実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第320回】そんなつもりじゃなかったのに小ネタ集の巻


2011年6月18日は神戸みゆきさんの三回忌です。享年24。

 

 

セーラームーン10周年記念ミュージカルイベント『10th ANNIVERSARY Festival 愛のサンクチュアリ』のDVDには、特典映像として歴代セーラームーンからのお祝いメッセージが収録されています。


 「みなさんこんにちは。三代目セーラームーンでした神戸みゆきです。今回、10周年をむかえたということで、とてもおめでとうございます。
 私が10周年のなかで、1年半、素敵なドラクルシリーズを、オリジナル作品でできたということは、すごく誇りに思っていることで、とっても素敵なものを学んで、素敵なものを身につけて、とっても、一番、私の人生の中で良い想い出になったなと、しみじみ感じている今日この頃です。
 そんなセーラームーンシリーズが10周年。これはすごいことです。これを機にもっともっと、セーラームーン、パワーアップしまして、もっともっと、20年、30年いったらいいなぁと思っておりますので、みなさん一緒にセーラームーンを応援していきましょう!」

応援したかったのになあ、神戸ちゃんと一緒に。

1. セーラームーン年号問題


このDVDは2002年春の公演(黒木マリナ主演)の模様を収録して同年の夏にリリースされた。でもセラミュの第1回公演は1993年夏なので、この時点ではまだ9年目である。だから「10周年」というのは「セラミュ10周年」ではなく、「セーラームーン10周年」ということなんだろう。これは、武内直子先生の原作の連載第1回が『なかよし』1992年2月号に掲載された、という事実に基づく。だから当時は1992年が公式の「セーラームーン元年」だったのだろう。
でもご存じの通り、こういう雑誌の「2月号」は、実際には1月に発売される。さらに厳密に言えば、年末進行もあるので、前の年の年末には店頭に並んでしまうことになる。だからセーラームーンの公式ホームページが開設されると、セーラームーン元年は1年早められ、1991年ということになった。今年(2011年)東映が「セーラームーン誕生20周年」と言っているのはそういう解釈に基づいている。ややこしいね。
ともかく、このDVDを観ると、2002年当時、東映とバンダイが「セーラームーン10周年」を意識していたことがわかる。てことは実写版も、元々はこの10周年記念企画のひとつではなかったのかなあ、とも思う。

もっとも白倉伸一郎さんや丸山真哉さんの証言によると、実写版の企画が実際に動き出したのは2003年の春だという。だから最初から実写版を制作する予定があったかどうかは疑わしい。当初は2002年、10周年記念企画として、かねてより懸案だった「セーラーV」のアニメ化が考えられていた。でも色々あってその計画が頓挫する。で、原作者の武内直子先生は、原作に基づいた実写ドラマの制作に強い意欲を示しておられたのだが、東映・バンダイ側は、それはセーラームーンミュージカルと競合するし、下手をすればつぶし合いになる可能性がある、と難色を示す。中途「ミュージカルの黒木マリナ主演でドラマ版を制作する」なんて折衷案が出されたり、すったもんだのすえ、2003年に入ってからようやく実写版の制作にゴーサインが出た。そのせいで放送開始が2003年10月という、なんだか中途半端な時期になってしまった。
……というのは例によって、私が勝手に想像している裏事情で、決して事実には基づいておりませんので、良識ある皆さんは、よその掲示板にコピペして風評被害を流さないようにね。
話を戻すと、セーラームーンのミュージカルは1993年の夏にスタートした。伝説のアンザムーンである。現在DVDで観てみると、まだまだ試行錯誤というか、怪しい宗教の教祖にしか見えない火野レイの衣裳とか、人間によって演じられるルナとアルテミスの歌と踊りとか、かなりインパクトがある要素もちらほら出ては来るが、通してみると、やはりそのクオリティの高さには驚かされます。

さてその伝説のファースト・セーラームーンミュージカルでタキシード仮面こと地場衛を演じていたのが佐野瑞樹である。やれやれ、ようやくここまで話が来たよ。本当は私、前回のコメント欄でひろみんみんむしさんから指摘されるまで、佐野瑞樹が初代タキシード仮面だったことをすっかり忘れていたんですけどね。ちなみに、同姓同名のテレビアナウンサーがいらっしゃるようなので、混同なきようご注意ください。

その佐野瑞樹が、使われなくなって久しい工場跡にロケハンにやってくる。……って、ここからようやく本題、最近観た舞台の話だ。

2. 相変わらず長い前フリすみません。


佐野瑞樹が、使われなくなって久しい工場跡にロケハンにやってくる。彼は新作を構想中の有名な映画監督である。アシスタントを連れているが、これは『仮面ライダーディケイド』に出てきた「仮面ライダーディエンド」の中の人(戸谷公人)であった。ディエンドとはだいぶ違うヘタレっぷりである。

誰もいない廃れた工場だと思っていたが、そこへ姿を現したのが、迷彩服を着たOL。「廃工場でサバイバルゲームをやろう」というネットの呼びかけに応え、日頃の鬱憤を晴らすために、近くのガンショップで大型のエアガンを買い込んでやってきたのだ。しかしこの人、よく見れば月のプリンセスである。ミュージカル初代タキシード仮面と実写版セーラームーンの運命の邂逅。(でもしつこいようだが私は、後でひろみんみんむしさんに指摘されるまで、気づかず観ていた。)

隣にいる女の子は、廃工場マニアの先輩に「合コンに行こう」と、半ばダマされてここまで連れて来られた、わりと普通の女子大生(とっきー。っていうか、正式な芸名が「とっきー」なのか?)。
てなわけで、行ってきましたよ、沢井美優の出演した舞台『KEEP OUT 勝手に舞台にしないで下さい』『KEEP OUT!〜勝手にアジトにしないで下さい〜』(作:小峯裕之/演出:西永貴文)名古屋公演。6月11日・12日、東海テレビのテレピアホールでした。私は都合で6月11日のみの参加、ikidomari青年は6月12日のみの参加、そのほかの名古屋支部の戦士たちは両日参加したんだろうな。あと沢井党の方々。万丈さんも12日のみの参加でしたので、私はお会いできませんでした。

しかし並べたねイケメンを。まあ最近は、このくらいの規模の舞台を興行的に成功させようと思ったら、とりあえずキャスティングで、固定ファンのいるイケメンの男の子を並べるのが先決なのかも知れない。『風が強く吹いている』が舞台化された背景にも、そういう事情があったんだろうと個人的には思う。
そこで、最近注目の新進ストーリーテラー小峯裕之の登場だ。この人の作品では、アミューズの若手衆を集めて上演された『Black Peal』『BLACK PEARL』という舞台が有名である。盗まれたブラック・パールという宝石の行方をめぐって、ギャングたちをはじめとする様々な人物が出たり入ったり。そして、行き違いがあったりごまかしあいをしたりしながら、互いに無関係かと思われた人物たちが、最後に意外な形でつながっていく、という物語だ。幾つかのシチュエーションが並行し、そのそれぞれが異なる人物たちによって演じられるので、小規模のわりに沢山のキャストを入れ替わり立ち替わり出せる。そこがポイントではなかろうか。
今回の舞台もまったく同趣向で、最初から最後まで舞台は廃工場のままという長い一幕物、そこにおおむね以下のような人々が出入りする。

 

 

  • この工場を隠れ家にして、コンビニを襲撃する計画を立てている強盗(「あさりど」の川本成)と、彼にスカウトされた新入り(この間まで『天空戦隊ゴセイジャー』でゴセイブルーをやっていた小野健斗)そして後から登場する、やや頼りないボス(石倉良信)。(そういえば川本成は『戦国鍋TV』という番組で八代将軍徳川吉宗役をやっているそうだ。ということは沢井さんとは共演済み、と見なしていいのかな?)
  • 新作のロケハンに来た映画監督(初代タキシード仮面の佐野瑞樹)とヘタレのアシスタント(仮面ライダーディエンドこと戸谷公人)。
  • 廃工場でのサバイバル・ゲームをネットで呼びかけたHNジャック・バウアーさん(増田裕生)と、それを見て迷彩服姿で駆けつけたサバゲー初心者のOL白石さん(沢井美優)。
  • 探索にやってきた廃屋マニアの大学生(大村学)と、彼に眼をつけられて誘われ、合コンと勘違いしてついて来た後輩女子大生(「とっきー」。しつこいようだが、これが芸名なのか?)。
  • 廃工場に住み着いている、何でも食うホームレス(高木俊)。好物は冷えピタのジェルの部分。
  • この工場の正規社員(福沢重文)。仕事ができないことへの当てつけのように、廃工場にたった一人、やることもないのに常駐させられている。ドラえもん似。


これだけのとっちらかった面々を収束させるカナメとなるのが、佐野瑞樹が演じる映画監督である。彼は何でもかんでも「ブラボー!」と感激し、すべて準備中の新作の構想に採り入れてしまう。強盗たちの予行演習を目撃すれば『レザボア・ドッグズ』にそっくりなギャングの裏切り劇を思いつき、サバゲーマニアをつかまえて『プライベート・ライアン』みたいな戦場もののエチュードをさせる、という具合で、すべてのシチュエーションを、場当たり的に映画化して、結局ひとつのドラマにまとめあげてしまう。
私自身はこのあたりの基本設定に、やや構成上の無理を感じた。映画監督が、目の前の状況にインスピレーションを得るやいなや、その場で役者をスカウトしてすぐ具体的映画化の段取りに入るところが、ちょっと無理やり過ぎないか、という感じでね。
それから後半に、強盗(川本成)が、居合わせた女子大生(とっきー)を新しい仲間と勘違いして、カラオケボックス襲撃のリハーサルをさせる場面がある。女子大生の方は、合コンの予行練習と思い込んでいて、話が完全にかみ合っていないのに、それなりにツジツマがあってしまう。
最後に女子大生は、そもそも事前に予約の電話も入れずにカラオケボックスに行くなんて信じられない、と言い放ち、強盗は、なんで強盗するのに予約が必要なんだろうといぶかしむ。しかしいくらなんでも、強盗するのに「予約の電話」というのも、勘違いの域を越えていないか。と思っていたら、このやりとりが最終的に、コンビニ強盗失敗からクライマックスへという終盤の展開の伏線となるのである。そうか、話をそっちへもっていくために強引に勘違いさせたんだなぁ、と、ここにもやはり、若干の無理やり感が。
とはいえ、小劇場演劇の地方公演の初日というのは、何かと客席が温まりにくいものである。で、地方じゃだいたい初日の翌日が楽日で(笑)こっちは初っぱなから大いに盛り上がっていたりする。私が感じた以上の問題点も、2日目に観たらそんなに気にならなかったかも知れない。色々と残念なことをした。
でもまあ、ごちゃごちゃしたシチュエーションをスマートにまとめた脚本と演出は、なかなかの冴えでございました。これ以上のレビューは、DVDがリリースされた時のためにとっておきましょう。


 

3. 北川史上かつてないヒット!記録はまだまだ更新中!!


というわけで、今回もAct.8レビューを再開(するつもりだったんだよ)できないまま、だいぶ字数を費やしてしまったので、最後に例の映画のその後についての記事を紹介して、今回は終わりにする。

『パラダイス・キス』 6月14日(公開11日)現在の成績
観客動員 51万0,847人  興行収入 6億4,538万7,200円

うわぁ。かなり順調ではないか。もう10億は完全に視野に入った。どれどれ、ネット上の記事を読んでみよう。ソースはここです。


  映画『パラダイス・キス』観客動員50万人突破!



 パラダイスへの扉の向こうには、日本中の女の子が待っていた!
 6月4日(土)に全国303スクリーンで公開した、北川景子、向井理共演で話題の映画『パラダイス・キス』が公開11日目の14日(火)に観客動員50万人を突破いたしました。
 オープニング2日間(6/4、5)で観客動員15万5,746人、興行収入2億04,15万1,700円を記録し、邦画No.1スタート。8日(水)のレディースデーには5万3,327人を動員、その後も小学校高学年のグループ、部活帰りの中高生、専門学生、大学生、OL、30代以上の主婦層まで幅広い層の女性客から圧倒的な支持を受けて観客動員を伸ばしている。
 『さや侍』『星守る犬』『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』など邦画、洋画の話題の新作が封切られた先週末(6/11、12)でも観客動員14万1,803人、興行収入1億8,436万4400円でオープニング2日間対比90.2%とその勢いは衰えることなく、抜群の集客力で週末の観客動員数3位だった。


そうかそうか。3位。1位は不動の『カリブのパイレーツ』である。しつこいようだがパイレーツと言えば「だっちゅーの」である。無意味なサービスショット。

2位は驚いたことに初登場の『ゴーカイジャー ゴセイジャー スーパー戦隊199ヒーロー大決戦』が飛び込んできた。これも凄い。別の記事から引用すると「全国282スクリーンで公開され、初日2日間成績は動員24万9007人、興収2億8861万400円。2011年1月22日公開『天装戦隊ゴセイジャーVSシンケンジャー エピックON銀幕』(最終興収3億6000万円)との興収対比253.2%となった」というのだから大変なヒットである。下手するとこれも2ケタ行くかも知れない。ともかく1位2位と「海賊映画」が並ぶ珍現象が生じた。ワンピースが公開されていれば、トップスリーを海賊が独占、なんてことになったのに。いやいや、私は何を言っているんだ。3位が『パラダイス・キス』で本当に良かった。



それから、ネット上で見る限り、『パラダイス・キス』をご覧になった方の感想がイマイチな感じがして、口コミによる客足の伸びにはあまり多くを期待できないかな、と思っていたのだが、これもひょっとすると、私の嬉しいカン違いだったかも知れない。

★ぴあ初日満足度ランキング1位!90.6点獲得 (6/4ぴあ出口調査隊調べ)
同日公開の『もしドラ』(90.3)『劇場版 戦国BASARA-The Last Party-』(90.2)を抑え堂々の1位!


そうだそういえば、例の『もし前田敦子がドラえもんだったら』は今週どうなった?
3位『パラダイス・キス』の次、4位は今週初登場の『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』。その次、今週5位が『もしドラ』である。全国320スクリーン公開で、先週末は1億5千万円弱、トータルでは4億5千万円弱。10億円の大台はちょっと無理そうだな。『パラダイス・キス』とは、はっきり差がついた。
でもこれは、私としては予想をかなり上回る数字で、さすがベストセラーをAKBの人気者で映画化しただけのことはある、と大いに感心させられた。ご覧になった方の満足度も90%を超えているのだからたいしたものだ。
もうひとつ、ぽんた夫妻が出演しているので気になる(笑)例の『プリンセス・トヨトミ』だが、3週目となる先週末では7位まで落ちた。しかし週末に1億4千万円をクリアし、累積はすでに10億を越えているので、最終的な興収は15億円に届くのではないかと思われる。これも大ヒットだ。おめでとう。
『パラダイス・キス』に話を戻すと、こういう話題もある。

★これまでの宣伝展開に注目!
北川景子、向井理の稼働媒体200以上!
公開前、5/30(月)〜6/5(日)の総テレビ露出量ナンバーワン!

二重アゴをものともせず、出まくったものな。あ、いや向井くんじゃなくて北川さんだよ。プロモ、そんなに得意じゃないだろうに、よく頑張った。何しろ特定のテレビ局がついていないのだから、頑張るしかなかったわけだが、報われたよ。おめでとう。

 最終興行収入は10億円を超える見込みで、テレビ局が出資していない本作が興行収入10億円を超えれば、近年では、本作同様テレビ局出資がなかった『告白』、『悪人』、『ゴールデンスランバー』(すべて東宝)、現在公開中の『八日目の蝉』(松竹)などに続くヒット作になる。


以上「CINEMA TOPICS ONLINE」2011年6月15日付の記事からです。この流れだと、12億ぐらいは行く、と見て構わないと思う。まだまだばんがろう。おー!!