なんと、『約束のネバーランド』がまだがんばっている。興行収入19億8千万円を達成して、2020年内の国内封切り映画のなかで14位。この土・日が事実上の最終上映となる。はたして2億円を達成できるか。
一方の『ファーストラヴ』は、初週が第4位で1億7千万円、2週目が第5位で3億五5千万円、3週目を終えて2月末の時点で8位、4億8千万円という推移です。予想はかわらず、おそらく10億にちょっと届かないかな、という感じ。健闘していると思う。
「映画.com」などのユーザーレビューを観ると、芳根京子の演技が称賛される反面、北川さんにはちょっと厳しい声もある。
「北川景子の欠点はきれい過ぎることだ」という意見があって、これはそのとおりだと思う。いるだけで画面がきれいになっちゃうので、そこに今ふうのJポップを流すと、そこだけCMかミュージックビデオみたいになって浮く。北川景子の映画は今後、挿入歌禁止の方向で検討していただきたい。
ただし演技に関してひと言だけ擁護しておくと、今回の北川さんの役は難易度が高い。出だしは探偵役なんだけど、たとえば石坂浩二の金田一耕助みたいに、最後まで事件の傍観者というトーンで統一できない。事件を深堀りしてゆく過程と、自分自身の心の暗部に踏み込んでゆく過程をシンクロさせつつ、だからといって、話を全面的に自分の方に持ってきてもいけないわけで、あくまでメインは芳根京子の事件。
それでいて自分が主演。そういうことを全部わきまえた、出過ぎず引き過ぎずの芝居が求められていた。多少トーンが乱れたかもしれないが、よくがんばったよ。
あと「窪塚洋介が出ているので、これはきっと窪塚洋介が犯人だと思っていたので意外な結末だった」という感想があったが、素晴らしい(笑)。サスペンス映画はそんなふうに鑑賞したい。
さて、それでは前回に引き続き『ゲキカラドウ』第7話「辛口同期と激辛プデチゲ」だ(2021年2月17日、テレビ東京・The icon、脚本:吉本昌弘/照明:宗賢次郎・後関健太/撮影:大塚亮/監督:柴田啓佑/チーフプロデューサー:山鹿達也)。
アポをとっておいた営業の相手からキャンセルの電話がかかり、それならばと出向いた韓国料理店も臨時休業中と、ついてない友麻(泉里香)。でも同行した猿川(桐山照史)のアパートが近くだと聞くと、もうプデチゲへの気持ちが抑えられず、スーパーで材料を買って猿川の部屋に行き、自分で作ることにする。
友麻は、職場と同じく人使いは荒いが、片づけも料理も手際よくて、仕事ばかりで家事はゼロというタイプでもないらしい。
まずは前菜がわりにキュウリの辛子マヨ合えとギョウザで乾杯。友麻はチャミスルをぐいぐい行って、あっという間にできあがってしまう。そうすると意外と可愛いんだこれが。プデチゲ用の肉が解凍される前に、泉里香がとろとろに解凍されてしまった。と、だいたい前回はここまで。
猿 川「へ?」
友 麻「私の心と身体、解凍されちゃったみたい」
猿 川「おっとっとっと、おお大河内さん、ちょっと待とうか、な」
(ドアホンのチャイムの音)
声 「こんばんわぁ。宅配便でぇす」
猿 川「たっ宅配便!」
猿 川「はい、今出ます!?」
篠 宮「なーんつって、亮介でぇす。イェイ」
篠 宮「パイセ〜ン、パイセ〜ン、いるんでしょ?」
猿 川「大河内さん、起きて、起きて」篠 宮「いるんだったら、飲み行きましょうよ」
篠 宮「あれ? トントントーン」猿 川「ちょっと……」
篠 宮「からのイェイイェイイェ〜イ」
こんなときに、後輩の篠宮(中村嶺亜)が酔っぱらって乱入してきた。なんでもかんでも職場にホウレンソウしてしまう篠宮に友麻を見られてはならない。とりあえず眠ってしまった友麻をクローゼットに押し込む。
猿 川「はいはいはい、いま出るいま出る」
(靴!)
篠 宮「パイセ〜ン」
猿 川「何?」篠 宮「パイセ〜ン、誰かいるんすか?」
猿 川「誰もいないよ。いるわけねえじゃん」篠 宮「ですよね……あ」猿 川「え?」
篠 宮「いい匂いするぅ」
猿 川「待て、亮介」
篠 宮「オジャマします!」猿 川「待てってお前」
篠 宮「うわぁ、美味しそうなギョウザ」猿 川「勝手に何やってんだよ」
篠 宮「……パイセン」猿 川「ん?」
篠 宮「誰もいないって……」
篠 宮「嘘だったんですか?」
猿 川「ああ、これはおい、営業で接待するときの練習」
猿 川「まぁまぁまぁ部長、もう一杯どうぞどうぞ」
猿 川「いやぁ、悪いねえ、こういう接待ひさびさだからもう」
猿 川「ははは、はははは」
猿 川(……これはさすがに無理あるか……)
篠 宮「さすがパイセン、家でも仕事のために!」
篠 宮「ぼくパイセンに一生ついていくっす!」猿 川「お、押忍」
篠 宮「パイセン、万歳!」
と言ってソファに倒れ込んで、篠宮はそのまま寝てしまう。クローゼットには大河内が熟睡中。
何をどこからどうすれば良いのやら。そこへ今度は、山崎(森田甘路)から電話がかかってくる。
山 崎「あのさあ、秋山さんと亮介と三人で飲んでたんだけど、なんか店出たら、亮介だけいなくなっちゃってたの。うん。で会社に戻ってんのかなって思ったら違ってさあ。亮介から連絡なかった?」
猿 川「あ、いや、特になにも……」
猿 川「うわ!」友 麻「もっと溶かしてぇ……」
山 崎「え何? どした?」猿 川「え? え?」
山 崎「いま女の声じゃなかった?」
猿 川「あっいや、テレビのコマーシャルです。あの、亮介から連絡あったら電話しますんで」
友 麻「ううん……」猿 川「もう……」
なんとか山崎をかわしたと思ったら、間髪を入れず携帯が鳴り出す。誰かと思えば今度は秋山(前川泰之)である。
猿 川「だから……えっ?」秋 山「なんだよおい、しけた顔してんなあ。どう、これからパアッと遊びに」
猿 川「いえ、今日はちょっと、すいません……」
山 崎「接待、ドタキャンされたんだろう? こういうときは……」
秋 山「おい、誰かいるのか?」
猿 川「いっいや、誰もいません」
猿 川「神様に誓っていません」
友 麻「はぁ……」
山 崎「何それ?」
猿 川「あ、ああ」
秋 山「……そうか……今日は誘惑の多い一日だったな」
猿 川「あっあの……何か見えたとしたら、それは幽霊ですよ」
山 崎「幽霊?」
猿 川「はい、ここ出るんですよ。女の人の幽霊」
友 麻「気持ちわる」
(友麻が間違えて電灯のスイッチを切る)
山 崎「何どうした?」
猿 川「あ、いや、あの、携帯が勝手に」
山 崎「ポルターガイスト?」猿 川「そ、そうかも知れないっすね」山 崎「嘘嘘嘘嘘、マジ見えた、女の幽霊」
猿 川「えっ、ホントですか?僕なんにも見えないですよ」
秋 山「おい猿川、彼女は美人か?」
猿 川「え?」
秋 山「その幽霊は美人さんか?」
猿 川「えっとその、何ていうか……それなりに、ですか」
秋 山「そうか、それなりか……がんばれよ」
猿 川「え?」
猿 川「何だよ……」
猿 川「うわびっくりした!」篠 宮「パイセン……」猿 川「おぅ?」篠 宮「マジで幽霊出るんですか?」
猿 川「いやまあ、その、あの……」篠 宮「まずいっす。ぼく幽霊がお化けの次に苦手で……ゴーストが3番目に」猿 川「それ全部いっしょやわ」
幽霊に怯えきった篠宮は速攻で出て行く……つもりが、慌てすぎて玄関とは真逆のバスルームに向かって走り出してしまう。バスルームには、気持ち悪くなってトイレに入っていた友麻がいて、こっちはこっちで、記憶も飛んでいるうえに、急にドカドカ近づく物音がするものだから、パニックになってシャワー室に身を隠す……までは良かったが、そこで何を勘違いしたか、シャワーの蛇口をひねってしまう。
篠 宮「どうしよう……ぼく帰ります」
猿 川「亮介、ちょっと待て、ちょっと」
友 麻「なに?」
友 麻「なになに?」
猿 川「ちょっと待って、そっち、玄関じゃ無い!」
友 麻「うわぁぁぁぁ」
猿川と篠宮「うわぁぁぁぁ」
篠 宮「もうぼく帰りますぅ」
篠 宮「もうパイセンのバカァ!」
ということで、今日は星占いで「水難に注意」と出ていた友麻のついてない一日は、スイミングスクールの営業課長の接待をドタキャンされ、服を着たままシャワーを浴びてずぶ濡れになって終わる。
一方で誘惑の多い一日になると占われた猿川は、自分のホームウェア着て台所に立つ友麻の姿に、やっぱり惑う。友麻はシャワーで酔いも醒めたのか、けろりとしたもので、目的だったプデチゲ作りを再開。チャミスルも飲み直し。猿川の悩ましい夜はもうちょい続く。
友 麻「おーいつの間にか解凍、終わっている。優秀優秀」
猿 川「いつの間にかって、ホントに何にも憶えてないの?」友 麻「え? でも服のままシャワーって年に一度くらいない?」
猿 川「ありません」友 麻「ふうん、そう」
てなところで今回は終了。前回から10分ほどしか進まなかった。こんなに中味のないシーンをよくもここまで引っぱるな、と思うなかれ。これは泉里香のビジュアルを楽しむ回なのだからこれでいいのだ。
とも思うが、こんな調子で4月から始まる泉さんの主演ドラマをレビューしたら、どんなことになっちゃうんだろうと思う。あ、北川さん(と三石さん)のドラマもあったよね。う〜ん。まあでもネタが沢山あるのはいいことだ。では。