実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第602回】DVD第4巻:Act.14の巻(6)


 文字どおり胸を飛び道具に躍進中の泉里香ですが、やはりフジのドラマ『大貧乏』がポイントですね。胸が大きいだけじゃなくて芝居もできるところをみんなに見せつけて、女優としてブレイクして欲しい。いけいけ泉里香。



 というところで、まだ咽も痛いし、本日はこれというマクラもなくいきなり本題だ。Act.14、うさぎが倒れてしまった場面の続き。
 



古 幡「あれ? 衛どうした?」



 衛 「ちょっと近所に来たから…」



古 幡「あ、こないだホントありがとな」



古 幡「最近さぁ、カメキチ運動不足みたいでさぁ……」


╳    ╳    ╳




╳    ╳    ╳


古 幡「……やっぱ散歩連れてかなきゃダメかな」



 衛 (……あいつ、本当に大丈夫なのか……)


 衛はうさぎが心配なあまり、元基のカメ話なんて上の空。すると向こうから、華奢な亜美がぐったりしたうさぎを懸命に連れ出そうとする姿が。



 う〜ん。戦士たちがクラウンの秘密の部屋から出てくるとき、外からどう見えるのかという謎は、いまでもけっこう気になる。なりませんか。
 たとえばAct.2で、ルナが初めてうさぎをクラウンの秘密基地に連れて行く場面を思いだしてください。この部屋はあくまでセーラー戦士オンリーの会員制で、そもそも戦士たちが出入りするとき以外はドアが消えてしまうのである。



うさぎ「はい」



うさぎ「これ」



古 幡「年間パスポート?じゃあどうぞ」



うさぎ「ありがとう」




古 幡「年間パスポートなんてあったっけなぁ……」









うさぎ「すごぉーい」



うさぎ「うわぁ」


 ここでうさぎが元基に見せる「年間パスポート」って、ほとんど冗談みたいな作りで、普通だったら店員が「ふざけんな」と怒り出すレベルのものだと思う。



 それでも元基がすんなり「じゃあどうぞ」と通してしまって、しかもその後もずっと、クラウンにバイトしていて、ドアがすっと消えてしまう秘密基地のことに気づかないというか、疑問を感じないというのは、元基がお人好しな性格なせいもあるけど、加えて何か催眠術的なものにかけられているのではないかと思うのだ。
 それにしても、出てくるときはどう見えるのかね。それまで壁しかなかったところに、スーッとドアが現れて、戦士が姿を現す。ひょっとして地場衛は、この場面でその決定的な瞬間を目撃していたんじゃないか、という気もする。ただ彼はもう、二人はセーラー戦士だからな、という感じであまり驚かなかったのかも知れない。地場衛はすでにAct.2でセーラーマーキュリーを目撃している。





タキシード仮面「セーラームーンに、セーラーマーキュリーか……」




 このとき、タキシード仮面が二人の戦いをいつから見守っていたかは分からないが、私の想定では、亜美が落ちそうなのを見かけた衛は、とっさにタキシード仮面に変身して助けようとしたんだけど、飛び出しかけたところで亜美がマーキュリーに変身したので、結局コスチュームは着たけど出番のないまま終わったのだと思う。つまり彼はもう亜美の正体を知っている。のではないか。あるいはひょっとして、彼女たちの秘密基地がクラウンにあることも、うすうす気づいているのかな。
 ともかく衛は思わず駆け寄ってうさぎを抱きとめる。前回Act.13の房総ツーリングで、知らず知らずうさぎに心惹かれはじめている衛だが、彼には(視聴者はまだ知らないけど)陽菜という婚約者がいる。だから本来の冷静な衛なら、これ以上うさぎとの距離を縮めるようなアクションは控えたことだろう。ところがこういう緊急事態が起こって、二人の距離は運命的に、どんどん詰まってしまうのである。


古 幡「どうしたの!?」



亜 美「ちょっと風邪で……」






 衛 「おれが背負う」
亜 美「え?」
古 幡「おれの友達だから大丈夫。女の子じゃ無理だよ」



亜 美「でも……」
 衛 「怪我させるよりはいいだろう?」


 ところで、一方の亜美にとって、この時点での地場衛の印象はどういうものだったのだろうか。
 元基は初対面だと思って「おれの友達だから大丈夫」と紹介しているが、実は亜美はすでにAct.4で地場衛と会っている。亜美との話に夢中になっていたうさぎが、街頭で通りすがりの人に思い切りぶつかっちゃって、すぐ「ごめんなさい!」って頭下げて、顔を上げたら相手は地場衛だった。




 衛 「人ごみでバカみたいにはしゃぐなよな」



うさぎ「バカみたいって何よ!」




亜 美「友達?」
うさぎ「ぜんぜん!」



ル ナ「妙な感じがしたような気がするけど……」



うさぎ「だって妙な奴だもん、あいつ」



 こんな感じで、だからまあ、亜美にとっては分かったような分かんないような人なんだと思う。それに今は、うさぎの容態のことで頭のなかが一杯なので、衛におぶってもらって、うさぎを亜美の自宅まで運んでもらうことにする。
 おんぶである。設定でいうと、うさぎはもちろん中学2年生の14歳。衛は高校3年生の18歳。アニメ版の衛と元基は大学生だったと思うが、実写版は原作どおり高校生なのだ。
 これについては昔、ひろみんみんむしさんにお願いして、本人に(!)確認してもらった想い出がある。2009年の夏のことだけど、ひろみさんが渋江譲二握手会に参加されたおり「地場衛って、ドラマの中で何歳の設定だったんですか?」って質問したら「高校3年生です、たしか前半は高校生っていう設定だったんだけど、後半はそういうの関係なくなってた」と答えられたという(ここ)。
 「後半はそういうの関係なくなってた」というのが意味不明だが、確かに第1クールまでは高校生でもなんとか通用しそうだ。でもだんだん高校生離れしていって、マンションに独り暮らししていても、400ccのバイクを乗り回していても(HONDAのシャドウスラッシャーというらしい。田崎竜太監督『仮面ライダー THE FIRST』の冒頭では黄川田将也が乗っている)、フィアンセがいても、ロンドンに留学しても、別に高校生じゃダメってわけでもないけど、だんだんそういう設定は関係なくなった、ということであろうか。少なくともここで、うさぎをおぶって亜美の家まで運ぶ衛は、ほとんど高校生っぽくない。





 何が言いたかったかというと、ここでの衛は見た目は年齢不詳で、正体もよく分からないところがあるのに、慎重派の亜美がよく易々と自分の家に入れてしまったな、ということ。うさぎのことがそれだけ、心配で心配で仕方なかったのだろう。ベッドに寝かせたあとは、もう地場衛の存在なんて眼中になし。



亜 美「うさぎちゃん、大丈夫だからね、大丈夫だからね!」




亜 美「うさぎちゃんっ、がんばってねっ」



 衛 「じゃあ…」



亜 美「うさぎちゃん、うさぎちゃん!」


╳    ╳    ╳




 衛 (……あいつが、妖魔に……)

 ここで亜美はパソコンを広げて、何かメディカル・チェックのソフトを立ち上げる。
 近年ではiPhoneやらAppleWatchとかにヘルスケアのアプリがついているけど、もう10年以上前に、(たぶん)それよりはるかに高性能なソフトを、(たぶん)自作で開発したのだから、やっぱり亜美は偉い。



 偉いんだけど、ここではそのことより、傍らに置いてある写真に注目したい。



 うさぎ、亜美、レイ、まことの四人。だけどAct.5のときには、家に置いてある写真は三人だった。



 それがちゃんと、まことを加えた四人になっている。この細やかな心配りが亜美ちゃんである。いくら胸が大きくなってエロふわボディになってもいいから、そういう優しさだけは忘れないでくださいね。



 ということで今回はこれまで。