実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第793回】泉里香『ゲキカラドウ』第2話の巻


 「2020年に日本で公開された映画」の収益ランキング(詳しくはここをクリック)。『約束のネバーランド』は公開4週目で15億円をクリアして『犬鳴村』を抜き、現在年間15位につけている。すぐ上には『滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie』(17億円)がいて、これは抜けるんじゃないかな。後から追いかけてきているのがクリスマスに公開された『劇場版ポケットモンスター ココ』(3週目、12.5億円)と『映画 えんとつ町のプペル』(3週目、12.4億円)で、この2本のアニメの今後の伸び次第で、『約束のネバーランド』が今の年間15位というランクをキープできるかどうか、というところだ。興行的には成功と言えるだろう。



 ちなみに『ドクター・デスの遺産 BLACK FILE』はトータル6.6億円で現在年間37位。これは微妙。で、来月は『ファーストラヴ』の公開が控えている。

1. 太陽と海の教室の思い出


  その『ファーストラヴ』なんだが、先日、完成報告イベントがネット配信された。そのことを取り上げた記事に「北川景子と中村倫也が初共演」みたいな言い方がちょいちょい出てくる。




 確かにそれで間違いではないのだが、ただ、北川景子にとって初めてゴールデンのドラマへのレギュラー出演作品となった『太陽と海の教室』第1話に、中村倫也はけっこう目立つ憎まれ役で出演している(2008年7月21日、フジテレビ、脚本:坂元裕二/照明:高橋幸司/撮影:栗栖直樹/演出:若松節朗/プロデュース:村瀬健)。だから私の印象としては「初共演」と言われると、ちょっと「え?」という感じは残ります。



 『太陽と海の教室』は湘南の名門私立高校を舞台に、織田裕二が型破りな熱血教師を演じる学園ドラマで(「型破りな熱血教師」という設定が型どおり過ぎたとも言えるが)主題歌も織田裕二、脚本は『東京ラブストーリー』の坂元裕二、メイン監督は『振り返れば奴がいる』『ホワイトアウト』の若松節朗と、織田裕二的には信頼できるスタッフを結集して力を入れていたと思うのだが、放送終了後は触れられる機会も少なく、DVDなどビデオソフト化もされていないはずである。



 第1話は水泳部のエース岡田将生がメインの話である。岡田将生は子供の頃から、造船所を営んでいた父親(松重豊)を尊敬していたのだが、経営不振で大手造船会社の傘下に入り、卑屈になってしまった最近の父親に失望している。中村倫也はその大手造船会社の社長の息子なので、岡田将生とは別の学校なのに、親の権威をかさに、町で出会った岡田君を「負け犬」と呼び、ひざまずかせて「お手」をさせる。




 で、海の家まで焼そばを買って来るよう命令したり、もうやりたい放題。ついには、間もなく行われる水泳部の学校対抗戦でわざと負け、自分たちの学校に勝利を譲るよう、エースの彼に命じる。



 父親の松重豊が下請けで、中村倫也の父親に頭が上がらないことを知っている岡田君は、自暴自棄になって、言われた通り水泳部の対抗戦で八百長をしようとする。大会当日、そうとは知らず懸命に声援を送る新米教師の北川景子。かわいい。



 一方、造船所では中村倫也が、父親の松重豊にまで絡んで嫌がらせをしている。そこへ岡田将生の彼女の北乃きいが「やめなさいよ!」とやって来る。




 中村倫也は、北乃きいが服を脱いで写真を撮らせてくれれば、彼氏の岡田将生にも父親の松重豊にも、もう関わらないと約束する。



 なんだそりゃと思うが、そうしないとどうしようもないような雰囲気になってきて、追いつめられた北乃きいは服を脱ごうとする。







 そこへチェーンソー片手に乱入する熱血教師の織田裕二。なぜチェーンソーかと思ったら、そのまま造船所の屋上に登り、中村倫也の父親んとこの会社の看板をバラバラに切り落とす。




 腹がへったわけではない。下から現われたのは以前からの松重豊の造船所の看板で、感じ入っているのだ。「器物破損だ!」と抗議する中村倫也を無視して、北乃きいに、誇りを捨てるな、胸をはって生きろと説教する織田裕二。





 織田裕二の説教に感銘を受けた松重豊は、かたわらで「こんな工場パパに頼んで潰してやる!」とわめく中村倫也に「潰せるもんなら潰せ」と追い払う。松重豊だから、怒ると怖い。




 一方、水泳部の対抗戦。必死で泳ぐ仲間の姿に揺れる岡田将生のもとに、クラスメイトの濱田岳が携帯を投げてよこす。





 写メには「根岸造船所」の看板が。八百長の話を知っている北乃きいから送られてきたのだ。



 父親が誇りを取り戻したことを知った岡田将生は、わざと負けることはやめにして、全力で泳ぐ。




 微妙なゴール判定。ジャッジの体育教師は、先日亡くなられたNHK『おかあさんといっしょ』十代目「うたのおにいさん」こと今井ゆうぞうさんが演じておられました。合掌。



 試合の結果は、僅差で岡田くんたちの勝利。




 大喜びの北川景子先生。理事長の小日向文世は渋い顔。本当は水泳部が負けて廃部にするというシナリオを描いていたのである。



 まあそういうわけで、確かにこれは共演とは言えないが、北川景子と中村倫也が、10年以上も前に同じ作品に(一方は教師として、一方は他校の生徒として)出ていたことは出ていたので、記録として残しておきます。ほかにもこのドラマ、色々な方が出ていますね。
 


 濱田岳といい感じになるんだけど悲劇に終わる吉高由里子。




 クラス委員長が賀来賢人で、UFOと宇宙人を信じる不思議ちゃんの生徒が前田敦子。



 回想シーンに登場する幼い頃の岡田将生を演じているのは、なんと北村匠海だそうである。可愛いですね。



 しかしこのドラマで不可解だったのは、山本裕典と北川景子の関係であった。第3話のあたりで突然キスをして、教師と生徒の禁断の恋という展開か、と思いきや、その後は特に何にも起こらなかったと記憶している。なんだったんだろうあれは。





2. 第1ラウンド撃沈



 さて前回に続いて、本日は『ゲキカラドウ』第2話「辛口激安スーパーと激辛焼肉」です(2020年1月14日、テレビ東京・The icon、脚本:吉本昌弘/照明:宗賢次郎・後関健太/撮影:大塚亮・古橋長良/演出:柴田啓佑/チーフプロデューサー:山鹿達也)。みんなまだ観てるかな? 



 今回のターゲットは難易度「2辛」のスーパー「なかや」。前回の酒屋と同様、この店も実際に存在するらしい。神奈川は座間市にある「なかや入谷店」だそうです。



 ここにロンロンの人気商品「ぎっしりブドウジュース」を置いてもらうよう交渉するのがミッション。



 まず最初に乗り込んだのは促進室の紅一点、大河内友麻(泉里香)。けっこう余裕の表情で、社長の西村(長谷川朝晴)に営業をかける。



友 麻(今回の営業、私が余裕なのはワケがある)



友 麻(三ヶ月前、病気で亡くなった父親の後を継いだ二代目社長)



友 麻(どう見ても経験不足ね。辛さなんてこれっぽっちもない。2辛はきっと何かの間違い)


╳    ╳    ╳



西 寺「ロンロンの営業の方ですか。懐かしいです。子供の頃よく飲んでましたあの、ブドウのやつとか」



友 麻「ぎっしりシリーズのブドウジュースですね。こちら」



西 寺「そうそうこれ。美味しかったなあ」



友 麻「ありがとうございます。今もロンロンのドリンクは、お子さまからお年寄りまで、幅広くご愛飲いただいてます」



友 麻(ほ~ら、余裕でいけちゃう)



友 麻「お客さまには、お子さま連れで主婦の方も多くいらっしゃるので、ぜひ、わが社の新製品を……」



西 寺「ところで、うちと、ほかのスーパーさんとの違いって……分かりますか?」



友 麻「……違い……」
西 寺「はい」



友 麻「……もちろんです。先代の社長は激安大魔神とまで呼ばれた方ですから、どこにも負けない低価格、お安さではないでしょうか」



西 寺「……すみません、今日のところはお帰りください」



 ということで、舐めてかかった泉里香はあえなく秒殺。



友 麻「何あれ?『今日のところはお帰りください?」



友 麻「ああムシャクシャするぅ。ほかのスーパーとの違いなんて、ただ安いってだけじゃない!」


 でも、営業促進室の谷岡室長(平田満)は、どうも最初からそこまでの展開は読んでいたらしい。すかさず二の矢として主人公の猿川(桐山照史)を送り込む。



 翌日、スーパーなかやを訪問した猿川は、友麻と同じく「うちと、ほかのスーパーさんとの違いって分かりますか?」と尋ねられ、少し考えてから、清潔な店内、従業員のホスピタリティなど、お客さまへの気持ちが行き届いている、と答える。しかし「それはどのスーパーさんも同じだと思います」とあっさり返され、「今日のところはお帰りください」と、またしても不合格。

3. 紅ちゃん



 谷岡室長に言われて、後輩の篠宮(中村嶺亜)は凹んでいる猿川を元気づけるために「カラ」と「カラシビ」のタレが名物の焼肉店「紅ちゃん」(あかちゃん)へ誘う。友麻と山崎(森田甘路)も便乗して乾杯。



友 麻「聞いたよ~爆死だって。いきなり2辛なんて無理だったのよ」



友 麻「けどこれもベンキョウだから(笑)」


 肉が運ばれて、次々と焼かれる。もちろんこの「炭火焼ホルモン紅ちゃん 西口店」も北千住にある実在の焼肉店だそうだ。実際の店長はどんな方か知らないけど、このドラマで少々強面のオヤジを演じているのは、刑事物やミステリドラマでおなじみの菅原大吉。



猿 川「うまそぉ」



猿 川「室長が言ってたとおり、気合い入ってくる」



友 麻「……単純……」



オヤジ「はいどうぞ」



オヤジ「5にしといたよ」



猿 川「5?」




猿 川(視線をそらし)「……」



猿 川「これは?」



篠 宮「いやもちろん、焼肉のタレっすよ」
猿 川「そら見たら分かるわ」



友 麻「もういんじゃない?」
篠 宮「ですね」



山 崎「よし食べよう」


 で、ともかくこのタレで焼肉を食べてみる。肉の旨さに感動していると、後を追って爆発的な辛さがやってくる。



 初体験の激辛ダレ焼肉にカルチャーショックを受ける猿川を見て、山崎も友麻もなんか嬉しそう。



山 崎「いま食べたのは、この店特製のタレで、カラっていうんだ、辛いからカラ」



猿 川「へ?」



友 麻「青唐辛子にジョロキアを混ぜてあるの」



猿 川「ひょろひあ?」



友 麻「世界で3番目に辛い唐辛子よ」



猿 川「ほれは?」



友 麻「カプサイシン。もっと辛いやつ」




猿 川「もっと?」




友 麻「脂肪がメラメラ燃えて、身体中の血の巡りが良くなるって、まさに神ね」



猿 川「カプサイシンて神様なん?」



篠 宮「あ、そうだ、言い忘れちゃったんですけど、タレはどっちもいちばん辛いやつ、5辛を頼んだんです」
猿 川「5てそういう意味?」



女の子「辛ぁい、でも美味しい」



猿 川「なぁ」
篠 宮「はい?」



猿 川「あの子んとこは?」
篠 宮「ん~、常連さんっぽいんで、たぶん4辛か5辛くらいじゃないっすか?」



猿 川「え?」



友 麻「子どもに負けるつもり?」


 そこまで挑発されたら元応援団、後には退けない。もともと焼肉は大好きだし、猛然とくらいつく。



 しかしそうやって激辛に挑み続けるうちに、だんだんと辛さの奥に旨さが見えてきた。



 この辛いタレが肉の旨味を引き出している。そう気づいた猿川は、次第に箸がガンガン進む。





 そんな様子を見ている山崎も友麻も、ますますニコニコ。なんか仲間意識が芽生えて来たってことかな。




 でもそのあと業務連絡のついでに、猿川がこの激辛タレの旨さを「最高です」と絶賛すると、谷岡室長は「君もまだまだかもなあ」と突き放す。



 ここから後は、泉里香の出番がないので省略するけど、要するに、いくらタレが優秀でも、肝心の肉がダメなら、旨味を引き出そうにも引き出せない。肉あってこその激辛ダレで、いちばん大事なのは、いかに良い肉を提供できるか、ということなんだよね。……って当たり前だ。でもそれで猿川は正解に気づく。



 「スーパーなかや」の他店と違うこだわりとはズバリ、商品の品質である。いくら値段が安かろうと、従業員が親切であろうと、それはタレみたいなものだ。



 


 野菜に果物、肉や魚、それにお総菜のコロッケひとつまで、扱う品物それ自体が良質であること、それが一番……って、それ、わざわざゲキカラドウを絡めなければ分からないような話かなぁ。ふつうに最初に思いつきそうなんですけれど。




 と言ってしまっては元も子もないのでエンディング。正解を見つけて、なんとか契約を取り付けた猿川は、こだわり素材のおいしいコロッケをおみやげにもらって会社に戻る。


猿 川「大河内さんもコロッケ……、あ、もしかしてコロッケも食べないんでしたっけ?」





友 麻「同期なんだから敬語とかやめない? そのほうが勝負のし甲斐があるでしょ」



猿 川「そうですね……あ、いや……そうだね」



友 麻「コロッケ、気持ちだけもらう」



 友麻もちょっとは猿川のことを同僚として、ライバルとして認めるようになったかな、という感じで第2話終了。配信サービスの予告だと、いまよりもっと表情豊かな友麻、猿川となんか仲良さげにしている友麻、猿川の家で酔いつぶれたのか、介抱されている友麻みたいな場面がちらちらと映っていて、今後、二人の関係もちょっとは発展するみたいである。





 今のところそれぐらいしか楽しみがないとも言えるが(言うな)、とにかく、また次回。