実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第644回】年越しは北川景子で、の巻(『帰ってきた家売るオンナ』その1)



 今年最も輝いた女優といえば『咲 -Saki-』『君の膵臓をたべたい』の浜辺美波に決定しているが(名古屋支部調べ)彼女の次のテレビドラマ主演作が『賭ケグルイ』であることが先日発表された。『咲 -Saki-』が放送されていたのと同じTBS/MBSのドラマイズム枠で2018年1月からオンエア。『咲 -Saki-』の原作はスクェア・エニックス『ヤングガンガン』で2006年からずっと連載中の大人気高校生麻雀漫画だったが、『賭ケグルイ』の原作はスクェア・エニックス『月刊ガンガンJOKER』で2014年から連載中の大人気高校生ギャンブル漫画だそうである。どちらもすでにテレビアニメ化されていて、アニメ版『賭ケグルイ』の脚本には小林靖子が参加している。



 実写版『咲 -Saki-』の第二弾、舞台と主人公をがらりと替えたスピンオフ作品『咲 -Saki- 阿知賀編 epsode of side-A』も、すでにテレビドラマ版は始まっている。前作とまったく同様、12月にドラマ版4話をオンエア、年が明けたらライバルチームを描いた特別編を1話オンエア、そして劇場版公開という流れのようだ。



 TBSとMBSの深夜枠での放送なので、残念ながら名古屋ではまだ観られないが、前作のときは、新年早々、ドラマ版がアマゾンプライムで配信された。劇場版の宣伝という意味もあるから、今回もきっとそうなるはず。少しのあいだ我慢である。



 今回のスピンオフ版には、前作に続いて浅川梨奈がゲスト的に出演しているが、劇場版予告編には、今回の主人公たちが咲らしき人物とすれ違うカットが出てくる。




 あいかわらず原作漫画を読んでいないので(すみません)、本編でこの場面がどうなるのかよく分からないが、これが本物の浜辺美波だったら本当に嬉しい。ぜひそうであって欲しいんだけど。



 ついでに、ちょっと前に映画『亜人』が公開されたとき、ネットをざわつかせた「佐藤健と浜辺美波の不仲説」が可愛いエピソードなので紹介したい。完成披露試写会の舞台挨拶で、佐藤健が客席をバックにキャストの集合写真を撮ったんだけど、仕上がりを見ると、佐藤健の妹役の浜辺美波が完全に切れていて写っていない。



 ひょっとしてタケルはワザと浜辺美波をハブったんじゃないか、なんて話題になったんですね。ところが実際はこういうことだったんです。



 これじゃ写るわけがない。タケルの責任じゃないよな。左端が浜辺美波。どうでしょうこの古風で奥ゆかしいたたずまい。右端の川栄李奈と較べてください。いや川栄さんが普通なんだよ。
 浜辺美波は本当に2000年生まれか? 原節子とか高峰秀子とかと同世代の映画女優がタイムスリップしてきたんじゃないか。浜辺美波のこういうところに、おじさんはメロメロのデレデレなんである。



 いや相変わらず関係ない話が長くてすみません。『君の膵臓がたべたい』からの北川景子という流れで書くつもりだったけど、話がぜんぜん北川さんにいかないので、このへんで強引に本題。まずはDVDについていた特典映像、メイキング+インタビューのイントロだ。



スタッフ「じゃご紹介しまーす。三軒家万智役の北川景子さんでーす」



 N 「家売るオンナがスペシャルドラマとして帰ってきました」



 N 「連ドラの最終回から二年後が舞台」



 N 「三軒家万智が愉快な仲間たちと一緒に、今回も静かに暴れます」


 「静かに暴れます」っていうのがいいね。
 さあ待たせたね、『探偵はBARにいる3』だ……ではなくて『帰ってきた家売るオンナ』である。だいぶ気の抜けたコーラになってしまった。



 日本テレビは毎年5月に「7daysTV」というキャンペーンを行う。国連の定めた「国際家族デー」(毎年5月15日)にちなんで、「家族」をテーマにいろんな番組を放送する企画だそうで、日テレ的には夏の24時間テレビと並ぶ一大プロジェクトなんだって。知らなかった。で、今年はその一週間のうちの金曜日、いつもなら金曜ロードショーをやっている時間帯を利用して、北川さんの『家売るオンナ』のスペシャル版をオンエアした。名づけて「金曜ロードSHOW!特別企画7daysTVスペシャルドラマ 帰ってきた家売るオンナ」。長いね(2017年5月26日、日本テレビ放送、脚本:大石静/撮影:二之宮行弘/照明:大内一斎/演出補:山田信義/監督:猪股隆一)。



 N 「テイコー不動産新宿営業所にある日突然現れた家売るオンナ、三軒家万智」



 N 「彼女は不動産業界の常識を次々と打ち破り、お客の心を容赦なく解き放ち、誰よりも早く、誰よりも沢山の家を売りまくって、ある日突然会社を去った」



 N 「あれから二年」


 最終回、立ち退きを迫られたバー「ちちんぷいぷい」を守り、しかし会社の方針にさからったためにテイコー不動産を去っていった三軒家万智(北川景子)と課長の屋代(仲村トオル)は、三浦半島の和田長浜海岸のあたりで「サンチー不動産」を立ち上げ、相変わらず家を売っている。社長が万智で課長が屋代だ。



 あれから二年が経ち、サンチー不動産にやってきたのは庭野(工藤阿須加)。何の用だ。



庭 野「ここだ……」




おばさん「なにやってんで」



庭 野「あ、あの」



おばさん「サンチーさんなら、海だべさ」


 海に向かう庭野。するとそこに懐かしい二人の姿が。




 という物語的引っ張りはいいんだけど、この初登場シーンの北川さんのビジュアルは何とかならなかったのか。その後のシーンと較べても、この最初の登場場面がこれとういうのは、ちょっと。撮影とか照明とか工夫して欲しい。



庭 野「課長! 三軒家チーフ」



屋 代「おう庭野じゃないか」



屋 代「どうしたんだ庭野」




屋 代「あ、海辺のセカンドハウスでも欲しくなったか?」




庭 野「いやいやいやいやいやいや、そういうんじゃなくて、課長と……三軒家チーフは……」
(携帯の呼び出し音)



屋 代「はいこちらサンチー不動産、屋代でございます。ああ、どうもありがとうございます」



屋 代「はい。それじゃあ後ほどご連絡して、はい、はいそれじゃあ後ほど」
万 智「課長」



万 智「後ほどご連絡とはどういうことでしょうか?」



屋 代「いやだって庭野ひさしぶりだし」



万 智「すぐ行く、GO!」



屋 代「はい!」



屋 代「すぐ戻ってくるから、ゆっくりしてけよ」



庭 野「あのぅ」



万 智「何?」



庭 野「お幸せそうですね?」
万 智「幸せとは何だ?」



庭 野「だって、そのお子さんは?」



万 智「家を、売るためです」


 ここまでがアバンで、ここでタイトル。



 ちょっと「GO!」早くないか。庭野ならともかく、二人で独立して二年を過ごして、それなりにパートナーシップが出来ているはずの屋代にいきなり「GO!」はないよなぁ。



 みたいな不満は、今回はちょいちょいある。もちろん北川ファンなら十分楽しめるし、DVD購入を後悔はしていない。でも、あの快作『家売るオンナ』の続編だけに期待感がある。だいたいこっちは第2シーズン10話くらいの続編を見たかったのだ、そう考えると、普段の3話分くらいのプロットを2時間スペシャルに落とし込んだ脚本にも不満が。いやすみません。



 というわけで、屋代課長が営業に出て、万智と庭野と赤ちゃんはサンチー不動産へ。



庭 野「今日、自分は布施課長の代理で来ました」



庭 野「三軒家チーフにお願いがあって」



万 智「庭野」



庭 野「はい」



万 智「それ、取れ」





庭 野「実は、新しく新宿に支店を開いた不動産屋が、猛烈に追い上げてきまして」



庭 野「もし、今月の売り上げが目標に届かなければ、本部は新宿営業所を潰すつもりらしいんです」




庭 野「そうなれば、布施課長も窓際に飛ばされるのは必至ですし」



庭 野「ぼくらだってリストラの対象になるかもしれません」



庭 野「だから何としてでも、今月の目標を達成して、新宿営業所を守りたいんです」



庭 野「三軒家チーフ、助けてください、三軒家チーフ!」



庭 野「……泣いてますけど……」



万 智「ばあ」





庭 野「すいません!」





庭 野「すいませんでした」


 そこへ「ただいま〜」と営業仕事を終えて帰宅した屋代。


 
 声は届かず、はしなくも庭野と万智の会話を盗み聞きしてしまう。



庭 野「三軒家社長、なんとか一時的にだけでも、テイコー不動産新宿営業所に戻ってきていただき、家を売りまくっていただきたいんです」



庭 野「あ……子供のことは本当に心苦しいですけど、二週間ほどなんとか、おんぶしてでも、東京に出てきていただけないでしょうか」



庭 野「あそうだ。特別報酬が出るように、布施課長が本部に話をつけてありますので」



万 智「特別報酬。それなら屋代課長を出してもよい」



庭 野「あ……それは……」



万 智「それは何だ」



庭 野「会社も布施課長も、屋代課長ではなく、三軒家さんを求めてるんですが」



万 智「屋代課長はサンチー不動産の優秀な営業マンだ」



庭 野「それはよく分かってるんですが、三軒家さんは売り上げのケタが違うっていうか、格が違うっていうか、何と言っても日本が誇る伝説の家売るオンナですので」



庭 野「ここは屋代課長ではなく、三軒家さんにお越しいただきたいのです。どうかお願いいたします」


 涙ぐむ屋代。これ、最初に観た時には、庭野の言葉を聞いて、もう自分はテイコー不動産からも庭野からも必要とされていないんだ、という悔しさと悲しさの涙かと思っていたけど、ビデオで観返したら違ってた。




  涙を流す一瞬前にふわっと嬉し泣きのような笑顔になっている。つまりこれは喜びの涙だ。「屋代課長はサンチー不動産の優秀な営業マンだ」という万智の言葉に対する男泣きなのである。
 


 涙を拭いて、明るく元気よく「ただいまあ!」と入って行く屋代。



屋 代「おう」
万 智「お帰りなさい屋代課長」



万 智「これ届いてました」
屋 代「はい」



庭 野「まだ課長って呼ばれてるんですね」



屋 代「だってサンチー不動産でも僕は課長だもん」



屋 代「社長と課長。ごめんな、さっきは失礼しちゃって」
庭 野「いえいえ、突然うかがって自分こそすみません」



屋 代「あ、いい子にしてたかな」



庭 野「屋代課長、課長からもお願いしてください」



屋 代「なんだよぉ切羽詰まった顔をして」
庭 野「営業成績が上がらず、テイコー不動産新宿営業所、売買仲介営業課は死にそうなんです」



屋 代「うそぉ、絶好調なんじゃないの?」



庭 野「今月の残り二週間でもいいので、課長、三軒家さんをテイコー不動産に貸してください」



屋 代「貸してくださいって、三軒家君はうちの社長だからね」



屋 代「だよねえ」



屋 代「社長さんいなくなって課長だけになったらガチョ〜ンだよね」



庭 野「三軒家さん、三軒家さんなら、ぼくらに売れない沢山の家も、さっさと売れますよね」



万 智「私に売れない家はありません」




万 智「でも私は行きません」


 万智がテイコー不動産に戻らなければならない事情が分かってきた。このあたりまでがアバンで、ここでタイトルが入る方が良いんじゃないかと個人的には思う。まあしかし、サンチー不動産のシークエンスは、万智がテイコー不動産への一時復帰をとことん拒むところで終わる。



 ところがその翌朝、テイコー不動産新宿営業所、売買仲介営業課。




 夫婦になっても旧姓の白洲美加(イモトアヤコ) と 宅間(本多力)が出勤してくる。





白 州「サンチー!」



庭 野「ああっ、やっぱり来てくれたんですね三軒家さん」




 とうとう彼女が帰ってきた! というあたりで以下次回。