実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第897回】ドラマの記憶は終わらないの巻(『女神の教室』第6話)



春風亭一之輔さんの真打昇進披露興行を観に行きました。
ギリギリ国立演芸場のに行けました。
あ!もう師匠ですね。すごいです。
初めての落語だったのですが、とても面白く楽しかったです(*^^*)
勉強にもなりましたφ(。_。*)
(沢井美優オフィシャルブログ『MY HEART』「真打」2012年5月16日より)


 これは今からおよそ10年前の沢井美優のブログ。沢井さんは日本舞踊をやっていて、そこに一之輔も習いに来ていたのだという。つまり日舞の師匠のきょうだい弟子である。



 このたび一之輔が『笑点』の新レギュラーに就任して、おおいに話題になっている。私としても、沢井美優関連の人物というより、単純に大好きな噺家が笑点メンバーになって嬉しい。すでに「日本一チケットの取れない落語家」なんて言われている第一人者だが、やっぱり『笑点』のレギュラーって、一般向けブランドとして大切だと思う。ただ、とにかく精力的に全国を回っている人なので(私なんか2022年にこの人の高座を名古屋で3回も聞いている)たいへんでしょう。御自愛ください。



 すんません、次回は短縮版でと言ったのに、早くも雑談だ。土・日と自宅にいなくなるので、金曜日にアップします。『女神の教室』第6話レビュー。そういうわけで今回は「悪かった点」と「良かった点」に絞ってサクサクっとまとめるね(2023年2月13日、フジテレビ、脚本:大北はるか・神田優/照明:藤本潤一/撮影:長谷川諭/監督:谷村政樹/プロデューサー:澤田鎌作)。



 まず「悪かった」というか納得いかなかった点。クロウ(crow)の正体が判明するのだが、予告編からだいたい予想できたように、過去に柊木先生が扱った事件の被告であった。



 役者はyamabosiさんがコメント欄で指摘していたように安井順平。私は安井順平がクレジットされていることにも気づいていなかった。



 ていうか安井順平って、これまで『海月姫』と『正直不動産』でしか観てなくて、泉里香専属だと思っていたが、北川さんのドラマに出るとは、裏をかかれた(そういうことではない)。忘れてしまっている方のために『海月姫』第3話(フジテレビ、2018年1月29日)より、イナリと佐々木のワンシーンをプレイバック。



イナリ「私を誰だと思ってんの?」



佐々木「そりゃ 床上手の敏腕デベロッパー……」



佐々木「あ、あの間違えた。 あれだ、恋の百戦錬磨、稲荷翔子さんです」



イナリ「そのとおり」



イナリ「恋ってのはね、会えない時間に育まれるものなのよ」



佐々木「めんどくせ~」


 この佐々木が、ではなく津山(安井順平)が、柊木先生(北川景子)を恨んだ理由が、冤罪ではなく、結審の際に柊木先生ならではの思いやりで言った一言に傷ついたから、という動機は意外性があって、よかったと思う。でも逆に、それだと、学生たちにあんな嫌がらせをする動機としては弱くなるね。



津 山「自分より回りの人間が苦しむ方が辛いだろう。だからやってんだよ!」


 というのが一応の動機説明だが、いやいや、大学教員を逆恨みしてゼミの学生にいやがらせをするというのは、どう考えても理屈がおかしいし、苦しめたい当人を苦しめる効果があるとも思えない。そもそもあの学生たちにとって、柊木先生はゼミの指導教員とかではなくて、たんなる科目担当教員ではないのか。
 一方、それに対する風見刑事(尾上松也)の態度も、一見よくある熱血刑事ふうだが、これも考えてみればおかしいよね。



津 山「おれはお前を一生許さない。このままずっと脅えながら生きていけ」



津 山「法律ではおれを止められないんだよ」



風 見「いい加減にしろよ津山」



風 見「おれはお前を見張り続ける。お前がボロを出し法を犯すその瞬間を、絶対に見逃さない」



津 山「できるもんなら、やってみろよ!」



 いやここまで風見刑事が柊木先生に肩入れする理由って、ねえ。これまでのドラマの展開を踏まえると、この二人の関係って、不起訴になった事件のアドバイスをもらうチャンスがあって、そのあと電話で、今後も協力を約束したとか、そんな程度である。少なくとも風見刑事がここまで怒るほどのつながりはないように思う。クロウの行為だって、どっちかっていうと、いやがらせの域を出ていないし、ふつうだったら警察が動き出せるレベルでもない。なのになぜ、風見刑事はそんなに熱く柊木先生を守るのか。



 う〜ん、やっぱ美人だからか。
 まあ私は、このコンビがメチャクチャ熱かったことを、昔のドラマで覚えているからすんなり入ったけど、みんなどうだったのだろうか。……と言っても、分かんない方もいるだろうからWOWOWのドラマ『ヒポクラテスの誓い』(2016)の最終話をあらためて採録するね。
 浦和医大病院で、薬の誤投与により幼い少女の命が奪われかけている。いますぐ手術が必要だ。だが病院側は、過去の一連の誤診にもつながるこの事実を隠蔽しようとしている。頼りにしていた医学部長の津久場(古谷一行)にも裏切られた研修医の真琴(北川景子)は、埼玉県警の古手川刑事(尾上松也)に協力を頼み、自分の医師としての将来を捨てても、少女の命を助けようと立ち上がる。ここ、めちゃくちゃカッコいいシーンだった。




真 琴「紗雪さんの容態が急変したのは、私の責任です」



紗雪の母「え?」


:


真 琴「私が、内科の研修中に、セチルミンという抗菌薬を誤投与したからです」



紗雪の母「誤投与って……」



真 琴「後になって、セチルミンはカルシウム製剤と一緒に投与すると、患者の体内に血栓が生じる、という副作用があることを知りました」



真 琴「紗雪さんは腹膜炎が悪化したのではなく、血栓によって、急性のバッド・キアリ症候群を発症しています。一刻も早く外科手術をしないと、紗雪さんは助かりません!」



紗雪の母「助かりませんって……何なのそれ?」



真 琴「ここに血液検査と、カラードップラー検査の結果があります。両方とも、バッド・キアリ症候群の症状を示しています」


:


担当医「いや、でもおかしいでしょ、そんなの津久場先生がカルテを見れば、すぐに……」



真 琴「カルテは……私が改竄しました」



古手川「みなさん、すみません。埼玉県警です」



古手川「実は内々に捜査していたんですが、本日この方の自白を受けて調べたところ、倉本紗雪さんのカルテは、確かに改竄が行われている事実が判明しました」



紗雪の母「どうしてそんな……」



真 琴「申し訳ありません。どうしても言い出すことが……」



紗雪の母「この子どうなるの?どうなるの! 助けてよ」



真 琴「申し訳ありません」



紗雪の母「助けてよ!」



真 琴「申し訳ありません」



真 琴「一刻も早く、外科手術をお願いします」



真 琴「お願いします!」



真 琴「みなさんお願いします」



真 琴「お願いします。助けて下さい」



真 琴「助けて下さい、お願いします」



古手川「お願いします。お願いします」



真 琴「紗雪ちゃんを、お願い」



真 琴「お願いします」



津久場「もういい」



津久場「まだ間に合う」



津久場「緊急手術を行う。外科に連絡してくれ」



津久場「私だ。私がやった。セチルミンを誤投与したのは私なんだ」


 「病院を守るため、ひいては多くの患者を守るため」という大義名分の陰で良心の呵責に苦しんでいた古谷一行の医学部長も、若い研修医の捨て身の行動に、ついに心動かされる。いやあ良かったなあ。長く引っ張ってしまってすみません。『女神の教室』に戻ります。



 でも、ともかく、尾上松也と北川景子が久しぶりに顔合わせしただけで、この『ヒポクラテスの誓い』のクライマックスが脳裏に甦ってしまった私にとっては、今回、風見刑事がハナから柊木先生に全幅の信頼を寄せ、また柊木先生の身に何かあったら俺が許さんと怒るのは、ごもっとも、としか思えない。私は全然いいんんだが、このドラマを単体で見たとき(それがふつうの鑑賞の仕方なんだが)はたしてそこまで説得力があるのかどうか。



 ドラマ内だけで理由を探すと、やっぱり美人だから、守りたくなっちゃうのかなぁ、ってことになるよね。でも、しょうがないといえば、それもしょうがないやね。小堺一機さんも、現場で北川さんをつい観察しちゃう、って言っていたもんな。「初めてお会いした時にね、なんでそんなに遠くにいるんだろうなと思ったら、顔がちっちゃいだけだったんです」だって。



 現場で北川と話はするのかと聞かれると、「うれしいのはね、僕頼りない教務主任の役なんです。割と伸びしろが大きいんで、普通のセリフなんですけど、ちょっとこう笑ってもらえるようにしたりすると、もちろん本番では吹いてないんですけど、北川さんを2度吹かせたことが僕はあって。我慢してくれるんですよ、カットまで。うーん、ハハって笑う。ドラマを壊さない限り、いいと思う」と裏話を明かした。(「スポニチアネックス」2023年2月15日


 でもドラマとして観ると、尾上松也の風見刑事は、やはりちょっと、職務の範囲を越えていたように思う。



 さらにもうひとつ、良かったというか、すごく観ていて感動した点をもうひとつ挙げると、柊木先生が学生全員に添削つきで答案を返却したっていう話。落ちた人だけではなく、受かった人にも、全員。



 藍井ゼミの選抜問題は、司法試験対策の模擬試験として非常によく練られていて、これを実際に解かせれば、個々の学生の長所と短所がクリアに分かる。藍井先生はそれを見て、ゼミ生を選抜するわけだが、でもほんとうは、落ちた学生の分もすべて答案を解析すれば、それぞれの克服すべき課題がどこにあるのかが見えてくるし、そうやって一人ひとりに添削指導してやれば、藍井ゼミに入れなかった人も、これをもとに今後の効率的な勉強の方針が立てられる。



 ただそういう、学生一人ひとりの個性にそった丁寧な指導ができる教員は、これまでここにいなかった。それは学生に対する注意力と人間観察力と、そして根気と努力が必要だからだ。しかし柊木先生はそれをやってのけた。しかも受けた学生、全員に対して丁寧に。これは柊木先生にしかできないわざである。でも、その土台となる、司法試験対策に特化したすぐれた模擬試験問題を作成することは、柊木先生には無理で、藍井先生にしか作れない。藍井先生が作問し、柊木先生が採点する。これが、このペアのみに可能な、青南ローのスーパー指導である。



 というわけで、守宮院長(及川博光)が前回ちらっと「私には夢がある」といったその「夢」の内容、なぜ青南法科大学院には藍井先生と柊木先生の二人がどちらも欠かせないのか、この二人を呼ぶことで青南法科大学院がどのように変わることを望んでいるのか、ということが、このエピソードで、視聴者に問わず語りに伝わった。そこがすごく良かったと思う。
 そして今回のドラマの最大の萌えポイントは、なんと藍井先生だった。



守 宮「どうぞ」



藍 井(大慌てで抱え込む)



 守宮院長はどうやって藍井先生を手なずけたのか。答えはポップコーン。藍井先生はポップコーンで餌付けすることが可能である。この事実を柊木先生が知るのはいつか。crowの死で、ドラマの先行きがちょっと不安になったりしたが、この藍井先生の秘密のバクロで、がぜん楽しみになってまいりました。ということで今回はこれまで。
 あ、あともうひとつ、第1話オンエア直前の『ネプリーグSP』で、北川景子が20年ぶりに地上波でセーラーマーズの決めポーズと決めゼリフを決めてくれた話はしましたよね。



 前に紹介したときは省略したが、実はその後、ネプチューンの堀内健が南沙良に無茶ぶりをしたのである。



及 川「素晴らしいものが見れた」
堀 内「言えるね、沙良ちゃんね」



 南 「プリティー……プリンセス」



堀 内「ああ、今日のキャラだとやっちゃダメ」



 南 「すいません帰ってもいいですか?」



 この、最後の「すいません帰ってもいいですか?」って、もうきっちり100%照井さんのキャラになりきって言っているわけよ。でもこの時点で私たちはまだ、照井さんを知らなかったから、「無茶ぶりされてウケ狙いにやや走ったけれど、指摘されてドラマの役柄にきちっとキャラを微調整した」彼女の機微というものが、よく理解できていなかった。今あらためて観ると、弱冠20歳にして大学院生を演じている南沙良さん、頑張ってんなぁと感心します。





 あと、柊木先生はなぜ、机を寄せ床を掃除してまで大の字になりたいのか、これは一休さんが坐禅でトンチをひねり出したり、ガリレオが数式を書きまくってトリックを暴くとかと同じような趣向か、などなど、いろいろ気になる点はある。



 それに、『機捜235』も気になるし、M14さんがレビューしている 『ガラパゴス』も面白そうだし、気になるタイトルも多いが、すんません今回もなんだかんだ言って(昔のレビューの引用で粉飾しつつ)特に短縮バージョンでもなくなってしまった。このくらいで。じゃまた。