実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第826回】ハナさん告白直前の巻(泉里香『高嶺のハナさん』第9話)

1. おじさん構文



 元バイトAKBでラーメン店経営者の梅澤愛優香さんが、SNSで「ラーメン評論家お断り」を宣言して話題になりましたね。有名ラーメン評論家からセクハラ行為を受けた上、その後無視していたら「内装業者に工事代金を払っていない」なんて事実無根のデマをネットで流されたという話。私はネットで読んだけど、テレビでも取り上げられたそうだ。



 そうしたら、自称フードジャーナリストのはんつ遠藤(54)が、ブログで「それ、僕です!」と名乗りをあげた。で、その内容がひどすぎて話題になっている。セクハラは泥酔していたので憶えていないとか、風評被害は友人が業者から聞いた話の又聞きで、友人を信用しているから正しいはずとか、もう隅から隅までメチャクチャ。当の梅澤さんに対する謝罪は最後までひと言もない。本当にこの人「(フード)ジャーナリスト」なのかな、と思ったけど、けっこう業界では有名らしい。反響も出てきて、日本航空(JAL)は、観光ウェブマガジン「OnTrip JAL」からこの人の連載記事を削除。岐阜タカシマヤの催事場で開催されていた「はんつ遠藤の全国ご当地ラーメンリレー」は、冠を取って「全国ご当地ラーメンリレー」に名称変更。まあ当然だよね。



 しかし私がショックを受けたポイントは、このはんつ遠藤のブログに対する世間の反応として「おじさん構文」がトレンド入りしたことにある。本来の「おじさん構文」とは、LINEなどのメッセージアプリでオヤジがよく使う言い回しのことなのだが、はんつ遠藤のブログが、54歳のオッサンが書いたにしてはあまりにも浅ましいので、ここ数日のうちに、はんつのブログこそ「おじさん構文」の典型ということになってしまった。その主な特徴は「本題に入るまでに無駄話が多い」「話がすぐに脇道にそれる」「一人ツッコミが氷点下の寒さ」などで、もうお分かりだろうが、要するにほとんど私のこのブログと重なるのである。仕方ないか、おじさんだし。さらに、はんつ遠藤のブログは「無駄に長い」。問題になった記事はトータル6,000字足らずで、これを信じられない長さという人も見かけたが……うちでは普通の文章量である。
 なんてことを書いているうちにほら、また本題に入る前の無駄話を長々としてしまった。これからはもっともっと短く詰めるよう努力していくので、よろしくお願いします。

2. 東宝スターの義務



 と言いつつ、もうひとつ、まったく別の話題を(おいおい)(←こういうセルフツッコミも「おやじ構文」だそうです)。浜辺美波さん、初めて文春で熱愛報道を書かれましたね。しかしこれは何となくヤラセというかリークっぽいというか。



 浜辺美波って、小学生のころから東宝芸能で純粋培養されて育つうちに、インタビューで目標を聞かれて「司葉子」とか「原節子」とか、優等生すぎる模範解答をさらりと口にする子になってしまった。おじさん的には嬉しいが、「透明感」が高く評価される現代ですら、ここまで浮世離れしてはちょっと問題だろう。そういう意味で今回の文春砲は、ダメージどころか、ちょうどいい具合に清純派のイメージにミソをつけてくれた。そんな私の印象とほぼ同じことが『asagei MUSE』の記事にまとめられていた。



「21歳にして男性との交際経験がないことを公言していた浜辺。そんな彼女には『少し優等生すぎる』との評価もあり、映画やドラマで様々な役柄を演じる上ではマイナス要素になるとの懸念は以前から語られていました。……(中略)……それが今回の報道により、交際かどうかの事実はともかく浜辺が《青春を謳歌している》ことは広く認知される結果に。そのおかげで今後、浜辺に少しワイルドなイメージもつき、芸の幅が広がるのではと期待されているのです」(『asagei MUSE』2021年10月1日


 いや芸の幅はすでに広がっているけどな。ちゃんと出演作品を観ているか? ちなみに、この記事を書いたのは浦山信一さんだが、上に引用したのは、そのなかに出てくる「業界関係者」のコメントです(笑)。この手の「業界関係者」と意見が合うことは珍しい。
 浜辺さんは今月末に講談社から写真集を出される。



 講談社は11月に山下智久の写真集も出す予定になっていて、この山Pの写真集は、1万1千円の豪華限定版(特典は生写真、未使用カットのポストカード、撮影ロケのメイキング映像、大型ポスター)に予約が殺到して、まだ発売までだいぶあるのに(しかも限定版なのに)豪華版の方に重版がかかったという。昨年10月、ジャニーズ事務所を退所した時点でファンクラブの会員数が14万人を越えていた山Pだが、その1割が豪華版を購入したとすれば1億5千万円。えぐいな。



 一方、10月27日に発売される予定の浜辺美波写真集のほうには、なんと2万円の豪華限定版があるそうだ。こちらには豪華版限定カバー、生写真、ポストカード、それに特典VR映像が3本とビューワーがつくという。この3本のVR映像というのがクセモノで、「美波ちゃんの手料理をごちそうしてもらおう! 美波のハッピークッキング」(15分)と「美波ちゃんのお悩みを一緒に解決してね! 相談してもいいですか?」(5分)の2本はまあ普通だけど、もう1本の「まるで美波ちゃんの愛犬、ぽぷの気分になれる♪ ただいま、我が家のかわいこちゃん」(7分)というのがすごそう。



 愛犬目線で、ってことは下から目線で、おうちに帰ってきた美波ちゃんの足にじゃれついたり、頭を撫でられて餌をもらったり、散歩に連れて行ってはもらえなそうだけど、とにかく「美波に飼われる」気分が味わえるというのだ。「美波を飼う」ではないのだよ。



 しかし美波のイヌになりたい人の需要はあるらしく、2万円という高額にもかかわらずあっという間に予約終了になった。ただ、その後に熱愛報道(しかも彼氏が愛犬の散歩をさせているなどという)があったせいか、キャンセルが出たらしくて、先日キャンセルぶんの追加注文を受け付けていたが、それもあっという間に売り切ってしまった。さすがである。



 一方、心が痛むのは『シン・仮面ライダー』のキャスト発表。前から言っているようにこの映画は、『真・仮面ライダー 序章』(1992年)や『仮面ライダー THE FIRST』(2005年)『仮面ライダー THE NEXT』(2007年)の連作、それに『仮面ライダー1号』(2016年)で「原点回帰」を何度もやっている白倉伸一郎が、『キューティーハニー』(2004年)の庵野秀明を監督に迎えて映画化する、という、もうあちこち間違い探しみたいな作品だが、今回、主人公とヒロインのキャスト発表があった。


『仮面ライダー THE NEXT』の黄川田将也
「原作に一番近いシルエットの本郷猛」(田崎竜太:談)


 今回の庵野秀明版で主人公の本郷猛/仮面ライダーを演じるのは、松竹の実写版『鉄人28号』(2005年)で主人公の金田正太郎少年を演じた池松壮亮。



 そしてヒロインの緑川ルリ子に浜辺美波。浜辺美波は東宝の次世代をになうヒロインなのだから、まずゴジラ映画に出る義務がある。いきなり仮面ライダーに出向するなんて、誰よりも、庵野秀明が止めるべき、というのが私の意見である。


3. ハナさんを照らせ


 すみません。本題に入ります(ここまでおよそ3, 000字)。『高嶺のハナさん』第9話。COP(クールジャパンお菓子プロジェクト)に向けた二人きりの企画会議もいよいよ大詰め(2021年6月5日、BSテレ東、原作:ムラタコウジ/脚本:宮本勇人・内藤亮瑛/照明:丸山和志/撮影:神田創/監督:内藤亮瑛/プロデューサー:瀧川治水・清家優輝)。




 COPに出す企画が、弱木(小越勇輝)の「五重の塔ドーナツ」に決まり、明日のプレゼンに向けて突貫工事で資料のブラッシュアップに取り組む二人。まずは市販のドーナツを重ねてビジュアルの作成。



弱 木「なんか……」



弱 木「でもかわいい」



弱 木「あ~!」



 華 「いいかもしれない」




 華 「いいかも!」



二 人「わぁ~」



 華 「いい、いい」



弱 木「いいですね」



 華 「ドーナツ照らして、前、前」



弱 木「はい」



 華 「もうちょっと前」



 華 「ドーナツ輝いてるぅ」



 華 「うわぁ、目が焼けそう」



 華 「って、なんで私に当ててんのよ」



弱 木「ホワン ホワン ホワン……」
 華 「わ~ 通りすがりのUFOかしら」



 華 「なんで私に当ててんのよ」
弱 木「お~、ごめんなさい」



弱 木「はい、おすそ分け」



 華 「ありがとう」




 華 「おすそ分け」
弱 木「ありがとうございます」



弱 木「ん~おいしい!」



 意外とライトであそぶ弱木。そしてやっぱり可愛いね泉里香。

4. 五重の塔ドーナシの原ニラ


で、次はプレゼン原稿だ。ハナさんは鬼気迫る怒濤のタイピングでバリバリ資料を仕上げていく。





 これはこれでナニだが、一方の弱木は、そもそもタッチタイピングが出来ない。明日のプレゼンに間に合わせるには、むしろ原稿を手書きした方が早いという状況である。



 でまあ、手書きに切り替えるが、ところが彼はけっこうなクセ字なわけね。ただ、ハナさんはこれまで残業中にこっそり、弱木が付箋にいろいろ書いてはPCに貼り付けているのを見てニコニコしていた。だから弱木が子どもっぽい丸文字であることや、漢字に弱いことも知っているはずである。なにしろ「爪があまい」とか、一瞬意味不明である。




 しかし、たぶん内容なんて関係なく「弱木キュン、字も可愛い」くらいにしか思っていなかったんだろうね。実際に仕事で弱木の原稿を読むと、「ドーナツ」の「ツ」は「シ」だし、「原稿」の「稿」の字がひらがなの上、「こう」ではなくカタカナの「ニラ」に見えてしまう。



 華 「プレゼン原ニラ」
弱 木「稿です」
 華 「このドーナシのポイント」
弱 木「ツです、ツです」



 華 「シになってるでしょ……5このあじ」



 華 「5このあじも……ここ、漢字使えるでしょ」
弱 木「はい 調べときます」
 華 「みんなでたのしめます」



 華 「もう~ダメダメダメ」



弱 木「あ~ ちょっと」
 華 「やり直し!」



 華 「ニラになってるでしょ」
弱 木「ニラじゃないですよ」
 華 「書きなさい、早く」



弱 木「高嶺さん、もしかしてニラ好きですね」
 華 「なに言ってんの!」


 発表担当は弱木。弱木のアイディアだから、ということもあるけれど、ハナさんとしてはこのチャンスに弱木くんに経験を積んで欲しいということもあろう。そして最後はパワーポイントの仕上げ。



弱 木「おすすめポイントは」
 華 「目線を上げて!」



弱 木「おすすめポイントは」
 華 「もっと大きな声で!」



弱 木「ちぎって」
 華 「ちぎって!」



弱 木「家族や友達と」
 華 「ちぎって!」



弱 木「楽しく」
 華 「楽しく」



弱 木「おいしく」
 華 「おいしく」



弱 木「食べられます」
 華 「食べられる」



弱 木「楽しめます!」
 華 「楽しめる」



 華 「それがプレゼンよ」



 華 「ここを押すとね、ドーナツが下から出てくるの」



弱 木「ホントだ!」



 華 「すごいでしょ?」
弱 木「すごいですね」



 華 「うん、オッケー」



弱 木「はぁ~ できた」



弱 木「はぁ〜」




弱 木「で、これを……保存」


 楽しそう。こんなふうに、ずっと仕事できたら楽しいよね。でも二人の楽しい時間もここまで、明日が過ぎれば、結果はどうでもチームは解散である。さあどうする高嶺ハナ。



 本当はこのあとまでレビューを進めて、ブログタイトルは「ハナさんついにコクる!の巻」にするつもりだったが、この記事もすでに8,000字を越えて完全に「おじさん構文」化している。残りは次回にまわします。



オンワード2021年10月1日更新「安座間美優が着こなす新作コーディネート10選」より