実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第622回】リーダー問題再燃の巻(セーラームーンミュージカル2016:その1)



最近ほんとうに泉里香さんをよく見かけますね。でもドラマじゃない。


 エレガントに疾走するシブヤ系ロック(というのか?)のベーシスト沖井礼二と、キュートな癒し系ハイトーンボイスのボーカリスト清浦夏実がTWEEDEESを結成して三年目。活動は東京ベースで、あまり地方には来てくれなくて、たまぁに宣伝に来てくれても今度はこっちが都合が悪かったりで、なっかなか会えない。このたびの新作ミニアルバム発売の名古屋イベントも、次の水曜日の夕方とのことで、私は午後5時から会議だから無理だな(泣)。行ける方は行ってやってくれ、よろしく頼む。2017年7月5日(水)18時30分より栄のタワーレコード名古屋パルコ店でフリーライブとサイン会だ。んで、清浦夏実は7月4日が誕生日だから、サインもらうときは「なっちゃんお誕生日おめでとう」を忘れずにな。



 実写版セーラームーンが始まった時は13歳だった桃子も、あと数日で27歳である。
 繰り返すが私は行けない。でも来月には「初の東名阪ツアー」をやってくれるみたいなので、これはもう万障繰り合わせて参加する予定である(名古屋ライブは2017年8月10日、ELLで19時より)。



 で、先日発売されたTWEEDEESのミニアルバムだけど、コンセプトは「おじゃる丸」。いやホントだって。おじゃる丸のスタンダード曲である「プリン賛歌」のカバーが入っていて(これはこの春からNHK「おじゃる丸」のエンディングテーマに使われている)、アルバムタイトルが『à la mode』である。プリンからのア・ラ・モードですから、これは「プリン賛歌」がアルバムのキー曲ですよと言っているようなものだ。いやしかし、この事実に清浦ファンとしては感慨もひとしおである。



 清浦夏実は2007年にビクター傘下のフライングドッグ(flying Dog)からデビューして「僕らの合言葉」(「ケロロ軍曹」エンディングテーマ曲)とか「旅の途中」(「狼と香辛料」オープニングテーマ曲)とかで評判になった。フライングドッグはもともとロック色の強いレーベルで、頭脳警察のPANTAなんかも在籍していた。
 ぜんぜん関係ないが、PANTAは2007年10月に放送されたドラマ『働きマン』第3話で、隠し子疑惑のあるロックスター役を出演じている。その隠し子(と噂されるの)がグラビアアイドルのホリメグ(小松彩夏)で、雑誌ではPANTAと小松彩夏の「禁断のツーショットグラビア」が企画されたりするのである。



 いやあ、ほんとうに全く関係のない話で済まない。ともかく、そういう日本のロックのレーベルだったフライングドッグだが、2007年ごろからはアニメ専門の部門へとおおきく舵を切っていく。そういう動きのなかで、清浦夏実はフライングドッグがプロデュースする新世代アニソン歌手のエースとしてデビューしたのである……と今にして思う。で、彼女が19歳の年に出されたアルバム『十九色』(2010年)はそういうアニメのタイアップ曲に菅野よう子の書きおろし曲なんかを加えた意欲作であった。これはほんとうに良いアルバムだったよ。



 で、以下は推定なんだが、会社は次世代のアニソンスターを育てるべく、期待の新人デビューとしてけっこうな宣伝を打ったのだが、これがオリコン88位と微妙な数字。清浦夏実本人も「アニソン歌手」というスタンスに悩むようになる。このへんの彼女の気持ちはソンタクするしかないが、たぶん同じレーベル所属の坂本真綾みたいな先輩と、自分を比較してしまったのだと思う。ああいう人に較べると自分はアニメのタイトルに看板負けしているアニソン歌手である、とか、そんなところではないか。それからほどなく、彼女は歌手活動の休止を宣言して、TWEEDEESの結成にいたるまで沈黙期に入る。関東ではFM放送のパーソナリティーを続けていたみたいだが、地方の我々にとっては、けっこう長い沈黙期だった。


 すみませんいつもながら長い無駄話になりました。要するに、清浦夏実が今回、TWEEDEESとしてアニメ『おじゃる丸』のエンディングテーマ、それもこの長寿アニメのスタンダードナンバー「プリン賛歌」を歌ったことの意味を伝えたかっただけです。ここには十代の終わりごろ、アニソン歌手コンプレックスに悩んでいた清浦夏実はいない。そういうクヨクヨした袋小路を抜け出して、アニソンという「世代共通の歌」を余裕をもって楽しんで、自分たちのセンスで自分たちのものにしているTWEEDEESのボーカリスト、その笑顔だけが浮かんでくる。沖井礼二というパートナーがいてこそ、そういうことが可能になったのだ。どうだ、おじさんも捨てたもんじゃないだろう(何を言ってるんだか)。



 しかしこの子はセーラームーンの桃子のころから雰囲気が変わんないよなぁ。


桃子と山本ひこえもん


 さて、大久保聡美が復活する今年のミュージカルに向かって盛り上がろう、つきましては昨年の「ミュージカル美少女戦士セーラームーン -Amour Eternal」(2016年)のDVDレビューをやりましょう、とか書いたのはけっこう前のことになるが、何だかんだといまだに手をつけていない。ひょっとして待ってくれている人がいるのかな。すみません。 今日はちょっとだけ、実写版でも問題になった「美奈子とレイ、どっちがリーダーでどっちがサブ」問題の部分だけみておきたい。ちなみに「Amour Eternal」の物語は原作でいうと第4期デッドムーン篇。アニメでいうと「SuperS」である。うさぎたちは高校生になり、ちびうさは未来へ帰らず(未来へ帰れず)夢の中で不思議なペガサス(ユニコーンでもある)エリオスと出あう。で、物語はある皆既日食の日、空飛ぶ船に乗って「デッドムーンサーカス団」が十番街にやって来るところから始まる。ここに紹介するのは、デッドムーンの三人、タイガーズ・アイ(安藤千尋)、ホークス・アイ(立道梨緒奈)、フィッシュ・アイ(Yumi)が本性をあらわし、戦士たちの胸のなかの夢をのぞき込む(アニメみたいに鏡は使いません)という場面だ。



レ イ「ちょっとあんた、いったい何すんのよ!」



タイガーズ・アイ「あなたの夢をちょっぴり覗かせてもらったのよ」



タイガーズ・アイ「やっぱり私が見込んだとおり、あなた素晴らしく美しい夢をもってるわね」



レ イ「夢を覗く? 勝手に他人の夢、覗かないでよ。……てか、みんなと違って私なんかたいした夢もってないわ」



タイガーズ・アイ「ところがどっこい、珍しいほどの美しい夢をもっているのよね」



レ イ「やめて!」
タイガーズ・アイ「ペガサスが隠れていないか、もう一度奥まで覗かせてもらうわ」




レ イ「うぁぁぁぁあ」



美奈子「レイちゃん!……なあに男の人といちゃいちゃしてるのよぉ」



レ イ「違うのよ襲われてんのよ見てわかんないの!」



まこと「レイ襲われてんのか?」
亜 美「レイちゃん襲われてるの?」
レ イ「襲われてんのよ」



美奈子「あんたレイちゃんから離れなさいよぉ」



ホーク・アイ「ざーんねん、みなさんも襲われちゃうんです」



ホーク・アイ「ちょっと苦しいかもだけど我慢してください。あなたたちの美しい夢も覗かせてもらいます」
レ イ「みんな!」



美奈子「うぁぁぁぁあ」



ホーク・アイ「アイドルに」



ホーク・アイ「お医者さんに」



ホーク・アイ「お花屋さんにケーキ屋さん……は?」



ホーク・アイ「めちゃくちゃ少女趣味ね。大きな身体して」



まこと「くそぉ、他人の夢覗くなんて、この変態野郎!」



美奈子「だからここは怪しいって言ったじゃない」
亜 美「美奈子ちゃんそんなこと一言も言ってないし!」



タイガーズ・アイ「でもやっぱり、あなたが一番美しい夢を持っているわね」




美奈子「え? どういうこと?」
タイガーズ・アイ「つまりあんたは自分の夢というのは持っていない。でもその代わりに、仲間たちの夢が」



レ イ「あ〜ちょっとそれ以上言わないで、お願い」
タイガーズ・アイ「仲間たちの夢がすべてかなうことを願っている」



三 人「すごおい」
タイガーズ・アイ「みんなの夢がかなうことがあんたの夢。こんな美しい夢、なかなか無いわぁ」



レ イ「よくも恥ずかしいこと言ってくれたわね、許さない!」



亜 美「レイちゃん、そんなふうに思ってくれてたのね」



三 人「ありがとう」



ホーク・アイ「見たところ、あなたがこの子たちのリーダーですね」
レ イ「え?」
ホーク・アイ「ん?」



美奈子「いやいやいやいやいや私だし」
ホーク・アイ「え? あなた?」
美奈子「うん」



ホーク・アイ「じゃあ今からあなたがリーダー」
レ イ「え?」



美奈子「待って待って、あんたちゃんと私の夢覗いたの?」



美奈子「きっと私の夢の中にも、み〜んなへの夢が詰まっているはずよ」



美奈子「ちょっとぉ、もう一回、覗いてみなさいよ」



まこと「じゃあアタシのも奥まで覗けよ」



亜 美「私も、恥ずかしけど覗いてください」



ホーク・アイ「あ〜ごちゃごちゃうるさい!」



フィッシュ・アイ「あんたたち、いつまで遊んでんのよ」



フィッシュ・アイ「こいつらの中にペガサスはいなかったんでしょ。だったらさっさとやっちゃってよ」



ホーク・アイ「そうですね。今後ペガサスが入り込まないよう、美しい夢をもった人間は殺してしまわないと」



フィッシュ・アイ「どいつもこいつも夢、夢、夢。美しい夢なんてすべて消えてしまえ!」



タイガーズ・アイ「かわいそうだけど覚悟してお嬢ちゃんたち。やっておしまい!」



セーラームーン&ちびムーン「ちょっと待った!」
タイガーズ・アイ&フィッシュ・アイ「誰だ!」



セーラームーン「愛と正義のセーラー服美少女戦士セーラームーン」
ちびムーン「セーラーちびムーン」
二 人「ただいま参上!」
四 人「セーラームーン、セーラーちびムーン!」



セーラームーン「オーディションにかこつけてみんなの夢を覗こうだなんて」



セーラームーン「そんな不埒な奴らはこのセーラームーンが許さない!」



ちびムーン「許さない!」



タイガーズ・アイ「誰だか知らないけれど、邪魔する奴は私たちも許さないわ。やっつけておしまい!」


 で、戦闘シーンとなって、おなじみ「揃い踏み!! 白月五人女」を歌って踊りながら戦士たちが必殺技を放っていく



ムーンスパイラルハートアタック



ピンクシュガーハートアタック



マーキュリーアクアミラージュ



マーズスネークファイヤー



ジュピターオークエボリューション


 で、ジュピターの一撃で敵は退散してしまって、結局ヴィーナスの出番がなくなってしまう。



ヴィーナス「♪さてさてどん尻に控えしは♪」



ヴィーナス「♪愛と♪」
ジュピター「あーごめんヴィーナス、もう終わっちゃったよ」



ヴィーナス「え、ちょっとー。えー私にも歌わせてよ」



セーラームーン「取りあえず名のるだけ名のっといたら?」



ヴィーナス「そうだよね」
セーラームーン「うん」



ヴィーナス「金星を守護に持つ愛と美の戦士セーラーヴィーナス」



ヴィーナス「ただいま参上!」



ヴィーナス「決まったぁ」


 大久保聡美時代は「白月五人女」といえばヴィーナスが見どころだったんだが、今度はその逆を行くという趣向らしい。実写版とアニメ・ミュージカルではヴィーナスのキャラクターが真逆であるにもかかわらず、マーズとリーダー争いをしたり、グループの戦いからどうしても外れてしまうあたりはあまり変わっていないよな、という話でした。では今回はこのくらいで。




セーラーマーズの小林かれんさん。まだ動きは硬いけど表情はいいです。