実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


最新記事〕 〔過去記事〕 〔サイト説明〕 〔管理人

【第654回】原作どおりの面白さの巻(『帰ってきた家売るオンナ』『海月姫』)

1. ロリ大学生リターンズ


 中三のうちの息子に早めの春がやって来た。第一志望の高校に一発目で合格したのだ。親バカで済みません。



 さてなんだかんだ適当なことを書いていたが、実は私も、息子の受験が終わるまでは、願掛けで「映画館断ち」をしていた。で、晴れて合格通知も届きましたので、しばらくぶりに映画館に行ってみた。



 が『探偵はBARにいる3』はすでに上映を終えていた。コメント欄でお薦めいただいた皆さん、すみません。ソフト化されたら必ず観ますね。



 『スター・ウォーズ 最後のジェダイ』も気になった。第一作からスターウォーズは欠かさず劇場まで通っていたので、これもちゃんと観ておくべきかと思ったけど、でも正直言って『フォースの覚醒』『ローグ・ワン』といった近作は私にはちょっとダメだったりする。で結局というかやっぱりというか『咲-Saki-阿知賀編 episode of side-A』に行った。



 昨年の『咲-Saki-』は奇跡のような傑作で、正直あのレベルの続編はムリだろうと多大な期待は寄せていなかったが、いやはや今回も前作に負けず劣らずスバラであった。



 前作のときは万人にはお勧めできないなどと日和っていたが、もうこうなると出来るだけ多くの方に観ていただきたい。と思ったが、名古屋を含め大方の地方では2月9日金曜日をもって上映終了となってしまった。しょうがない。1作目がアマゾンプライムで観られるので、未見の方はぜひお試しください。



 その前作『咲 -Saki-』(2017年、小沼雄一)で、主人公が所属する麻雀部の部長を演じていたのが古畑星夏。『帰ってきた家売るオンナ』では、ロリータファッションに身を包んだお嬢様大学生、 堂坂沙羅を演じていた。こっちよ!さんが「沢井さんに似てる」とおっしゃっていて、そう言われてみれば確かに似ている。声のトーンもこのドラマではちょっと高め。



 ロリ女子大生の沙羅は愛犬家で、パパにおねだりして(「パパ」っていうのは本物の父親のことね)大学に近いところに「ペット用マンション」を買って貰ったんだけど、その時の担当がテーコー不動産の足立(千葉雄大)だった。出番はそれで終わりかと思ったら、これは前フリで、ドラマが中盤を過ぎたところで沙羅は再び足立を訪ねてテーコー不動産にやって来た。




白 洲「あ、いらっしゃいませ」



沙 羅「足立さん、いないんだ」



白 洲「ただいま接客中でございますが」


 足立が相手をしていた客は淀川水樹(芦名星)。一人で生んだ男の子と二人暮らしのシングルマザー。アパートが取り壊しになるので、新しい住居を探しているということだが、フリーのイラストレーターで年収220万程度、貯金は子供の教育費にと思って貯めた50万があるだけ、しかも希望は賃貸ではなく物件を購入したいというのだから、これは厳しい。足立もいったんは断ろうとする。



足 立「残念ですが、弊社ではその御予算の物件はちょっと……他の不動産屋さんにいらしていただいた方が……」



水 樹「どこも相手にしてくれなくて、ここが最後だと思って来たんです」



水 樹「この前、息子がこのビルの前でお相撲さんを見て大好きになって」
足 立「『住もう君』ですか」



水 樹「その『住もう君』が息子にチラシをくれて、今もそれ大事に持っているんです」



水 樹「ですからきっと、ご縁があると思って……」



水 樹「お願いします。私でも買える家を探してください」



水 樹「身の程知らずなことは分かっています。でも私にもしものことがあったら、息子は天涯孤独になってしまうんです。せめて雨風をしのげる家だけでも残してやれたらと思って」



足 立「お気持ちはわかりますが……」



水 樹「お願いします」



 クールに見えて実は人情家な足立は、水樹の懇願にほだされてしまう。それに、いかにも幸薄そうな水樹の美貌に、秘かに心を惹かれ始めてもいるのだ。



水 樹「買えるでしょうか」



足 立「探してみますが、お約束は……」



水 樹「なんとかお願いします。家が買えたら私、今よりも頑張って、息子と生きていけるんじゃないかと思うんです」



水 樹「そうでないと、もう、毎日の暮らしに負けそうで……」



足 立「淀川様、そんな、お泣きにならないでください」



水 樹「はい、すみません」




 シングルマザーで、着ている服はパーカーにジーパンという貧乏要素で足立王子を魅了する、やっぱりこの人は魔性の女だな。魔性に魅せられた足立について、演じている千葉雄大その人は次のように述べている。メイキングより。



千 葉「芦名さんとご一緒する機会が多かったんですけど」



千 葉「すごく、まあ僕が好きになるっていう役柄で」



千 葉「ト書きにもなんか『後れ毛が』とか、そういう様な感じも、すごい素敵だなと思って」



千 葉「恋する足立君。そうですね」



千 葉「まあ白洲美加さんとは圧倒的にビジュアルの差がある……とは言いませんが」



工 藤「……もう言っているのと一緒だよ……」



千 葉「足立君が恋することについては、まあ、でも、相手によるかなって思ったんですよね」



千 葉「なんか、すごくやっぱり現実を見てる人だし、よっぽどのことがないと行かないと思うんですけど」



千 葉「なんかそういう、ちょっとこう弱い女性に対して、なんかこう、守ってあげたいみたいなところは、意外とあるのかな、とか思ったりして」


 本編に戻りまして、というわけで足立はただいま水樹を相手に接客中、と白洲美加が答えたところへ割って入ったのが三軒家万智。



万 智「先日、弊社の足立からペット用マンションをお買い上げくださいました堂坂沙羅様ですね」



沙 羅「なんで分かるの? 私あなたに会ったことないけど」
万 智「ワンちゃんをお連れのお嬢様が足立をご指名になった。それで分かりました」



沙 羅「やばぁい」



万 智「私でよろしければお話しをお伺いしますが、またワンちゃんのお宅をお求めですか?」



沙 羅「なんで分かるの? 神ってる!」


╳    ╳    ╳



沙 羅「この子、大学まで連れてって近くの文房具屋に預けて授業に出てたんだけど、その文房具屋が今月いっぱいで店を閉めるっていうの」



白 洲「だから大学のそばに犬小屋が欲しいんだ」



万 智「お買いになるんですか?」



沙 羅「毎月家賃払うの厄介だから買っちゃいな、ってパパが言うんで」



万 智「承知いたしました。ほどよき犬小屋をすぐお探しいたします」



沙 羅「すぐ?」



万 智「はい。すぐです」


╳    ╳    ╳



沙 羅「じゃあお願いね。足立さんにもよろしく」




白 洲「しょうもないバカ娘ですね」



 さあそして、あまり資金に余裕のない薄倖の美女、淀川水樹のために足立が見つけた格安物件と、父親の金が唸るほどあるハッピー女子大生、堂坂沙羅のために三軒家万智が見つけた少々贅沢な「犬小屋」がバッティングする、というエピソードになって行くんだが、本日はここまで。


2. 「童貞のくせに」

 さあ、そして私自身どうしようか悩んでしまっているのが、演出もキャストも好調な月9ドラマ『海月姫』だ。順当にレビューするなら今回は第3話だが、オンエアは第4話を終えてもうすぐ第5話である。全10話として(打ち切りの噂もあるが)はや折り返し点。完全に遅れをとっている。困ったなあ。
 物語的にもターニングポイントである。原作漫画では、月海のデザインしたクラゲのドレスが、蔵之介の紹介で学生演劇の衣裳に使われて、メディアの注目を集める。その反響に蔵之介はファッションブランドを立ち上げ、天水館でショーを開くことを思いつく。



ドラマ版では学生演劇ではなく、アーティストのMVの衣裳というふうにアレンジが施されている。主題歌を歌っているフィリピン出身の女性シンガー、Beverly(ビバリー)が本編に登場し、そのMV撮影に、月海のクラゲドレスが衣裳として採用される。いろいろ変更点はあるが相変わらず原作のエッセンスを上手に抽出しているように思う。ドラマと並行して原作を読んでいるんだけど、驚いたのは最上もがも、ちゃんと原作準拠のビジュアルになっているところだ。別にこのドラマにあわせて金髪にしたわけではないのにね。




 ちなみに能年玲奈主演の映画版は、月海のクラゲドレス製作の才能に気づいた蔵之介が、すぐ天水館でファッションショーを開催、大成功を収めて地元の反対運動に火がつき、天水地区の再開発計画は白紙に戻る、というところで終わっている。なのでドラマ版は次回から、映画で描かれなかった中盤の展開に入って行く。そこで登場する新キャラクターがノムさんとニーシャ。もちろんどちらも映画版には出てこない。



 ノムさんはブライスドールのオタクで、人形ドレス作りの達人だ。そのスキルは人間の服作りにも大いに活かされる(しかしノムさんは人間を「虫けら」呼ばわりする)。



 ニーシャは大阪弁が達者なインド人の卸業者で、現地から安価で生地を仕入れてくれる。インド人がドラマにも出てくるかどうかは不明だが、ノムさんは安達祐実が演じるそうだ。いいんじゃないですか安達祐実。そして天水館のファッションショーでランウェイを飾るトップモデルは蔵之介とまややさん。いよいよ内田理央の出番となる。




 いかんいかん先取りしてしまった。えーとどうしようかな、とりあえず泉里香ベースで観た場合の第3話クライマックスを採録しておこう。



蔵之介「あっ」






 修 「月海さん!なぜここに?」


翔 子「あらあなたたち、この間の天水館の人たちじゃない」


蔵之介「お前こそ、この地上げ屋とどこ行ってたんだよ?」



翔 子「ホテルのバーでお酒飲んでただけよ。ねえ?修さん」


 修 「稲荷さん。先ほど話した女性がこの方です」


翔 子「え!これ?」



翔 子「分かった。私にまかせて」


翔 子「よかった〜」


翔 子「誤解なきように、あなたに修さんとのこと話したいと思ってたのよ」


月 海「な…何ですか?」



翔 子「佐々木!」


佐々木「はいはい」


佐々木「どうぞ」


佐々木「こんばんは」


翔 子「私、修さんとはこういう関係なの」




月 海「どおおおっ!」


翔 子「さっきバーで修さんから話聞いたんだけど、あんたのことずっと気色悪いオタクだと思ってたんだって」


月 海(気色悪い……)



蔵之介「月海、信じるな。修がそんなこと言うわけ……」





翔 子「化粧と服装でだまされて、自分で誘ったのが気色悪いあんただってことに気付かなかったんだって、あはははは」









蔵之介「月海…大丈夫か?」



月 海「来んでください」




 修 「これだけははっきり言わせていただきます」


翔 子「何ですか?」



 修 「僕はあなたと心まで結んだおぼえはありません!」



翔 子「はっ? やだぁ。何言うかと思ったら真面目にそんなこと否定する人いる?」
 修 「とにかく今後一切僕に付きまとうのをやめてください」


翔 子「あなたが自分でも気付いてないこと教えてあげましょうか?」



翔 子「あなたみたいな男はね、本当は私みたいな女に振り回されるのが好きなの」



翔 子「本当に私のことが嫌ならいちいち構わなきゃいいじゃない」



翔 子「だけどそうしないのは」









佐々木「あれ童貞っすね」
翔 子「マジ!?」


 おおっと、だいぶ夜も更けてしまった。ちっともまとまっていないが、明日は第5話なので今回はこのへんで。