実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


最新記事〕 〔過去記事〕 〔サイト説明〕 〔管理人

【第835回】アンニュイな華とオトナな莓の巻(泉里香『高嶺のハナさん』第12話)


 オミクロンと聞いて、手塚治虫の漫画『サンダーマスク』に出てくるカルト集団を連想する人は、やっぱり少数派かな。



 さあもう12月なんで、そろそろラストスパートをかけ、今回はあちこち端折って走るぞ。『高嶺のハナさん』第12回レビューである(2021年6月26日、BSテレ東、原作:ムラタコウジ/脚本:岡庭ななみ・内藤亮瑛/照明:丸山和志/撮影:神田創/監督:内藤亮瑛/プロデューサー:瀧川治水・清家優輝)。



 「高嶺さんをあきらめます」弱木から唐突に別れを告げられ、天国から地獄に転落した華(泉里香)は、翌日の職場でも脱力状態。チームの春宮(辻玲奈)や竹永(西村誠治)たちが話しかけても、ほぼやる気ゼロで使いものにならない。それを見て、弱木を脅した甲斐があったとほくそ笑む更田(猪塚健太)。そんな更田に疑惑の眼差しを向ける勘のいい莓(香音)。



春 宮「腸活せんべいの企画会議、何時からにします?」
 華 「何時でもいいよ~」
竹 永「サンプルの作成、進めていいですか?」
 華 「いいんじゃな~い」



春 宮「……時間……」
竹 永「作るとしてどのくらいにします?」



 華 「いっぱ〜い」
竹 永「いっぱいじゃ分かんないっすよ」
 華 「じゃあ 50」
春 宮「夕方が……」
 華 「何時でもいいよ〜」



竹 永「じゃあ30?」
 華 「どっちでもいいよ~」



竹 永「じゃあ間とって40」


 そこへ「遅刻して すみません!」との弱木が飛び込んでくる。寝グセだらけ。弱木も弱木なりに眠れない夜を過ごして、寝坊したのかも知れない。



 するとスイッチが入るハナさん。これってどういう心理なのか。どんなメンタルの時も、好きな人の前ではちゃんとしていたい、ってことかな。



 さっきとは人が変わったように春宮や竹永の問いに答え、夏野(みのはらぼん)、長内(佐々木陽平)、加賀(佐々木徹)といったチームメンバーにガンガン指令を飛ばしだす。



 華 「春宮さん!」



 華 「会議は今すぐ始めましょう」



 華 「竹永さん、サンプルの作成は会議を踏まえて発注して」
2 人「はい!」



 華 「夏野さん、試食のヒアリングシートまとまってる?」
夏 野「はい!」



 華 「例のアレ」



長 内「あ、アレします」
 華 「例のアレ、アレしといてね」



 華 「例のアレ、確認しといてね」



弱 木(活き活きしている)



弱 木(やっぱり諦めて正解だったんだな……)



 華 「それから例のアレと例のアレも連絡しといてね」



 華 「それから例のアレ」



 華 「絶対やっちゃダメだよ」


╳    ╳    ╳




弱 木「高嶺さん」



弱 木「新しい企画案です。コンセプトは……」



 華 「置いといて。あとで読むから」



弱 木「承知しました」



 華 「更田くんちょっといい?」
 



更 田「はい」



 華 「骨育スナック、次回の会議で提案しましょう」



更 田「マジすか? あざ〜っす」



 華 「資料をまとめておいて」



更 田「いつでもプレゼンできるよう、準備はできてます」


 弱木は絶不調だが、そもそも仕事が好調だったことはないので、スランプかどうかもわからない。一方、チャラ田とイチゴは絶好調でプレゼンして大好評。





 ますます落ち込む弱木。しかし調子に乗ったチャラ田もチャラ田で、今がチャンスとばかりに休憩時間にハナさんを呼び出し「好きなんです」とバックハグで告白した結果、大爆死。



 華 「更田くん」
更 田「はい」



 華 「今すぐ放さないとセクハラ相談窓口に通告するわよ」



更 田「あっごめんなさい」




 華 「あなたは私の心の琴線にまったく触れないの」



 しかしその様子を遠くから目撃した弱木は、何も出来ない自分が身を退いたために、出来る男のチャラ田と高嶺さんが結ばれた、と勘違いして、改めてショックを受ける。



 
 その夜、仕事熱心子ちゃんに変身したイチゴが残業していると、となりの物置部屋の奥から怪しげな音が。おそるおそる覗いてみると、そこには膝を抱えてうずくまり、あたりにティッシュを散らかして啜り泣く弱木がいた。





 仕方なくイチゴは、コンビニの店先に連れ出す。イチゴにとっては、ここが行き付けの居酒屋みたいなものなのかな。ちなみに原作マンガのイチゴも、コンビニの店先でビールを飲んだりワンカップを飲んだりしているが、こんなに本格的ではない。コンビニのワンカップで深酒して、二日酔いで出社するなんて場面もなかったと思う。



弱 木「ぼ、僕なんか高嶺さんにはふさわしくないんだ。だから諦めてよかったんだ」



弱 木「チャラ田さんは 仕事もできるし……」



 莓 「マジでくだらない理由ですね」
弱 木「くだらなくないよ!」



 莓 「仕事ができるできないなんて関係ないです」



 莓 「高嶺さんにも失礼です」



 莓 「弱木先輩は逃げているだけですよ」


 弱木先輩を見つめるイチゴちゃんの大きな瞳には涙がたまっている。まだ好きなのだ。
 自分が振った女の子にゲキを飛ばされるのは情けない、とモテない男としては思うが、しかし考えてみると、自分が振った女の子にフォローされているわけで、こういう奴こそこそ本当にモテる男なんだろう。そしてそれ以上に、これがチャラ田の陰謀であることをとっくに見抜き、だからこそ、涙をこらえて大好きな弱木先輩の背中を、高嶺さんのほうに押している莓ちゃんが偉すぎる。
 さあそして、次回はいよいよ『高嶺のハナさん』レビューも最終回……になる予定だが予断をゆるしません。
 あっ,それはそうとこのあたり、ムラタコウジ先生の原作では、またまた真逆の展開になってゆくのだよ。ではまた。



ところでみなさん、「東映特撮ファンクラブ」には入っていますか? 私はまだなんです。どうすっかなあ。