実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第376回】DVD第3巻:Act.9の巻(11)



『謎解きはディナーのあとで』と同じ東川篤哉原作の学園ミステリードラマ、『放課後はミステリーとともに』(TBS「ドラマNEO」2012年4月23日〜6月25日、月曜深夜)の第8話「密室殺人! 〜告白します〜」(2012年6月18日放送、脚本:泉澤陽子、撮影:竹内義仁・関毅、演出:武藤淳)より、ヒロインの川口春奈と親友の広瀬アリスとゲストの小池里奈。美少女たちの競演。
このドラマの見所は、高嶋政伸が演じている祖師谷巡査部長である。捜査の間、何か余計なことを言っては、上司の女王様タイプのボディコン女刑事、烏山千歳警部(入山法子)に締め上げられて恍惚の表情を浮かべる、根っからのドM体質。



いまや泥沼離婚騒動で話題の人だが、我らが田崎竜太監督が一時期『HOTEL』の助監督をやっていた、というご縁もあるので、名古屋支部としてはモデルのナントカいう妻より、高嶋くんを積極的に応援したい。
そういえば田崎竜太の助監督デビューは『仮面ライダーBLACK』なんだけど、同じ石ノ森章太郎原作で、執筆時機も重なっているという事情があって、『仮面ライダーBLACK』にはホテル・プラトンが登場する。いろいろとつながっているのである。
しかし最近の高嶋くんは、『HOTEL』の頃の好青年ぶりとはうって変わって、『L change the WorLd』の環境テロリストとか、『美男ですね』のジャニー喜多川のパロディとか、このドM刑事とか、変な役が多い。そんな高嶋政伸がけっこう好きである。

1. 巨匠のDNA


というわけで本題。Act.9も大詰めだ。


 


「シャインアクアイリュージョン!」「フラワーハリケーン!」前後をジュピターとマーキュリーに挟まれ攻撃を受けるネフライト。どMの高嶋政伸なら美少女二人の同時責めに大喜びだろうが、ネフライトは気合いで跳ね返す。前回Act.8で、ジェダイトが、マーズとジュピターの技を受けて体力を完全に消耗し、石になったことを考えると、ネフライトの地力は明らかにジェダイトより強い。


 
ネフライト「あああああ〜っ!」


 
ジュピター&マーキュリー「きゃあ!」


その時、勢い余って、成田社長の「幻の銀水晶」を落としてしまうネフライト。慌ててすくい上げようとするが、銀水晶はネフライトの掌を逃れて地面に。そして、石に当たって、いともたやすく粉々に割れてしまう。


 
 
 
 


こんなちゃちなフェイクをずっとお宝だと信じていた成田社長って……。
なんてことはどうでもいいか。一瞬「本物ではなかったか!」と悔しそうに顔をゆがめたネフライトであったが、すぐに、ならばこの場所にもう未練は無い、と言わんばかりに、さっとマントを閃かせると消えてしまう。


 
 


そうすると、カメラはそのまま天空に向かってズームインしていって、次第に曇り空に月がディゾルブして、あたりは月の輝く夜になっていく。消えたネフライトに対する、二人の美少女戦士のリアクションはフォローなし。


 
 



鈴村監督は、あのエキセントリックな石田秀範監督の弟子だという。でも、確かに口元のアップの多用とか、そういうところに妙なこだわりを感じたりもするが、全体的にはきわめてオーソドックスな演出家だ。……と、これまで私はそういう印象を持っていた。でもこうやって細かいところまで丁寧にチェックしてみると、シーンとシーンのつなぎでのワイプやディゾルブで、けっこう変なことしていますね。

2. ちょっとずつロマンス


一方、なんとか警官たちをやりすごしたセーラームーンとタキシード仮面。変身までしているこの二人がなぜ、暗くなるまで警察の追跡をまくことができなかったのかは、聞かないで下さい。「あっちだ」とか言いながら遠ざかっていくおまわりさんたちの足音。やれやれ。ようやく二人に会話するだけの余裕ができたようだ。


  

  
タキシード仮面「オレのニセ者を助けてくれたらしいな」
セーラームーン「本物かと思って……馬鹿みたい」


  
  


いいですね。渋江くんはマスクをつけちゃっているので、ここはひとつ、沢井美優の表情を堪能していただきたい。こういう、動きの少ないシーンでの細かい感情の表現力が、この人のお芝居の底力を示している。いまさら力説するまでもないことだけどな。


  


セーラームーン「どうして幻の銀水晶のこと、教えちゃったの?」
タキシード仮面「俺には、お前たちみたいな力がないからな……だが、どうしても幻の銀水晶を手に入れたかった」


ここはやはり原作の方がカッコいいよなあ、物語的には。前に紹介したけどもう一度。


 


まあ仕方がない。続き


  


セーラームーン「どうして?」
タキシード仮面「俺が何者であるかを知るために」
セーラームーン「どういうこと?」


タキシード仮面は、セーラームーンの問いに答えずに、海を見つめる。水面に照り返す光点が集まって真っ白なイメージになり、そこに、あの夢のプリンセスが現れる。やっぱ鈴村監督、初登場回ということもあるのか、細かいところがいちいち凝ってるわ。


  
  
  


プリンセス「幻の銀水晶を……お願い……」


このハイトーン・ボイスを聞けば、プリンセスの正体なんてすぐに分かる。タキシード仮面はどうして分かんないの?なんて野暮を言ってはいけない。地場衛も無意識のうちでは、すでにプリンセスと目の前にいるセーラームーンを重ねている。
けれども地球の王子としての前世の記憶が、彼女とこれ以上接近することは危険だと彼自身に警告を発している。このあたりが衛とうさぎの違いだ。うさぎは、わりと無邪気にタキシード仮面への恋心を募らせている。それを危険視しているのはセーラーVだ。一方、衛はうさぎに惹かれつつ、このまま結ばれればまた星が滅びるということを無意識に予感している。だから、うさぎに笑顔を向けることができるのは仮面をしている時だけだ。
そんなわけで、サイレンの音が鳴り、「また警察かな」とセーラームーンが気をとられたすきに、タキシード仮面はすばやく姿をくらまそうとする。


  


セーラームーン「待って!私、何度も助けてもらってるのに、顔も名前も知らなくて」


  


セーラームーン「……だから……その……」


  
  


タキシード仮面「そのほうがいい。多分……」


  
  


セーラームーン「……タキシード仮面……」


  


ロケ地は天王洲アイル。前にも触れたが、北川景子は『モップガール』第8話のラストで、この場所でレズビアン作家の轟可憐子(高久ちぐさ)にキスされている(詳しくは【第332回】を見て下さい)。


 


あと『謎解きはディナーのあとで』第6話では、この橋で自転車の練習をしている(詳しくは【第345回】を見て下さい)。



 


それから、小松彩夏が出演していた『夏の恋は虹色に輝く』第8話でも、この橋がロケ地に使われていたが、そのシーンに彩夏姫が出ていたわけではないので割愛。

というわけで、ハンパな感じだが今回はこれまで。今週の沢井美優は6月29日(金)午後9時からフジテレビ系で放送される金曜プレステージ『森村誠一女のサスペンス マリッジ』だ。どんな役をやるのかはぜんぜん知らないが、頑張れプリンセス。