実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第665回】沢井美優in『特捜9』第4話の巻



 今年の上半期ベストワン映画『咲-Saki-阿知賀編episode of side-A』のブルーレイ&DVD発売日が7月17日に決定した。昨年の一作目同様、メイキングなどの特典ディスク入り限定版を買おうと思っているんだが、困ったことに今回の限定ボックスには、作品中でヒロインの高鴨穏乃が着ていたジャージが梱包されているという。



 実は昨年の1作目のディスクにも、清澄高校麻雀部が強化合宿の時に着ていたTシャツが同梱されていた。Tシャツはまだいい。今度はジャージだよ。女子高生の使用済みジャージ。いや使用済みじゃないけど。



 そもそも高鴨穏乃を演じていた桜田ひよりは、撮影時点ではまだ中学生じゃなかったか? そうなるとほとんど条例違反の物件である。



 通常版6千円の商品に、女子高生のジャージという付加価値をつけて限定版1万4千円で売る方も売る方だが、特典ディスク観たさにそんなものをいい歳して予約しようか迷っている私も私だ。ものすごく自分が変態みたいに思えてくる。いや実際、変態なのかもしれないが、とにかく困ったものである。特典ディスクオンリーの「普通の限定版」も発売してくれないかな。



 さて今回のお題は『特捜9』第4話「床下の白骨死体」(2018年5月2日放送、テレビ朝日・東映、脚本:岡崎由紀子/撮影:上林秀樹/監督:田村考蔵)。


注意】以下、ミステリドラマの完全ネタばれレビューです。


『特捜9』は『警視庁捜査一課9係』の後番組で、渡瀬恒彦亡き後の(ドラマのなかでは内閣テロ対策室に異動になったことになっている)9系がいったん解散して、特別捜査班として再編成されたという設定。
 スタッフに『9系』を支えていた丸山真哉プロデューサーの名前はなく(『9系』の最終シーズンの方ではもう退いていたか)、小高史織(『仮面ライダードライブ』『仮面ライダーゴースト』のプロデューサー補)の名前が見える。キャストの方は、浅輪刑事(井ノ原快彦)以下、主要メンバーは役名も配役もほぼ9系と同じであるが、新たに「班長」役に寺尾聰が加わった。あと若手刑事として進境著しいゴーカイブルーの山田裕貴。最近よく見かけるよね。
 


 もちろん今回この第4話を観たのは、沢井美優が出場するという事前アナウンスが合ったからである。で沢井美優が『9系』(いや『特捜9』か)に出るといったら、それはもう被害者の役だよね、と大抵のファンは思う。



 ところが今回のエピソード、都内の一軒家で、リフォーム業者が畳をフローリングに貼り変えていたところ、床下に白骨化した死体を発見してしまう、という場面から始まる。げっ沢井さん、冒頭いきなり白骨死体かよ。じゃあ後は回想シーンがどれだけあるかだな。



 鑑識に立ち会っている猪狩さん(伊東四朗)はこの道のベテラン。『9系』にも何度か顔を出していて、一度は退職したがその後再雇用されたレジェンド、伝説の鑑識官である。その猪狩の見立てでは、遺体は男性で、死後5年は経過しているという。えっ、男性? じゃ沢井さんじゃないんだ。



 現在この家に住んでいるのはフリーライターの三好加奈子(松岡由美)。一年前に母を亡くし、認知症の進んだ父は施設に入り、独りになったので、奥の和室を仕事部屋に改造しようとした。そしたら床下から白骨が出てきたという。もちろん心当たりはまったくない。そこで特捜班は、加奈子の父に面会するために老人ホームに向かう。



 実は父親の泰三(小松政夫)は元警官であった。警視庁交通機動隊副隊長を務めた男で、猪狩の元同僚だという。そこで猪狩は浅輪(井ノ原快彦)と若手の新藤刑事(山田裕貴)の事情聴取に同行する。というわけで、今回のエピソードの目玉は、なんといってもこの、伊東四朗と小松政夫の共演である。伊東四朗と小松政夫だよ。



新 藤「おっ。 あの人ですかね?」




猪 狩「ああ……」



猪 狩「よっさん、久しぶり、私です、猪狩です」



三 好「ああ……猪狩……」



浅 輪「母さん 覚えているかい? えっ… 母さん?」



三 好「お前も覚えてないの?へえ……」



三 好「あっ、いや、恐れ入りますが、どちらの猪狩さんでございましたかな?」


 小松政夫の認知症は幻視を伴うもので、亡くなった奥さんが常に傍らにいるように見えるのだ。そのへんを介護士さんが説明してくれる、と思ったらこれが沢井さんであった。



浅 輪「すみません……三好さん……」
遙 香「三好さんはレビー小体型認知症なんです」
新 藤「すみません、レビ……何ですか?」



遙 香「レビー小体型認知症」
浅 輪「すみませんが 介護記録を見せて頂く事できますか?」



遙 香「ああ、どうぞ」



遙 香「レビー小体型認知症は、認知症の中でも幻聴や幻覚を見るのが特徴で……」



遙 香「三好さんも、とっくに亡くなった奥さんが、すぐそこにいるように見えてるんです」
浅 輪「念のため こちら 写真に撮らせて頂いてもいいですか?」



遙 香「構いませんよ」
浅 輪「新藤、写真」
新 藤「あっ はい。 失礼します」



猪 狩「よっさん。驚かないで聞いてください。お宅から白骨死体が出てきました」



三 好「死体?」



猪 狩「リフォームをしようとしたら和室の床下に埋まっていたんです」



三 好「えっ、リフォーム?」
浅 輪「三好さん」
三 好「駄目だ! リフォームは駄目だ!」



三 好「リフォームは駄目だって言ったじゃないか!あれほど言ったのに」
遙 香「三好さん!」



三 好「母さん どうしよう。 母さん!」
遙 香「すみません、もうよろしいですか?」



遙 香「三好さんお部屋に戻りましょうね」
三 好「リフォームするって、 駄目……」
遙 香「行きますよ はい」



三 好「母さん!」
遙 香「三好さん 大丈夫ですよ」



三 好「母さん、 母さん、母さん!」


 なぜそこまでリフォームに拒絶反応を示すのか、非常に興味のあるところだが、とても事情聴取どころではない。奥さんは亡くなっているし、一人娘はそもそもリフォームをしようとして死体を掘り起こした張本人である。事情を知っているわけがない。



 捜査は行き詰まりかけたと思われたが、リフォームを請け負った出入りの職人から、今から7年前、この家にシロアリ駆除が入ったという情報を得た。7年前といえば、白骨死体の死後経過時間とおおむね一致する。調べていくと、このシロアリ駆除業者の正体は、床下を調べる振りをして盗聴器を仕掛け、それで家の内情をさぐって留守中に忍び込む泥棒だったことが判明した。実際、遺体の近くから旧式の盗聴器が発見された。またそこにはロウソクのロウが垂れた痕跡もあった。



 7年前、東日本大震災後の後の計画停電で、この区域の電気が一斉に落ちて、それを知らないまま忍び込んだ泥棒たちは、仕方なくロウソクを点けて仕事を続けた、そのとき仲違いか何かの争いが起こって、一人が殺される。残った一味は死体をそのまま床下に埋めて逃走した……。
 しかし、だいたいそんな推理が固まってきたところへ、老人ホームの小松政夫が突然、告白したいことがあると言い出した。



遙 香「三好さん、お友達がお見えですよ」
猪 狩「今日は調子が良さそうですね」



三 好「ああ。 今日は珍しく頭がすっきりしていて、今のうちに話しておこうと思ってね」
猪 狩「何か思い出したんですね?」



遙 香「三好さん、あとでタオルの替え持ってきますね」



三 好「……」



遙 香「じゃあ 失礼します」



三 好「あれをやったのは 俺だ」


 旧知の寺尾聰と伊東四朗に、床下の白骨死体は自分の仕業だと言い出したのだ。面食らう特捜班だが、小松政夫がリフォームにこだわった理由が次第に明らかになってくる。



 小松政夫は、亡くなった妻が自分に残してくれた手紙を、ひそかに保管していた。そこには「どんどん記憶が怪しくなっているお父さんへ、これだけは忘れてほしくない事」として、「塩分の取りすぎに気をつけて」「野菜は残さず食べないといけません」「独りでいるときは家の鍵をしめること」なんてことが31項目にわたって個条書きされている。でその最後、31番目に「家のリフォームは絶対しないこと」とあるのだ。





 小松政夫が患っているレビー小体型認知症は、頭がはっきりしているときとそうでないときの落差が激しいという。頭脳が明晰になったとき、小松政夫は元同僚の「お宅から白骨死体が出てきました」という言葉と、「家のリフォームは絶対しない」という妻の手紙を結びつけ、おそらく妻が白骨死体のことを知っていて、夫を係わらせまいとの配慮からそんな一文を書いたのだろうと想像したのだ。そして、全く記憶にはないけれど、自白することで決着をつけようとした。
 もちろん事実としては、小松政夫も奥さんも白骨死体に直接関係があるようには思えない。しかしだとすれば、なぜ亡くなった奥さんの手紙の最後に「家のリフォームは絶対しない」という項目が書かれていたのか?
 小松政夫がくしゃくしゃに丸めて破棄しようとした手紙を取り上げ、筆跡鑑定した結果、手紙が奥さんの真筆であることは証明された。ということはやはり、奥さんは床下に死体が埋められていたことを知っていたのだろうか?



 が、しかし特捜班は、便せん数枚にわたる奥さんの手紙の最後の行に書かれた「家のリフォームは絶対しない」という項目が、前の行までと微妙に筆跡が違っている点に着目した。つまりこの最後の部分だけ別人が書き足した可能性がある。では小松政夫が大事に保管している手紙に、隙を狙ってそんな細工のできるのは誰だ?



 ということで、捜査班は意外な人物に辿り着く。介護士の対馬遙香(沢井美優)。書き足された「リフォームは絶対しない」の「対」の字と、介護記録の自署「対馬遙香」の「対」の字の筆跡が酷似しているのであった。



遙 香「すみません。三好さんは今、お部屋でお休みで……」
浅 輪「いえいえ。 今日は あなたにお話を伺いたくて来たんです」




新 藤「この手紙、三好節子さんが夫の三好泰三さんに宛てた手紙です……よね?」



浅 輪「この手紙、最後に『家のリフォームは絶対にしない』って書いてあるんですね。この一文のおかげで、三好さんはずーっとリフォームに反対してきたんです」



浅 輪「でもこの手紙、最後の一文だけ、何者かが書き加えたんじゃないかと思われます」



浅 輪「携帯」
新 藤「はい」



浅 輪「あの、先日 撮らせて頂いた介護記録。このですね」




浅 輪「『対』っていう字と、この手紙の『絶対』の『対』っていう字、そっくりですよね?」



浅 輪「あなたが書いた署名ですよね?」



浅 輪「対馬遙香さん。あなたは中原を殺して三好家の床下に死体を埋めた」



浅 輪「そして、それが見つからないように手紙を書き加えた」


╳    ╳    ╳



矢 沢「中原の昔の仲間の野村堅太の携帯から出てきました」



青 柳「あなたですよね?」


 沢井美優はシロアリ駆除業者の中原(西興一朗)と以前つきあっていた(というか遊ばれた)過去があり、そのとき撮られた写真をネタに、悪事の片棒を担がされていたのだが、耐えられなくなって中原を殺してしまった。中原役の西興一朗って『恐竜戦隊アバレンジャー』のアバレッドである。これはセーラームーンがアバレッドを殺してしまう話だったのだ。



遙 香「中原とは 地元が同じなんです。友達の紹介で知り合って、最初は優しかった」



遙 香「でも、ある日仕事を手伝ってほしいって言われてついていったら、犯罪の片棒で……」



遙 香「嫌だって言ったら、暴力ふるわれて、恥ずかしい写真をばらまくと……」



遙 香「私は逃げる思いで上京しました。そして 働きながら介護福祉士の資格を取り、訪問介護の仕事で再出発したんです」



浅 輪「そこで派遣されたのが三好さんの家だった」



中 原「いやあよかったです。本当、ひと月遅れてたら手遅れになるところでしたよ」





遙 香「まさか そこで中原に再会するなんて」



遙 香「では 失礼します」
加奈子「どうもありがとうございました」



中 原「遙香」



中 原「無視すんなよ。遙香の写真、まだ大切に保存してあるんだぜ」



遙 香「それから中原は私を脅すようになりました」



遙 香「中原は 自分の仕事を私に手伝うように言ってきました」



浅 輪「その仕事っていうのは?」



遙 香「空き巣です」



遙 香「中原は、家族の行動を把握するため、盗聴器を仕掛けていました」



節 子「朝まで仕事ですって!?退職したのに……」



三 好「仕方がないだろう」




遙 香「中原がお嬢さんを外に呼び出していたので、私の仕事は、家の中から鍵を開けることと……」




遙 香「奥さんに睡眠薬を飲ませ、眠らせておくこと」





遙 香「あいつは 金目のものを全てバッグに詰め込むと、盗聴器を回収しに床下に潜りました」



遙 香「手伝うのは今回だけだって……」



中 原「遙香、俺に逆らったら地獄を見るよ」



中 原分かってるだろう?」



遙 香「このままでは一生、あの男に支配されてしまう」



遙 香「せっかく介護福祉士の資格を取ったのに」



遙 香「それさえも犯罪の道具にされるなんて、耐えられなかった」



(プリンセスならではの腰の入った一撃!)







遙 香「遺体を運び出す事はできなかったので、私はその場で埋めることにしました」



遙 香「ところが 突然……」




遙 香「あの計画停電の夜、私は ロウソクの明かりだけで、夜通し床下を掘っていたんです」



遙 香「あれから7年、私は それとなく三好家を見張っていました」



浅 輪「じゃあ グループホームで三好さんの担当になったのも?」



遙 香「偶然じゃありません。このまま、せめて 三好さんが亡くなるまで死体が見つからなければと……」



浅 輪「でも三好さんは、あなたが付け加えた『絶対にリフォームはしない』っていう一文を読んで、自分の犯行だって思ってたんですよ」



遙 香「えっ?」



浅 輪「『俺がやった』って言ったんです」



遙 香「……これで……良かったんですね」



遙 香「憎めない人なんですよ。三好さんって」



遙 香「良かった……」



 以上。犯人役だけあって、最終パートで出番が多くてよかったです。この『特捜9』、私はスルーしてしまったが、第2話では古幡元基こと黄川田将也がゲスト出演して、花嫁が結婚式前日に自殺してしまって失意の新郎、と思いきや実は犯人だった、という役どころをこなしていた。そういう伏線を貼っておいての、沢井美優まさかの犯人役である。おみごと。



 黄川田将也君については、『アイドル×戦士ミラクルちゅーんず』のメンバーの父親として、最終回に再登場して指揮棒振っていたのも無視してしまったし、ちょっと申し訳ない。ともかく、丸山Pの人脈で関係者が大量に出演した前作『警視庁捜査一課9係』(マーズを除く戦士4名、セーラールナ、ジェダイトを除く四天王、地場衛と元基、レイパパと亜美ママ、美奈子の事務所の菅生社長。くわしいデータは→ここ)に続いて、『特捜9』も第1シーズンから目が離せないぞ。次に犯人役をやるのは小松彩夏か安座間美優か。よろしくお願いします。ということで今回はこれまで。