実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第831回】イチゴのめざめの巻(泉里香『高嶺のハナさん』第11話)


選挙は先週終わっちゃったけど、セーラー戦士が選挙のポスターに出るのはたぶん初めてだと思うので、もう一回、貼っておく。

1. アイドルがやってくる!



 それでは今日はさっそく本題。『高嶺のハナさん』第11話(2021年6月19日、BSテレ東、原作:ムラタコウジ/脚本:岡庭ななみ・内藤亮瑛/照明:丸山和志/撮影:神田創/監督:内藤亮瑛/プロデューサー:瀧川治水・清家優輝)のレビューです。



 人手不足を訴えていた商品企画部に、ミツバチ製菓のアイドル、イチゴちゃん(香音)が突然やってきた。



 しかし社長室にアポなしで飛び込んできたイチゴを見て、直感的に彼女を希望通り異動させることに決めた社長(しゅはまはるみ)ってなかなかの判断力ですね。さすが経営者。



 まあ私が社長だったら「そんなに甘いもんじゃないよ」とか言って、せっかくイチゴがポテンシャルを発揮しようとしたこのチャンスを、潰していたかもしれない。



 莓 「おはようございます。総務部から異動しました天井苺です。精いっぱい頑張りますので、どうぞよろしくお願いします」


 そして社長はもう一人、COPのプレゼンを熱演した弱木(小越勇輝)にも注目していたのであった。企画部長の小林(小林博)から声がかかる。



雪 山「えっと~弱木くんは、あれっ?」
弱 木「あっ、はい。何でしょうか?」



雪 山「天井さんに仕事、教えてあげてくれ。いわゆる 教育係ってやつだ」



弱 木「えっ? 僕が天井さんの?」



雪 山「社長からのご指名だ。COPでの活躍が高い評価を得たんだよ、よかったな」
弱 木「わかりました。 頑張ります!」



 華 (弱木くんが評価されたんだ!喜んであげなきゃ)



 華 (でも… でも……でも……)



弱 木「天井さん、よろしくね」



 莓 「お願いします」



 まあ、この時点ではたぶん、イチゴが本気で高嶺さんから弱木を奪い取ろうとしているとか、そういう心配はない。でもイチゴちゃんだしね。



 それにイチゴにとっても弱木は、最初に自分から好きになった相手だ。一緒にいて嬉しくないわけはない。なんかいい雰囲気。

2. 元気のない教育係


 それが気になって仕方ないハナさん(泉里香)。チャラ田(猪塚健太)が自分の企画した「骨太スナック」の説明にやってきても、生返事をするばかりで、視線はその背後にいる弱木君とイチゴちゃんにフォーカス・オンしてしまっている。






 でもハナさんも可哀そうだよね。なにしろ、告白は受け入れられたんだけど、返事は「でも付き合うことはできません」なんて、どう気持ちの整理を付けたらいいのか。もうチャラ田なんか完全無視。一方、教育係としてがんばる弱木だが、なんか目の下にクマができている。



弱 木「イラストをカラーコピーして、ハサミで切る」



 莓 「切る……」



弱 木「で、のりで企画書に貼るんだ」



 莓 「……イラストをスキャンして、データ上に貼り付けたらいいのに」



弱 木「!」



 華 「弱木!」



弱 木「はい! おぉっ」



 華 「あなたが教えられてどうすんの!?」



弱 木「すみません!」



 華 「スキャンの仕方なら私も教えたでしょ」



弱 木「あっ」



弱 木「付箋には書いてました」



 華 「実行じゃなきゃ意味ない!」



 華 「呪われた家のお札みたいに、ピラピラピラピラ付箋ばっかり貼ってどうすんの!?」



 華 「天井さん困ってるでしょ!」



 莓 「いえ、たいへん勉強になってます」



 華 「真に受けない! 」



 華 「 気ぃ使ってるの」



 莓 「気つかってました」



 華 「なに書いてんの」
弱 木「付箋に『真に受けない』って」
 華 「呪われるわよ!」
弱 木「えっ?」



 華 (また追い詰めちゃった)



(髪をかきむしる)



 華 「ハァ、ハァ、ハァ……」



 莓 「弱木先輩」



弱 木「天井さん……」



 莓 「元気出してくださいよ」



弱 木「僕なんかが教育係でごめんね」



 莓 「私は、弱木先輩の仕事に対する熱意に惹かれて、企画部に転属したんで、たくさん学んでますよ」
弱 木「ありがとう」



 華 (イチゴちゃん、フォローが上手ぅ)



 莓 「弱木先輩、顔色悪いですよ。ちゃんと ごはん食べてます?」



 華 (それだ!)


 ごはんである。弱木君にお弁当を作って、元気を出してもらうのだ。よっしゃあ、と腕をぶん回すハナさん。ぶんぶん。


3. お弁当リマッチ


 ご記憶の方も多いと思うが、ハナはすでに弱木にお弁当を作っている。第1話(ドラマでも原作でも)、昼休みに弱木がカップラーメンを啜っていると、ハナがつかつかと歩み寄って弱木を叱る。



 華 「そんなものばっかり食べて自己管理もできないような人間が、この仕事をやっていけると思ってるの!」



 で、そのあと、また弱木を追いつめてしまった自分にヘコんだハナさんは、「そうだ!弱木くんにお弁当を作ってあげればいいんだ!」と、お弁当作りに励む。しかし最初は慣れない経験にぐしゃぐしゃな弁当しか作れない。




 だが仕事と同様に敗因を分析し、資料を読み、やり直し、明け方にはついにかわいい弁当を完成する。何度か失敗して食材を無駄づかいしたが(原作の説明によれば)すべて冷蔵庫に保存して、後日ハナさんが美味しくいただいたそうである。

 




 こうして満を持してツヨシラブ弁当を持参、二人で食べようとしたハナだが、弱木は弱木で前日叱られた教訓を活かし、自作の弁当を持ってきていたので、結局ハナは屋上で一人、弁当を食べることになってしまった。









 この苦い経験を踏まえ、今度こそは弱木きゅんにお弁当を食べてもらう、というのが今回のミッション。まずお弁当作りは、前回すでに試行錯誤を終えているので、今回はスイスイ完成。一度身につけたスキルは難なく再現できるのだ。おいしそう。




 華 (いくぞ!)



 華 (よし!)



 華 (疲れ切った弱木くんを元気にする、ヘルシーお弁当を作るんだ!)



 華 (弱木くん、これで元気になってね)



 華 (オラオラオラオラ)




 華 (目を置いて……)




 華 (ツ・ヨ・シ)



 華 (出来た~!)



 華 (今度こそ 食べてもらうんだ)


 さあほんとうに今度こそ、弱木にお弁当を食べてもらえるのだろうか?

4. そのころ原作では


 というところで、そろそろ今回は店じまい。と思うが、もうひとつオマケ。
 前回にも言ったとおり、このあたりからイチゴちゃんは、原作とは異なるドラマオリジナルのキャラクターとして歩き始めている。じゃあ原作のイチゴちゃんはどうなのかというと、これはこれでまた、なかなか味わい深いので、ムラタコウジ先生の原作を少し紹介したい。
 人事異動の歓迎パーティーがあり、二次会のカラオケが終わって解散したあと、ハナはイチゴに呼び出され、近所の公園に行く。そこでけっこう劇的な展開があるんですよ。





















 ドラマのイチゴは次第に仕事への情熱へとシフトするが、原作のイチゴちゃんはまだまだ恋を捨てないのだ。まあこういうのもあるんだよ、っていうことで。それじゃ今回はこのへんで。