実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第675回】岬マリは何を賭けたか?<その3>(北川景子『探偵はBARにいる3』)



 映画『センセイ君主』公開にあわせて、ファッション誌『ar』(アール)2018年8月号に竹内涼真と登場した浜辺美波。子供だと思っていたのに、なかなかにセクシーなショットもあって、お父さんドキドキだ。



 でもインタビューで恋愛観を語っているあたりでは、まだまだ浜辺美波らしさを失っていなくて、我々ロリコンおじさんファンをホッとさせてくれる。



 Q 「どんな恋愛に憧れる?」
 A 「仕事にいい影響をくれ、精神状態が安定するお相手がいい(笑)。振り回される恋は無理です(笑)。お互いを好きな気持ちで、前向きに落ち着いてやっていけるのが憧れ。余計な心配をしたくないです」


 『センセイ君主』の監督は『君の膵臓を食べたい』『響 -HIBIKI-』の月川翔なので、北川景子がカメオ出演している。どこに出てくるかはサプライズなのでここでは書かないでおこう。ともかく、浜辺さんのヒロインが合唱コンクールにむけて特訓しているシーンに注目だ(書いちゃってるじゃん)。『君の膵臓を食べたい』では一つの画面の中で「共演」できなかった北川さんと、やっと共演できて良かったね。おじさんも嬉しいよ。
 


 あと『パンク侍 斬られて候』なんだけど、ご存じでしょうがこの映画はdTVの、ということはつまり、その親会社であるエイベックスが単独で出資・制作している。最近の邦画制作は「〜制作委員会」方式が主流で、いろんなところが共同出資するぶん、作品のカラーや責任の所在もよく分からなくなりがちだったりする。だからエイベックスの姿勢は支持したくて、興行成績が気になっていたんだけど、1週目が5位、2週目が7位で、今のところの興行収入は1億8956万円(2018年7月8日)ということだ。



 そもそも制作費はどの程度かかっているのか。企画・制作の伊藤和弘プロデューサーによると「公表はできないのですが、2億以上はかかっています。平均の倍以上はかけている形ですが、10億という超大作とまではいかない額でしょうか」(オリコンニュース「『パンク侍』1社製作のメリット」2018年7月1日)とのことである。ていうことは総制作費は5億から6億円か。それで全国300スクリーン以上を押さえて2週間の興行収益が2億弱か。正直微妙。興行収益だけで何とか回収できるラインか。
 まあ心配してもしょうがない。本題だ。いつもの言い訳ですが、7月はシフトの都合上わりと土日に仕事が入る。今週も三連休とか言うけど、一日しか休めないや。なのでブログはどうしても 短めになると思う。ご容赦下さい。






 失踪した女子大生、麗子(前田敦子)の消息を追って、怪しげなモデルクラブ「ピュアハート」に潜入した探偵(大泉洋)は、謎の女、岬マリ(北川景子)と出会い、丁重に店を追い払われる。



 でその晩、焼肉喰っている探偵と高田(松田龍平)。北海道で焼肉というとジンギスカンを思い浮かべるお上りさんの私だが、このお店のロケ地は「ホルモン焼肉 元祖 京城屋」という人気店だそうだ。



お れ「要するに、個人撮影と称して顧客の自宅やホテルにモデルを派遣し、あとは本人同士お好きにどうぞという、実に画期的なビジネスであるわけだ」



高 田「それデリヘルやホテトルとどう違うんだ?」
お れ「名前が違うべや……まあ、この業界じゃ女が消えるのは日常茶飯事だ。優しいおじさんに陽当たりの良い1LDKでも貰ったかもな」


 バイト先で知り合った金回りの良いヤクザの情婦になったというところか。しかし、話はもう少し複雑らしい。



 食べ終えて店を出たところで、探偵と高田はなにやら怪しげな連中に前後を挟まれる。



 
 「うちのモデルに何の用だ?」と問いかけるリーダー格の工藤(斎藤歩:釧路市出身)。
 この工藤、原作ではいきなり、他殺死体としてラブホテルの一室で発見される。その直前、麗子と思わしき若い女がホテルから出ていったという目撃情報がある。こうなると、ただの失踪ではない。探偵はその晩あるカフェ・バーで、バルコニーから工藤の死んだホテルの方角を見つめている美しい女に出遇う。女は独り静かに工藤の死を悼んで涙を流していた……。原作はこんな感じで展開する。
 だいぶ違うと言えば違うが、話の発端と基本設定だけ借りているだけの「映画化」や「ドラマ化」なんて幾らでもあるし、それで話を台無しにされたと原作者が怒っているならともかく、今まで以上に特別出演までしているくらいなのだから、別にシリーズ第1作を「原作」としてクレジットしてもいいのになあ、と改めて思う。


原作者の東直巳演じる客と峰子(安藤玉恵)


 考えられる可能性としては、原作一作目のタイトルがカタカナ表記の『探偵はバーにいる』で、この映画が『探偵はBARにいる3』。紛らわしいと言えなくもないが。



 話を映画に戻して、焼き肉屋を出た路地裏で、怖いお兄さんたちに囲まれた探偵と高田。多勢に無勢ではあるが、手強そうな相手はリーダーの工藤ぐらいで勝機は十分と立ち向かう。



 しかし工藤はいきりたつ手下を制し、「波瑠!」と声をかけて、秘蔵っ子の小柄な青年、波瑠(志尊淳)を差し向ける。



お れ「何かおかしいか?」



波 瑠「こういう顔なんです」


 ベビーフェイスのトッキュウ1号だがめっぽう強い。探偵はもちろん、高田すら手も足も出ずにやられてしまって一気にやばい形勢に。




 工藤はモデルクラブ「ピュアハート」のトラブル対策窓口、いわゆる「ケツ持ち」をやっている暴力団の幹部のようだ。消えた麗子の行方を嗅ぎ廻っている探偵を、どこか敵対する組織の差し金と勘違いしているらしい。アイスピックで脅すが、それでも探偵が屈しないと、躊躇なくアイスピックを探偵の尻に突き刺す。



工 藤「どこのもんだよ」
お れ「言ってる意味が分かんないんだけど」



工 藤「そう」



お れ「ううっ!」
工 藤「誰に頼まれた?」



お れ「知らねえよ。俺は麗子ちゃんって可愛い子がいるって聞いただけだから」
工 藤「誰に頼まれたんだよ」



お れ「絶対パンツ弁償させてやっかんなお前」


お尻をメッタ刺しにされて悶絶する探偵。でも何度お尻を突き刺しても、アイスピックには血が一滴もつかない(笑)。




 第1作、第2作では探偵も高田もけっこう血を出していたのに、今回は(話が進むにつれ探偵の顔にはアザとか傷が増えていくものの)流血沙汰が画面にモロに出てくることはない。



 2作目では麻美ゆまのおっぱいが全開であったが、今回の北川景子は胸がない。いや誤解を招く言い方であった。今回の北川景子は、探偵と一夜を共にしても首から下をチラリとも見せない。



 その結果、本作はシリーズで初めて映倫の審査を問題なくパスした。一般財団法人映画倫理機構、いわゆる「映倫」のサイトでは、2009年以降の邦画について、審査結果と理由説明のデータベースが公開されていて面白い。これで『探偵はBARにいる』シリーズを検索してみよう。



 シリーズ1作目は「殺傷・流血の描写がみられるが、親又は保護者の助言、指導があれば12歳未満の年少者も観覧できます」、2作目は「劇中でのヌード、暴力描写がみられるが、親又は保護者の助言、指導があれば12歳未満の年少者も観覧できます」で「PG12」(12歳以下要保護者同伴)指定だったのが、3作目は晴れて「G」(年齢制限なし)指定をゲットした。
 でも私には意味がよくわからないんだけどね。「R15」ならまだしも、「PG12」ぐらいだったら、地上波テレビで放送するのにもたいした制約はないはずだ。なのになぜ、東映ハードボイルド映画にはつきものの流血とおっぱいを念入りに避けてまで、Gを取りにいったのか。
 ひょっとして、別にGを取りにいったのではなく、監督が代わった結果、自然とそうなっただけかも知れない。前二作の橋本一監督は1990年代以降にデビューした人だが、京都撮影所で育ち、『新・仁義なき戦い/謀殺』(2002年)や『極道の妻たち・情炎』(2005年)なんていう、昔の大ヒットシリーズのリメイク的作品も撮っている人なので、演出に1970年代〜1980年代の東映的なエロス&バイオレンスの名残りがあった。『極道の妻たち・情炎』なんて、このブログでもレビューしたことがあるが、復讐に燃える杉本彩が実にかっこよくて、私はけっこう好きだ。



 それに較べるとこの3作目の監督の吉田照幸は、もともとテレビ業界志望でNHKに入り『サラリーマンNEO』で名を馳せたような人。だから自然と放送コードに忠実だったりして。
 話を戻します。探偵がお尻をメッタ刺しにされていると、鋭く制止する声が響く。



マ リ「工藤!」



マ リ「ごめんなさいね。所属モデルのプライバシーは他言できないことになっているの」




マ リ「でも彼女のことは私たちも心配で探しています」





マ リ「何か分かったら教えて下さい」






お れ(岬マリ……)



お れ(どこかで昔会っている気がしたが、想い出せなかった)




高 田「惚れたとかいうなよ」
お れ「冗談じゃねえよ馬鹿野郎!」


 とにかく、ただ女子大生の行方を探していたつもりが、とんでもない揉め事のど真ん中に首を突っ込んでしまったようだ。そして岬マリはその揉め事に深く関わりをもっている。いまはアイスピックで尻を刺されまくってぼろぼろだが、このままでは終わらるわけにはいかない探偵。というところで本日はこれまで。