実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第740回】DVD第4巻:Act.16の巻(1)


 東宝映画『屍人荘の殺人』(脚本:蒔田光治/監督:木村ひさし/出演:神木隆之介・浜辺美波・中村倫也/2019年12月13日公開)は、次の週末から公開だ。キャラクター重視のホラー×ミステリ×コメディ映画で、クリスマス・シーズンにふさわしいデート・ムービーだよ!って、まだ観てないで言ってるんだけど、たぶんそういう感じ。



 さあ、それでは先週予告したように、今週からAct.16のレビューに入ります。ちなみにこのAct.16はずうっと以前、2006年だから13年も前にM14さんがヤフオクで台本を落札されて、ブログで詳しく分析と考察をされている(その1)(その2)(その3)(その4)(その5)(その6)(その7)(その8)(その9)(最終回)(番外編)。その後、台本をご恵送いただいた私は、そのテキスト全文を公開した(第435回)。以上が基本資料となります。


1. アバン・タイトル


 まずは「前回のあらすじ」。語り手はうさぎ。この回以降、アバンでうさぎが「前回のあらすじ」を語る回数は激減する。以前、分析したように(ここ)、Act.1からAct.16までの16話のうち、冒頭で「これまでのあらすじ」が語られるエピソードは13話ある。そしてそのうち9回はうさぎ(Act.7のみセーラームーン)である(残りは猫ルナが2回、亜美と美奈子が1回ずつ)。つまりここまでで実写版セーラームーンは基本的に「うさぎが語るワタシの物語」なんである。



 しかしこのAct.16を境に、日下陽菜という地場衛の婚約者があらわれたり、亜美がダーク化したり、衛がロンドンに行ったり、話がどんどんシリアスモードに入って行くので、誰かが「これまでのあらすじ」を語るアバン・タイトル自身が激減する。Act.17からFinal Actまでの33話のうち、うさぎが前説を語るのは4回のみ。代わって後半から投入された人ルナ(小池里奈)が7回もアバンを担当している。ま、そんなわけで、うさぎ最後の無邪気な前説である。すでに少し恋愛モードには入りかけているけどね。



うさぎ「なるちゃんの勘違いで、地場衛と、また二人っきりになっちゃったんだけど、泥棒と追いかけっこしたり、妖魔が出てきたりで大変」



うさぎ「……でも、なんだか地場衛って、ちょっといい、かも?」



うさぎ「違う違う! 私が好きなのはタキシード仮面なんだから!」





うさぎ「ところで、亜美ちゃんたちがいないんだけど、何してるんだろう?」


╳    ╳    ╳



まこと「うわ!」
レ イ「まこと!」
亜 美「まこちゃん!」




妖 魔「フッハッハッハッハッハ」



レ イ「妖魔!」



レ イ「変身よ!」



亜 美「うん」



レ イ「マーズパワー」



亜 美「マーキュリーパワー」



二 人「メーイク・アップ!」


 同時変身。……って、二人同時に手を離しちゃうのはどうかと思うんだが、実際には二人とも高速メイクアップしたんだいうふうに解釈しておきたい。その間、まことはアリ地獄に引きずり込まれそうになのを必死で耐えていた。



 ちなみに、これもだいぶ前に詳しく分析したが(ここ)、おさらいすれば、実写版セーラームーンで、複数の戦士が同時に変身するシーンを分割画面で表現したのは鈴村監督が最初で、このAct.16も鈴村回です。で、それをまんま踏襲したのが高丸監督である。


Act.9(鈴村展弘監督)


Act.11(高丸雅隆監督)


 ちなみに、佐藤健光監督もAct.24とAct.42で分割画面の変身を試みているが、何ごとも普通じゃない佐藤監督は、なぜか変身する二人(もしくは三人)がクルクル回るという不思議な演出を施している。以下はAct.42の、うさぎと亜美とルナによる通称「ケンコーくるくる変身バージョン」。




 そして一番こだわるのがやっぱり舞原賢三だ。同時変身といっても、三人同時に変身のかけ声をかけるわけにはいかないから、「ムーン・プリズム・パワー」「マーズ・パワー」「ジュピター・パワー」と順番に言わせてから「メイク・アップ!」の部分だけユニゾンで、それから分割画面になる。このユニゾンの部分だけ撮りおろしにして、そっからバンクに行くんだよね。そもそも舞原監督は、Act.22に一回、分割変身を使ったのが最初で最後だった。





 話を戻します。アリ地獄でもがくまこと。変身したマーキュリーがすぐさま手をのばして、マーズは妖魔を攻撃して、それぞれまことを助けようとする。性格の違いがよく出ていますね。マーズの攻撃に、妖魔はアリ地獄の穴から退散する。



マーキュリー「まこちゃん! しっかりして!」



マーズ「妖魔あぁ、退散っ!」





マーズ 「まこと!」
マーキュリー「レイちゃんっ!」
二人「せーのっ!」





マーズ「妖魔の気配も消えたわ」
まこと「行方不明事件の真相がわかったな」



 妖魔が退散して、アリ地獄がふさがった痕をみつめるマーキュリー。この表情がまた、いいですね。無言のままアップで、今回の実質的な主演がマーキュリーであることを示しながらアバンが終了して、主題歌。あらためましてAct.16の監督は鈴村展弘さんです。


2. クラウン



 Aパート。クラウンに全員集合。うさぎは前回Act.15では、なるちゃんたちと別の部屋でカラオケをやっていたので、みんなが集まるのはAct.14のお正月パーティーぶりである。そしてAct.14までは真っ白だったクラウンのテーブルが、青と黄色で塗り分けられて三日月デザインになっている。



うさぎ「えっ!? 妖魔と戦ったの⁉」



レ イ「そうよ、逃がしちゃったけど……行方不明になった人があの妖魔にさらわれたのは間違いないわね」



ル ナ「たぶん、エナジーを集めるためよ。どこに集められてるのか、探してみるわ」



一 同「うん」
まこと「で、そんなことになってんのに、うさぎはどこ行ってたんだ?」



うさぎ「えっ⁉(うわ、地場衛と二人だったなんて言えないよぉ)」




うさぎ「あぁ、そのお、なるちゃんたちと一緒でさ」




うさぎ「でも、こっちにも妖魔が出てきちゃってさぁ、何とか倒したけど」



まこと「ホントに? そっちも大変だったんだ」



まこと「……くしゅんっ!……」
レ イ「風邪?」
まこと「らしい…。妖魔にあんな穴に引きずり込まれたせいだ」



亜 美「……大阪さんたちは妖魔に襲われなかったの?」



うさぎ「えっ⁉ あ、なるちゃん?……あぁ、うん、大丈夫だった」



亜 美「……そう……」



うさぎ「亜美ちゃん、なるちゃんたちのことまで心配してくれてるんだね? なんか嬉しいな」



亜 美「……」


 ちなみにまことのくしゃみは前回から。妖魔の穴に引きずり込まれたことと風邪は特に関係はない。でも、まことの思考回路的には「妖魔にあんな穴に引きずり込まれたせいだ」という解釈はありだ。おそらく、エナジーを吸われそうになって、なんかこう、身体から熱を奪われるような寒気を感じたんだろう。
 なんてことをダラダラ書いているうちに、もう時間もおしてきた。今週も土・日と仕事が入っていたもんでね。もうちょっと進むつもりでいたけど、すみません今回はここまで。
 ところで話は全然かわるが、北川さんの、こんなSNS画像(のフェイク)みたいなもんがネットに出回っているけど、これってナニ? ご存知の方がいたら教えてください。