実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第906回】連休前に小ネタ祭の巻


 前回は「次週からひさしぶりに実写版セーラームーン本編(Act.18)のレビューを再開するぞ」なんて吠えていたら、そうもいかなくなってきた。世の中そんなもんです。

1. 「ハナさん3」準備委員会報告



 ちょっと前の話に戻るが、ムラタコウジ『高嶺のハナさん』第8巻(日本文芸社、2023年2月)が発売された。前巻、第7巻後半からの流れを振り返ってみよう。
 新展開。ある日、弱木は人事部に呼び出される。



 この人は碇ゲンドウではない。ミツバチ製菓の人事部長、リストラの虎こと理須虎子(りすとらこ)である。「君は以前、COPに携わっていたようですね。だがこれは実際には、ほとんどがあの高嶺さんのおかげと聞いております」



 企画部長は必死に弱木をかばうが「あなたが仮にお店をやったとして、雇った従業員が何も働かずボーッとしているだけだったらどうしますか?」と反問されると、返すことばもない。



 青森工場は通称「地獄の強制労働施設」と呼ばれていて(そんなこと言っていいのか?)東京本社から異動を命じられたほとんどの社員は絶望して辞表を出す(いいのか本当に?)。どっちかというと自主的に辞めさせたいのだ。



 だが弱木は予想に反して「少しでもお菓子のことに関われるのであれば、僕はどこへでも行きます!」と元気よく受け入れる。と同時に「ですが、どうしても成し遂げたいことがあるので、あと少しだけ企画部にいさせてください」と願い出る。



 虚を突かれた理須虎子は、仕事もできないくせに溢れ出るポジティブパワーに何かを感じ、「年内までの4ヶ月、君が成果を上げ、企画部に君が必要だと判断されれば、今回の異動の話は再考いたしましょう」と前言を覆す。メガバンクの人事部からヘッドハントされた「鋼の女」理須虎子としては、異例の決断であった。



 4ヶ月後の年末といえば、毎年12月24日、ミツバチ製菓では、次の年のクリスマス商戦に向けた新商品開発のコンペが行われる。つまりここで弱木が(誰の力も借りず)魅力的な商品企画をプレゼンできて商品化となれば、異動はなくなるわけだ。



 もちろんプレゼンには企画部の全員が参加する。ハナさんはじめ、みんながライバル。弱木は異動の話を同僚のだれにも伝えないよう、部長に頼んだ。自分一人の力を試すのだ。一方、何も知らないハナさんは、クリスマス企画のアイデアのためとか何とか理由をつけて「秋のお菓子まつり」に弱木を誘う。



 あいかわらず中高生並みのデートに有頂天になっているわけだがが、そうこうしているうちに社内に「弱木、異動」のウワサは広まり、ついにハナの耳にも届いてしまう。



 しかし時すでに12月、動揺したハナの心の整理もつかないうちに、無情にも12月24日、社内コンペ当日がやって来てしまう。



 イチゴもチャラ田も弱木の異動の話は知っている。でも、だからといって遠慮しない。むしろ全力でぶつかり、競い合うのが弱木に対する花向けだ、と腹をくくっている。一方ハナは、今回はプレゼンを辞退しようか、なんて迷ったりしている。それを見抜いたのはチャラ田。



 「でもそんなことしても弱木は喜びますかね」チャラ田がハッパをかけてくれたおかげで、自分も全力で行こうと決意するハナ。こうしてプレゼンが始まる。くじ引きで順番が決められて、トップバッターにあたったのは淀屋橋うめ。そういえば、うめだけはツヨシの異動の話も、何も知らない感じである。(以下、お菓子のプレゼンの内容はネタバレになるので省略します。)
 


 審査員は社長(原作漫画では禿頭のおじさん)、不動さん、そして部外者1名は人事部からリストラ子。ウメコもイチゴもチャラ田も頑張るが、やはり高嶺さんの企画が完璧だった。だがここにネックがひとつあった。不動さんだ。不動さんもハナの素晴らしい企画に満点を出したいのだが、なぜか身体が逆の反応を示してしまう。



 危うく0点をつけそうになるが、「0点=テニスでいえばラブ=そんな恥ずかしいこと言えない」という独特の連想がはたらいて10点満点。



 高嶺さんが満点をマーク。さあ絶体絶命の弱木はいったい、どんなお菓子をプレゼンするのか。そしてその結果はどうなるのか?



 というわけで、人事部長の登場から始まり、クリスマスイブのプレゼンとその結末へと興味をひっぱりながら、あれこれエピソードも盛りだくさん、これ絶対、第3シーズン、12話ぶんの原作として魅力的だと思うのだが。どうでしょうかテレビ東京『高嶺のハナさん3』は。新キャラ理須虎子のキャスティングが考えどころだが、絶対いけるって。



 巻末にはオマケ漫画「死ぬほど食べるイチゴ」もついてます。


2. 黒木ミオ、一瞬登場



 次は、インスタなどではお馴染みだが、ドラマに出てくるのは、本当に久しぶりとなるダーブロウ有紗。この3月に始まったばかりの東映スーパー戦隊シリーズ第47作『王様戦隊キングオージャー』に登場だ。この『キングオージャー』だけど、今年は白倉伸一郎が外れ、大森敬仁プロデューサーが久しぶりに仮面ライダーからスーパー戦隊に帰ってきている。



 脚本家は実写版『賭ケグルイ』の 高野水登で、舞台は「チキュー」という架空の惑星。この星を分割統治している5人の王様たちが、昆虫をモチーフにした戦士に変身して、地底からの侵略者と戦う、という物語。舞台は完全に異世界で、スーパー戦隊史上、これまでで最も役者たちがグリーンバックで芝居している作品ではないかと思う。カメラマンはセーラームーンでもお馴染みの上赤寿一



 あと、巨大ロボットの操縦方法も、コックピット内のパイロットの動きが直接ロボットに連動するという、『ジャンボーグA』(1973年)や『闘将ダイモス』(1978年)、『機動武闘伝Gガンダム』(1994年)なんかの系列に連なるパターンであるとか、まあいろいろ新機軸をかましている。そういうこともあってか、もう第7話なんだけど、それぞれの王国の成り立ちとか、戦士の背景とかの基本設定が続いている。



 戦隊のメンバー構成は、暴君の兄に刃向かい逆賊となった最強国の王位継承者(赤)、ハイテクIT王国のヤンキー総長(青)、医療と芸術の王国の美貌の女王(黄)、氷雪に覆われた監獄のそびえる中立国の国際裁判長(紫)、田園広がる農業国の老獪なお殿様(黒)。今んとここの5人で、第7話「神の怒り」(2023年4月16日、テレビ朝日)では東の国、医療と芸術の島国「イシャバーナ」の女王ヒメノ・ラン(村上愛花)の生い立ちが語られる。



 ランの両親はこの国の統治者にして優秀な医師だったが、15年前の「神の怒り」の時に命を落した。



 「神の怒り」というのは、国中が虫の大群に襲われた大災害だったが、ランの記憶ではそれは災害ではない。虫の大群は誰かに操られて意図的にイシャバーナ王国を襲ってきたのだという。



 襲われた国民たちの介抱と治療に従事していたランの両親は、背後から忍び寄った謎の人物から毒を注射されてその場で命を落したのである。






 というこの、この回想シーンにあらわれる、ほとんど顔の映らないランのお母さんが、ダーブロウ有紗でありました。



 ヒメノ・ランを演じている村上愛花がカナダ人とのハーフだそうで、幼少期のヒメノはアンダーソン・メロディ(オウサム)、そしてヒメノの母はダーブロウ有紗(ジュネス)と、それぞれハーフ系タレントを要する事務所から引っ張ってきている。お父さんのクラウスはヴァカー・エンターティメント所属の舞台俳優で、「クラウスダンスアカデミー」主宰のダンサーでもあるそうです。しかしまあ、今回の有紗はセリフもなかったので、記事はこれくらいで。村上愛花さんは『ViVi』のオーディションでグランプリを獲った専属モデルだそうです。


3. 沢井、関ジャニを殴る



 続いては横山裕(関ジャニ∞)主演の実写版ドラマ『帰ってきたぞよ! コタローは一人暮らし』の第1話。
 このドラマは津村マミが2015年から『ビッグコミックスペリオール』に連載していて、アニメ化もされた同名の漫画が原作である。




 Wikipediaには「原作漫画の主人公はコタローであるが、テレビドラマ化するにあたり、コタローの住むアパートの隣人・狩野進を主人公に据え、狩野の視点からコタローを描く物語に再構築されている」と書かれている。悪いんだけど、こういう「再構築」の話を聞くと、こっちは観る気がなくなってしまうんだよね。



 かつて(2005年)TBSが、二ノ宮知子の漫画『のだめカンタービレ』を上野樹里と岡田准一でドラマ化すると発表したものの、結局まぼろしに消えたことがあった。ジャニーズ事務所からは「主演は上野樹里ではなく岡田准一、テーマ曲はV6」という条件が出ていたのだが、原作者は事前にそのことを聞かされておらず、撮影直前に知ってストップをかけた。局側があわてて意見調整に奔走したがすでに時遅く、原作者の許諾が得られないままドラマは制作中止になった。



 『のだめカンタービレ』はその後2006年にフジテレビでドラマ化され、原作者の意向どおり、主演はあくまで上野樹里、テーマ曲はクラシック(もちろんジャニーズ事務所のタレントは一人も出演しない)というかたちで制作され、大成功を収めた。一方TBSも、潰れた『のだめ』に代わって松本潤をメインに『花より男子』(2005年)の企画を急きょ立ち上げ、成功したのだからウィンウィンで良かったと言えば良かった。とはいえ、ジャニーズ事務所は時々そういう無理筋を通そうとする。



 というわけで、私は2021年の春に放送されたこの実写版ドラマに関心がなかったのだが、この春に始まった続編『帰ってきたぞよ! コタローは一人暮らし』の第1話に、沢井美優が出ているというのだから、これは観ないと仕方ないよね。



 第1話冒頭。徹夜明けなのかアパートで眠りを貪る狩野(横山裕)を叩き起こす女、ハルカ(沢井美優)。



狩 野(笑)



ハルカ(一発殴る)



ハルカ「ありえない。締め切り終わったら連絡するって言ったよね」



ハルカ「私ずう~っと待ってたんだけど」



狩 野「ご、ごめん。ホントに忘れてた……」
ハルカ「はぁ?」



狩 野「そっその、いまやっとネームが上がってさぁ、ちょうど連絡しようと思っていたとこ」



ハルカ「ふう~ん」



狩 野「ホントにごめんね、ハルミちゃん」



狩 野「……」



ハルカ(もう一発殴る)





ハルカ「私の名前はハルカだ」



ハルカ「ばかーっ!」



 えーと、以上で出番は終わりです。
 さて沢井さんはもうひとつ『特捜9』season6 第3話(4月19日放送、視聴率10,6%)に出演している。こちらは、さすがプロデューサーに丸山眞哉が名前を連ねているだけあって、けっこうドラマの要となる役を演じている。



 でも詳しく解説するとネタバレになるし、来週まではTverで配信されているので、これについては次回でレビューしたいと思う。
というわけで、また来週。