前回コメント欄にも書いたけど、相変わらず『探偵はBARにいる3』に行っていない。公開から三週が過ぎてランキング九位に着けて興行収入は六億円を超えたようだ。十億円の大台はどうかな。ともかく、スターウォーズだ妖怪ウォッチだハガレンだ仮面ライダーだという強豪ぞろいのなか健闘している。ありがたいことだが、私の周囲にもすでに観た人が何人もいて、事前情報をシャットアウトするのに一苦労だ。ま、もたもたしている私が悪いのだが。すみません。
このブログを書いたらミッドランドスクエアシネマに行こうかな、とも思うが、ここんとこ忘年会に継ぐ忘年会で、少々ぐったりである。久しぶりの休日、それも連休はゆっくり家で休んでいたい気分。
先週末には披露宴があったんだけど、今週はなんと「職場」「接待」「古い付き合い」「若い連中の慰労」と四日連続で名古屋駅周辺で鍋をつついて酒を飲んだ。うち二回は私の奢りなのでどえらい散財であったが、帰りの地下鉄ホームで泉里香が見送ってくれるんだ。それが何よりの励み。
さて、胃腸も疲れ気味なので控え目に行くつもりです。
テーコー不動産新宿営業所に期間限定でバイト復帰した三軒家万智(北川景子)。彼女が久しぶりに「GO!」とカツを入れた相手は新人の鍵村洋一(草川拓弥)。
万 智「新人、アポがないなら、このチラシ、今すぐポスティング」鍵 村「うそでしょ、こんなに持てませんよ」
万 智「新人、GO!」
鍵 村「はいっ!」
という場面を前回紹介したところだが、DVD特典映像のメイキングのインタビューで北川さんがこんなふうに言っている。
北 川「今回また新人に対しても『GO!』をやったんですけど」
北 川「台本上で、ト書きで『(最大級の)GO!』って書いてあって」
北 川「最大級の『GO!』って、大石先生どういうふうにやれってことなんだ?」
北 川「って思いながら、とりあえず大きな声でやってみたんですけど」
北 川「『最大級の』ってみんながちゃんと分かってくれるか気になってます」
だそうである。みんな「最大級」を感じたかな。もう一度確認してみよう。
音声がないから「とりあえず大きな声でやってみた」ってとこが分かんないか。
はい。というわけで、一人むくれる足立王子(千葉雄大)をよそに、にわかに活気づいた売買仲介営業課の面々。布施課長(梶原善)の狙いどおりである。
庭野(工藤阿須加)も張り切って車を出そうとすると、昔みたいに万智がナビゲーターシートに乗り込んでくる。
万 智「同行します」庭 野「なぜですか」
万 智「なぜでもよい。GO!」
庭 野「は、はいっ!」
これは第1話の、初めて二人で内見に行くシーンの再現である。第1話はこんな感じだったね。
万 智「同行します」庭 野「ええっ!」
万 智「早く出しなさい」
庭 野「今カーナビに」
万 智「道は私が指示します」
庭 野「えっ?」
万 智「GO!」
庭 野「は、はいっ!」
「GO!」って(ちょっとこの画像はおとなしめのところを選んだけど)最初から完成されている。一方、庭野のリアクションはまだ試行錯誤段階というか。
で引き続き第1話。真智のナビどおりに進んで行った庭野は、狭い近道に難儀する。
万 智「曲がる」
庭 野「ええええ」
万 智「このくらい曲がれなくては不動産屋とは言えない」
「このくらい曲がれなくては不動産屋とは言えない」というセリフの背景には、もうちょっと後で万智が口にする哲学がある。「不動産屋は地図を見ない。幹線道路ではなく、誰も知らない裏道を使う。お客は、こんな裏道まで知っている人は、物件のある町に詳しいと思う。そして不動産屋を信頼する。その人の言うことなら信じてみようと思う」庭野は万智からそういうものを学んで成長した。
庭 野「細い道、自分もかなり得意になりました。自分もかなり学習したんですよ」
万 智「高井戸に行くなら右だ」
庭 野「この時期、直射日光はキツイので、こっちからの方がいいかと思って」
庭 野「日差しより早さだ。次を右」
庭 野「……はい……」
結局、第1話と同様、万智の命ずるがままになってしまうわけだが、これは相変わらず万智が凄すぎるだけであって、庭野が成長していないわけではない。庭野もまだまだめげない。
庭 野「今日のお客さんは自信あるんですよ。今から行く物件をとても気に入ってくださっていて、もうあと一押しです。とてもきれい好きなお客様なので、クリーニングも入れておきました」
庭 野「きっと今日、買ってくださると思うので、三軒家さんに、少しは成長した自分をお見せできると思います」
庭 野「いらっしゃいました」
庭 野「遼河様、お待ちしておりました」遼 河「こんにちは」
庭 野「今日は上司の三軒家がご一緒させていただきます」
万 智「バイトの三軒家万智です」
妻 「上司でバイト?」
庭 野「お部屋クリーニングいたしまいた。ピッカピカですのでご期待ください」
庭 野「さあどうぞ」
潔癖症の遼河夫妻(遠山俊也・明星真由美)は、清潔な生活へのこだわりが強く、衛生面でのチェックがものすごく厳しい。
かれらのメガネにかなう物件を見つけるまで、庭野もけっこう苦労したようだが、今回のマンションには自信がありそうだ。確かに、さすがの遼河夫妻も満足げである。手袋をはめた指先であちこち拭ってもホコリひとつ着かない。
遼 河「すばらしいね」
妻 「こっちもよ」
玄関には外部から塵や埃の侵入を防ぐエアカーテン、全室の壁に大型空気清浄機、流しには生ゴミをそのまま排出できるディスポーザーが備え付けられている。
そしてフローリングは全室、抗菌加工。深くうなずく遼河夫妻。いよいよ契約にこぎつけるか。
庭 野「遼河様、今日こそ申し込み書にご署名を」
庭 野「誰も使っていない新品のペンでございます」
遼 河「書くよ。長々待たせたね」
工藤阿須加もけっこうオーバーアクションで乗っている。メイキングを見ると、北川さんもこの工藤君にはちょっと笑いをこらえていて、「カット」の声がかかったとたんに吹き出している。
が、その時「きゃああああああ」と、お手洗いから絹を引き裂くような(実際にはかなり野太い)妻の悲鳴が!
遼 河「どうした?」
妻 「トイレの中に手洗いがないの!出られない、開けてぇ!」遼 河「今助ける!」
妻 「ダメだわこの家」
庭 野「奥様ご安心ください。出てすぐのこちらに手洗いがございます」
庭 野「外にあることで、おトイレの時以外のちょっとしたときにでも使えるようになっております」
まあ普通だったらトイレの水洗を利用した手洗いくらいはあるよね。でもこの家は、あえてトイレの外に手洗い場を設けることで、トイレを使うとき以外もこまめに手洗いが出来る=衛生的というコンセプトで作られているようだ。分からないけど。でもトイレのなかでまったく手を洗えないというのはちょっと致命的ではないか。遼河夫妻は一転、このマンションの購入を断念する。
遼 河「そういうことじゃない! 僕等はどうやってトイレから出ればいいんだ?」
妻 「そうよ。用をたした後このドアノブを触ったら、次にトイレに入るときに、キレイな手でこのドアノブは触れないわ」
庭 野「え?」
遼 河「分からないのか? トイレに入ったときにドアを閉めるこのてはキレイな手、で用を済ませたらこの手はキタナい手になる」
遼 河「もしこの手でドアを開けたらこのドアノブもきたなくなる。次に入るとき、キレイな手でこのドアノブを触れるか?」
妻 「触れないわ!」
遼 河「庭野さん、残念ながらこの家は僕等には無理だよ」庭 野「そんなあ」遼 河「君にとってはくだらないことだろうけどね、僕等にとっては重大なことなんだよ」
庭 野「そんなことおっしゃったら、お気に召す家なんてこの世にありませんよ」
妻 「さっきまで理解者みたいな顔をしていたのに、本性を現したわね庭野さん」
庭 野「そそそ、そんなつもりは」妻 「帰りましょあなた」
墓穴を掘る庭野。「そんなことおっしゃったら、お気に召す家なんてこの世にありませんよ」それは言ったらダメなセリフだよね。ここで当然、万智の出番となる。しかしここまでの展開も、このあと示される解決法も、ちょっと無理やり感があるなあ。
万 智「ちょっとお待ちください」
万 智「トイレの問題さえ解決すれば、この家を買っていただけますか?」
遼 河「それは買うよ」
万 智「わかりました。おまかせ下さい」
╳ ╳ ╳
遼 河「この人たちは?」
万 智「少々お待ち下さい」╳ ╳ ╳
万 智「こちらがキレイな手用、こちらが汚い手用。分けて使用して下さい。この工事費はサービスさせていただきます」
妻 「すっご〜い」
万 智「遼河様、この家五千万でお買い上げいただけますか?」
遼 河「買います!」
万 智(……落ちた……)
╳ ╳ ╳
庭 野「三軒家さんに、少しは成長した自分をお見せできると思ったんですけど、残念です、でもありがとうございました」
つまり一方のノブは常時「きたない」状態ということになる。この夫婦はそういうものがこの家に存在することに納得するのか、という問題もあるわけだが、まあいいや(適当)。
というわけで、本編開始20 分ほどで、最初の契約成立だ。今回はこのへんまで。次は大晦日あたりの更新になります。ではみなさん体調に気をつけて。良いクリスマスをお楽しみください。