実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第848回】TikTokドラマって何?の巻


 山岸涼子の『アラベスク』(『りぼん』1971年10月号〜1973年4月号)といえば、私ら世代の女子なら、だいたい知ってる名作マンガなんじゃないかと思う。しかしこのブログを同世代の女性が読んでくれているかどうかは、さっぱり分かりません。



 ソビエト連邦ウクライナ共和国の首都キエフ。主人公のノンナ・ペトロワは、シェフチェンコバレエ学校でバレエに打ち込む16歳の少女。お母さんも元バレリーナで、この学校の講師である。



 ただ、ノンナは身長168センチで、バレリーナとしては大柄すぎて優雅さに欠け、パートナーの男性も見つけづらいし、プリマになる夢なんてハナからあきらめていた。でも身長168センチって草刈民代と一緒だよな。ま、この辺は当時と今のバレエ事情の違いだろう。



 でも、その荒削りだがダイナミックでパワフルな表現力に将来性を見出したソビエトの「金の星」ユーリ・ミロノフは、突然ノンナをレニングラード・バレエ学校に編入させて、特別スパルタ訓練を始める。意味の分からない厳しい特訓に、時には反抗してウクライナに帰ろうとしたりするノンナ。



 反撥と信頼。このあたりの呼吸は『エースをねらえ!』なんかと一緒で、鬼コーチとの関係が、最終的にただの師弟愛を越えていくあたりもいっしょ。1970年代漫画で育った世代は、こういう展開に今でも胸が熱くなる。



 連載開始の1971年に16歳だったノンナだから、2022年の現在は60代の後半になっているはず。たぶんキエフには帰らず、いまもサンクト・ペテルブルグ(レニングラード)に住んで、故郷を想っているのではないかな、と思うが、どうでしょうか。

1. ドロリンとバケ~るカーニバル



 さて今回は小ネタ集。しばらく実写版レビューに専心していたので、たまには戦士の皆さんの近況をまとめよう。まず北川さん。劇場版アンパンマン第33作『それいけ!アンパンマン ドロリンとバケ~るカーニバル』(2022年6月24日公開)にゲスト声優として出演される。



 まあこれだけ読んでも、北川さん起用の意図は十分には分からない。「北川さんもママになったので、幼児向けアニメの仕事をオファーしてみようか」以上に積極的な意味があるのかなあ。



 ネットニュースなどでは、北川さんのアニメ出演は『マジック・ツリーハウス』で芦田愛菜さんとダブル主演して以来10年ぶり、ということを強調しているが、北川ファンとしてはむしろ「『太陽と海の教室』以来、14年ぶりに戸田恵子と共演」という方がニュースとしての価値があるような気がする。



 ほんとうに、この二人に一緒に録音スタジオに入って共演してほしいですね。その前に、北川さんは『大河への道』が5月公開である。

2. その消失、


 次に泉里香さん。この人は現在、出演映画『その消失、』がまだ公開中。名古屋では、栄パルコ東館8Fにあるセンチュリー・シネマで、午後7時から9時までの一回ぽっきり上映で、私ちょっとこれは行けてない。しかし、そもそも私は『M14 の追憶』で読むまでこの映画のことを知らなかったなぁ。







 師匠の石井克人からバックアップを受け、狩野比呂が原案と脚本、それに編集も兼任して撮った監督デビュー作である。2018年に制作されて、2019年には海外の映画賞でそこそこの評価を得ていながら、今年、2022年になって、プロモーション的な活動も一切なくひっそり国内単館公開された。コロナの影響で映画の番組スケジュールが狂いっぱなしってことなのかな。



 そしてもうすぐ、4月5日からNHK総合「ドラマ10」で『正直不動産』(全10話)のオンエアが始まる。『クロサギ』の夏原武が原案のマンガのドラマ化で、山下智久主演。あと脚本の野本ノンジは『野ブタ。をプロデュース』にも絡んでいたという。こっちはまだ予告編も特報も先行ビジュアルも何も出ていない。一ヶ月前になったから、そろそろ出てくるかな。

3. ごっこ倶楽部ショートドラマ



 次はプリンセス沢井。役者として沢井さんみたいなポジションは、やっぱりコロナの影響をもっとも被りやすいようにも思う。最近はYouTubeチャンネルを設けたり、アーティスト活動を始めたりと多角経営だが、やはりお芝居の仕事を中心にして欲しいですね。そういう意味で新時代の新境地といえるのが、しばらく前にコメント欄で教えていただいた「ごっこ倶楽部」のショートドラマへの出演。



 といっても、「ごっこ倶楽部」というグループについてはよく分からない。メンバーは早坂架威 、渡辺大貴、多田智、鈴木浩文、谷沢龍馬といったイケメンたちで、脚本も演出も撮影も編集も全て自分たちでこなしているらしい。3分から5分ほどのショートドラマをTikTokで配信して、若い人に大人気の映像クリエイター集団なんだって。う〜ん。いっそ「劇団」と言ってもらった方が、おじさんには分かりやすいが。昨年末、映画館で長編を上映することを目的にクラウドファウンディングを始めたところ、24時間で目標金額を達成して話題になった。



 このチームで主に脚本を担当しているという鈴木浩文は、3月6日から始まるスーパー戦隊シリーズ第46作『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』でキジブラザー(ピンク)役をゲットした。戦士なのに会社勤めの妻帯者で、しかも男性でピンクの戦士、変身すると220センチのキジになっちゃうという、今回もっとも注目を集める戦士である。



 やっぱピンクがインパクトありすぎ。しかしスタッフ陣はめちゃくちゃ王道だ。ゼンカイジャーに続いて白倉伸一郎と武部直美がプロデューサー、脚本が井上敏樹で、パイロット監督が田崎竜太と重鎮で固めてある。はたしてどうなることでしょうか。



 で、その鈴木浩文たちがやっているTikTokショートドラマクリエイター集団の「ごっこ倶楽部」に沢井さんが出演されているというので、TikTokのことがほぼ分からない私であるが、無理やり観賞した。私が見つけた沢井さんの出演作は3本。もし他にもあったら教えてください。ひとつ目は作品タイトルがついていなくて、「結末を予想できましたか?」とだけあるけど、これがタイトルなのかな。



 沢井さんは弟の早坂架威と二人暮らし。そこへ架威が友人の渡辺大貴を連れてくる。引っ越しの都合で、一か月ほど居候させたいのだという。





 大貴はなかなかのイケメンで、美優姉もドキドキ。急に家のなかでも着かざったり、手の込んだご飯を作るようなって、弟に「かれの趣味とか好きなこと教えてよ」と迫る。





 実は大貴も美優姉に一目ぼれで、架威に告白していたのだが、架威はその事実を伏せて、自分の食べたいスイーツを大貴の好物だと言って姉ちゃんに買ってこさせたりする。





 で、大貴の方にも「姉ちゃんは冷たい感じの人のほうが好きかな」とかニセ情報を流して、簡単に二人がくっつかないようにして、双方から甘い汁を吸おうとするんだが、そこはひとつ屋根の下。美優姉と大貴はすぐに心を通い合わせ、大貴の魂胆がバレちゃった、という話。





4. 嘘つき


  今のでだいたい4分ほどのドラマ。ベタな恋愛ドラマを私は嫌いではないが、だからといって単純すぎるラブ・ストーリーで2時間も映画館に拘束されるのはつらい。これだと通勤電車のひと駅かふた駅で観終わっちゃう。後味も悪くなくて、このへんが人気の秘訣なのかな。



 次に紹介する沢井さん出演ストーリーは、「嘘つき」というタイトルがついている。めちゃくちゃシンプルで2分20秒しかない。沢井さんが朝ご飯の片づけをしていると、洗面台からダンナの谷沢龍馬が「今日は商談があるから夜遅くなる、待たなくていいから、先に寝ててな」とか言う。




 優しく言ったんだけど「またお酒?」と不機嫌な美優は「言っとくけど、酔っぱらって帰ってきたらゴミ箱に捨てるわよ」と激しい。





 慌てて「一杯も飲まないから」と、疑惑のまなざしを背に受けてそそくさと仕事に出る龍馬。でも案の定べろんべろんになって、友人の早坂架威の手を借りて帰って来る。






 架威の話では、最近の龍馬はどんどん酒に弱くなっていて、今日はまだ三杯目なのにこんな様子だという。




 架威が帰ると「男なんて最低」と言いながらも洗面台でタオルを絞って持っていってあげる美優。でもダイニングに戻ると、意外なことに大貴がシャンとしている。




「酔ってないじゃん」という美優に、「酔っぱらったフリしないと、こんなに早く家に帰れないんだよ」





 「真実が残酷なら、嘘は優しいのだろうか?」おしまい。ってお話でした。

5. 彼女は妹



 最後にご紹介する「彼女は妹」は、4分30秒ほどあって、今回の3作のなかではいちばんドラマっぽい。早坂架威が親友の渡辺大貴と分かれた直後に、交通事故で命を落としてしまう。




 激しい衝突音に駆けつけた大貴に、車に激突された架威は「妹を頼む」と言ってこときれる。





 で、大貴はそれから、架威の形見の携帯で、兄貴がわりに携帯からメッセージを送る。美優も誰からも分からないメッセージを「お兄ちゃんからだ」と思い込むことによって、大好きだった兄の死を受け入れられない自分の心の癒やしとしていた。



 そして美優の誕生日がやって来た。その大切な日に、美優に淋しい思いをさせたくない大貴は、喫茶店でお茶している美優に「お店からのプレゼント」としてケーキを出してもらったり、いろいろとサプライズを用意するのだったが……。



 小品ではあるが、スマホがあれば数分でサクサク観られるものですので、この一本くらいはオチまで割らないでおこうか。沢井ファンにとってはなかなか嬉しい三本でした。



 あと、沢井さんのYouTubeを紹介して終わろうと思ったんだけど、時間も来たんで今回はこのくらいで。YouTubeのほうは、かき氷食ってるばかりで特に紹介するようなものでもないのだが(でも小松彩夏が出てきたりする)ひとつだけ、ファンからの質問に答える20 分以上の動画があったので、少し質問とお答えをチェックしたいと思います。
 では今回はこのへんで。