実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第792回】始まりました泉里香in『ゲキカラドウ』第1話の巻



新型コロナウィルスの感染状況を踏まえて、 1月10日(日)に予定していた
「約束のネバーランド」大ヒット御礼舞台挨拶を中止いたします。
なお振替イベントは予定していません。


 TOHOシネマズ六本木ヒルズで開催されるはずだった舞台挨拶が消えてしまいました。まあ予定されていた登壇者は浜辺美波(エマ)、城桧吏(レイ)、板垣李光人(ノーマン)の3人だけなんだが、ママがひょっこり出てくる可能性は十分あると思っていたんだよね。以前TOHOシネマズ日比谷で「スマホ落とし2」の舞台挨拶(白石麻衣と千葉雄大)があったときも、北川さんはサプライズ出演した。


城桧吏・浜辺美波・板垣李光人


 そのかわり10日夜に生配信があるそうなので、ちょっと観てみよう。12月のオンライン祭はスルーしちゃったしな。


映画「約ネバ」新春!生配信
1月10日 19時頃スタート


 で、興行成績だが、1月5日時点で12.5億円を達成。2020年に国内で公開された映画の興行ランキングでは18位につけている。ここから『犬鳴村』(14.1億円)を越えれば年間15位までいけるんだけど、どうかな。いちおう映画館の規制は従来どおりらしいが、非常事態宣言も出ちゃったし、客足はちょっと鈍りそう。『鬼滅の刃』はとうとう346億円だって。



 で『セーラームーン Eternal』が来て『シン・エヴァ』が来るわけだ。みんなガンバレ。とりあえずセーラームーンは行きます。

1. ゲキカラドウ第1話(前編)



 さて今回のお題は、テレビ東京「ドラマホリック!」枠で新しく始まった『ゲキカラドウ』の第1話「辛口酒店と激辛ラーメン」である(2020年1月7日、テレビ東京・The icon、脚本:吉本昌弘/照明:宗賢次郎・後関健太/撮影:大塚亮・古橋長良/演出:柴田啓佑/チーフプロデューサー:山鹿達也)。



 物語はいたってシンプル。主人公の猿川健太(桐山照史:ジャニーズWEST)が、中堅飲料メーカー「ロンロン」の東京支社にやって来た。彼は大阪本社の若手社員だったが、実績が認められ、上司(田中恵蔵)から東京行きを命じられたのだ。



猿 川「東京ですか?」



上 司「そうや。2年前に新たに設けられた営業促進室や。苦戦する東京支社のテコ入れのため、優秀な人材を揃えた精鋭部隊という話や」



猿 川「でっでも僕サポート担当で、新規開拓の経験なんて、浅くてですね」



上 司「猿川、おまえ自身のためや。結果を出して大阪に帰ってこい。必ずキャリアアップにつながる」


 ということでやってきた東京。「営業の精鋭部隊」営業促進室の室長、谷岡(平田満)は、幸い温厚そうな上司だったので一安心。



 みんな営業に出ているらしく、谷岡室長は、一人だけ残っていたチャラい若手社員の篠宮に猿川の案内役を命ずる。篠宮を演じているのはジャニーズJr.のユニット「7 MEN 侍」の 中村嶺亜。バーターというか、期待されての抜擢だと思うが、「イェイ」とか「ハンパないっすよね」とか、セリフがいちいちウザい(笑)。



 猿川のことをつねに「パイセン」と呼ぶ。そして、どうも室長の谷岡が部下をそういうふうに育成したみたいなんだが、営業促進室のメンバーは、全員が大の激辛料理好きなのである。猿川の歓迎会も、新大久保の韓国家庭料理・辰屋(ヂンガ)で開かれる。



山 崎「お待たせしました〜」
谷 岡「我が営業促進室の精鋭たちだ。さっきはみんな出払っていたからね」



秋 山「誰です?」
篠 宮「今日、大阪本社から来た猿川パイセンです。じゃパイセン、座っちゃってください」



猿 川「うん」
友 麻「猿川……受ける。名前珍しくない?」



猿 川「はいよく言われます」
友 麻「ウチら同期らしいじゃない」
猿 川「そうなんですか」



店 員「お待たせしました」

 テーブルにはトッポキ、チヂミ、ユッケジャン、そしてタコボッサムとメニューが並ぶ。猿川には馴染みのない料理だが、営業促進室のみなさんは飛びついて旺盛な食欲を見せる。




 つられて料理をほおばった猿川は、旨い、と思う後から追ってくる強烈な辛さに思わず生ビールを流し込む。



 そんな彼の姿に、歓迎しているはずの同僚たちは、なぜか見下したような不気味な薄笑い。





 いかにも食いしん坊そうな風体で、なにも言わずに黙々と食べているのが山崎(森田甘路)。チョイ悪オヤジ風なのが秋山(前川泰之)で、紅一点がヒロイン(だよね)の大河内友麻(泉里香)である。



友 麻「ジンジン来るわ」



猿 川「え?」



友 麻「分かんない? この唐辛子のビタミンA、B、Cで代謝が高まって、カプサイシンが肌の奥まで来る感じ」



秋 山「この刺激はデトックスの高鳴りだ。そして流れる汗は優美な雨音。まるでショパン」



猿 川「……ショパン……」


 正直言うと、泉里香が出ているのに、私はこのあたりで観るのが苦しくなってきた(笑)。そこへ谷岡室長が語りかける。平田満さんなら、この気まずい状況をなんとかしてくれるんじゃないか……「分かるかな? 本物の辛さを知ってこそ、何事にもうち克つ力がそなわる」……ダメだった。



谷 岡「辛(から)いって言う字は、辛(つら)いとも読める。しかし、辛いという字に一本足せば、幸せという字になるんだ。さあ、食べようか」


 あれ?これって、10年前のドラマで見たことがあるぞ。MBSで制作され、2010年1月に新春スペシャルとしてTBS系で放送されたドラマ『筆談ホステス』(原作:斉藤里恵/脚本:加藤綾子/撮影:関照男/演出・プロデュース:竹園元)に確かそんな場面があった気が……。

2. 筆談ホステスリターンズ



  レインボーブリッジの見える港で建設会社の社長(笹野高史)がたそがれている。会社が倒産しちゃったのだ。そこへやってきたのは、社長が可愛がっていた銀座のホステス、斉藤里恵さん(北川景子)。聴覚障害があるので筆談で会話をすることで有名な「筆談ホステス」である。





 ペンとメモを差し出された社長は、ひと言「辛」と書く。しかし筆談ホステスは、そこに一本足して「幸」という字にしてみせる。







 そして「辛いのは幸せになる途中です」という川柳をひねるのだ(違うか)。思わず嗚咽する倒産社長。






 これまた、なんだかなぁ……という場面であった。以上『筆談ホステス』より。
 ちなみに現実の斉藤里恵さんはその後、シングルマザーとしてご出産、2015年には東京都北区の区議になられた。任期を果した後、2019年は立憲民主党から参議院議員戦に出馬したけれど落選’惜しくも落選されたが、2021年夏の都議選を視野に入れて政治活動中のようである。お子さんはもう小学4年生になられたんですと。

3. ゲキカラドウ第1話(後編)



 話は戻って『ゲキカラドウ』。東京に異動になった猿川に、谷岡室長はさっそく最初のミッションを告げる。個人商店を相手に、新製品「すっきり緑茶」を置いてもらうよう交渉するのだ。



 まず行くように命じられた「信濃屋酒店」は、見るからに古風な昭和の酒屋。このお店は実在している。江戸川区にあって、ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』の最終回のロケにも登場したそうだ。



 店主の葛城(相島一之)もイメージ通りのガンコ親父。アポなしの飛び込み営業をかけた猿川は、名刺すら渡せないまま店から追い出される。




 翌日、再アタックをかけようとすると、入口には「営業お断り」の貼り紙が。東京へ来て始めて飛び込んだ店での仕打ちに、さすがにショックを隠せない。



 すごすごと引き返そうとする猿川の目に飛び込んだのが、近所にあった「らーめんランド浅草大門店」。



 急に空腹をおぼえた猿川が中に入ると、お客さんたちはみんな真っ赤なスープのラーメンを食べている。




 で、猿川もつい、この「激辛地獄ラーメン」を注文してしまう。私は行ったことがないが、らーめんランドの地獄ラーメンは、辛さを「地獄の●丁目」という言い方で表現するらしい。



 店主(村松利史)から「何丁目で行きましょう?」と聴かれた猿川は、よく分からないまま「じゃあ、これで」と片手を拡げてみせる。



 すると店主はなぜかカン違いして「地獄、五十丁目、いただきました!」とカウンターに声をかけ、周囲の注目を浴びてしまう。





 これはもう、戻れない。で、あとはもう定番の展開。一口食べてその辛さに怯んだ猿渡だが、歓迎会での同僚の軽蔑したような顔を思い出して(もともとこの人は大学の応援団出身で意地っ張りなのだ)奮起して五十丁目の地獄ラーメンに挑み、ついにスープまで完飲する。





 すると猛然と闘志が湧いてきて、再び「信濃屋酒店」にアタックしようと引き返す。



 で、今度は誠意が通じて、まずはガンコ親父の店主に名刺を受け取ってもらうところまでこぎつける、というのが第1話だ。



 だが会社に戻って成果を報告する猿川に、同僚たちはまだまだ厳しい。



秋 山「ま、1辛の営業先でうまく行きかけたからって、この先どうなるかがもんだいだな」
猿 川「1辛?」



友 麻「できた、更新完了。はい同期」



猿 川「同期って…あの、僕の名前は、猿」



友 麻「別にいいじゃない同期なんだから」



友 麻「それ、これから私たちが契約を目指す営業先の候補よ」



山 崎「当然、10辛が最強の相手」
秋 山「身体中が燃えるような強敵だ」



猿 川「はあ……」



猿 川「信濃屋酒店……1辛? じゃ、10辛って一体……」



篠 宮「ラスボス感ハンパないっすよね〜」



谷 岡「だが激辛道を究めれば勝てないことはない」



猿 川「……ゲキカラドウ?……」



 地味にヤバい平田満。以上でどういうドラマか理解できたと思う。この先、2辛、3辛と現われる新たなハードルを、主人公がゲキカラドウを究めながら乗り越えてゆく、という話なんでしょうね。ちなみに予告によると、第2話は泉里香があえなく撃沈した2辛の相手を、桐山照史が突破する、という話らしいので、泉里香ファンは見逃してはいけない。

4. ラーメン大好き小泉さん

 
 というわけで第2話に乞うご期待、と言いたいところだが、正直な感想を言えば、けっこう厳しいなこれ。まあ私は泉里香が出ている以上、レビューし続けようとは思っているし、誉めたいのではあるが、グルメドラマとして肝心の、食べるシーンが単調である。
 今回のクライマックスは主人公が地獄ラーメンに挑むところだが、最初の一口でむせ返る、店主や周囲の客がさもありなんと頷くなか、でも頑張って丼に向かって食べ始め、東京行きを応援してくれた上司や後輩の姿がオーバーラップなんかして、後は一気に食べ終わるまで行く。ここの演出、いろんな意味でなんとかならんか。



 参考までに、5年前にフジテレビ「土ドラ」枠で放送された『ラーメン大好き小泉さん』の第2話「北極」と較べてみたいと思う(2015年7月4日、共同テレビ、原作/鳴見なる/脚本:久馬歩/撮影:白石利彦/演出:松木創/編成企画:赤家洋文)。



 主人公の小泉さん(早見あかり)は、タイトル通りラーメン大好きな女子高生で、友だちらしい友だちもなく、学校が終わると一人であちこちのラーメン屋を食べ歩きするのが生き甲斐という変わり者である。



 そんな小泉さんが気になる同級生の大澤悠(美山加恋)は、小泉さんにストーカーのように付きまとい、勝手におしかけ友だちになってしまって、小泉さんとラーメン食べ歩きを始めるのであった。



 その悠の友だちにプライド高め同級生の中村美沙(古畑星夏)がいる。オシャレなモテ系女子でのはずが、ある日、チャラい彼氏に一方的に捨てられてしまう。





 理科室でラーメンスープの調合(笑)をしていた小泉さんと悠は、その現場をばったり目撃してしまう。



 放課後、悠は「一緒にラーメン食べに行かない?」と美沙を誘う。



 いつもだったら、太っちゃうとか言って断る美沙も、たまには良いかと誘いに応じる。



 ところが、美沙が一緒に来るとわかると、最初はヘルシーなあっさりラーメンの店に行くといっていた小泉さん、急に方向転換してしまう。



 やってきたのは蒙古タンメン中本の目黒店。悠も美沙も蒙古タンメンは初体験。入口の券売機で、悠は勧められるままに、辛さ5の「蒙古タンメン」にする。小泉さんはためらいなく辛さレベル9の「北極」を選ぶ。



 美沙は小泉さんに対抗して「私も」と北極を買おうとする。すると小泉さんは、美沙が負けん気の強い子であるのを知っているくせに、わざと挑発的な発言をする。



小 泉「あなたには絶対に無理です」



小 泉「北極の辛さはこの店のラスボス級。あなたが太刀打ちできるレベルではありません」



 悠 「ちょっと小泉さん、そんなこと美沙に言ったら逆効果……」



美 沙「何だと小泉!」



 悠 「あーやっぱり」



小 泉「レベルをあげるには段階を踏まなくては。私だって」



美 沙「私だって?」



小 泉「北極にたどり着くまでには一年の歳月を費やしました」




尾道・荻窪「おおおおお」



 悠 「小泉さん!」



喜多方「………」



美 沙「じゃあ美沙も」



 悠 「あ、美沙!」




尾 道「うわぁああ」
荻 窪「やっちまったぁ」



 小泉さんの挑発にのってまんまと北極を食べることになった美沙。悠はふつうに蒙古タンメン。見守る三人のおじさんたちは、小泉さんたちが行く先々で必ず出会うラーメン好きの人たち。その名も尾道(小野ゆたか)・荻窪(田中英樹)・喜多方(村松利史)という。さっきの『ゲキカラドウ』のラーメン屋の主人も入っている(笑)。





 特別出演の白根誠社長が運んできた蒙古タンメンを一口食べた悠は「辛ぁい!」と悶絶。そしていよいよ北極の登場だ

 



美 沙「いただきます」





美 沙「痛ったあぁぁぁあい!」



尾 道「だからいわんこっちゃねえ」


 その傍らでクールに手首をポキポキ回し、髪の毛を束ねる小泉さん。食事前のルーチンだ。



 悠はもとより、その実力を知っているおじさんたちも固唾を呑んで見守るなか、小泉さんがついに食べ始める。だが……。



小 泉「いただきます」







小 泉「辛ぁぁぁぁぁぁい」



 悠 「え?あれ、小泉さん、必死?」



小 泉「じっ実は、激辛系はそんなに得意ではなかったんで」



 悠 「ええ〜っ、じゃなんでこのお店に?」



小 泉「美味しいから……辛いけど……美味しいから……がんばりました」






美 沙「やっぱり痛あい!」






美 沙「辛いけど……なんか良い」



美 沙「……とっても良い……」







尾 道「すげえええ」



喜多方「今まさに彼女らは、辛さの向こう側に到達しようとしている」




美 沙「……好きだったのに……」




美 沙「ホント、辛(から)すぎる」





美 沙「涙出てきちゃった」





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美 沙「すっきりした。じゃ私、あっちだから」



美 沙「小泉」



小 泉「何でしょうか?」



美 沙「……ありがと」



小 泉「何のことですか?」



美 沙「じゃあまた明日」



 いや長くなっちゃってすまなかった。まあけっこう軽いタッチだし、少女たちがラーメンを啜る演技もまだまだと言えばそうなんだけど、でも激辛ラーメンで出てくる汗と涙に包んで、失恋の辛さ悔しさをデトックスしようとする少女のせつない想い、それなりに気持ちに整理がついてすっきりした笑顔、実はそう仕向けた小泉さんの友情と優しさ、というふうに、「激辛を食べる」という場面に基づいてドラマがちゃんと成立している。それに較べると、この『ゲキカラドウ』のラーメン食べてる場面は一本調子というか、ただ食べているだけの気がする。でも『孤独のグルメ』ぐらいの境地にならないと、ただ食べているだけでドラマは成立しない。もう少しなんとかして欲しい。
 でも、まあまだ第1話ですので、今後に期待しましょう。てなところで今回はこれまで。またね。