1. 大家さんとこへのイントロダクション
百日紅さんがコメント欄で教えてくれた『アサジョプレミアム』みんな読んだかな。店頭ではセブンイレブンでしか手に入らない雑誌だ。つまりプレミアムっていうのは「セブンイレブン」限定って意味らしい。あそこでしか買えない有名店ラーメンのカップ版も「セブンプレミアム」と称して売ってるし。私はセブンプレミアムの「蒙古タンメン中本」が好きでさ。今の季節はあれがあれば暖房は要らない。
どうでもいいですね。ともかく、その『アサジョプレミアム』という女性向けコンビニ雑誌に、セーラームーン25周年を記念して、実写版でうさぎを演じた沢井美優と、バンダイ版セラミュでちびうさを演じた（そしてネルケ版セラミュで振り付けを担当した）竹中夏海のセーラームーン対談が掲載された。あと同じ雑誌に、北川景子の食事のこととかも載っている。
面白い記事でしたが、内容については、近く『M14の追憶』が紹介するということなので、ここでは触れない。ただ竹中夏海さんの補足説明だけ勝手にしておく。
竹中夏海さんは大山アンザ時代の『美少女戦士セーラームーンSuperS 夢戦士・愛・永遠に…』（1995年）でちびうさ／スーパーちびムーンを演じている。サーカスの場面が印象的な、第一期セラミュのなかでも評価の高い作品だ。この公演のチビうさ役は、竹中さんと白井珠希ディアさんのダブルキャストだったけど、翌春の『改訂版』のちびうさは、白井珠希ディアさん一人が演じている。つまり諸般の事情で一作限りの出演だったけど、セラミュに対する思い入れは強い。そういうところはネルケ版の松浦雅なんかと一緒だ。
今回、そのたった一度のセラミュの舞台のお姿を紹介しようと自宅のDVDを探してみたけど、どうも『夢戦士・愛・永遠に…』がなくてですね、その翌年の改訂版『サターン復活篇』のソフトしか見当たらない。ひょっとして買ってないのかも知れない。すみませんでした。ちなみに、こんにち実写版セーラームーンが多く「あの北川景子が出ていた」という文脈で語られるように、舞台『SuperS 夢戦士・愛・永遠に…』とその改訂版『サターン復活篇』も多く「あの木村多江が出ていた（そしてサーカスの玉乗りをしていた）」という文脈で語られる。いやそんなに語られないか。ともかくお詫びに改訂版の方から、まだ初々しい木村多江さん演じる、アマゾントリオのフィッシュアイ。
麗しいですね。
竹中夏海さんはその後、女優としても活動されていて、なかでも平山秀幸監督の『学校の怪談２』（1996年東宝）は、秀作ぞろいの『学校の怪談』シリーズのなかでも一番の出来（名古屋支部調べ）という作品で主要な役を演じているのが印象的である。エンディング近く、ヒロイン役の前田亜季さん（白）と竹中夏海さん（ピンク）のツーショット。
でも彼女の一番の関心は躍りだった。子どもの頃のモダンバレエから始まり、ジャズダンス、チア、そして大学は体育大学で舞踏学と、様々なダンススタイルを遍歴してアイドルの振り付け師となり、PASSPO☆を始めアップアップガールズ(仮)、夢みるアドレセンスといったグループの振り付を担当する。あとHKT48の「メロンジュース」とか。
そして2014年には原点のセラミュに戻り、ネルケ版第二弾『ミュージカル美少女戦士セーラームーン Petite Étrangère』で振り付けを担当されました。なんかこう、夢から始まり夢にたどりついたって感じで、いい話ですね。
2. オーバーレインボー・ツアー
というわけで、Act.14レビュー続きだ。新年パーティーの続き。カラオケ大会まで終わりましたね。
次はうさぎが風船を「アターック」すると、偶然レイと亜美がやっていたジェンガを崩してしまう。
この場面をキューに、BGMにはうさぎの「オーバーレインバー・ツアー」がかかって、後はもうアトランダムに大騒ぎ、に見えて、けっこう過去のエピソードを連想させる場面が次々に出てくる。
まず、亜美とレイがまことを押さえつけ、うさぎがルージュを持って迫る。Act.5の最後の次回予告にも似たような場面があるけど、まこと（というか安座間さん）の表情がぜんぜん違う。
まことはきれいにメイクされるのが、本当はイヤじゃないんだろうけど、照れて逃げ出す。楽しい追いかけっこ。
次がナコナコ。Act.8の「ナコナコなりきりキャラコンテスト」は、ジェダイトの邪魔は入るは、うさぎは徹夜明けの戦いで疲れて寝てしまうは、代わりに出定したまこととレイは参加賞に終わるは、さんざんな結果だった。
その時のコスチュームで記念写真を一枚。ただしコンテスト不参加だった亜美がなるちゃんのコスチュームなのは前回申し上げたとおり。レイが、Act.8のときと同様、ドスを効かせた「クピッ！」をみんなにも強制して少々もめるが、結局仲良く記念撮影。
3. 浜千咲の「プリン2個」は12年後の泉里香のための伏線（←バカ）
そして次が亜美ちゃんのプリンである。言うまでもない。Act.2で初めてうさぎに声をかけられ、その明るく屈託のない笑顔に癒された亜美は翌日、うさぎへの友情のしるしにプリン二個を買って学校にやって来る。こんなことしたの初めてなのだろう。
ところがうさぎはうさぎで、ルナから亜美が「第二の戦士」であることを告げられ、舞い上がってしまっている。
亜 美「えっ、私が？」
うさぎ「私も亜美ちゃんも選ばれた戦士ってわけ」
うさぎ「だからこれから一緒に戦お」
亜 美「そっか、月野さん、私が戦士だから友達になろうとしたんだ」
うさぎ「え、どういうこと？」
亜 美「私、戦士なんかになりたくない」
うさぎ「え？」亜 美「勉強が忙しいし塾もあるから。じゃ」
うさぎ「ちょっと亜美ちゃん……」
こうして亜美はまた、階段を上っていってしまう。上っていって、誰もいない屋上で独りぼっちなのだ。
亜 美「慣れてるし」
というこのちょっと悲しい思い出のプリンを、あらためて「はいっ！」とうさぎにわたす。
しかもこんどはプリン2個ではなく、4個である。
うさぎ「おいし〜。亜美ちゃんありがとう！」
ここでもう一枚記念写真。
ところで、今回の亜美は、衣裳も髪形も、いつもの勉強一筋の亜美ちゃんとはだいぶ印象の違うカワイイ系で、だいたい服の色がイメージカラーのブルーではなく純白である。これについては舞原監督が浜千咲にやられちゃったという話があって、古いファンなら先刻ご承知のはずだが、そのエピソードが記載された東映公式サイトも今はない。記録としてここに採録しおこう。本エピソードの衣裳合わせに際しての監督とスタッフのやりとり。
問題は、亜美の衣裳。
１日のお話なので、大騒ぎからシビアなシーンまで通じて１着。重要な１着です。
そしてスタイリスト・岡さんが用意した服は……
監督「可愛いけど、亜美にしては可愛すぎないか？」
岡 「そんな亜美だからこそ、新年会には、ふだんの300%気負うんじゃないですか？」
監督「しかしだな……」
と腕を組んだ監督が、ふと見ると、その服が超気に入ったらしい浜千咲さんが、（監督、お願い……！）とじっと見つめているのと目が合ってしまったのでした。
前回のコメント欄にも、東海受信所さんが「結構亜美が年下っぽい可愛らしさなのは少し意外です」と書かれていたが、そこにはこのような深い理由があったのです。
さてクラウンは宴たけなわなんだが、そこでうさぎがいきなりステージに駆け上がる。
うさぎ「亜美ちゃん、レイちゃん、まこちゃん、それからルナ、もうみんなだーい好きっ」
うさぎ「今年も、よろしく〜！」
うさぎの声があまりにもカン高いため（？）マイクがハウリングを起こす。思わず「うるさ〜い」と顔をしかめ耳を塞ぐ三人と一匹。しかし次の瞬間、うさぎが倒れる。
亜 美「うさぎちゃん！」レ イ「どうしたの」
まこと「うさぎ！」
うさぎ「う〜ん、なんか、ねむい……」
まこと「え？」
レ イ「何いまの？」
ル ナ「そんな……消えてなかったんだわ」
まこと「何のこと？」
亜 美「うさぎちゃん、しっかりして」
うさぎの首に一瞬浮かび上がって消えた例の髪の毛の意味を、不安そうに戦士たちが不安そうに見守るなか、こんこんと眠り続けるうさぎ。
というあたりで続く。
非常に緊迫した場面に恐縮だが、ここで、倒れたうさぎに駆けつける亜美の「揺れ」を詳しく観察すると（するなよ）、ごくわずかながら昨年の泉里香の巨乳ブーム（っていうのか）の兆しをうかがえるようにも思うのだが、どうか。
そんなこともないかな。どちらにしても品のない興味ですみませんでした。じゃまた次回。
