実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第462回】ミュージカル・リブートの巻


ミュージカル6代目タキシード仮面 浦井健治



昨年の復活セーラームーンミュージカル、2014年夏の舞台も決定したということだ。良かったですね。といっても、今のところのインフォメーションはごくわずか。



今夏の新作ミュージカルでは、はるか未来のクリスタル・トーキョーを舞台に、ブラック・ムーン一族との戦いが描かれる。キャストなどの詳細は追って発表される予定だ。
(「コミックナタリー」2014年4月3日


 復活した月の王国シルバー・ミレニアムと地球との間に新たな交流が始まり、「幻の銀水晶」の効果で地球の人々も月の人々も健康で長寿になった未来。どのくらい長寿かというと、みんな成人になるまでは普通のペースで成長して、その後は老化しないというのだからすごい。長寿というより不老不死ではないか。人口増加が深刻な問題にならないか。などなど思うところは多いが、とにかくその長寿のせいで、今からおよそ1,000年後の30世紀になっても、地球の王様はキング・エンディミオン、月の女王はネオ・クイーン・セレニティで、二人はやや大人になった地場衛と月野うさぎの面影のままである。



二人の間には一人娘のスモール・レディがいる。両親からは愛情いっぱいに育てられているのだが、900歳になっても(!)少女の姿のまま成長しない特異体質の持ち主で、周囲からはあれこれ囁かれる。本人の思いは複雑だ。



 そんな未来の地球のクリスタル・トーキョーに、ブラック・ムーン一味が襲来する。もとは地球の極右勢力で、地球と月の王国の親交を快く思わず、奴らは地球への侵略者だというスローガンを掲げて武力闘争を仕掛け、その罪によって追放されたテロリストたちである。かれらは太陽系の果てにある第十番惑星で銀水晶を圧するパワーをもつ「邪黒水晶」を発見し、これを使って「月に支配された」地球人たちを一掃し、新たな王国を立てようとやって来のであった。
 邪黒水晶の力で街は一瞬にして氷河となり、ネオ・クイーン・セレニティもそのなかに呑み込まれ、キングは行方不明になってしまう。そこで立ち上がったのが、スモール・レディだ。



 スモール・レディは、王宮の奥にある「時空の扉」の番人をしていた謎の長身の戦士、プルートの力を借りて時空の深淵をジャンプする。目ざすは伝説のセーラー戦士、セーラームーンたちがいる20世紀の東京麻布十番。セーラームーンの力を借りてブラック・ムーンを倒すんだ! だが一方でブラック・ムーンも時間を跳躍して現代にやって来た。セーラームーンを亡き者にして歴史を再生し、ブラック・ムーンの歴史に塗り替えちゃおうというのである。



 以上、だいたい原作に準拠した「ブラック・ムーン編」あらすじのつもりだが、微妙に違うアニメ版(『セーラームーンR』後半)の記憶とごっちゃになっている部分があると思う。すみません。意外と要約が長くなってしまった。もう少し整理して、圧縮して宣伝文ふうにあらすじを紹介するとこうだ。


未来世界を襲う侵略者による地球の危機。伝説の戦士セーラームーンの力を借りてその危機を乗り越えようと、未来から現代の地球にやって来た謎の少女ちびうさ。ちびうさを助け、未来を救おうと決意するセーラー戦士。そしてその前に立ちはだかるブラック・ムーン。


 要約すればするほど「これってターミネーターだよな」と思っちゃいますね。
 ご存知の方も多いと思うが、ミュージカルでは、セーラームーン役が4代目の黒木マリナ役に代わって最初の公演『ミュージカル 美少女戦士セーラームーン 〜誕生!暗黒のプリンセス ブラック・ムーン』(2001年夏)およびほぼ同じキャストで上演されたその『改訂板』(2002年春)が、ブラック・ムーン編の舞台化だった。私はセラミュファンとしては、かなり新規の部類に属していて、ラストドラクル最終章(2001年2月)から舞台を見ているんだけど、そのせいかこのブラック・ムーン編とその改訂板のキャストには、ことのほか様々な思い入れがある(うさぎ:黒木マリナ/衛:浦井健治/ちびうさ:宮崎のえる/亜美:河辺千恵子/レイ:吉田恵/まこと:杉本文乃/美奈子:村田あゆみ/はるか:高木ナオ/みちる:朝見優香/せつな:穂坂優子/ほたる:垣内彩未)。








キャスト表からお分かりのように、この旧セラミュ版ダーク・ムーン編では、原作やアニメではまだ登場していないウラヌス・ネプチューン・サターンも出てきてしまう。だからその次のミュージカル『無限学園 〜ミストレス・ラビリンス』では、はるかやみちるが改めて「初登場」して、内部戦士と初対面の挨拶を交わしたりして、ちょっと順不同になってしまった。でも、何しろ『ブラック・ムーン』の黒木マリナは、ほとんどズブの素人と言ってよい12歳の少女だったのだ。そんな座長なので、高木ナオ・朝見優香・穂坂優子といった安定感のある人たちがわきを固めてサポートする必要があったんだと思う。敵も小野妃香里(プリンス・デマンド)とか河崎美貴(エスメロード)とか魅力的な配役でした。
 他方、この夏の舞台は、昨年の『ラ・レコンキスタ』と同じ流れになると思うので、もっと原作に忠実になるだろう。ウラヌス、ネプチューン、サターンの出演はない。プルートの孤独や、ちびうさの屈折した思いがクローズアップされて、ちびうさがブラック・レディ化するところで第一幕終了、みたいな感じか。ブラック・ムーン側はどうなんでしょう。昨年の四天王の描き方からすると、う〜ん。ま期待しましょう。
 そしてメインキャスト。これはぜひ『ラ・レコンキスタ』の戦士5人に再結集してほしい。大和悠河のタキシード仮面ももう一度見たい。でも大和悠河は難しいかな。



……ところで黒木マリナさん、最近何をやっていらっしゃるのか……。



さてここまで書いた後、テレビ朝日の土曜ワイド劇場『おとり捜査官・北見志穂18 “幸福の絶頂”美女連続殺人!富士山だけが知る、黒いベールの女の秘密…被害者3人に謎の接点』(2014年4月5日放送)を観賞した。
そして後半は、そのレビューを手早くまとめる予定でいたのだが、やっぱり無理だった。意外とこみいった話で、あらすじをまとめるのがこれまた難しい。しかも沢井さんの出番も多くて、書くこともけっこうある。
なので今回はこれまで。次回『おとり捜査官』のレビューとします。では予告。


学生時代の仲良し四人組。


一人は富士山の見える湖畔のロッジで爆死。


一人は富士山の見える屋上で手すりに引っかけられる。


一人は富士山の見える公園のベンチに遺棄。


残る一人が父親ともども容疑者となってしまう。



ヴェールを被った謎の女。


そのマネージャーにかかってきた、Pムーンの抑えた声にそっくりの殺害予告電話。



久々に見せるPムーン風の表情。


ハイライトは回想シーンのセーラー服姿。見納めかも。

蟹江敬三さんが亡くなられていたとは知りませんでした。


というわけで次回をお待ち下さい。