まずはいつもの言いわけで、すまんのう。この土日も仕事がぎゅうぎゅうなんですが、次の土日は、家族サービスで、有給をとってちょっと小旅行に行きますので、短縮版となります。さて先回の続き。
市 「乱世とは、まことに愉快な世であることよ」
元 康「……乱世が愉快ですか……」市 「力さえあれば何でも手に入る」
市 「力さえあればどんなに大きな夢も描ける。愉快この上ない」
市 「……ただし、男であればな」
男だったら欲望のままに生きられる。しかし自分は、それがかなわない女の身。まあ、彼女が想定している「男」って織田信長だから、かなり特殊な例ではあるが。
そしてそれから460年ほどの時を経て、本田忠勝(山田裕貴)と共に現代に転生した彼女は、今もなお男の欲望が野放し状態の日本の社会に、強い義憤を憶える。(『女神の教室』第5話、2023年2月6日、フジテレビ、脚本:大北はるか/照明:川埜允史/撮影:長谷川諭/監督:谷村政樹/プロデューサー:野田悠介)
雫 「照井さんにさ、痴漢されない人生は良い人生だ、って言われて……でもそれは違うって思った」
雫 「普通にならなきゃダメなんだよ。痴漢されないことが、普通にならなきゃ」
雫 「大のオトナが抵抗できない若い子をつけ狙って……軽い気持ちなのかもしれないよ。でも触られたほうの心はズタボロ、重症でしょ。被害者を傷つけたその行為は重罪なんだよ」
雪 乃「なんで先生が怒っているんですか?」
雫 「怒るよ。同じ女性として……ううん。同じ人間として」
雪 乃「私が、私がいちばん腹を立てているのは自分なんです」
雪 乃「たった一言『止めてください』って、言えればよかったのに」
雫 「……照井さんは、強いね」雪 乃「は? どこが」
雫 「嫌なことがあるとさ、忘れる方が楽でしょ。でも、照井さんはちゃんと向き合って頑張っている。検事になろうとしている……強いよ」
雫 「日本はさ、性犯罪に対する刑罰が軽すぎるって言われているでしょ。刑法ができたのが明治で、そのころは、選挙権すらない女性の声が反映されないのは当然だった」
雫 「でも、今はそれも変わってきている。沢山の被害者が声をあげて、ようやく法改正された。でもまだ十分じゃないから、今も声を上げ続けている人たちが沢山いる」
雫 「法律ってね、生きているんだよ。誰かの想いで、変わってゆく」
雫 「照井さん」
雫 「戦っているのは、あなた一人じゃないよ」
高校生の頃、痴漢被害に会っても何も言えなかった弱い自分を乗り越え、正義を訴える検事になろうとしている照井雪乃(南沙良)。でも通勤ラッシュのホームとかに来ると、恐怖の記憶がフラッシュバックしてしまう。そんな雪乃をいたわる柊木雫先生(北川景子)。
最初は「司法試験の役に立たないから」と、かたくなに柊木先生の実技演習の授業を拒んでいた雪乃の心も、少しずつほどけてゆく。
今回の演習の授業のテーマは「小学生を撮影するのが趣味で、通学路に待ち伏せするやや変態気味のおじさん」を立件できるか。児童ポルノ案件だが、パンツをのぞいて撮ったりしない限り、犯罪にはならない。でも地元住民は不安。どうする?
さて、第3話のアバン・タイトル後に、カラスの群れと黒い折り鶴という、意味不明のインサート映像があったことは当ブログでも触れたが、第5話でようやくその続きが取り上げられる。
雫の学生たちが、カバンに鳥の写真を入れられたり、自宅前に黒い折り鶴が置かれたり、本物の鳩の死骸かと見まがうレプリカを放り込まれたり、といった妙な事件が頻出する。
さらに、学生たちのSNSに「crow(カラス)」と名乗る謎の人物から、キャンパス内でかれらを盗撮したと思わしき写真が投稿される。
最初は誰か学生(たち)を狙った変質者の行為に思われたが、 「crow」といえばカラス、カラスといえばセーラーマーズ、ではなく「イチケイのカラス」、裁判官だ。ストーカーが狙っているのは、学生ではなく柊木先生だ。
「とんかつ花子」で豚カツ弁当(大きさから判断して2人前くらいある)を買っている姿をストーカー激写。こりゃ相当なマニアだ。豪快な食べっぷりを盗撮するために後をつけているのか?
結局ストーカーの正体は、裁判官だった柊木先生が担当した事件の、被告の人だった(推定)。雫が出した判決を不当に感じ、それを訴えようとしていたのである。
自分の出した結論は正しかったのか、クロウの言うように不当判決だったのか。それは自分ひとりでは分からない。雫は藍井先生に検証を願い出る(推定)。
雫 「判決が間違っていた可能性、一緒に検討していただけませんか?」
自分の意見が常に正しいとは限らない。だから話し合いは大切。常に学生にそう言っている柊木先生としては当然の態度だが、藍井先生はますます混乱してくる。このひとにプライドというものはないのか? 無いのだ。柊木雫が求めているのはただ真実であり、最も真実に近い最適解。それだけである。
藍 井「あなたはどうするつもりですか?」
雫 「……会って、ちゃんと話をする……」
雫の運命やいかに。
一方、例年10人は選抜されるという藍井ゼミだが、今年は5人しか選ばれなかった。藍井の意図は何か。
5人目に選ばれたダークホース、天野向日葵(河村花)はむしろ、なぜ私が選ばれたのかという戸惑いと、自己採点では通っていたはずなのに選抜に落ちた真中信太郎(高橋文哉)への申し訳ない気持ちで、せっかく選ばれた藍井ゼミの学習に気持ちが乗らない。
雪 乃「やる気ないなら辞退して」
そして藍井ゼミ合格組の照井、天野に不合格組も加わって合格祈願。
次回を刮目して待て。
あ、それと今野敏サスペンス『機捜235×強行犯係 樋口顕』第3話(2023年2月10日、テレビ東京、原作、今野敏、脚本:安井国穂/照明:加藤賢也/撮影:岸本正人/監督:細川光信/チーフプロデューサー:山鹿達也)。
ネットのロケ地情報によると、前回のお食事シーンのお店は、目黒の「焼肉ホルモンマーク松岡」だったそうです。お肉、おいしそうでしたね。で、今回は横浜のハンバーガーショップ「Roller Coast」。
亜里沙「そうなんだ……幾つくらいの刑事さんなの?」高 丸「うん、20代半ばかなぁ。俺よりずっと若いのに、捜査一課で頑張っていると思うと、なんか、焦っちゃってさ」
亜里沙「でも捜査一課って、すっごく大変なんでしょ」
高 丸「いや、だからやり甲斐があるんだよ」
亜里沙「卓也があんまり忙しくなりすぎちゃったら、私さみしい」
高 丸「……亜里沙ちゃん!……」
高 丸(嫌な視線を感じて)
高 丸「!」
高 丸「ダメ、来ないで」
高 丸「入って……来る」
縞 長「ははは、なんか邪魔しているみたいで、申し訳ないです」
高 丸(『みたい』じゃない)
亜里沙「お仕事の話ですか?」縞 長「はい。実はちょっと大事な話がありまして」
店 員「お待たせいたしました」縞 長「うわぁ」
亜里沙「じゃあ、私は遠慮しますね」
亜里沙「これ、良かったら」
高 丸「ちょっ、ちょっと、あ……」縞 長「良いんですかこれ? いただいちゃって」
縞 長「ありがとうございます。いただきまぁす」高 丸「おおぅ……」
本日は以上でございます。ではまた。