実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第601回】DVD第4巻:Act.14の巻(5)


 前回、声優ランキングや映画ランキングの話をしたついでに、古い話題になるけど「第67回紅白歌合戦」(2016年12月31日、NHK)の「AKB紅白選抜」っていうの、みなさんどう思われました? 簡単におさらいすれば、紅白で歌うときのセンターを視聴者投票で決めて、当日ステージで順位発表、ぶっつけ本番のフォーメーションという企画だった。結果、6月のシングル選抜総選挙では4位だった山本彩がトップに立った。



 私はふつうにNHKらしい結果だなと思っただけで、とりたてて感想はなかったんだけど、ネットでは、いつもの総選挙なんてヤラセみたいなもんで、端末一台につき一票という制限があるこっちの投票こそが、リアルな評価を反映する投票結果だ……とかいう声が多かったのにはちょっと驚いた。
 だって山本彩って、2015年秋の連続テレビ小説『あさが来た』のメインボーカルだったじゃないですか。だからNHK視聴者への知名度は、AKBグループではダントツなんですよね。



 現役メンバーのうち、単独で「スタジオパークからこんにちは」に出演したり、NHKBSのドキュメンタリー番組のナレーションをやったりしている人も、そんなにいないんじゃないか。あと「歴史秘話ヒストリア」で、大奥の再現ドラマにNMB勢を引き連れて出演したりしていた。



 世の中には「NHK地上波しか観ない」という視聴者層ってけっこういる。うちの親もそうだった。そういう人たちがテレビのリモコン使ってこぞって「知ってる子」に一票入れれば、当然の結果なんだよね。一方、同じくNHKの深夜帯に「指ペディア」という冠番組をもっている指原莉乃は一歩及ばず2位。至って順当なランキングだと思ったんだけど、そういう評価をあまりにも聞かないので、ちょっと不思議に思った。私の理解が間違っているのかなぁ。



 まあ、そんなに大した疑問じゃないです。ついでにSKE勢が少なくて順位も低いこともおおいに話題になったが、これも同様の理由で、一般的知名度とかNHKへの貢献度とかを考えればしょうがないんじゃないか、と名古屋在住の人間としてはひとこと言っておきたい。



 話は変わるが、木村拓哉主演の新しいドラマ『A LIFE 〜愛しき人〜』の第1話視聴率が14.2%で、いつも初回20%をクリアするキムタクとしては「爆死」に等しいとか書いているマスコミ、これも馬鹿だね。今どき14%って立派な数字じゃないか。実際、今シーズンのドラマで首位発進だったっていうし。こういう芸能ニュースをネットで見ると、特に関心のない私まで木村拓哉に同情してしまう。本人はされたくないだろうが。



 ちなみに今シーズンは、相変わらず飛ばしているテレビ東京「ドラマ24」の新作『バイプレイヤーズ』がダントツで楽しみである。同世代だしなぁ。みなさんはどうですか?



 繰り言はこのくらいにして本編だ。Act.14レビューの続きをやっているつもりが、話はAct.13まで戻ってしまった。うさぎの現状がいまひとつ理解できないからである。ルナのセリフによれば、これは「妖魔が人間に憑依する」のではなく「人間が妖魔に変わる」事例だそうだけど、どういうことか。



渡辺典子が妖魔に憑依されたAct.1



春木みさよが妖魔に憑依されたAct.2


 これまで「妖魔が人間に憑依した」例は何度か出てきた。前回にも観たなるちゃんのママ(Act.1)やアルトゼミナールの先生(Act.2)、そしてまことが憧れていたストリート・バスケのタケルくん(Act.6)、古幡元基の亀仲間の高井くん(Act.7)など。



イケメンがイケメンに憑依されたAct.6



亀が納豆に憑依されたAct.7


 このうち、人間に取り付いた状態のままでセーラームーンと戦ったのはAct.1のドゴラみたいな渡辺典子妖魔だけで、この時はルナの「戦い方は分かっているはずよ、あなたは選ばれた戦士なんだから」という、かなり適当なアドバイスで、勝手にムーンスティックをとりだして、ムーンヒーリングエスカレーションを放った。




 でもそれ以降は、人間に憑依した妖魔たちも、セーラー戦士たちと戦う前には人間の身体を捨て、妖魔単体に戻る。なので攻撃する戦士たちも、人間の身体を傷つけないように、と気を使う必要はないので、ほかの戦士の攻撃との合わせ技で、セーラームーンもムーントワイライトフラッシュを出していた。



「ムーントワイライトフラッシュ!」


 ムーントワイライトフラッシュは、原作にあったが旧アニメでは使われなかった技で、実写版はこれをAct.2でさっそく使い、「原作原理主義」の面目を躍如した。しかし実写版ではムーンスティックからビームを放射しているので、ムーンヒーリングエスカレーションとの違いがやや見えにくい。原作コミックでは、「ムーンヒーリングエスカレーション」はムーンスティックから出す技、「ムーントワイライトフラッシュ」はティアラから出す技、と明確に差別化されている。ティアラの真ん中のレンズみたいな部分を夜空に輝く月の光に照らして、月光のエネルギーを集めて放射するのがムーントワイライトフラッシュである。だから原作コミックでセーラームーンがこの技を放つときには、いつも頭上に月が浮かんでいる。



 一方、ムーンヒーリングエスカレーションは、人間に取り付いた妖魔を(人間を傷つけずに)追い払う効果を持つ高等技であるが、ムーンスティックがないと使えない。なので原作コミックでは、第6話でルナがセーラームーンに、新しいアイテムとしてムーンスティックを渡してから使われるようになる(ただし技の名前が出てくるのは第7話から)。



 アニメ版でも同様に、無印第25話(ジュピター初登場回)で、ルナがムーンスティックを渡したところで、初めて使っている。



ル ナ「あの妖魔はまだ人間の心を持っているわ。もとは人間なのよ」



ジュピター「えぇ?」
セーラームーン「じゃどうすりゃいいのよ!」



ル ナ「妖魔を元に戻すのよ」




セーラームーン「これは?」



ル ナ「ムーンスティックよ。ムーンヒーリングエスカレーションって叫んで」



セーラームーン「うん!」


 ここでルナは「あの妖魔はまだ人間の心を持っているわ。もとは人間なのよ」と言っているけど、これが実写版のルナの言いたいことと同じ趣旨なんだと思う。



ル ナ「セーラームーン! 妖魔が乗り移ってるんじゃないわ、人間が妖魔に変わってしまったのよ!」



セーラームーン「人間が?じゃあ倒しちゃったら彼女も?」

 
 だとすれば、もともとムーンヒーリングエスカレーションは、実写版でも「妖魔に変わってしまった」人間を元に戻すための技で、渡辺典子に取り付いた妖魔を退治したAct.1の使い方の方が変則的だったのかも知れない。
 そしてアニメ版でこの技をかけられると「リフレーッシュ!」と叫ばなければならないっていうのは、みなさんご存じではないかと思うのですが、でもこういうへそ曲がりもいる。無印第44話。



セーラームーン「ムーンヒーリングエスカレーション」



クンツァイト「お……おれはダーク・キングダムの四天王、クンツァイトだ」



クンツァイト「意地でもリフレッシュなどとは叫ばんぞ!」


 そこで意地を張りますか。
 アニメ版でクンツァイトの声を演じていた曽我部和行(和恭)さんは、このブログが開始されて間もない2006年の秋、還暦を前に物故されました。食道癌が発見されてわずか二ヶ月後だったと言います。意地でもリフレッシュして欲しかったんですけどね。
 う〜ん、ごちゃごちゃやっているうちに、何を問題にしていたのか分からなくなってしまった。時間も経ったので、Act.14に戻って簡単に締めくくっておきます。
 昏睡状態のうさぎの首筋には、とうとう何か禍々しい刻印まで浮かび上がってしまった。



亜 美「あっ!うさぎちゃん」



レ イ「うさぎ!」



まこと「ルナ! そのクンツァイトとか言うヤツはどこにいたんだ?」



まこと「そいつを倒せばもしかして」



ル ナ「コンチェルト・ホールだけど、今は、もう……」



まこと「とにかく探すよ。ただじっと見てるだけなんて、私はできない」




レ イ「私も、どれだけ自分の力が通じるか分からないけどやってみるわ」



レ イ「亜美ちゃん、うさぎをお願いね」




ル ナ「……みんな……」



亜 美「うさぎちゃん……」



亜 美「なんだか冷たい」



亜 美「脈も遅くなってる。暖めないと……」



 ともかくうさぎちゃんのそばから離れず、脈拍とか体温とか、医者のタマゴらしく詳しくチェックする亜美、とりあえず敵を設定して直情的に突っ走るまこと。「自分の力」でなんとかしようとすレイ。うさぎの一大事ということで、みんなそれぞれのやり方でさっと動き出す。表面的には前世の記憶がまったく思い出せなくても、心の深層で、うさぎはやはりセーラー戦士たちが守るべきプリンセスなのである。
 ってことで今回はここまで。