実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


最新記事〕 〔過去記事〕 〔サイト説明〕 〔管理人

【第930回】里香と懐かしい人々の巻(『ギフテッド』Season1 第4話)


 WOWOWの連続ドラマW『湊かなえ 落日』が早くもブルーレイ&DVDでリリース……ネットで見かけたので、予約しようとAmazonを覗いたらまったく出てこない。どこかの国で違法に出した海賊版か。しょうがないなあ、と勢い余って、代わりに正規版『松本清張 眼の壁』全5話のDVDセットを注文してしまった。明日には届くという。勢いというものは怖い。



 じゃあ次回はこれをレビューしようか。間に『正直不動産』なんかも挟みながらダラダラやっているうちに、『落日』のディスクも出るのではないかな。



 それにしても皆さん、Amazonで「泉里香」を検索したことある? 以前も無許可商品が大量に出回っていたけれども、なんかその後も、どんどん増えている感じ。



 当局は取り締まらないのか、ていうか、Amazon自体は罪に問われないのかな。ちょっとひどすぎるような気もするが。



 さて、WOWOW東海テレビ共同制作の土ドラ『ギフテッド』シーズン1、第3話まで行ってしばらく中断していたんだけど、このあいだ第4話を観て、ちょっとびっくりしたので、今回は先ずその話をしてみたい。……と言っても、たぶん皆さん「それがどうした」と思う程度のオチです(『ギフテッド』第4話「プール」フジテレビ系2023年9月2日放送、原作:天樹征丸・雨宮理真/脚本:三浦駿斗/照明:稲木健/撮影:鈴木富夫/チーフプロデューサー:市野直親・青木泰憲/監督:下向英輝)。
 既に紹介したとおり、このドラマは、天才エリート刑事の天草那月(増田貴久)と霊感高校生(浮所飛貴)がコンビで事件を解決するという漫画原作のミステリで、原作者は『金田一少年の事件簿』の人だ。



 その主人公の霊感高校生、四鬼夕也(浮所飛貴)は、学校でも自分からは人に関わらないタイプで、学校でもあまり友達がいない。でも打ち解けて話せる唯一の相手がいて、それが同級生の生駒沙耶香(工藤美桜)だった。



 四鬼夕也は10年前に父を病気で亡くし、5年前には母を何ものかに殺されている。沙耶香も10年前に両親を交通事故で亡くして、以降は叔母のもとに引き取られているが、明るく前向きに生きている。自分に似た境遇の夕也が、孤独を囲いがちなのを気にかけて、余りしゃべらない夕也に、何かと声をかけたり、励ましたりしていた。



沙耶香「四鬼君」
夕 也「ん?」



沙耶香「独りでいることに馴れちゃ駄目だよ」



夕 也「え?」



沙耶香「きっとどこかに、四鬼君のことを分かってくれる人がいるんだから」



 沙耶香は水泳部で、毎朝学校のプールで練習を欠かさない。朝練はたった一人だ。他の部員はいったいどうなっているのか。



 それにしても工藤美桜は可愛いですね。『仮面ライダーゴースト』(2015年)や『咲 -Saki- 阿知賀編 -episode of side A』(2017年)のころに較べてだいぶ洗練されてきたけど、まだ女子高生でぜんぜんいける。いや私だったらさ、毎朝プール後で髪の濡れた工藤美桜から「おはよ」なんて声をかけてもらえるんだったら、もう他に何も要らない。友達がいなくたって、毎日が薔薇色なんだけどなあ。まあ私は浮所君じゃないからな(何を言っているのか)。



沙耶香「四鬼君、おはよ」
夕 也「ああ、おはよ。今日も朝練?」



沙耶香「うん。大会が近いからね」
夕 也「毎朝泳いでいるの生駒だけだろ。偉いよなあ」



沙耶香「そんなことないよ。一人で練習していると、なんか、いろんなこと忘れられる気がして」


 今朝の沙耶香は珍しく、何かしら夕也に相談したいことがあったようだ。けれどもそのことを言いかけたところへ、水泳部の顧問をやっている化学教師、秋田雄大(佐野岳)が割って入り、話の腰を折ってしまう。



沙耶香「あのさぁ四鬼君。警察の人と知り合いだ、って言っていたよね」



夕 也「ああ、うちに居候しているけど、それがどうかした?」



雄 大「生駒」



雄 大「朝練、一人で大丈夫だったか? 立ち合えなくてごめんな」



沙耶香「ええ」



雄 大「頑張りすぎには注意しろよ。大会前にケガでもしたら大変だからな」
沙耶香「……はい……」



雄 大「それじゃ、くれぐれも気をつけて」



夕 也「……生駒?」



沙耶香「あ、ごめん、何の話だっけ」



夕 也「警察がどうとかって」



沙耶香「うん……やっぱり、なんでもない!」


 何となく変な感じ。——そしてその翌朝、夕也が登校すると、学校内に救急車やパトカーが入り込んでなにやら大騒ぎである。何があったのか。



 学校の屋内プールで何か事故があったようだ。人が溺れていたらしい。集まった生徒たちと、教室に戻るよう呼びかける先生たち。



 やじ馬に紛れて屋内プールの様子を覗きに行った夕也の目に飛び込んだのは、担架で運ばれようとしている美桜の遺体だった。



 衝撃をうける夕也。朝連の途中で何かあったのか? 事故か? その傍らでは、顧問の秋田先生が警察の事情聴取を受けている。



 その姿を見て、夕也はさらに目を見張った。秋田先生の身体から、最近人を殺した者がまとう黒いオーラが出ている。



 作朝、美桜に話しかけたときの秋田先生にはそんなものは見えなかった。先生は間違いなく美桜を殺している。
 ところが現場を検分した警察は、ひとまず事故死との判断を下したらしく、秋田が逮捕されるとか連行されるとかいう様子は一向に観られない。



 秋田はなにか嫌疑を逃れる細工を施したようだ。それを見破らなければいけない。夕也は、自宅に居候している自称天才刑事の天草那月(増田貴久)に電話をかける。



 そのとき、那月は同僚の竜崎美都(泉里香)と張り込み中だった。といっても、車の中で何かスイーツを口一杯頬張って、言っているセリフも視聴者には聞き取れない。



那 月「あ、やばっ×××」



美 都「ちょっと集中してよ」
那 月「だって意味ないよ、こんなところで張り込んでいても」
美 都「どういう意味?」
那 月「容疑者の男は、今ごろ妹の家に潜伏している」



美 都「え? でも聞き込みの時は『もう何年も会っていない』って」
那 月「玄関に男ものの傘があった。それがまだ濡れてた」
美 都「(呆れて)それだけ」
那 月「それだけじゃない、彼女はあの時……(携帯の震動音)」



那 月「あ、もしもし、四鬼君? あの、悪いんだけど今、僕の天才的な推理を竜崎刑事に披露していて」
夕 也「頼みたいことがある」
那 月「ん?」



夕 也「クラスメイトが殺されたんだ」



那 月「うん。分かった」



美 都「何か事件でもあった?」



那 月「ここ任せるわ」



美 都「ああっ」



美 都「もう!」


 張り込み現場に美都を置いて夕也のもとに駆けつけた那月。すでに噂を聞いた保護者も正門付近に集まってきている。一体なにごとかと教員たちに詰め寄る。



 そこへ駆けつけた秋田雄大先生が「不幸な事故があったということで」と強調し、なんとか騒ぎを静める。秋田先生みたいな爽やかイケメン先生は、お母さんには人気があるんだね。でもこの人、水泳部顧問なんだから、事故でも一番責任を問われる立場なんだがなぁ。



那 月「さっき所轄の捜査員から聞いたけど、生駒沙耶香さんの死因は事故による溺死だって」



夕 也「溺死って……生駒は水泳部なんだぞ」
那 月「分かってる。四鬼君は違うって考えてるんでしょ」



夕 也「あいつの回りに見えたんだ……黒い影が。昨日までは見えていなかったから、秋田が犯人で間違いない」
那 月「でも彼にはアリバイがある」



那 月「生駒沙耶香さんの死亡推定時刻は今日の6時から7時の間。その間、秋田雄大は婚約者の女性と一緒にいたらしいんだ」



夕 也「婚約者なら幾らでも口裏合わせできるだろ」



那 月「そうかも知れない。だがそのあたりのことは、調べてみないとね」



夕 也「なら、崩してよ。そのアリバイを」



夕 也「生駒は、10年前に両親を交通事故で亡くしているんだ」



夕 也「いつもおれのこと気にかけてくれて、昨日だって、あいつは何か相談があるみたいだった」



沙耶香「四鬼君、警察の人と知り合いだって言っていたよね」



夕 也「生駒のために何もしてやれなかった」



夕 也「だったらせめて、あいつの身に何があったか知りたいんだ」



那 月「分かった、とにかく秋田雄大について調べてみるよ」



那 月「君が見たものを僕が証明するから」


 というわけで、自分の担当でもない事件の調査に、勝手に乗り出す決意をかためた那月。そんな那月に、今回はバディの美都も一定の理解を示すのだった。



美 都「天草の言うとおりだった。昨日の張り込み、容疑者の男は妹の家で見つかったよ」
那 月「やっぱり。さすが僕の洞察力」
美 都「自分で言う?」



美 都「プールの件、どうして調べてるの?」
那 月「え?」
美 都「いつも自分勝手だけど、今回は自分のためじゃなさそうだから」





那 月「分かっちゃったんだよね、四鬼君の気持ちが」



夕 也「生駒のために何もしてやれなかった」



夕 也「だったらせめて、あいつの身に何があったか知りたいんだ」



美 都「分かった。しばらく好きに動いていいよ」



那 月「え、本当に?」
美 都「今回だけね」



那 月「ありがと。じゃあ、今度美味しいスイーツ御馳走するよ」


 
 というわけで、那月は晴れて(でもないか)、上司の鷲巣警部(小手伸也)には報告もせず、都立港学院高校の水泳部生徒溺死事件(事故ということになっているが)の再調査に乗り出す。
 先ず最初は、沙耶香の家。両親を失った沙耶香を親代わりに育てた叔母の美幸(春木みさよ)に、改めて話を聞きに向かう。



那 月「ありがとうございます」
美 幸「どうぞ」



美 幸「四鬼君のことは、沙耶香から時々聞いていました。同じクラスに、似た境遇の子がいるって」



美 幸「ありがとうね。沙耶香と仲良くしてくれて」
夕 也「いえ……おれは……」



那 月「沙耶香さん、近頃は毎日のように部活の朝練をされていたそうですね」



美 幸「ええ」
那 月「昨日も、早くに家を出たんですか」
美 幸「はい、多分」



那 月「多分?」



美 幸「家を出たのが何時なのか、はっきりは分からないんです。あの子は、私に気を使ってか、いつも私が起きる前には家を出ていたので」



那 月「では、最後に彼女を見たのは?」



美 幸「前の日の夜です。先に部屋に戻ろうとするあの子に『明日も部活頑張ってね』って言いました」



美 幸「そしたらあの子、私の方を振り返って『お休み』って」



美 幸「ごめんなさい、ごめんなさい」


 最後に見た沙耶香の姿を想い出し、涙が止まらなくなってしまう美幸。これ以上の聞き込みは今は無理だ。
 ……以上、特にどうってことのないドラマの前半部を、何をだらだら紹介しているのかと思われた方もいるだろう。このエピソードにおける泉里香の出演シーンは、ほとんど上に見た2シーンに尽きていると言って良い。ただ問題はその前後の場面ね。


 
 泉里香と張り込み中だった増田貴久が、それをすっぽかして学校に駆けつけたところへ、容疑者というよりはすでに犯人確定というかたちで登場したのが佐野岳。


 
 佐野岳といえば『仮面ライダー鎧武』(2013年)の主人公である。女優業を再開した泉里香が最初にゲットした本格的レギュラーが鎧武の佐野岳のお姉ちゃん役だった。


 
 とはいえ、この二人はすでに『スキャンダル専門弁護士QUEEN』(2019年)でもがっつり共演していたね。


 
 ではその次のシーンはどうであるか。泉里香の許可を得て本格捜査を開始した増田貴久が、まず聞き込みをする相手が工藤美桜を育てた叔母の春木みさよ。



 春木みさよといえばもちろん、実写版セーラームーンAct.2(2003年)のアルトゼミナール講師である。いわば、泉里香が初めて本格的に共演した大人の俳優さんと言って良い。





 以上『ギフテッド』第4話には、泉里香のテレビドラマ出演暦を考える上で、節目となるような共演者が二人、なんというかニアミスのようなかたちで顔を出していて、マニアにとっては「中々やるなあ」という回だったのである。ということを書くために、これだけの文字数と画像を費やすとは、やはり歳を取るとくどくなるものだ。



 さあそれでは本題。コメント欄で御紹介いただいた、沢井美優さんが御出演されている日本テレビのドラマ『ゼイチョー ~「払えない」にはワケが有る』をレビューしよう、と思ったらとんでもない字数になっていた。仕方がない。次回だ。山田杏奈ファンはしばし待たれよ。
 



追加】『中日新聞』2023年10月29日朝刊29面より