実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第645回】年越しは北川景子で、の巻(『帰ってきた家売るオンナ』その2)



 名古屋が誇るCBC(中部日本放送)が製作しTBS系列で全国放送された土曜朝(7:30〜8:00)の特撮ドラマ枠といえば、『美少女戦士セーラームーン』(2003年10月4日〜2004年9月25日)に始まり、『ウルトラマンネクサス』(2004年10月2日〜2005年6月25日)へと引き継がれ、『ウルトラマンマックス』(2005年7月2日 - 2006年4月1日)で終わった。はかなくも楽しい三年間であった。このあとの『ウルトラマンメビウス』は土曜午後5時30分に移動してしまった。
 セーラームーンは別格だけど、あとの2つのウルトラマンも私はとても好きで、特に『ウルトラマンマックス』は(前にも書いたけど)平成ウルトラマンのなかでは一番気に入っている。



 最終回「つかみとれ!未来」(脚本:小中千昭/本編撮影:岡雅一/特撮撮影:新井毅/監督・特技監督:八木毅)。とめどなく環境破壊を続ける人類に危惧した地底文明が、無制限殺戮システム「バーサーク」を起動する。強力な怪獣を使って地球環境の害虫である人類を駆除するプログラムだ。



 なんとか地底人とコンタクトをとってシステムを止めさせるために地底に潜った怪獣対策チームDASHのトウマ・カイト隊員(青山草太)=ウルトラマンマックスとコイシカワ・ミズキ隊員(長谷部瞳)だが、アクシデントでミズキは息絶える。



ミズキ「ごめんねカイト、私やっぱり」



カイト「なに言ってんだよ、諦めるなミズキ」


 DASH基地にいるアンドロイド、エリー(満島ひかり)の冷酷無比な予測では、万に一つも助かる可能性はないが、カイトは諦めない。



カイト「ミズキが死ぬ運命なんてオレは認めない」


 カイトはミズキに心臓マッサージと人工呼吸を施す。





 でもミズキに反応はない。もう一回、それでも反応なし。もう一回。
 ……って、カイトはなんと心臓マッサージをしながら七回もミズキに人工呼吸する。七回ですよ。





 まあ確かに一回死んでしまっているので、一度や二度の人工呼吸で簡単に蘇生しないとは思うが、しかし七回。ウルトラマン史上空前絶後である。



 そしてミズキは息を吹き返し、これまで一度も予測を外したことのない完璧なAI、アンドロイドのエリーは涙を流す。



エリー「ミズキ隊員の生命反応、復帰」




エリー「予測、はずれた」


 Folderや『モスラ2』のころから現在にいたるまで、満島ひかりは顔は丸顔だけど全体的に細身な印象である。しかしこの『ウルトラマンマックス』のエリーは、もちろん太っちゃいないけど、たぶん満島ひかり史上、最もぷにぷにしていたかなと思う。



 本人には怒られちゃいそうだけど、これもまた『ウルトラマンマックス』を稀有な作品にしている大きな要因だ。
 ミズキの復活を目の当たりにした地底人たちは、地球人も生命を大切に思っていることを知って考えを改める。でもバーサークシステムは、一度起動したらターゲットを殲滅するまで止めることができないのだ



地底人「我々にはもう、バーサークは止められないのです。ウルトラマンマックスもまたバーサークの攻撃対象になっています。マックスの能力はバーサークによって解析されています。バーサークはマックスを確率100パーセントで倒します」




カイト「その予測もハズレになるさ」




ミズキ「カイト?」



カイト「戻ろう。俺たちの世界に」




ミズキ「私、知ってた気がする。カイトがマックスだってこと」




ミズキ「カイト、ずっとマックスとして戦ってきたんだね。私たちが出会ったあの時から」


 変身して飛びながらヒロインをお姫様抱っこするウルトラマンも斬新で、かつて無かったような気がする。



 第1話で、民間人のくせに、撃墜されたミズキ隊員を救出し、代わって怪獣に戦いを挑んで生命を落としたトウマ・カイトは、ウルトラマンマックスと一体化することで生き返り、その勇気をかわれてDASHの新しい隊員となる。そのへんは何の新味もないけど、でも第1話から明らかにミズキは女性としてカイトに心惹かれていた。ゼットン星人の遺伝子を継ぐ「ゼットンの娘」(長澤奈央)がカイトと親密になったときには(第14話)はっきりと嫉妬の感情をあらわにして、自己嫌悪に陥っている。そして最後はカイトと結ばれる。伝統的な基本設定をしっかり守りつつ、かなり濃いめの恋愛要素を軸に、ユニークなアイデアをどんどん放り込んでくるところが『ウルトラマンマックス』の魅力であった。



 ミズキ役の長谷部瞳さんは当時スターダスト所属だったけど、その後、事務所を辞めて結婚、引退して、さらに復帰した。こういうパターンってわりと「離婚」がつきものなのだが、彼女はそういうこともなく、今では一児の母である。そしてこのたび、『ウルトラマンジード』で再びウルトラマンの妻としてシリーズに復帰してくれた。



 『ウルトラマンジード』では、この十二年間マジメに年を重ねてきた長谷部瞳さんの、大人の美しさをしみじみ味わえる。ここまでウルトラマンを静かに愛し静かに愛される役を、しかも二度演じた人は、ウルトラマン史上に例を見ない。


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 すまん余計な話をしてしまった。実は今日は披露宴に呼ばれていて、お出かけ前に更新しておかなければいけないのだった。どれだけ話を進められるか分からないけど、『帰ってきたウルトラマン』じゃない、『帰って来た家売るオンナ』の続きね(2017年5月26日、日本テレビ放送、脚本:大石静/撮影:二之宮行弘/照明:大内一斎/演出補:山田信義/監督:猪股隆一)。テーコー不動産新宿営業所のシーンから。



 ちなみに前回まで私は「テイコー不動産」と表記していた。役者のセリフやナレーションを聞き取る限り「てえこお」ではなく「ていこお」と聞こえるのだが、オフィシャルサイトなどでは「テーコー不動産」と表記されていることに気づいたので、これに従うこととする。



 屋代(仲村トオル)が去った後、テーコー不動産新宿営業所売買仲介営業課の課長となった布施(梶原善)。その布施が営業戦略費の半分をつぎ込んで作った着ぐるみこそ、テーコー不動産のマスコットキャラクター「住もう君」である。



 まあこんなんじゃ営業成績が上がるわけがないよね。その「住もう君」の中に入っているバイトのおじさんが一ノ瀬定男(笑福亭鶴瓶)である。



 でもこの人、昼休みなどにこっそりオフィスに入り込んではなにやら物色していて、挙動不審である。今朝も正社員たちが出社してくる前の早朝から、勝手に営業用の不動産資料に見入っている。





一ノ瀬「おおう」



万 智「何をしているのですか?」
一ノ瀬「あんた誰ですか?」



万 智「私は不動産屋です」



一ノ瀬「不動産屋……」



白 州「ふあああ」



白 州「一ノ瀬さん、着替えたらさっさと降りて」






白 州「サンチー!」



庭 野「ああっ、やっぱり来てくれたんですね三軒家さん」




 ということで、前回きっぱりと「私は行きません」と言い切った万智だけど、やって来た。なぜだろう。という疑問への答えはわりとあっさりしている。そして課長の布施(梶原善)は手放しで喜んでいる。足立王子(千葉雄大)とは正反対。



万 智「三軒家万智です。今月末までの二週間、期間限定でバイトとして働きます」



万 智「よろしくお願いします」



布 施「ホントによく来てくれた。もうダメだと諦めていた。ありがとう」



万 智「弊社の屋代が、テーコー不動産新宿営業所を救え、としつこく申しますので、やむなく参りました」



万 智「来た以上はバシッとやります」



宅 間「やっぱキレイ」



八 戸「あ三軒家チーフ、八戸です」



万 智「わかっています」



足 立「八戸さん」
八 戸「はい?」
足 立「チーフは今ボクですけど」



足 立「お久しぶりです。屋代課長はお元気ですか?」
布 施「あ、課長はいまボクだ」



布 施「まあいいんだ。いいんだ。ぜんぜんいいんだ」



布 施「ああ鍵村、きみはどうせ何も知らないだろうから教えるけれども、三軒家君はこの業界では伝説となっている天才的不動産屋だ。弟子入りしたつもりで住宅売買の神髄を盗むといい」



鍵 村「天才的不動産屋? なんすかそれ」


 二年前にはいなかった新人、鍵村洋一。演じている草川拓弥は、ももクロやエビ中などなどを成功させたスターダストが次の戦略として手がけた男性アイドルグループ「超特急」のメンバーで、『探偵の探偵』最終話にガヤで出ているから(北川さんにバイクを無断借用される若者グループの一員)北川さんとの共演は二度目と言えるが、実質的には初顔合わせみたいなものである。これが今時のやる気ぜんぜんなし新人社員を演じている。



(電話の呼び出し音)



万 智「新人、すぐ出る」



鍵 村「はぁい、テーコー不動産、新宿営業所、売買仲介営業課、鍵村でぇす」



万 智「てきぱきしゃべる」



布 施「いいねいいねえ」



鍵 村「中国語みたいっす」



八 戸「鍵村まわして」


 中国関係の顧客は八戸(鈴木裕樹)の担当だという。これは中国拳法をモチーフにした『ゲキレンジャー』への目配せか、と思わせつつ、「八戸」という名前との絡みであることが追い追い明らかになってくる。鈴木裕樹はこまっちゃんと同郷だけど、八戸は岩手県に隣接しているね。ま、あまり関係ないな。
 中国語の会話はわからないので字幕から拾います。



八 戸「もしもし」



八 戸「すみません。大変お待たせ致しました」



八 戸「テーコー不動産新宿営業所、売買仲介営業課です」



万 智「名乗れ」



八 戸「はい?」



万 智「名前を名乗れ、八戸と言え」



八 戸「わたしの名前は八戸です。8にドアで八戸」


万智が来たことでとにかく活気が出る職場。白州美加(イモトアヤコ)現チーフの足立王子(千葉雄大)としては非常に面白くない。



白 州「サンチーさん、私先月からデスクとしてバイトしてるんです。子供も母が見てくれているんで。ちなみに旧姓の白州でやってます。」



白 州「ねー」
宅 間「やめとけって」



白 州「やっぱり白州としての実績は消したくないですし、仕事とプライベートは分けたいんで」



足 立「白州の実績って何だよ」
白 州「いやん足立チーフ」



白 州「ママになったらしいじゃないですか。私先輩なんで何でも相談にのりますよ」



万 智「白州美加」



白 州「私はもう営業ではないのでチラシのポスティングはいたしません」



万 智「中野のマンションの修繕費用と諸経費の資料を私のPCに送れ」



白 州「え」



白 州「ちょっとアンタ教えなさいよ」



万 智「早くする!」



白 州「はい!」


 なんだかんだと昔のノリで楽しそう。そしてここで新人の鍵村に向かって「GO!」が出る。前回見たように、万智はすでにプロローグで、屋代課長に向かって「GO!」をやっちゃってるんだが、できればこのシーンまで取っといて欲しかった。



万 智「新人、今日のアポは何件だ」



鍵 村「ゼロでーす」
万 智「新人、アポがないなら、このチラシ、今すぐポスティング」



鍵 村「うそでしょ、こんなに持てませんよ」



万 智「新人、GO!」



鍵 村「はいっ!」



八 戸「でた、GO!」



庭 野「自分も二年前にタイムトリップしました」



布 施「おれもだよ」



庭 野「よし、遼河様の内見、いってきます」
布 施「うん、行ってらっしゃい」



八 戸「じゃあオレも中国人客の話聞いてきます」



布 施「行ってらっしゃい」



布 施「う〜ん、久しぶりに活気のある朝だ。これは希望がもてるぅ」



足 立「課長」
布 施「ん?」



足 立「課長はチーフのボクを信用してくれていないんですね」



布 施「あ? どういうことだ」
足 立「三軒家さんを呼ばなくても必ずボクが本社の要求はクリアすると言ったじゃないですか」
布 施「いやいやいやもちろん足立チーフのことは信用しているよ。でも三軒家君と一緒にやってくれた方が、ほら何かと一人でやるより楽だろう。鍵村の教育のことだってあるし」



足 立「無念です」



白 州「無念です……すてき」



布 施「あいつもまだまだ分かってないなあ。家を売るっていうことの意味が」


という感じで話が滑り出し始めたわけだけど、ごめん今回はここまで。じゃまた。







万 智「同行します」
庭 野「なぜですか」



万 智「なぜでもよい。GO!」



庭 野「は、はいっ!」