
『仮面ライダー』といえばライダーキックなので、仮面ライダーをリスペクトしているセーラームーンも、やはりキックは得意技のひとつ。なんだけど、キックといえばむしろ先行作品『コードネームはセーラーV』の「セーラーVキーック」の方が有名か。



仮面ライダーは1号と2号でダブルライダーキックをやるが、こっちにもセーラームーンとセーラーVが「ダブルセーラーキック」を極めるシーンがある。



そんなわけでセーラーVといえばキックなわけです。そのへんをしっかり押さえた脚本も演出もえらい。ただ、蹴られた社長の描写が、完成作品と台本とではちょっと違っていたね、と、前回のレビューではだいたいその辺まで進んだと思います。


  窓から落ちる齋藤だが、窓枠をかろうじて掴む。
  美奈子は後ずさり、一瞬後には部屋を走り出す。
  窓からはい上がってくる齋藤。






逃げ出す美奈子。ここで変身して戦うと病院に迷惑がかかるという配慮か。相手が齋藤社長なだけに、手を出しづらくて一時撤退ということか。それにしては変身前に出したキックが豪快すぎる。壁も壊しちゃっているし。これしかし「愛野美奈子が入院していた病室で壁に穴があいた」なんて話が外に漏れると、ぜったい週刊誌とかに書き立てられるよな。意味不明だけど。
ここから先の展開は、ほぼ台本どおり。「非常階段ホールへ入る美奈子」とか、そういう場所の指定にも忠実。ふつうは、脚本家のイメージと違うロケ地で、むしろト書きに書かれた通りの場所ではないことの方が多いと思うんだけど、まあ病院だから変わりようもなかったのかね。




「あっ、愛野美奈子だ」



(台本)非常階段ホールへ入る美奈子。



2003年末、一般ピープルの患者さんたちの前を疾風のごとく走る小松彩夏の姿に、オールドファンのあなたは10年後のランナーの姿を予見できましたか?


4. 謎のアイドル


さて一方、病院の前では、前日の騒動で愛野美奈子がここにいることを知ったファンが駆けつけている。
ト書きに「美奈子ファンが何人もたむろし、警備員に抑えられている」とある。「何十人も」「何百人も」ではなくて「何人もたむろし」と書いてあるところがミソで、スタッフに無理な注文をしないということなのか、集まったファンは事実20〜30人ってところか。手前に人が集中しているけれど、後ろの方はけっこうガラガラ。



手に手に「美奈子!がんばって」とか、「元気になって」と書いたプラカードや、お見舞いの花束を持っている。なかにはナコナコの顔を描いて、中をくりぬいて自分が顔を出しているというわけの分からない人も。
でも次のカットを見ると、どれも段ボールの手作りであることが分かる。そんなところまでわざわざドラマのなかで見せる必要があるのだろうか。



うさぎ「これじゃ美奈子んとこまで行けない……」


愛野美奈子は、設定的には国民的アイドルみたいな存在で、海外でレコーディングすればワイドショーのネタになるくらいのバリューがあって、自分で作詞・作曲も担当するアーティスト志向をもっていて、事務所との関係も良好という、う〜んスタンスとしては、エイベックスの浜崎あゆみとか倖田來未みたいな感じなのかなぁ(見当違いなことをいっていたらご指摘ください)とも思うのだが、これだけでもかなり理解しづらいのに、こういう時に現場に集まるファンを見ると、ますますどういう存在なのか分からなくなってくる。
集まるファンの数はいつも少なめで、トップアイドルとはとても思えない。いっそ地下アイドルと呼んでやりたくなる。でも、こうしてこの病院に集まった顔ぶれを見ても、いわゆるマイナー・アイドルに熱狂するヲタの方々とは明らかに空気が異なる。全体として年齢層が高めなところは一緒だが、男女比のバランスがとれているところは違うし、何よりもヲタに特有のあの濃さや、おのずとにじみ出てしまう、新参者を拒むあの障壁のようなオーラが感じられない。
そもそも愛野美奈子っていえば、老若男女を問わず幅広い層から指示されているポップスターではなかったのか。でもよく考えてみると、私のそういう第一印象って、毎回の冒頭タイトルによるすり込みなのかも知れない。




老いも若きも、おまけに警官までも織り交ぜて、安定的な人気を誇っているかに見える。
一方、本編から、愛野美奈子のファン層をつかもうとしても、これがなかなかどうして。たとえばAct.23を見てみよう。自分がひそかに通院している南十番総合病院で、入院中の子どもたちのために慈善コンサートっぽいことをやっている美奈子。子供と母親たちに人気がある。でもこれだって、トップアイドルにしては集まっている人数がちょっと。




「まだまだ入れますよ」と呼び込みしたくなる感じだ。
その次、Act.28。美奈子はFM番組の公開録画の真っ最中。外から見えるブースにはファンが群がっている。そこへ、亜美ちゃん奪還の手助けを求めてレイとまことがやってくる。






周囲のファンの皆さんは、男女比率は普通っぽいけど、レイやまことと同世代っぽい子たちはいなくて、年齢はちょっと高めな感じ。若者に人気のDJ番組って感じのノリなのにね。


Act.30。うさぎは黒木ミオにだまされて愛野美奈子プライベート・ライブを企画する。だがミオの陰謀で美奈子は一向に姿を現さない。クラスメートたちからブーイングを浴びて窮地に立つうさぎ。




うさぎが同級生に「ほかの人にはゼッタイ言わないでね」と口止めしたとしか思えない人数。でも、もしそうだとしても、こういう情報って絶対どこかから漏れるもんでしょう。今みたいにツイッターはないけど、でも普通なら、家族や友達に電話したりする人がいて、そこからウワサが拡散して、もっと大騒ぎになるはずだよ。なにしろトップアイドルのシークレットライブなのである。なのにこの閑散とした会場の雰囲気は何?t.A.T.u.(タトゥー)の東京ドームライブ?



ユーリャ・ヴォルコヴァ(左)、リェーナ・カーチナ(右)
ヨーロッパで大きな成功を収めたロシアのポップ・グループ。t.A.T.u.のアルバムとシングルの累計売上枚数は全世界で1500万枚を突破した。
2003年に来日し、タモリが司会を務めるテレビ朝日系の音楽番組『ミュージックステーション』に出演したものの、歌唱直前に行方をくらまし、前代未聞のドタキャン騒動を巻き起こした。
2011年、正式に解散を発表。


日本でもファーストアルバムを200万枚売って、『ミュージックステーション』をドタキャンして(これは話題作りのためにマネージャーがやらせたことらしいけど)大物ぶりを見せつけたけど、そのわりに2003年12月の東京ドーム公演は壮絶なくらいの空席で、2階席のチケットでアリーナに入れたとかいう。美奈子だって、アルバムはチャートの上位、ロンドンレコーディングまでしたわりに、結局そのアルバムをお蔵入りにして、ツアーも体調不良でキャンセル。ファンは振り回されっぱなしで、ステージから客席を見渡せばけっこうガラガラ。ついt.A.T.u.を連想するよね。しないか。



t.A.T.u.は2011年に解散したはずが、実は先日のソチオリンピックの開会セレモニーで再結成して歌ったそうである。いやこれも厳密に言うと正式な開会式ではなく(ロシアでは現在、法律によって同性愛が禁じられているため、レズビアン的なイメージが売りだったt.A.T.u.の出演は見送られたらしい)開会式前の前座みたいなかたちで歌ったらしい。何だかよく分からない話だ。しかし観たかったなぁ。浅田真央さんのフリー・スケーティングすらスルーしちゃった私だが、これはちょっと観てみたかった。
さらに、これをきっかけに活動を再開、ロシア・東欧でのイベントやツアーの予定も発表されたんだけど、まだオリンピックが終わらないうちに二人の関係が急激に悪化(笑)やっぱり再結成はしませんという、相変わらず世間をなめきった話である。せっかく再結成したのだから、こっそり来日、『笑っていいとも』最終回にサプライズ出演して「たもりサン、アノ時ハ済ミマセンデシタ〜」とかカタコトの日本語で謝って欲しかった。
そういえば秋元康氏が東京オリンピック組織委員会理事に就任されたという。それでネット上ではもう「開会式にAKBグループ総出演か」なんて騒いでいるけど、6年後もAKBが健在かどうかなんて誰にもわからない。それならいっそ、t.A.T.u.の向こうをはって、昔プロデュースしていた推定少女の復活ライブなんてやってくれないだろうか。



推定少女(2001年デビュー)は、そのコンセプトがt.A.T.u.(2000年デビュー)と妙にかぶっていたけれど、これは偶然の一致らしい。私は以前に書いたように(ここ)、秋元康プロデュースの最高傑作は水沢絵里だと思っているが、推定少女もかなり好きだった。でもAKB48が始まった2005年になると、秋元プロデューサーの気持ちがそっちへ行ってしまったのか、推定少女はほとんど放置された状態で実質的な活動を停止し、翌2006年にひっそり解散している。
と書いていて思い出したけど、私がAKBを食わず嫌い(なんですよ)なのは、このへんの記憶が無意識にはたらいていたせいかも知れない。



すまない。おかしな方向へ話がそれた。で、美奈子が立ちくらみをおこしてドタキャンしたツアーの様子なんだけど、こんな感じ。Act.35より。





ほとんど親子連れで、まるで「おかあさんといっしょファミリーコンサート」である。最前列の方にはヲタの方々もいたはずである。いずれにせよ、これもトップアイドルのステージの客席としては特殊。ま、理由は詮索するまい。


というわけで謎の多い愛野美奈子でした。今回はここまで。



美奈子じゃなくて映画『キラーヴァージンロード』のAYAKA