実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第929回】なぜ今?『モップガール』第5話レビューの巻


 始発待ちアンダーグラウンドの新曲「スターライトシンドローム」絶賛配信中。
 始発待ちアンダーグラウンドは安井俊介さんという人が手がけるインディーズのアイドルグループで、メンバーはフカミ・アスミ、モナ・ミダレ、(ブン・ブン)、ムラタ・ヒナギク。カッコ内の人は運営兼サポートメンバーだそうで、ジャケットに堂々と写っているわりにレコーディングには参加していない(笑)。もともと4人組だったがひとり抜けてひとり入ってひとり抜けて現在3人組(+1)。楽曲のクオリティが高いので、だいぶ前から気にはなっていたのだが、この春からほぼ毎月1曲のペースで配信している新曲にハマり、最近はプレイリストを作って聴いている。ただしライブは未体験。役に立たないファンでスミマセン。



 始発待ちアンダーグラウンドは「渋谷で終電を逃した女の子たちが、自分たちの始発が来るまで活動する」というコンセプトのグループなので、「始発が来た」子から卒業する。最初に始発が来たメンバーはチハル。2019年5月卒業。私がこのグループを知って間もなくのことだった。



 どうしているかなと思ったら数年後、なんと実写版セーラームーンファンならば見逃せない年末イベント(笑)『M14の追憶』主催「セーラースターアワード2022」のマーズに選出された(ここ)。



 栄誉ある受賞。M14さんが「アイドルグループ「始発待ちアンダーグラウンド」のメンバー。って言われてもわかんないよね」と紹介していて、咄嗟に「そんなことないっすよ!」と強く主張できず、日和ったコメントをしてしまった自分が恥ずかしい。そのことを懺悔したい気持ちもあり、また前回のブログで少し触れたとおり、最近は思わぬインディーズ系アイドルがメジャーでブレイクする傾向もあったりするので、ちょっと書いてみた。とにかく楽曲はすごく良いと思います。



 今年のセーラースターアワードも近づいてきたね、ということで本題。今日のお題に「なんでまた今これを」と思われた方もいるとは思うが、きっかけは佐藤二朗のツイッター改めX、2023年10月17日の投稿。



 今朝、NHKの玄関で久々に北川景子ちゃんに会い、「大河の景子ちゃん、いいね!」「ホントですか!嬉しい!」「ご主人にもよろしくね!」「はい!ありがとうございます!」と爽やかな挨拶をしたが、そのとき俺はマチスコープの衣装を着てて、景子ちゃんにこれが私服と思われてないか心配で仕方ない。


 ツイッター改めXの仕様が分からない。ニュースサイトの「セーラー戦士集合」の記事にリンクが貼ってあって飛んでも、アカウントを取っていないのでアクセス拒否される。かと思えば佐藤二朗の投稿は普通に閲覧できる。もちろん、北川景子の画像に厳重なプロテクトがかかっていて、佐藤二朗の画像はフリー素材というのは常識では分かる。分かるが厳密にはどういう線引きなのか。



 それはともかく、久しぶりって言っても、北川景子と佐藤二朗って『モップガール』以来、この15年ほど共演作はないのではないか? と思って佐藤二朗の出演作品一覧を確認したら『謎解きはディナーのあとでスペシャル ~風祭警部の事件簿~』(2013年8月2日)に出演とある。放送日が『謎解き』劇場版の公開日だし、プロモーションの一環としてオンエアされたに違いないが、私ってばこれを観た記憶がさっぱりない。櫻井翔と北川景子は「特別出演」扱いだけど、ちゃんと出ていたのだろうか。



 『モップガール』もだいぶ昔の話になった。このドラマは東宝とSDP(スターダストピクチャーズ)の作った企画書をもとに『インディゴの夜』シリーズの加藤実秋がタイトル・人物・設定などを考案し、映像化用原作として書き下ろしたものを「原作」としている。



 もともとアメリカのFOXテレビのドラマ『TRU CALLING ―トゥルー・コーリング』みたいなドラマを作ろうという企画で、パクリと言われないよう「原作者」を立てた。で、原作者の加藤実秋は良心的にも、主人公の能力を「死者の遺品からメッセージを読み取る」というものに変えたのだが、それだと映像化しづらいので、ドラマ版では「死者の願いに応じて1日だけ過去にタイムリープする」に戻って、結局『トゥルー・コーリング』と同じになって、世間でも評判になって、おおっぴらにソフト化したり再放送できなくなってしまった。北川景子の初主演ドラマなのに。



 あこがれのウェディングプランナーになったものの、仕事初日に披露宴会場で足をすべらせ、ウェディングケーキに顔を突っ込む大失敗をやらかした長谷川桃子(北川景子)。即日、系列の葬儀会社に異動させられる。事件現場や事故現場で、遺体搬送後の後片づけをする特殊清掃がお仕事。そこで、彼女は亡くなった人の遺品に触れると過去にタイムリープする特殊能力を発揮してしまう。



 第5話「容疑者・東社長の謎を追え!!」 (2007年11月9日放送、制作/テレビ朝日・東宝/チーフプロデューサー:桑田潔/原作:加藤実秋/脚本:荒井修子/照明:青木義男/撮影:伊澤昭彦・小川信也/演出:片山修)は、そんな桃子が勤務する葬儀社「リトルエンジェルス」の社長、東重男(佐藤二朗)が大幅にフィーチャーされた回である。



リトルエンジェルスで働いているのは、社長の東以下、その姪の女子高生でバイトの中村環(渡辺夏菜/現・夏菜)、若山朗(高岡蒼甫/現・高岡蒼佑)、経理の片岡未樹(池津祥子ex大人計画)、そして桃子の直属の上司となる大友将太郎(谷原章介)といった面々。



未 樹「桃子ちゃん、このデータ入力して」



未 樹「桃子ちゃん?」



桃 子「あ、え、あの私、五目炒飯でお願いします!」



大 友「お前さっき喰ったろ!」



桃 子「忘れてました。すみません」



未 樹「これよろしく。それで打ち込んで」



桃 子「あ、はい」



桃 子「おお、何だこれ」



 東 「じゃあ清川さんの御葬儀でね、もっといろいろ教えるから」



篠 田「すみません、勉強させてもらって……では、失礼します」



 東 「おう!」


 いずれはライバルとなる外の若いイケメン葬儀コーディネーター、篠田(北村栄基)に教えを請われれば、親切にノウハウを教えちゃう東社長。社員は文句をいいながらも、そんな社長の人柄が好きである。
 


未 樹「篠田君もう帰っちゃうの? あたし下まで送る」



 環 (押しのけて)「十代の私が送りまぁす!」



未 樹「いいよぉ。若いって素敵じゃない!」



 朗 「社長、若い葬儀コーディネーターの面倒みている余裕なんてないんじゃないですか⁈」



大 友「朗!社長は放っておけないんだよ、ああいう熱心な若いの見ると」



 東 「おれも篠田君ぐらいの歳でさ、親父が死んでここを継いだ」



 東 「あいつの顔は俺の若いころに瓜二つで、他人とは思えない」



 朗 「まったく似てねえし」



大 友「社長、うちにもああいうのスカウトしてくださいよ」



大 友「こんなのじゃなくって」



大 友「お前は書類すらまともに作れないのか」



桃 子「うう……まぶちい」



 東 「まあまあまあまあ、誰でも最初は何もできないさ。ゆっくりやろう」



 そんな東社長の前に現れたドレッドヘアの怪しいラップおじさんが大津 (橋本さとし)。固まる社長と社員たち、ただひとり事情がよく分からない桃子。



 東 「お前……」



桃 子「あのラップおじさん、誰なんですか?」



 朗 「ウチの商売敵だよ」



大 友「葬儀コーディネーターの大津さんだ。電話ひとつで霊柩車の手配から葬儀の司会者まで用立てる一匹狼の葬儀屋で、会社を持たず全て派遣で業務をまかなっている。格安で同業者のテリトリーを荒らす厄介な人だ」



桃 子「なんでラップなんですかね」
 朗 「流行りもん好きなんだよ。つうかもう微妙に流行ってねえけど」



大 友「地道で実直なウチの社長とは正反対の葬儀屋だな」


 大津は東社長の幼なじみで、どちらも葬儀屋の息子ということもあって、子供の頃から張り合ってきたライバルだ。若いころは原宿で竹の子族VSローラー族なんてこともやっていた。そんな二人のマドンナだったのが水島楓(三国由奈)。もちろん聖子ちゃんカット。




 楓 「喧嘩はやめて!」



二 人「かえで…」



 でも病弱だった楓は、15年前に亡くなってしまった。大津は、生前「死んだら宇宙の一部になりたい、海に還りたい」と言っていた彼女の願いを叶えるために、楓の遺骨を海に散骨しようとする。



 しかし東は大津の主張を斥け、両親の願いどおり、きちんと葬儀を行って、遺骨をお墓に収めてやった。本当は東にも、本人の遺志どおりにした方が良いのでは、という葛藤はあったの。でも遺族の想いを優先させた。それがまあ、葬儀屋としての彼の職業倫理だった。でも若い大津には、そんな東の態度が亡くなった楓に対する裏切りと映ったのだ。そのときから二人は絶縁状態になった。



 以来、葬儀屋になどならないと言っていた大津だが、ここへ来て東の向こうを張って葬儀屋を開業、リーズナブルな価格で「人生最後のショーを演出する」派手なセレモニーを売り物にシェアを伸ばし、リトルエンジェルスの顧客も横取りするようになった。



 そしていきなりリトルエンジェルスにやってきた大津から「ちょっとツラ貸せ」と言われた社長は、ひとりで彼の後について行く。そしてしばらくの後、顔にアザやら傷やらを作って戻ってくる。



 桃子たちから「大津さんにやられたんですか?」と訊かれても「何でもない」と語ろうとしない東社長。ところがその翌日、大津は死体となって発見される。大津と最後に会った東社長は、重要参考人として警察に出頭することになった。。



 東 「将ちゃん」



大 友「はい」



 東 「大津の葬式、うちでしてやってくれ。あいつ、両親いなくて天涯孤独なんだ。これだけは頼む」



 現場にあった凶器と見られる鉄パイプから東社長の指紋が発見され、東社長は商売上のトラブルから言い争いになって大津を殺したとして逮捕される。



 ワイドショーの報道があると、リトルエンジェルスにはじゃんじゃん苦情の電話がかかり、また葬儀の依頼がキャンセルされる。



 仕方がない。いまは社長が言い残したとおり、身寄りのない大津の葬儀に専念しよう、という将太郎に、桃子は異を唱える。



桃 子「あの、なんで大津さんの御葬儀、うちでやるんですか」



大 友「え?」



桃 子「だって社長と大津さん、あんなに仲が悪くて、それに社長、容疑者の濡れ衣だって着せられているっていうのに!」



大 友「仕事もまともにできない新入りが社長の考えに口を出すな!」



桃 子「でも……」



大 友「少なくとも俺たちは、社長の考えに異存はない」



 朗 「社長はおれにとっても恩人だ。高校を卒業して職にあぶれて、やけになってチンピラと喧嘩して、それ仲裁してくれたのが社長なんだ。この会社にも入れてくれた」



未 樹「私も。3度目の結婚に失敗して、路頭に迷っているところを救ってくれたのが社長だった」



大 友「3度目?」
未 樹「そこに引っかからないで」



 環 「私も。親と喧嘩ばっかりして、いつもおじさんとこに逃げてた。おじさんは優しくって」



未 樹「社長、ダメなヤツほど放っておけないんだよね」



 東 「誰でも最初は何もできないさ。ゆっくりやろう」




大 友「俺たちがいま社長のためにできることは、大津の葬儀をやりとげることだ」



桃 子「……はい……」



大 友「よし。朗は会場」
 朗 「はい」
大 友「環さんと未樹ちゃんは花の手配をお願いします」
未 樹「はい」



大 友「お前は車から大津の遺品を取ってこい」



桃 子「遺品?」


 遺品に触れると過去に戻る。それで事件を未然に防いだこともあったけど、防げなかったこともある。第5話まで来て、桃子は少しずつ、歴史に干渉する自分の力に怖れを抱き始めていて、それでもやっぱり、遺品に触れると過去に飛んでしまう。



桃 子「ほげっ」


 1日前、バッティングセンターで隣にいた新日本プロレスの棚橋弘至に見とれていて、額に球を直撃して失神し、自宅のアパートで意識を取り戻すところまで時間を遡行してした桃子は、大津の死を未然に防ぎ、東社長の殺人容疑を晴らすべく行動を起す。



 でも、被害者となる大津のいる雀荘へ潜り込んで話を聞いてくれと言っても、もちろん相手にしてはもらえない。いい感じで行っていたのに、桃子が割って入ったせいで麻雀にぼろ負けした大津は怒り心頭。



大 津「出て行け!貧乏神」



桃 子「話を聞いてください。あうっ」



大 友「すいません大津さん。うちの若い奴が」



桃 子「大友さん」



大 友「ほら来いパー子」



桃 子「私は林家ぺーの妻ではないのであります!」



大 友「ばーか。クルクルパーのパー子だ」


 なんてことがあって、果たして桃子は大津の命を救えるのか。そして大津を殺そうとした真犯人は?



 と、このあたりでレビューを終えるが、めったに再放送もされない昔のドラマをこんな尻切れトンボなかたちで記事にしていいのか、今さら不安になってきた。まあいいや。佐藤二朗のインスタがきっかけで、久しぶりに『モップガール』を何話か観返したけれど、やっぱりこれ面白いね。TVerくらいで配信しても罪にはならないと思うが。



桃 子「大津さん!」



大 津「♪あいつにジェラシーお前らファミリー、かなりハッピー、俺はロンリー♪」



桃 子「ロンリーじゃないですよ。大津さんには社長がいます」



大 津「ふっ……」



大 津「貧乏神。ちゃんと働けYO!」



桃 子「分かりましTA」



 ということで、なぜ今こんなレビューを始めてしまったか、迷いは解けないまま、今回はこれまで。またね。