実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第321回】DVD第2巻:Act. 8の巻(その6)

1. 圏外に落ちるまで続ける『パラダイス・キス』興行成績情報


2011年6月第3週 映画興行成績ベスト5
No.タイトルスクリーン累積興行収益
1『カリブ海』5週80071億305万4850円
2『ゴーカイ』2週2835億3,883万5450円
3『パラキス』3週3048億8,204万7800円
4『星守る犬』2週3174億3,827万7400円
5『もしドラ』3週3206億2,380万8450円


公開3週目で8億8千万円。目安としてあげておくと、同じ矢沢あい原作の『NANA2』(2006年)が、3週目で7億円を達成し、最終的な興収は12億円を上回っている。それから、セーラースターヒーラー改めデカワンコこと多部未華子主演『君に届け』(2010年)も、結構近い数字だ。『君に届け』は昨年の作品だが、私のなかでは『パラダイス・キス』の最大のライバルなので、ちょっと詳しく比較してみよう。


タイトル1週目2週目 3週目4週目5週目トータル
『君に届け』2.3億6.2億9億11.5億12.9億15.3億
『パラキス』2億5.8億8.8億――――8.8億



うーん、厳しい。厳しいけどまだ射程距離圏内にいるよな。頑張ろう。
でもまあ、あれだ。今だから言うが、私の当初予想は、『もしドラ』がトータル6億円くらいで、『パラキス』は、せめて『もしドラ』相手に健闘して欲しい、できれば勝ちたいがゼイタクは言えないな、って感じだった。結局、2作品ともに私の嬉しい誤算だったわけだが、たとえば『おっぱいバレー』(2009年)はトータル5億3千万円の興収だった。当時すでに旬の女優だった綾瀬はるかでさえ、付加価値なしでの集客力はこのくらいだ。
あっ、それと『プリンセス・トヨトミ』は今週も7位をキープ。観客動員数は100万人を越え、累積興行収入は12億8千万円に達しました。流れ的には、トータル15億円はかたいっすね。
『もしドラ』の場合、旬の前田敦子が主演ということに加えて、原作が累計300万部のベストセラーという要素もあるが、読者層がよくわかんないし(ダイヤモンド社書籍編集局の加藤貞顕さんによると「当初はビジネス書の読者層、20〜30代男性が中心でしたが、青春感動物語としての認知が高まるにつれ女性にも読者層が広がり、現在は男性55%、女性45%という比率です」だそうです。そう聞いても、いまいちイメージがつかめないな。)本当に映画館に来る客層につながるのかどうか不明で、あまり期待しなかった。
それにAKB48というのは、当初「劇場に行けば直接会って握手して話ができるアイドル」という売り文句だったはずだ。ブレイクによってだいぶ路線変更はあったろうが、でも現在も、CD封入の握手券やファン投票などの行事に「アイドルとファンのダイレクトなコミュニケーション」というコンセプトは活きているように感じる。そういう方針と「映画」というメディアはそぐわない、だからAKB効果はそんなに期待できないのではないだろうか、と認識していた。(AKB48のことはほとんど知らないので、間違っていたらすみません。)それでまあ、トータル6億円なんて考えたんですね私は。

一方の『パラキス』は、「(1)少女漫画(もしくは少女に人気の小説など)が原作、(2)ヒロインは同性に好かれる女の子、(3)相手役に話題のイケメンを起用」という基本セオリーは踏んでいるよね。で、(1)原作は矢沢あいのカルト的人気作品で申し分なし、(2)主演の北川景子は「女子高生のあこがれるタレント」ランキングとかには、今なら確実に入ってくる実力はある。ただし映画興行の面でいえば、現在の単体での興行価値は、ひいき目に見て『花のあと』の3億円あたりが目安、(3)戦力補強として起用されたイケメン向井理(および仮面ライダーサソードとかウルトラマンメビウス)の付加価値、これはおじさんには不明。プロ野球の外人助っ人みたいな当たり外れもあるだろうし、よくわからないんだ。漫画原作の2010年『君に届け』は、多部未華子に三浦春馬を抱き合わせて、トータル興収15億円を越える成功をおさめた。人気小説が原作だった2010年の『瞬 またたき』は、北川景子さんの相手役に岡田将生を引っ張って来るもトータル2億円で大失敗。同じく漫画原作の2009年『フレフレ少女』は、新垣結衣主演に永山絢斗をもってきたが、1億円にも届かない(たぶん8,500万円くらい)惨敗であった。ガッキー主演でも外せばこうなるのである。もう何が何だか。
でも同じガッキー主演作品でも、昨年の『ハナミズキ』は28億円を叩き出したのである。どこが違うのかと思ったが、共演者を観ると、生田斗真と向井理のダブルイケメン。そうか向井君はガッキーを救ったのか。そして今年は『パラキス』の守り神となり、大ヒットをもたらした。侠気あふれる人だなあ。

2. チェリーボーイとアニキ


さてすっかりご無沙汰となってしまったDVDレビュー。どこまで行ったかというと、ダークキングダムのロケ地の話、北川さんの左利きの話といったあたりまでだね。この後、レイとまことのケンカ別れのシーンがあるけど、それはまあいいや。

レ イ「盗み聞きなんて、趣味悪いわ」
まこと「そういうつもりじゃない」
レ イ「じゃあほっといて。何でも話すのが仲間とは思ってないの」
まこと「あ、そう。こっちも聞くつもりないし」


次はえーと、その日の晩の月野家、台本(台本の全文はここに出ています)のシーン14からだ。ここも正直言って、どうってこともない場面ですね。しばらくどうってことのない場面が続きます。

   机で懸命に問題集を解いているうさぎ。
うさぎ「レイちゃんとまこちゃん、仲直りしてくれたかな」
   一瞬、窓を見たうさぎだが、すぐに問題に戻る。
うさぎ「頑張んなきゃ!」
   ドアの隙間から進悟が覗いている。


月野進悟役の武子直輝(たけし・なおてる)君は、1993年3月28日生まれだから、もう18歳か。当時は劇団東俳の所属であったが、結局、2002年にNHK教育テレビの道徳教育ドラマ『さわやか3組』に出演、続いて2003年から2004年にかけて、実写版セーラームーンの進悟、若干の連ドラへの子役出演、ハウスバーモントカレーのCMなど、幾つかの仕事をこなしたあと、ばったりと姿を消している。芝居は悪くなかったので、芸能界の仕事がなかったというよりも、本人にその意志がなかったのではないかなと、これは私の憶測である。最近はアート系のインディーズシーンで、同名の映画監督さんが活躍されているようだが、それは別人さんなので注意するように。
そういうわけで武子君の現在の消息は知れないが(大学入試の準備中かな?)とにかく、2004年当時、彼が北川景子のお気に入りだったことは、北川ファンならばしっかり記憶に留めておくべきであろう。DVD第10巻に収められた特典映像から採録しておこう。これは、当時の戦士のみなさんの、十代の女の子としての素顔が見える座談会、ていうと聞こえは良いけれど、ご存じの方も多いように、みんな撮影疲れなのか、グダグダになっちゃっている座談会である。以下に採録した箇所の発言者は順に、北川景子、浜千咲(現:泉里香)、沢井美優、小松彩夏、そして司会は鈴村弘展監督。安座間は笑ってばっかりで発言なし。鈴村監督から「共演者のなかで好みの男性は誰」と聞かれたときの、北川さんの答えをめぐる皆さんの反応です。

北川「私あの子が好き……進悟が好き」
千咲「カッコいいよね進悟」

沢井「えー、進悟、おじさんなんだも〜ん」
北川「うそ、今日連れて帰ろうかと思ったもん私」
鈴村「年下、好きですか」
北川「いやもう本当に、カッコいいかによるっていうか」
鈴村「ああ、あんま関係ないのね、(齢が)上でも下でも」
北川「もう何でもいい」(言ってしまってから自分でひっくり返る)
  (受けまくる戦士たち)
鈴村「いやちょっと待って下さい、あの、あの問題発言ですよこれ、これねDVDとかにアレしたら」
小松「何でもいいそうです」
鈴村「これ、これね、何でもいいっったら、もう凄いのが来ますよこれね、ストーキングされますよ気をつけないと。そのへんちょっと、ちゃんと言っとかないとね、何でもいい、みたいになっちゃうとね…」
北川「じゃ中身による。進悟くん良い子じゃん、超」


以上、DVD第10巻収録の特典映像「セーラームーンにおしおきよ 〜スペシャル座談会 その2〜」より。沢井さんの「進悟、おじさんなんだも〜ん」という発言については、二度と触れられないまま終わるので、結局、武子直輝がどのような意味でおじさんっぽいのかはよく分からないが、しかしこの前後では、7年前、18歳当時の北川景子の、かなりアナーキーな恋愛観・結婚観が披露されて、グダグダな中にも見ごたえのある特典映像である。


3. ついに出た!(出たことには出たが……)


上の座談会、本当はもうちょっとまとめて採録しようと思っていたんだが、前回のコメント欄をていねいに読まれた方はご存じの通り、今年2011年、セーラームーン生誕20周年を記念して、9月に実写版のDVDがあらためてスペシャル・ボックスの形でリリースされることになった。ひろみんみんむしさん、通報ありがとうございます。で、そうなると、上の対談もそのコンテンツの一部になるわけだから、ここであまり詳しく紹介して売り上げに影響が出てしまってもいけない(笑)。ほんの気持ちですが、控えたいと思います。
 ちなみにAmazonによればDVDボックスの仕様は以下の通りだという。


『美少女戦士セーラームーン Super Special DVD-BOX』
  2011年9月22日発売 定価31,500円


「美少女戦士セーラームーン」連載20周年記念!
みんなが心をときめかせた実写版“セーラー戦士”がDVD-BOXで華麗に復活!
伝説のスーパーライブ、DVDオリジナルのSpecial Act、
Act ZEROも収録したスーパー・スペシャルDVD-BOX!!


【内容】2003-2004年制作TVシリーズ全49話
     +ライブ1作+オリジナル全2話収録
 <TVシリーズ>
  Disc1〜Disc12:Act.1〜Final Act.(最終回)
 <スーパーライブイベント>
  Disc13:「キラリ☆スーパーライブ」
 <DVDオリジナル>
  Disc14:Special Act. Act.ZERO「セーラーV誕生!」


【毎回封入特典】
  ◎豪華ライナーノート(8P)
  ★スタッフ・スペシャル座談会!<新規収録>
   白倉伸一郎×小林靖子(脚本)×田崎竜太監督
  ★各話スタッフ詳細 ほか


【毎回映像特典】
  ◎スペシャル対談『セーラームーン』におしおきよ
   ★沢井美優×浜千咲、北川景子、安座間美優、小松彩夏
   ★舞原賢三監督、鈴村展弘監督、小林靖子インタビュー
   ★スペシャル座談会/セーラー戦士座談会~1年間を振り返って
   ★セーラー戦士座談会(※「Act.ZERO」ディスクに収録)
  ◎「キラリ☆スーパーライブ」おまけ映像
  ◎特別企画!! タキシード仮面+四天王「男だらけの緊急座談会」
  ◎スペシャル・ミニドラマ
   ★『タキシード仮面 誕生の秘密』
   ★『陽菜…その後』
  ◎スペシャル企画!うさぎ&衛のロケ地めぐり
  ◎クランクアップ・コメント集


まあつまり何だ、従来のDVD第1巻から第12巻、『キラリ☆スーパーライブ』、さらに、オリジナルは別々だった『Special Act.』と『Act. ZERO』を1枚のディスクにまとめた全14枚のDVDディスクがメインコンテンツで、内容は既存のものと全く変わりはない。我々が期待していた「スーパーダンスレッスン」の初ディスク化も、本放送に先だって放映された30分の番宣&メイキング番組「メイクアップ!〜少女がセーラー戦士に変わるまで〜」や東映チャンネルで再放送時に放映された戦士たちのインタビューの収録もない。Act.40 のディレクターズカット特別篇(東京フレンドパーク 全試合ノーカット + 特典スチル画像集「マーズれい子デジタル写真館」収録)もない。戦士たちのオーディオコメンタリーもない。なんにもない。今回のボックスを買わないと手に入れられないのは、実質、白倉伸一郎と小林靖子と田崎竜太の鼎談をおさめた8ページの「豪華ライナーノート」だけということであるが、この三人がいま対談したって、そんなに意外な話が出てくるとも思えないしなぁ。
とにかく、ここまで何も新しい特典がないというのも、珍しいのではないか。ひょっとすると、既存版未収録の映像コンテンツを使用するためには、スターダストとかアミューズとかに仁義を通さなければならず、面倒なのかも知れないね。
ということで、名古屋支部がこれを購入するか否かについてはただいま検討中です。

4. あいにきてI NEED YOU!

   階段の方を見ている育子の元へ、進悟が降りてくる。
育 子「どうだった? お姉ちゃんやっぱり勉強してる?」
進 悟「うん、信じらんないけどすげぇ真剣」
育 子「昨日からどうしちゃったのかねー。でも、良い事よね」
進 悟「どうかな。ムリするとプツッていっちゃう事もあるし」
育 子「え?」
   不安そうにもう一度上を見る育子。



そろそろ時間いっぱいになってきたので、今回はこのくらいにしておくけれど、本当は私、ここでもうひとつ書いておきたいことがあった。森若香織さんに含むところは何もないし、だから今までこのことはブログにも書いていないはずだが(いやちょっとは書いたかな)私は、本当は三石琴乃さんに育子ママを演じて欲しかったのである。いまでもDVDを観返すたびに「うさぎのママが三石さんだったら良かったのにな」と真剣に思ったりします。
ご存じのように、TVアニメ『ドラえもん』で、三石さんはのび太のママの声をやっていらっしゃる。全体として落ち着いたお母さんの声なんだけど、のび太がテストで20点を取ってきたりすると「の〜びたぁっ!」と怒鳴りますよね。で、ちょっと声を張り上げて怒鳴ると、うさぎちゃんの声が入るんだなこれが。私も、まさか自分がのび太のママに萌える日が来るなどとは、10年前には思いもよらなかったが、実写版で、育子ママがうさぎとケンカするときだけ、ちょっとアニメ版のうさぎになっちゃうところが、ぜひ観たかったと思う。この話の続きは、次回もちょっとするかも知れない。ってことで、今回はこれくらいで。




おまけ

『太陽と海の教室』第6話より 左手で両親の肖像を描く前田敦子
(詳しくは下のStreamKatoさんのコメントをご参照下さい)