梶原一騎さん原作の「愛と誠」4度目の映画化!
妻夫木聡が映画『愛と誠 201X』で今注目の若手女優・武井咲、さらには三池崇史監督とタッグを組むことが明らかになった。本作は、1970年代に西城秀樹主演などで相次いで映画化・ドラマ化された梶原一騎さん原作の人気純愛マンガの、実に35年ぶりにして4度目の映画化作品。現在30歳の妻夫木が高校生役を演じるということに加えて、映画『一命』『忍たま乱太郎』の三池監督がメガホンを取るということも話題になりそうだ。
(福田麗:「シネマ・トゥデイ」2011年7月1日付)
私は5年前から「もし『愛と誠』をリメイクするなら山下智久・北川景子がいい」と主張していたが(第45回)、その当時時点で、二人ともちょっと齢が行きすぎだから無理だよな、とも考えていた。しかし、向井理と北川景子がハイティーンを演じた『パラダイス・キス』がヒットしたり、今回のこの『愛と誠』リメイクの企画を見ていたら、山P&北川でもありなんじゃないか。もっと真剣に訴えていればよかった、とちょっと悔やんでしまったよ(何を?)。監督は、三池崇史が嫌だというのではないが、タイ映画『快盗ブラック★タイガー』(2000年)のウィシット・サーサナティヤンのように、山根成之リスペクトのできる人がいいのだが(このあたりの事情は第213回をお読みいただければ嬉しい)。
さて、すでにご案内の通り、ついにやって来ました!
2011年6月最終週 映画興行成績ベスト10 | |||||
No. | タイトル | 週 | スクリーン | 週末興行収益 | 累積興行収益 |
1 | 『パイカリ』 | 6週 | 801 | 3億1620万1450円 | 77億980万2300円 |
2 | 『スーハチ』 | 1週 | 520 | 3億785万8350円 | 3億9224万7650円 |
3 | 『アンダル』 | 1週 | 371 | 2億6176万1500円 | 2億6176万1500円 |
4 | 『ゴーカイ』 | 3週 | 283 | 1億1242万4700円 | 6億9614万6650円 |
5 | 『パラキス』 | 4週 | 304 | 9420万9650円 | 10億8617万0550円 |
6 | 『星守る犬』 | 3週 | 317 | 6631万5250円 | 6億2678万0800円 |
7 | 『もしドラ』 | 4週 | 320 | 6175万2500円 | 7億3980万3050円 |
8 | 『プリトヨ』 | 5週 | 277 | 5398万5000円 | 14億1818万2300円 |
9 | 『XMEN』 | 3週 | 504 | 5186万5700円 | 5億5026万9250円 |
10 | 『さや侍』 | 3週 | 217 | 4874万0700円 | 4億6916万3900円 |
以上、興行収入順のベストテンでは、相変わらず『パイレーツ・オブ・カリビアン』が王座を退かない。が、これが観客動員数の順位になると、『カリブ』(週末19万人動員)はツーランク順位を下げて3位となる。で、スピルバーグとJ.J.エイブラムズが組んだ『スーパー8』(30万人動員)と織田裕二の新作『アンダルシア 女神の報復』(20万人動員)が繰り上げで1位と2位である。
それにしても、『アンダルシア』は可哀想というか、オープニング2日間で動員20万5758人、興収2億5846万9500円なんて立派な数字を出しても、このペースではシリーズ前作『アマルフィ』(トータル興収:36億7000万円)に届くどころか、トータル20億円も危ぶまれる大コケ、なんて書き立てられるんだから、織田裕二も大変だ。確かにすごいんだけどね。『踊る大捜査線 THE MOVIE2』(トータル173億円)の織田裕二に『THE LAST MESSAGE 海猿』(興行収入81億円)の伊藤英明、『容疑者Xの献身』(49億円)の福山雅治、おまけに『SPACE BATTLESHIP ヤマト』(40億円)の黒木メイサという顔ぶれ。それだけで100億円稼いで当然みたいに思ってしまいそうな。
これほどロコツな状況を見ていると、わたくし前回、最近の映画はイケメン出さなきゃヒットしないとか、役者が興行価値の大部分を占める、みたいな主旨の話をしてしまいましたが、ちょっと反省してしまいます。面白くて儲かる娯楽映画を作るためには、ドル箱スターも大切だが、しっかりした脚本と演出が欠かせない。当たり前ですね。この三つの要素を整えて、制作費を集めて映画を制作して興行を成功させるのはプロデューサーの仕事である。
織田裕二なんかの場合、企画の段階から作品に関わるプロデューサータイプの俳優だから、本人も興行成績を気にするし、マスコミもそれを真に受けて、期待したほどの成績が上がらないと「織田裕二神話にも翳り」とか書き立てる。しかし本当は、役者の集客能力は、役者自身の責任に属することがらではない。役者の全努力は自分の演技のクオリティに向けられればいいのであって、その商品価値を上手に活かせるかどうかは、やっぱりプロデューサーの腕にかかっている。
そういう意味では、最近は俳優が公開直前にメディアに露出して番宣をする機会がちょっと多すぎる。本当は主演俳優なんて、与えられた役に全力投球した後は、試写会なんかで取材が押しかけてきたときだけ「すばらしい現場でした。ヒットして多くの方々に見ていただけたら嬉しいですね」なんて、にっこり笑っていればいいのである。(がんばってテレビに出まくった北川景子さんには悪いけどね。)そうでないと、ヒットするのもこけるのも俳優次第みたいな思い込みが、ますます世間に蔓延してしまうだろう。
だから、前にも言ったと思うけど、興行成績なんていうのは視聴率と同じで、都合よく解釈して楽しめばいいのである。織田裕二の『アンダルシア』オープニング2億5000万円という数字が前作比68%の出足でも、ファンには「大ヒットおめでとう」という権利があるし、AKB48とベストセラーという組み合わせのわりに『もしドラ』の成績はイマイチだね、なんて言う人は見当違いも甚だしい。むしろこの素材でトータル10億円が射程距離に入っているなんて大健闘だと私は思うね。
『パラキス』だってそうだ。『パラキス』と同じ脚本・監督コンビによる前作『僕の初恋をキミに捧ぐ』(2009年、出演:井上真央&岡田将生)は、トータル20億円をマークしているらしいが、それとこれとは関係ない。ともかく、北川景子史上未曾有の大ヒット10億円である。次の目標は15億円。これはちと難しいが、結果が出るまではあきらめないで応援しよう。
2011年6月最終週 映画興行成績ベスト10 | |||||
No. | タイトル | 週 | スクリーン | 週末興行収益 | 累積興行収益 |
3 | 『アンダルシア』 | 1週 | 371 | 2億6176万1500円 | 2億6176万1500円 |
5 | 『パラダイス・キス』 | 4週 | 304 | 9420万9650円 | 10億8617万0550円 |
7 | 『もしドラ』 | 4週 | 320 | 6175万2500円 | 7億3980万3050円 |
以上、一部世間の風当たりが強いこの3作を名古屋支部は応援します。なんてったってベストテン圏内だぜ。
そしてこの3人といえば、やっぱりこれだ。
というわけで、本日は当初、特別企画『太陽と海の教室』第6話バーチャル再放送を予定していたのである。そして、セリフの書き出し、画像のキャプチャといった基本作業はおおむね整ったのだが、つまんないことをうじうじ考えていたのと、それから、あと一週間で、かなり面倒な仕事上の文書をまとめなければならない都合も急にできてしまい、実は現在、今年前半の仕事の山、ビッグウエーブの到来期まっただ中である。
なのでまことに申し訳ないが本日はこの程度にして、次回、皆さんと一緒にひさしぶりに『太陽と海の教室』第6話を鑑賞してみたいと思います。なんとうちにはこれのDVDがあるんだもんね。袋小路さんからの贈り物をようやくムダにしないで済む時が来た(そのへんの事情については第247回をご参照いただければ幸いです)。
ということで、毎回ながらの尻切れトンボ、あいすみません。
【いつもよりちょっと豪華なおまけ】