実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第912回】リスペクトは二度繰り返す。北川景子 in『まつもtoなかい』の巻(その2)


 渋江譲二(40)御成婚のニュースは百日紅さんからお知らせいただいた。ありがとう。おめでとう。で、ネットで検索すると、ジョージのお相手は同日に結婚発表をした黒沢ともよ(27)ではないか、という話題でもちきりだったんだが、真相はどうなのかね?



 ということは措いて、さっそく本題に入る。北川景子が出演したトーク番組『まつもtoなかい』第2回(2023年5月7日 フジテレビ)レビューの続き。なにしろこれ、長期連載(笑)になりそうだからね。前回はようやく北川さん御登場、というところまでだった。



中 居「さあそれではお呼びしましょう」



中 居「この方です!」




松 本「いややっぱり、こうね、だいぶ長かったでしょう」



北 川「いえとんでもないとんでもない」



上 沼「北川さんだ……」
中 居「あ、初めましてなんですね」



上 沼「はい。いやもう私は、ほとんど作品は拝見していますけど」
北 川「ありがとうございます」
上 沼「いやもう、いらっしゃいませ、って私の番組とちゃうんやけど」



中 居「おかけください」
松 本「おかけください、おかけください。なんかこうちょっと我々も緊張してきましたね」
中 居「でもなんかちょっとヤバそうな感じですね」



北 川「もうめっちゃ緊張しています、あの、ごぶさたしています」



松 本「ごぶさたしています。本当に1回くらいですよね」
北 川「私本当に」



中 居「1回?」
松 本「僕が記憶しているのは『○○な話』でちょっとだけ、この局でやらしてもらった時に、その時になんか『許せない話』みたいな」
北 川「十何年前ですかね」
中 居「その1回だけ?」



北 川「だと思います。」
中 居「じゃあなんかトークしてなんかっていうのは」



松 本「そんなに直接は……」



北 川「夫は時々あると思うんですけど」
中 居「ああ、はい」
松 本「そうですそうです」



北 川(上沼と目が合って)「わぁ、うふふふ」



上 沼「……やっぱり、間違いなく綺麗ですね」



北 川「いやいや、あの」
松 本「まぁやっぱりそのオーラは、ねえ」



中 居「オープニングのエンジンと全然違うじゃないですか!」


 トークの序盤でさらりと「夫は時々あると思うんですけど」と入れてくる。北川さんにしてもDAIGOにしても、トーク番組で互いの話題を出してもOK、ということはすでに我々視聴者にまで知られているが、今日もDAIGOの話を振られてもぜんぜん大丈夫ですよ、と自分からサインを出すって、なかなか技ありだと思いませんか(別にそれを故意にやっているわけでもないだろうが)。



 しかし「夫婦揃っては番組に出ない」(ただし千鳥の大悟となら共演可)「でもお互いの話題をトークで出すのはかまわない」というカップルが現在、芸能界にどのくらいいるのか知らないが、この二人のようなパワーバランスってなかなか類例が思いつかないですよね。DAIGOはロック歌手としてはよく分からないが、バラエティーを中心にテレビタレントとして第一線で活躍中。北川景子は専業俳優としての道を邁進中で、番宣以外はバラエティーの類いにはあまり顔を出さない。
 でも今回は番宣でもないのにトーク番組に出演した。なぜなら上沼恵美子に会いたかったからだ。



中 居「だって北川さんが会いたかった人ですからね」



北 川「そうですね、はい」



松 本「でも聞いてました? いま何かイマイチ、私のことを好きやっていうことに対して、ちょっと懐疑的な」



北 川「ええ、ええ、聞いてました、聞いてました、聞いてましたけど本当に訂正したいなって思って、もう全然そうじゃないです」



上 沼「本当ですか?」



北 川「もうずっと、小さい頃から見てきているので」



中 居「え関西の子?」
上 沼「関西です」
北 川「兵庫県の神戸市なんですけど、同じ兵庫なんで」
松 本「ええ、ええ」



中 居「あっそうか。てことは変な話、物心ついてるときからお二人のことはもう見ているってこと」



北 川「はい。そうです。もうダウンタウンさん、もちろんですけど、もう上沼さんに関してはもう、関西人全員のスターです」
上 沼「いや、えっ、ああ」



松 本「我々はもう、わりと早い段階で東京へ行っちゃいましたからね」



上 沼「そうそうそう、あなたすぐ大阪を捨てましたね」



松 本「捨ててないって!」



上 沼「めっちゃ有名ですよ」



中 居「隙がないですね」
松 本「いや、で、だからすごいですよね」



北 川スターです。スターです。レジェンドです。テレビ点けていてない日無いんですから」
上 沼「いやそんな」



松 本「それに面白くない日ないですもんね」



北 川「ないです。ないです。本当にないです」



上 沼「嬉しい!」
中 居「ちょっと乙女出すの止めてもらえます?」



松 本「上沼さんね、意外と乙女出るんです」



中 居「いやいや僕らの前で乙女出るんならまだしもですよ」


 「スターです。スターです。レジェンドです」「ないです。ないです。本当にないです」素朴な繰り返しによる強調。私が大学生になって始めて関西圏で生活したとき、これは強く実感した。「寒い寒い」「痛い痛い」「知ってる知ってる」など、なぜか同じ言葉を二度繰り返す。ネイティブの人はあまり自覚されていないらしいが、北川さんのこのあたりの繰り返しは、イントネーションとあいまって、関西だなぁ、という感じ。



北 川「毎日観てました本当に。ずっと観てます」



上 沼「ありがとうございます、もう、やってて良かったぁ」



松 本「だからもう家族ぐるみでみたいな感じでね」



北 川「そうです、もう関西住んでた時の想い出とか、家族との時間に、絶対もう上沼さんが、番組を観てみんなで笑ったというのが、もう組み込まれていてセットなので。だから母も毎週、毎日楽しみにしていて」



上 沼「ありがとうございますぅ」
中 居「そっか、親世代はもちろんだ」



北 川「そうなんです。そうなんです。だからテストで点数悪かったりして、なんか怒られた後も、なんとなく『あ、もうえみちゃんの番組始まるな』みたいな」



上 沼「えみちゃん!」



中 居(笑)



松 本「めちゃくちゃ救われてるんですね」



北 川「そうなんです。もう時間になったらみんないそいそ、テレビ一台しかないですからテレビの前に行って、みんなで見よか、みたいになって」



中 居「そっか、家族のトラブルがあったとしても」
松 本「変な雰囲気がね」



北 川「で絶対笑うじゃないですか。絶対おもしろい。そこで笑って、もうさっきのことはええか、みたいな感じになって、もう何回も救われてます」



上 沼「ありがとうございます」
松 本「いや人助けですよ」


 「めちゃくちゃ救われてるんですね」「もう何回も救われてます」「いや人助けですよ」なんて強めのワードが出てきたが、私はこのあたりのやりとりを観ていて、たぶん北川景子は意識的にか無意識的にか、ほんとうはもう少し、幼いころの深い記憶のことも言っているんじゃないか、そして松本人志さんも、そういうニュアンスを肌で感じているな、と思った。北川さんがここで、上沼さんに「救われた」と言っているのは、テストの点が悪かったとか、その程度の家庭の揉め事に収まらない話だろう。たぶん。
 以下はいまからざっくり10年前にNHKで放送されたドキュメンタリー『輝く女 北川景子』の一場面である(2012年4月7日放送/制作:NHK、共同テレビ/プロデューサー:萩原かおり/ディレクター:桃井隆宏、小林裕季子)。



北 川「両隣が全壊とか半壊とかで(人が)亡くなっていたり、もう、すぐ火が迫っていたりとかして、瓦礫の下から人が『助けて』って、そこを弟と一緒に逃げて、『見ちゃダメ』って。助けてたら死ぬって。……それは今でも、どっちが正しかったかとは思いますけど、火と、あと煙がすごくて(口元をおおう)みんなこうやって逃げて、戦争と思いました、最初は。地震とかじゃなくて」



インタビュアー「そのとき『助けなくて良かったのかな』って?」
北 川「まあ、たぶん一生、それはつきまとう罪悪感だと思います。だから、そうして、姑息とまではいかないんですけれども、逃げたぶんは、何か役割をはたさなきゃいけないじゃないですか。きっと。そこで生かされたからには」



北 川「その時は、もう、毎日考えるのは、生かされた意味というか……。『どうして助かったの』って弟に聞かれて、とっさに答えたのが、『なんか、仕事があるんやろう、私らには』って。『何の?』って言われたけど、『わからんけど、何かあるんやろ』って、言ったんですよ。『何かしなきゃいけない』って。変な話だけど、一回死んだもんだと思って、何でもやれば、どんなことでも乗り越えられるんじゃないかって、思ったんですよね」



 上沼恵美子は1994年の『第45回NHK紅白歌合戦』で紅組司会を務めたとき(白組司会は古館伊知郎)「ベテラン歌手から『あんたみたいなもんが紅組の司会ってなんやの』という態度で迫られた」りして(Wikipedia調べ)もう二度と紅白の司会なんかやるまいと思った、という。しかし年が明けた直後、1995年1月17日に阪神・淡路大震災が起った。そのため、NHK側は再び上沼に「震災で被害に遭った人々を元気づけてほしい」と交渉し、結果、2年連続で上沼・古館が司会を務めた。



 その『第46回紅白歌合戦』(1995年12月31日)には、あまりNHKとは縁のない松本人志がサプライズ出演、浜田雅功と小室哲哉のユニットH jungle with Tが唄っている最中にGEISHA GIRLSの衣装で乱入するという演出があった。また、翌1996年の春に森且行が脱退したSMAPにとっては、6人での最後の紅白出演となった。
 というあれこれはアレとして、そういうわけで、ここで北川景子が「関西住んでた時の想い出とか家族との時間に絶対もう上沼さんが、番組を観てみんなで笑ったというのが、もう組み込まれていてセットなので」と言うとき、その「セット」のなかには、言葉にできない、つらい負の記憶も入っていて、だからこそ「絶対笑うじゃないですか。絶対おもしろい。もう何回も救われてます」ということになるのではないか、と思うのです。



中 居「でも嬉しいですよね」
上 沼「ああ私ね、はい、社交辞令でおっしゃっているのだと思っていたんで」



北 川「いえ違う違う、違います」
上 沼「なんか今の話で、ねえ」
中 居「真実味があるというか、ね」



上 沼「震えてます、いま。初めてです、こんなアガったん」



中 居「だっていろんな女優さん、ゲストに来たりだとか、それこそお話することもあるわけじゃないですか。で『見てますよ』とか……」



上 沼「もう誰も緊張しません、悪いけど」



北 川(笑)



上 沼「そこはね、度胸はあるんですよね。ちょっとしんどいな思ったんは×××くらいでね」



松 本「あの、ちょいちょい他人の悪口言わな……」



上 沼「悪口ちゃう!」



松 本「何分かに一回、絶対言いたいんですよね。病気ですねもう」


 だいぶ前に上沼恵美子が、さっき触れた紅白の初司会(第45回紅白歌合戦)の想い出話をしていたとき、藤谷美和子の態度の悪さをかなりボロクソに言っていたことを思い出します。そう考えると、15年くらい前に北川さんと上沼さんが会っていたらどうだったんだろう、とちょっと想像もしてしまいますね。



 あのころは北川さんもそれなりに尖ってましたから、今みたいに素直にならずに突っ張って、浜村淳なみの逆鱗に触れていたりして。いやそんなこともないかな。ていうあたりで、今回はここまで。レビューはまだまだ続くよ。