実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第857回】秋田弁はフランス語?の巻(泉里香『正直不動産』第5話)


 みなさん、連休はいかがお過ごしでしたか? 私は5月4日に渋谷公会堂(SHIBUYA LINE CUBE)まで出ていって、とあるアイドルの結成12周年記念ライブに行った。彼女たちをナマで観賞するのはたぶん7年ぶりくらいだと思うが、確かな成長と、ぜんぜん擦れない初々しさが一体となった、素晴らしいライブでした。



 なにしろデビュー時点で12歳と13歳だったから、10年以上のキャリアを積んだ今も、まだ24歳と25歳なのだ。続けてくれてありがとう。しかもこの夏、実に6年ぶりにオリジナルアルバムがリリースされるという、素敵な告知つき。



 はい、ということで本題に入ろう。ドラマ10『正直不動産』第5話「優しい嘘」(2022年5月3日放送/原案:夏原武/原作:水野光博・大谷アキラ/脚本:根本ノンジ/照明:長谷川誠/撮影:金澤賢昌/プロデューサー:宇佐川隆史・清水すみれ/監督:野田健太/制作:NHK・テレパック)。



田 村「おたくに売却先探してもらってたうちの実家、あれ、別のところに頼むことにしたから……」



永 瀬「どうされたんですか急に?」
田 村「すいません。すいません」
永 瀬「田村さん……」



(電話の切れる音)


 社外秘のはずの顧客情報が漏れて、ミネルヴァ不動産が客の引き抜きを行なっている。 永瀬財地(山下智久) は社内にスパイがいると直感し、自分のパソコンのログイン情報を確認する。



永 瀬(深夜に誰かが俺のデータに『ゲスト』としてアクセスしている)



永 瀬「誰がミネルヴァ不動産のスパイなんだ……」


 永瀬は光友銀行融資課の榎本美波(泉里香)を想い出す。光友銀行はミネルヴァ不動産の取引先でもあるからね。



しかし永瀬が回想するのは、初対面の媚び媚びの挨拶とか、このあいだの意味不明の「へば」とか、へんな場面ばっか。



美 波「いろいろ教えてください」



美 波「大っ嫌いです! へば」


 で、永瀬は美波を呼び出す。つい先日、自分のことを「大っ嫌い」と言った相手と、「大っ嫌い」と言った店で会うなんて、私だったらどう話を切り出すか悩むところだが、永瀬はいつもと変わらない。このあたり山Pの省エネ演技が光る(誉めています)。



 一方、なんだかんだと来てしまう美波も美波で、歯に衣着せない正直者の永瀬が、気にはなっているのだ。ついでに、居酒屋「しょうじきもん」の店主、若松(湯江タケユキ)と妻の直子(伊藤麻実子)も、二人がちょっと気になっているのかな。
 さて、前回秋田弁を理解しなかった永瀬は、美波の別れのことば「へば」をどのように理解したのだろうか。



永 瀬「Ça va?」



美 波「……」



永 瀬「榎本さんすいません。突然呼び出しちゃって」



美 波「私のこと、よく誘えましたね」



永 瀬「はい?」



美 波「あんなことしておいて」



永 瀬「あんなこと?」



美 波「はあ……もういいです。で、何ですか話って」



永 瀬「はい、えっと……」



若 松「はい、いらっしゃい。ご注文は?」



美 波「話を伺ってからにします。すぐ帰るかもしれないので」



永 瀬「だって」



永 瀬「あいよ……」



美 波「で、何ですか話って?」



永 瀬「はい。 あの……榎本さんの銀行って、ミネルヴァ不動産と取り引きありますよね? あそこって どんな会社なんですか?」
美 波「どんなって?」
永 瀬「経営状況とか 借入額とか融資係の榎本さんならご存じかなと思いまして」
美 波「そんなこと言えるわけないですよね」
永 瀬「言える範囲でいいんで……」



永 瀬「鵤って人 どんな人ですか?



美 波「知りません」



永 瀬「榎本さん、僕と榎本さんの仲じゃないですか」



美 波「ふぅん」



美 波「どんな仲ですか?」



永 瀬「シャンパンを一緒に抜いたシャン友ですよ」



美 波「何ですかシャン友って。しょうもな」



永 瀬「何でもいいんで、その鵤社長のこと 教えてください」



美 波「本当に何も知らないんです。あそこで知ってるの花澤さんくらいですから」



永 瀬「花澤って あの… 花澤涼子ですか? あの おっかない」



美 波「おっかない?」



永 瀬「いや、おっかない」



美 波「すごくいい方ですよ。何度か飲みに行ったこともあるし」



永 瀬「じゃあ、お願いしてもいいですか?」


 意外なことに美波と花澤涼子 (倉科カナ)は「何度か飲みに行ったことがある」仲だそうだ。しかし、倉科カナさんと泉里香さんが飲み友達なんて、夢のある話だなぁ。私はその居酒屋の隅っこで、その光景をサカナにちびちびと日本酒を飲んでいたい。
 倉科カナは、昔ミスマガジンでグラビアアイドルとして活躍されていて、小松彩夏と同じような特殊なビキニも着用していた。




 首のところで紐を交差させるのとストレートと、どっちが正しい着方なんでしょうか。
 倉科カナは小松彩夏より歳下、沢井美優と一緒であるから現在は30代の半ば、ですが昨年の『anan』2267号(2021年9月刊行)では、あいかわらず立派なものをお持ちなところを、惜しげなくお見せいただき、敬服いたしました。



 ともかくそういうことで、前回対決した花澤涼子と再び対面。彼女と永瀬の関係性はよく分からないが、何か過去に因縁でもあった感じですね。いずれにせよ、ちょっと前までは、永瀬こそ希代の悪徳不動産屋だったわけで、そんな奴に悪徳不動産屋呼ばわりされる筋合いはない、という涼子の応えは正しい。
 



店 員「いらっしゃいませ。 ご注文は?」



涼 子「話を伺ってからにします。すぐに帰るかもしれないので」



涼 子「美波ちゃん、永瀬さんと仲がいいんだ」



美 波「ああ、まあ……」
永 瀬「僕ら シャン友なんですよ」
涼 子「へえ~ シャンパン飲むんだ? 二人で」



美 波(あれ? 通じた)



涼 子「で、ご用件は?」



永 瀬「実は最近、うちの未公開物件の情報が漏れてるようでして、原因をご存じかなと思いまして」



涼 子「何で私が知ってるの?」



永 瀬「おたくがうちにスパイを送り込んでるからですよ」



美 波「スパイ? そんな映画みたいなこと本当にあるんですか?」



涼 子「くだらない。何で おたくみたいな弱小企業に、そんな手の込んだことする必要があるわけ?」



永 瀬「だから聞いてるんですよ。何で うちなんですか?どうせ やるんならもっと大手狙えばいいじゃないですか」



涼 子「その、やってる前提で話進めるの、止めてもらえます? 証拠あるんですか?」



永 瀬「ないから困ってるんですよ」



涼 子「話にならない」



涼 子「美波ちゃん、私帰るね」



美 波「はい」
涼 子「悪いこと言わないから、こんな男とだけは付き合わない方がいいよ」



涼 子「いいのは見た目だけで、人間性は最悪だから」



(正直の風が吹く)



永 瀬「そういうあんたこそ、いいのは顔だけで中身は腐りまくってますよ」



涼 子「は?」



美 波「永瀬さん!」
永 瀬「だって そうでしょう。自分が勤めてる会社が悪徳企業だって分かってんのに、平然と働いて 恥ずかしくないんですか?」



永 瀬「それとも アレですか? 社長に 何か弱みでも握られてるんですか?」



永 瀬「写真、見ましたけど、あの社長どう見ても……」




涼 子ごめんなさい。手が滑っちゃった」




美 波「永瀬さん言い過ぎです」



 こんな感じで登坂不動産とミネルヴァ不動産(あるいは永瀬と涼子)の確執が深まる一方、今回のエピソードには永瀬の部下、月下咲良(福原遥)の父親(加藤雅也)が登場する。




 咲良の両親は、この父親が悪い不動産屋の口車に乗せられて無謀なローンを組んだことがきっかけで離婚している。その後、父親は出奔して行方知れずとなり、咲良は母親(奥貫薫)と小さなアパートで二人暮らしをしていた。



 母親は「やっぱり二人で並ぶと狭いね。いつかまた、広いキッチンがあるお家に住みたいね」といつも口癖みたいに言っている。
 父は大阪でコンサル会社でやり直し、今度、東京の支店長になるという。それで引っ越しのためにネットで不動産屋を調べていたら、自分の娘が登坂不動産の社員になっていることを知って、会いに来たという。



 父 「実は、お父さんな……」



咲 良「ん?」



 父 「……うん……」




 父 「……驚いたよ、咲良が不動産会社に就職したなんてさ、あんなことがあったのに」




咲 良「家は? 見つかったの?」
 父 「あっ、いや、なかなかね」



咲 良「だったら私に探させてほしい」



 父 「あっ、いや、悪いよ。忙しいんだろ」



咲 良「大丈夫。こう見えても 結構優秀なんだよ」



咲 良「あっ、じゃあお客様のご希望をお伺いします。間取りは2LDKとかでよろしいですか?」



 父 「あっ、 いや、 3LDK。分譲マンション」


咲 良「3LDK?」



 父 「キッチンが広いといいな」



 何か言いたそうな父の顔を見て咲良は思う。ひょっとしてお父さん、また私たちと一緒に住みたいのかな。だから2LDKではなく3LDKの、キッチンが広いマンションがをご希望なんだ。
 でも本当は、父にはもう新しい家族がいて、今回の引っ越しはその新しい家族のためであった。



 父 「新しい家には 新しい家族と住む」



 父 「だから、咲良に探してもらうわけにはいかない」



咲 良「知ってたよ」




咲 良「お父さんに会った瞬間、何となく分かった」



 でも「知ってた」というのはたぶん嘘だ。今回のエピソードタイトル「優しい嘘」は、福原遥のこのセリフから来ている。父がすでに再婚していると知って、内心大きなショックを受けているが、そのことをあれこれ言えば、父はさらに苦しむことになる。だから「知ってたよ」と嘘をついた。お客さまのために嘘はつかないナチュラル正直不動産の月下咲良が、家族に初めてついた優しい嘘、というお話でありました。




 自分たちを捨てて出ていって、勝手に外で家族を作った父親の気持ちを推しはかる娘なんて、現実世界では良い子すぎてイヤミなくらいだが、それがイヤミにならないのが福原遥。すばらしい。ではまた次回。