相葉雅紀、DAIGOに結婚報告も妻の北川景子から質問攻め(『テレビドガッチ2021年10月3日)
DAIGO「ZIP!」初回放送後に妻・北川景子から連絡「内藤家でも良いシステムができた」
(『モデルプレス』2021年10月7日 )
芸能人同士の夫婦って、あまり仲良しアピールしてもわざとらしいし、かといって公の場では配偶者にまったく触れないというのも、それはそれで不自然だし、なかなか難しいものがある。そう考えると、こちらのご夫婦、視聴者の期待に応えて適度にパートナーの話題を振りまきつつ、何かダンナが嫁さんのエピソードで売っているような浅ましさも感じさせないし、むしろ夫婦円満そうで好感度をあげているのは、ちょっと驚きだ。これが育ちの良さってものですかね。
さて、コロナの影響で長いことお蔵入りにされていたダニエル・クレイグのジェームズ・ボンド最終作『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』がいよいよ公開された。私は007映画も好きだけれど、イアン・フレミングの原作小説はもっと好きで、映画がきっかけで読んでいた子供のころより、月給を貰う勤め人になってから、むしろ好きになった。
映画版とは似ても似つかない原作小説『ムーンレイカー』(1955年)によると、ボンド(当時37歳)の「俸給は年に1500ポンド」それに「税金のかからない金が年に1000ポンド」とのことである。あわせて2500ポンド。「currency converter」という、昔のイギリス小説や映画に出てくるポンドが、現在いくらぐらいになるかを換算してくれるサイトがあって、ここで計算してもらうと、1955年の2500ポンドというのは、いまの47730UKポンドだという。730万円。昔は1ポンド=1008円の固定相場で、そういうことを考えれば、もう少し上がるかも知れないが、それでもまあ(30代後半にしては貰っているけど)意外に普通のサラリーマンだと思いませんか?
要するにこの人は国家公務員なのである。原作は映画ほど派手なスペクタクルはない。だからふつうに読むと、007シリーズは、国家から殺しのライセンスを与えられた公務員が海外出張する話として読める。ただ職務の都合上、どうしてもビジネスホテルではだめで、超高級ホテルに泊まり、パーティーでマティーニをオーダーし、タキシードを着てカジノに行って、自分の年収が吹っ飛ぶようなギャンブルもしなくてはならない。そういう賭ケグルイのお話だと思って読むと「大人の紙芝居」という意味がよく分かる。
さて『高嶺のハナさん』第9話も完結です(2021年6月5日、BSテレ東、原作:ムラタコウジ/脚本:宮本勇人・内藤亮瑛/照明:丸山和志/撮影:神田創/監督:内藤亮瑛/プロデューサー:瀧川治水・清家優輝)。
COP(クールジャパンお菓子プロジェクト)のプレゼン前日。火事場の馬鹿力で出てきた弱木のアイディア「五重の塔ドーナツ」のプレゼン準備をギリギリで終えて帰宅するハナさん(泉里香)と弱木(小越勇輝)。泣いても笑っても最終日、こんなふうに大好きな弱木きゅんと散歩できるのは、今日が最後になるかも知れない。
弱 木「高嶺さん」
弱 木「明日、よろしくお願いします」
華 「お疲れさま」
弱 木「お疲れさまです」
華 (楽しかったなぁ……)
華 (32年の人生で、いちばん楽しかったかも……)
華 (これで おしまいなんだ……)
華 (2人だけの時間も……)
華 (……)
華 (!)
華 「ねぇ、弱木くん!」
華 「弱木くんのことが」
華 「好き……大好き」
弱 木「僕も高嶺さんのことが大好きです」
ここ、ムラタコウジ先生の原作では、駅のホームで、終電を待っているサラリーマンたちが見ている前で告白する。で、弱木の答えに高嶺さんが固まってしまったので、終電はそのまま発車、二人は取り残されてしまうのだ。
個人的にはそっちの方が好きかな、とは思うが、ロケに手間ひまかかりそうだし、それよりもコロナの時代ですし、まあ仕方ないか。実写版の二人に戻りましょう。
弱 木「高嶺さん、高嶺さん?」
弱 木「あれ?」
弱 木「たっ高嶺さん、だ、大丈夫ですか?」
華 「大丈夫じゃない」
華 「もっかい言って」
弱 木「……大好きです……」
華 「もう一回、言って」
弱 木「大好きです」
╳ ╳ ╳
華 (えっ? 何? 夢?えっ? )
華 (弱木くんも、好きって言ってくれたんだよね?)
華 (こんなに かわいい人が)
弱 木「高嶺さん」
弱 木「このあと、どうしますか?」
華 (どどど……どうするって なに!? いや逆にどうしたらいいの?)
弱 木「僕は歩いて帰ります。歩いても2時間くらいなんで」
華 「あぁ……あっ、そういうこと?」
華 「大丈夫、私タクシーで帰るから」
弱 木「それならよかったです」
弱 木「では 失礼します」
突然振りかえった弱木。その思い詰めた表情に、固唾をのむハナ。いったい何がどうなるのか。というところで第9話終了。
……しかし、こんなところで終わるのも何だし、いままでだいぶ引っ張ってきたので、次の冒頭まで行ってしまおう。いよいよ『高嶺のハナさん』第10話である(2021年6月12日、BSテレ東、原作:ムラタコウジ/脚本:岡庭ななみ・内藤亮瑛/照明:丸山和志/撮影:神田創/監督:内藤亮瑛/プロデューサー:瀧川治水・清家優輝)。
はい、じゃあさっきのラストシーンからもう一度。
弱 木「あの……」
弱 木「明日、COPのプレゼンが終わったら、僕に少し時間をください」
華 「えっ?…………あ……はい」
弱 木「それでは失礼します」
さっさと帰ってしまった弱木に取り残され、ハナさんは気持ちの整理がつかない。このあたり、ドラマの演出(と泉里香の演技)が原作より漫画的だったりするので、ムラタコウジ先生の原作とちょっと比較してみよう。
ハナさんは感情の交通渋滞で、どうにも整理がつかない。その結果マンガでは固まってしまっているが、ドラマでは逆に挙動不審になっている。泉里香の演技、というか顔芸が走りすぎて、ところどころ、表情とセリフが一致していない気もする。
華 (あああああ、弱木くんに すすすす好きって言っちゃったぁぁぁ!)
華 (でも 弱木くんも 私のこと好きって言ってくれたんだよね?)
華 (でもこれからどうすればいいの?)
華 (私たちもうつきあってるってこと?)
華 (いやでもつきあおうって言われたわけじゃないし)
華 (あぁぁぁでもこういうのって言葉じゃなくて、自然に始まるものなのかな?)
華 (……弱木くん歩いて帰っちゃったし)
華 (2時間歩くってどういうこと?)
華 (夢だったのかな)
華 (ねぇこの状況なに!?)
いろいろありすぎて壊れてしまったハナさん。そこへやって来るタクシー。そう、ここはタクシー乗り場なのである。
どうにもヤバい。私が運転手だったら、たとえ乗り場で待っていても、こういう人は安全のためにスルーしてしまうと思う。ましてやここは東京。
そうか、泉里香だもんな。それは乗せるよね。なんてくだらないことを言っていないで、フィニッシュだ。帰宅するタクシーの中で、弱木の別れ際のひと言について考えるハナさん。ちょっと脅えた表情。
華 (プレゼンの後に何があるの……?)
今回はこんなところで。私は原作を読んでいたので、だいたいこうなる流れは分かっていたのだが、なんとも微妙というか、全12話中の第9話である。ここで告白まで行ってしまうと、あと3話はどういう展開になるのかな、と思っていた。そしたら主役の二人の関係性は、この後も原作準拠で進みながら、イチゴやチャラ田といった脇役たちがドラマ独自のキャラクターとして動きはじめて、物語を彩るのである。原作読者を安心させつつ、意外性も盛り込む新手で、なるほどと感心した。
さあて来週の『高嶺のハナさん』は「運命のプレゼン」「弱木、宣言する」「イチゴの決意」の3本です。来週もまた見てくださいね。じゃんけんぽん。