実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第262回】DVD第2巻:Act. 7の巻(その7)


というわけで、前々回のトップに掲げた『天文ガイド』の表紙で泉里香さんが手にしているのは、カラオケマイクではなくコントローラだそうだ。水平・北センサーとかGPSセンサーとかが内臓されていて、このリモコンで狙った星にロックオンすれば、気分はもう「逃げてもムダよ」、というハイテク望遠鏡らしい。ちなみに名古屋支部のカシオペアさんも、「ヴィーナス320VIP」とか「プリンセスムーン200」という、名前を聞けばなんかすごい機能が実装されていそうな機材をご所有でいらっしゃいます。
それから、前回コメント欄の最後の方で話題になった『ソイレント・グリーン』。1973年のアメリカ映画である。

すみません、私の場合『ソイレント・グリーン』と聞くと、なぜか翌年のイギリス映画『未来惑星ザルドス』のビジュアルまで脳裏に甦えるので、こういうことになってしまいます。どうも2本セットで記憶に刻み込まれているらしい。そういうのってありますよね。
で、今まで調べたことがなかったが、結局「ソイレント」って「大豆」(soybean)とレンズ豆(Lentil)の造語なんですと。つまりソイはソイソース(醤油)のソイなんだ。「レンズ豆」は昔からある豆で、実は「レンズ」よりこっちの方が古い。インドなんかでは昔からよく食べるので、1,000年以上も前の仏教のお経に「レンズ豆」とか出てくることがあって、ちょっと不思議な気がします。
それから「ソイレントバード」という競馬馬が存在することも判明した。まったく、このブログをやっていると、無駄な知識がどんどん増えていくなあ。以上、コメント欄に書き込みをいただいたKyoroさん、StreamKatoさん、黒猫亭さん、こっちよ!さん、ありがとうございました。
『ソイレントグリーン』の近未来社会は、人口爆発で食糧難になってしまっている。だから、老人ホームには安楽死ルームが用意されていて、そこでは、自分で選んだ映像と音楽をサラウンド環境で愉しみながら、いつでも安らかに世を去れるようになっている。映画では、大自然の光景とベートーベンの音楽に包まれ眠るように死んでいく老人が描かれるが、私だったらどうするかな。実写版セーラームーンのどれかのエピソードを選ぶことになるだろうと思うんだが、じっくり考えてみたい。StreamKatoさんは小松彩夏のDVD「書を捨てよ、水着になろう!」を選ばれるそうである。
まあそれもひとつ、筋を通した立派な人生だ。みなさんも考えてみてください。

1. 無益な回り道をしてしまった


さて6月21日の『月の恋人 〜Moon_Lovers〜』は、サッカーの中継(ワールドカップ南アフリカ大会、ポルトガル対北朝鮮)で休止だったようですね。てことは、今週のブログのイントロはどうしようか。これというネタもないからいきなり本題に入るか、とか思っていたら、次のような芸能ニュースが目についた。

長澤の後輩発掘「東宝シンデレラ」5年ぶり開催へ


沢口靖子(45)らを輩出してきた「東宝シンデレラ」オーディションが5年ぶりに開催されることになり、6月21日に都内で概要が発表された。
 “真の女優”の発掘を目的に1984年から不定期で行われ、今回が7回目。会見には第2回(1987年)で審査員特別賞を受賞した水野真紀(40)と第5回(2000年)でシンデレラに輝いた長澤まさみ(23)が出席し参加を呼びかけた。
 7月1日から応募を受け付け、地区予選、2次審査、合宿審査を経て、来年1月にシンデレラが決定。スカウト部長に就任した水野は「埋もれている宝を発掘したい」、同係長の長澤も「“負けないぞ”という気持ちのある人はどんどん参加して」とアピール。シンデレラには賞金100万円と女優デビューが約束される。
(「スポニチ」2010年6月22日付)

私の場合、これを読むなり「グランプリ受賞者のデビュー作は復活ゴジラ第一弾だ」と思ってしまったんだけど、みなさんはどうですか。だって、沢口靖子や小高恵美からこっち、東宝シンデレラといえばだいたいにおいて、ゴジラ映画のヒロイン、もしくはモスラの「双子の小美人」ということに決まっているのだ。私には、この東宝シンデレラ復活は、遠からぬゴジラ映画復活への予告のノロシに思えてならないのだが。
今回のオーディションで「スカウト係長」と「スカウト部長」をつとめるというOGの長澤まさみと水野真紀の御両名だって、現時点でのゴジラ最終作『ゴジラ FINAL WARS』(2004年/東宝/北村龍平)に、そろって出演していたことは、まだまだ記憶に新しい。

『ゴジラ FINAL WARS』より、インファント島の小美人(長澤まさみ・大塚ちひろ)。このコンビは前年の『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』でも同じ役で出ていたが、ザ・ピーナッツ以来の歴代「モスラの小美人」のなかで、最も地味な見かけだと思う。それに(当たり前だが)小さいし、キャプチャしても顔もよく分からないのではないでしょうか。
一方、水野真紀の方は、同作品で人気テレビキャスターの音無杏奈を演じている。テレビ中継で総理大臣(宝田明)に単独インタビュー中、というシーンなのだが、とても報道番組のインタビューの一場面には見えない。カットごとに脚の組み方が変わっているのである。北村龍平監督は『スカイハイ劇場版』でも、セレブ感ただようオトナの美女(戸田菜穂)に「お色気担当」を振っていたなあ。
ゴジラ映画でオトナの女といえば、水野は水野でも水野久美が外せませんね。この方だって近年のゴジラ映画にちゃんと出演していらっしゃいます。さすがにお色気担当ではありませんが。
同じく『FINAL WARS』より、X星人に銃を撃つ地球防衛軍司令官、波川玲子(水野久美)。かつて『怪獣大戦争』(1965)で「波川女史」ことX星人を演じた水野久美が、今度は同じ名前で地球政府の重鎮を演じます。
水野久美の特撮作品といえば『マタンゴ』を筆頭にあげる人が多いが、私が好きなのはやはり『フランケンシュタイン対地底怪獣』か『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』だなあ。
特に『フランケンシュタイン対地底怪獣』(1965年/東宝/本多猪四郎)で、「光るもの」の好きなモンスターが、水野久美の胸で輝くペンダントに気づいて襲いかかるシーンは、あまりにも、ちょっとその、アレなので、(確かテレビで)初めて見たとき子供心にドギマギしてしまいました。
もちろんモンスターは、アクセサリーにしか興味はなくて、水野久美様をどうこうしようという気は毛頭ないのであるが、どう見たってねえ。
が、まあ、フランケンシュタインのモンスターといえば、ボリス・カーロフの昔から、無垢で純情で獰猛というか、結果的に美しい女性を傷つけるもの、と相場が決まっているのだ。逆に、美しい女性に傷つけられるのは、この間のテレビドラマ『怪物くん』に出てきたフランケンくらいか。
『フランケンシュタイン』(1931年/アメリカ/ジェームス・ホエール)より、たいへん有名なシーンですね。惨劇直前のモンスター(ボリス・カーロフ)と少女マリア(マリリン・ハリス)。そして『怪物くん』第7話(2010年/日本テレビ/狩山俊輔)より、ウタコ(川島海荷)に告白するフランケン(チェ・ホンマン)。直後に振られる。
ちょっと前のコメント欄に黒猫亭さんが書いてくださっていたけど、この『怪物くん』の第7話って、なんだか実写版セーラームーンのAct.13にやたらとよく似た話だった。
『怪物くん』第7話より、怪物くんを倒すためにこの世界にやって来のに、記憶喪失の善良な青年として覚醒してしまったデモキン(松岡昌宏)と、実写版セーラームーンAct.13より、ダーク・キングダム四天王の切り札として現世の地球に召喚されたが、記憶喪失の善良な青年として覚醒してしまったシンことクンツァイト(窪寺昭)。
と、ここでようやく話が実写版に繋がりましたところで、本編に入ります。


……ここまで書いて想い出したのだが、『ゴジラ FINAL WARS』には、あのヴィクター・カサレさんも出演されていたんだっけ。「あのヴィクター・カサレさんって、それ誰だよ」と思われた方は、半年ほど前に私が描いた記事をご参照ください(ここ)。そうか、そのことを書けば、こんな遠回りしなくても、カサレさん経由ですぐに実写版セーラームーンに話をつないで本編に入ることができたのだ。またしても無駄な回り道を……。

2. 偶然の偶然


えーと、うさぎがクラウンの入り口で、元基がタキシードをもっているのと出くわして、元基をタキシード仮面と勘違いした、そこまでだったね前回は。次のシーンは当然クラウンの作戦ルームの中、すでに亜美とレイとまことが集まっているところへ、うさぎが遅れてやって来た、という状況である。
前に書いたように(ここ)、田崎竜太監督は、クラウンの場面になると必ず、階段の上、つまり入り口付近にカメラを据えたロングショットからシーンを始める。この、オジサンがこわごわ美少女たちの聖域を覗き込むような視線の設定が私は好きだ。今回、Act.7のクラウンのシーンでも、一番最初のカットではないが、やはり最初の方にそういうアングルからのショットが出てくる。

  
まこと「ふーん、タキシード仮面が敵か……」
  
ルナ「セーラーVは、何もかも知っているみたいだったわ」
亜美「じゃあ、やっぱりプリンセス」
レイ「ルナ、そのプリンセスってどういう人なの?」
  
ルナ「そうね。時が来たら、プリンセスとセーラー戦士たちが何なのか、話してあげる。大切な物語を」
  
うさぎ(みんなには言えないな……タキシード仮面の正体)


  月野家。ベッドの中で眠れないうさぎ。
  
ルナ「ねえうさぎちゃん、まさか、タキシード仮面のことを好きになったりしてないわよね」
うさぎ「えっ!……なに言ってんの、そんなことあるわけないじゃん。ただ、何回も助けてもらったから気になっていただけ」
ルナ「ホントね。セーラーVが言ってたけど、私もタキシード仮面には近づかない方が良いと思うの」
うさぎ「分かってるって」
  ふとんをかぶるうさぎ。
  
セーラーV(声のみ)「危険なのよ、彼は敵だと思いなさい」
うさぎ(ぜったい違う。わかるもん)
ルナ(声のみ)「タキシード仮面のことを好きになったりしてないわよね」
うさぎ(それは、わかんない)
  
  夜空を飛ぶ旅客機。



シーンの最後で夜空に浮かぶ月が映し出されるのだが、そこをジェット機の影が横切っていくところがちょっとおかしい。たぶんこれは脚本に指定されたものではなくて、月を撮影していたら、偶然に映り込んだんじゃないだろうか。それを見た監督が「これ使ってみよう」と思いついたとか。
このAct.7には、同じように、たまたま撮ってしまったのを使ったんじゃないかと思う映像がもうひとつある。ラストの方で、遊園地の妖魔騒動がひととおり片付いた後、観覧車の上の方を赤い風船が飛んでいくショットがあるのだ。これってわざわざ風船を飛ばせて撮った映像かな。私はこれも、たまたま上赤寿一が空のショットを撮っていたら風船が映り込んで、監督が「それ使おう」と言ったとか、そういう偶然の産物ではないかと思うんだけど、違うかな。
たとえばAct.21に、同じように風船が遊園地の空を舞うカットがある。クンツァイトの術にかかった亜美が、まことと遊園地に行って、メリーゴーランドに乗っているうちに昏倒してしまう。そのとき、亜美の手を離れた風船がぐんぐん空をのぼっていくのである。監督は舞原賢三。
ハイテンションだった亜美の内で、実はダーク・マーキュリー化が静かに進行していて、亜美は間もなく、仲間の戦士たちのもとを離れてしまう。遠くへ飛んで行く青い風船でそれを暗示しているわけだが、これは明らかに、ちゃんと風船を仕込んで撮った映像である。これと比較すると、このAct.7の飛行機とか風船は、偶然っぽく見えるんだよね。あるいはこのAct.7で偶然に映り込んだ風船をヒントに、Act.21の青い風船のシーンが生まれた、とか。

3. ハットしてキャット


そうだ、偶然ついでに、関連は薄いけどもうひとつ挙げておくと、実写版がオンエアされた当時から一部で話題になっていた「Act.23の火川神社の猫」という問題がある。
学校から帰ってきたレイは、境内で、子供会で仲良しのナナちゃんとお母さんに出くわす。入院していたナナちゃんが全快したので、火川神社にお礼参りに来たのだ。

レイ「ナナちゃん退院したんだ?」
ナナの母「ええ、おかげさまで」
  
レイ「よかったね〜」
  
ナナ「あのね、愛野美奈子が、ナナが入院していた病院にお見舞いに来てくれたんだよ!」
  
レイ「えっ?!(愛野美奈子が…?)」

ナナちゃん役の山口愛(やまぐち・めぐみ)さんは、現在も現役の子役として活躍中の13歳で、かつては『ウルトラマンメビウス』第28話でアマガイ・コノミ隊員(平田弥里)の少女時代もやっているそうですが、記憶にないです。すみません。
それはともかくとして、ここでレイとナナちゃん親子が歩み寄るショットの後ろの方で、猫が画面を左から右に横切っているんだよね。これもまあ、演出ではなく偶然その場にいた猫が映り込んだのを、スタッフ(撮影:松村文雄/監督:佐藤健光)が「こっちの方がビジュアル的に面白い」と考えて使ったのだろう。その証拠が北川景子(神戸出身)のセリフ回しで、これも実写版のファンには有名な話だが、「よかったね〜」のイントネーションが微妙に関西風なのである。北川景子が女優として関西弁でしゃべっている貴重なシーンなので、ファンにとってはマストアイテムです。ご覧になったことのない方は、今すぐレンタルビデオ店に急いでDVD『美少女戦士セーラームーン』第6巻を借りて確認して下さい(最近は北川さんがらみでこのブログにたどり着かれる方が、かなり多いみたいなので、ここぞとばかりに煽動する)。

つまり、このテイクは、本来なら北川景子のセリフがなまっているのでNG→撮り直しになるはずだったのだが、猫がトコトコ画面を横切る、そのとぼけた味が捨てがたく、結局スタッフは、北川さんのセリフには目をつぶって本編に採用した、というような事情が推測されるのであります。
それと、このシーンを偶然の産物だと私が考える根拠はもうひとつあって、それは『モップガール』第6話(2007年11月16日/テレビ朝日/演出:常廣丈太)である。このエピソードの中に、大友さん(谷原章介)と桃子(北川景子)が公園で話をしながら階段を降りていく場面があるんだけど、階段の下の方に、白黒ブチの猫が涼しい顔で画面に映り込んでいて、二人が階段を下りてくると、ふいっとどこかへ行ってしまうのである。これも、演出として猫を仕込んだとはとうてい思えない。
北川さんはプライベートでも、ジルという名前の猫と暮らしているというし、基本的に猫との親和性は高いのだろう。しかも、現在の人気ぶり(あるいはそこに至る経緯)を見ても、彼女が何かを「もっている」人であることは間違いない。たぶん猫たちは、何かしらそういうオーラのようなものに感応して、北川さんの出演シーンに紛れ込んでしまったのではないか、と私は考えている。つまりこの実写版Act.23や『モップガール』第6話の猫たちは、北川景子の近い将来を予言していたということだね。
ということはつまり、自分の所から売れっ子タレントを出したい芸能事務所の人は、猫が寄ってくる人に注目してみてはいかがだろうか。いや保証はしないけどさ。

4. パジャマでおじゃま(予告編)



だいぶ字数を費やしたので今回はこの辺にしておくが、実は今回のメイン・テーマ(の予定)はパジャマだったのである。さっき引用した場面で、うさぎが布団をかぶるけど「タキシード仮面は敵」のひとことが気になって眠れない、というシーンがあったでしょ。あれを見ていて「うさぎってパジャマを何枚くらい持っているんだろう?」と疑問に思い、実写版全編から「パジャマのうさぎちゃん画像」をキャプチャしまくったので、それを考察する予定だったのである。でもそこまでいかないうちに(いつも通り)だいぶ字数を費やしてしまったので、それは次回に回します。
ところで、その作業をしながらふと思ったのだが、沢山パジャマをもっていそうなうさぎとは逆に、愛野美奈子はパジャマを一着も持っていないのではないだろうか。
美奈子は、車に轢かれそうになったり、立ちくらみになったりして、戦士の中ではいちばん病院にお世話になることが多い。だからベッドシーン、いや、病床のシーンが、ほかの戦士と較べてやたらと多い。しかし、にもかかわらず彼女のパジャマ姿が画面に映ったことはいちどもない。精密検査を受けたときに病院の患者服を着ていたくらいなのだ。
なぜだろう。ポリシーだろうか。寝るとき身につけるのはシャネルの5番だけとか。
いや、パジャマ姿なんて無防備の極みだから、美奈子の負けず嫌いの性格を考えれば、そんな格好はゼッタイに見せない、というポリシーなんだろうな。きっとそうだ。
とはいえ、面白いので「どんなときもパジャマをゼッタイ着ない美奈子」もついでにキャプチャしました。今回はそれをご紹介して終わります。

Act.11
Act.23
Act.35
Act.36
Act.45
なんかどんどん元気になっていくようにも見えますが。
Act.47


ちなみになるちゃんは、病院で寝ている場面がわずか2回しか出てこないにもかかわらず、2回とも違うパジャマだったりします。

Act.44
Act.46
というわけで、我らが主人公うさぎちゃんのパジャマはどんだけあるか。続きは次回で!