実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第876回】秋にお薦め特撮失恋ドラマの巻(『騎士竜戦隊リュウソウジャー THE LEGACY OF The Master's Soul』レビュー:その4)


 久々に戦士会があったようですね。なんか安座間さん、すごく久しぶりな気がする。



 というわけで、台風も来ているし、本日はサクサク『騎士竜戦隊リュウソウジャー THE LEGACY OF The Master’s Soul』(脚本:下亜友美/撮影監督:石塚将巳/監督:たかひろや/プロデューサー:丸山真哉と仲間たち)ビデオレビューの続きを始めたいと思います。


 桜の樹の下に突然あらわれたマイナソーは、敵を金縛りにして身動きを封じる特殊な技でマスターたちを翻弄する。緒戦はなんとか、かわしたものの、次は危険だ。早急に対策を立てなくてはならない。



 しかもそれは、次期リュウソウジャー候補のイスカ(花影香音)が最近身につけた技によく似ている。イスカは強さへの願望が強すぎる娘。絶対リュウソウピンクに選ばれて、もっと強くなる、という闘争心をむきだしにしている。その歪んだ心が、あのマイナソーを生み出したのではないだろうか。



 ダークサイドに堕ちて苦しんでいるだろうイスカの身を案じて、心あたりの場所を探してまわるマスターピンク(沢井美優)は、もうひとりの愛弟子アスナ(尾碕真花)が倒れている現場に出くわす。



マスターピンク「アスナ!」



マスターピンク「アスナ……アスナ……何があったの?」
アスナ「イスカが来て、急に戦えって……」
マスターピンク「……イスカは?」



アスナ「分かりません。ただ……」
マスターピンク「ただ?」



アスナ「イスカは苦しそうでした。なんか、身体からエネルギーが抜けているみたいに……」



マスターピンク「……マイナソー……やっぱりイスカが……」


 一方、マスターブルー(渋江譲二)はイスカの技の秘密を探るべく、リュウソウ族の技に詳しいかつての弟子、マユ(宮﨑香蓮)の研究所を訪れていた。



 マユはとても優秀なマスターブルーの弟子だったが、密かに想いを寄せていたマスターブルーの心にマスターピンクがいることを知って、リュウソウブルー候補の座を兄弟弟子のメルト(綱啓永)に譲り、リュウソウ族の研究に身を捧げている。



マスターブルー「久しぶりだな、マユ」
マ ユ「マスターブルー!」
マスターブルー「相変わらず研究漬けか?」



マ ユ「はい。今はリュウソウ族の遺跡を巡って、リュウソウルの勉強をしています」
マスターブルー「変わらないな」
マ ユ「ふふ……」



マ ユ「今日はどうしたんですか?」



マスターブルー「ああ。訊きたいことがあってな」


 マスターブルーがイスカの使った技を詳しく説明すると、マユは「ちょっと待ってください」と腰を下ろし、カバンから出した研究ノートを開いて調べ始める。



 その姿は弟子だったころと変わらない。マスターブルーも懐かしそう。でも相変わらず、自分に対するマユの秘めた想いには、まったく気づかない。



マスターブルー「マユがリュウソウジャーにならないと言った時には、正直、残念だったよ」



マ ユ「……本当にそう思いました?」



マスターブルー「え?」



マ ユ「ありました。この技です」



マ ユ「その技は、強力な精神力をもつ者にしか使えない。少しでも未熟な部分があれば、身体におおきな影響が出る」



マスターブルー「そんな危険な技をイスカは……」



マ ユ「イスカ、この間わたしの研究室に来ましたよ」
マスターブルー「なに?」



マ ユ「強くなりたいから、何でもいいから教えてくれって、この研究ノートを片っ端から調べていました」


 やはりイスカだったのか。
 一方、マスターレッド(黄川田雅哉)は謎のマイナソーの行方を追っていた。マスターレッドの黄川田君はクールでストイックで、元基よりは『仮面ライダー First』『Next』の本郷猛に近い。



 それはいいんだけど、あとからちょろちょろつけてくる奴がいる。むかし赤いリュウソウジャーに助けてもらったと自称する、意味あり気な少女ハナ(駒井蓮)である。



マスターレッド「気づかれてないとでも思ったか。出てこい」



ハ ナ「えへへ、あっごめんなさい。マスターのことが心配で、ついて来ちゃいました」
マスターレッド「嘘を言うな。おれがお前を助けたことはない」



マスターレッド「何が目的だ?」




マスターレッド「それは!」



マスターレッド「ヒイラギの……」



ハ ナ「ヒイラギは私の父親」



ハ ナ「そしてあんたが、父さんの仇」


 ハナがマスターレッドをつけ狙う理由が明らかになったが、いったいヒイラギとは何者か? 仇とはどういうことか? さあさあさあ、というところで、すまんですね。今回はこのくらいで。
 ……と思ったが、もうちょい。プリンセスの笑顔は世界を救う、っていう名場面。



アスナ「マスター……」



アスナ「イスカを助けてあげてください!」



マスターピンク「分かった」



マスターピンク「約束する」




 あちこち、悲喜こもごもである。特撮ドラマから変身と戦いだけを抜いてしまったこんなドラマっていうのも、ちょっと面白いよね。じゃあ、あとワンシーン、せつないマユの想いを見とどけて、今回はおしまい。



マスターブルー「ありがとう。助かったよ」



マ ユ「いえ、マスターのお役に立てたなら何よりです」



マスターブルー「次のリュウソウブルーはメルトだ」
マ ユ「そうですか!」



マスターブルー「……なあ、マユ」



マスターブルー「修行より研究のほうに興味をもったと聞いたが、本当にそうなのか?」
マ ユ「え?」



マスターブルー「マユにはリュウソウジャーになる素質が、十分に備わっていたと思う。修行をやめたことを、本当に後悔していないか?」



マ ユ「……」



マスターブルー「まさかお前、マイナソーを生んでないよな」



マ ユ(噴き出す)



マ ユ「私は何にも後悔していません。研究している時間がいちばん楽しいって思ったからですよ」



マスターブルー「そうか……なら良いんだ」



マ ユ「マスターがメルトを選んだの、正解だと思います。彼は少し不器用だけど、優しいから。私より、ぜんぜん」



マスターブルー「……ありがとう……」





 では、今度こそ今回はこれまで。
 ここでマユを演じている宮﨑香蓮さんの主演映画『KATACHI』(監督・脚本・編集:堂野アキノリ)は2022年10月16日(土)からTOHOシネマ六本木ヒルズで公開。(正確には「10.16 [Sat] TOHOシネマズ六本木ヒルズ 随時全国公開!」だそうですが、随時って……)