実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第578回】お盆前の小ネタ集の巻



 遅くなりましたけど、小松彩夏さん御誕生日おめでとう。
 以前はしばしば四人しか集まれなかった「戦士の会」も、最近はだいたい五人が揃っている。メディアにも認知されて「超売れっ子の北川景子もちゃんと出ている」ことが好意的に紹介されるようになった。大家さんのところにも書いてあったが、こうなると逆に欠席すると印象を落とすというので、事務所も出席を奨励するようになったのではないか。喜ばしいことである。

1. あの人からこの人へ思いは馳せて諸行無常



 小松彩夏さんと、アミューズの後輩アイドルグループ「さくら学院」のメンバー(当時……っていつだよ)。このなかにBABYMETALがまざっています。どの子でしょうか(答えは別に書かないよ)。



 ちょっと前の話になるけどアミューズから、さくら学院の初代生徒会長だった武藤彩未との「アーティスト契約」が切れた、という発表が出されたね。


本人との話し合いの結果、「長期での海外留学を行い、様々な世界を見て勉強する時間を作りたい」という意向を受け、本日、2016年5月31日をもちまして弊社とのアーティスト契約を終了することに致しました。


 昨年末の芸能活動休止宣言、そして春にひっそりと海外留学、1カ月後に契約終了の発表、帰国後の活動予定は未定……なんかコアなファンを刺激しないよう、事務所がこそこそフェードアウトを計っているような気がしないでもないが、本人がいま方向性を見失っていて、しばらく充電したいと思っているのも事実であろう。まあ待つしかないわな。



 武藤彩未自身もツイッター上で留学と契約終了を報告していて、沖井礼二がそれに応答している。さくら学院バトン部Twinklestars(ティンクルスターズ)のソングライターである。




「僕に手伝えることがあったらいつでも言って下さい。作曲なら少しは出来ます」


 沖井礼二はどこかでティンクルスターズについて、10代半ばのアイドルに曲を書くのは始めての体験で、とても勉強になって愛着もある、というようなことを語っていたけれど、社交辞令ではなかったんだね。なんかちょっと感動するツイートだった。



 その沖井礼二が昨年、清浦夏実(実写版セーラームーンの、うさぎのクラスメートの桃子)と結成した二人組ユニットTWEEDEES(トゥイーディーズ)は、このたびセカンドアルバム『The Second Time Around』を完成させた(2016年7月20日リリース)。さっそくiTunesでダウンロード購入したが、ファーストよりもややアグレッシブでロック色が強まっているかな、お勧めです。



 清浦夏実といえば、今年の3月20日と21日にZABADAKの結成30周年記念イベントが開催されたんだけど、その2日目に清浦夏実が出演するとの情報が入った。当然ソロ時代に吉良知彦から提供された「旅の途中」を歌うのであろうと思って、行こうか行くまいかさんざん迷った。キヨウラも当分はTWEEDEESとしてグループ活動に専念するだろうから、めったにない機会だしね。でも仕事の都合で泣く泣く諦めた。
 そうしたらつい先日Youtubeに、清浦夏実がクラムボンのミトと「旅の途中」を歌う動画がアップされていた。「えっこれ何?」と思ったら、吉良知彦が今月のはじめに逝去されて、その追悼のために歌ったそうである。ZABADAKの吉良知彦が亡くなっていただと? これにはものすごく驚いてしまった。そんなの聞いてないよ。



 小松彩夏は30歳になったが、清浦夏実は25歳になって、なんだかオトナの女性の色香も漂う。しかしそんなことより吉良知彦、享年56歳である。残念だ。いろんな人が死んでいくなぁ。ていうか、みんな死んでいくんだけど。『家売るオンナ』第1話より。



万 智「今日生まれた赤ちゃんです」



万 智「この子たちは生まれたばかりですが、今日から死に向かって生きていきます」



万 智「人が生まれたってことは、いつか亡くなるってことだからです」



万 智「この赤ちゃんも、あなたも、私も、あなたのお母さん、お父さんも、いつか亡くなる。そのことから、誰も逃げられません」



万 智「だから、お祖母ちゃんが亡くなったことは悲しいことですけど、特別なことではないんです」



万 智「いま生きている者は、亡くなった人の想いを乗り越えて、強く生きていかなければいけないんです」



万 智「子どもだからって、甘ったれてる場合ではありません」



万 智「泣いたって、亡くなった人は帰ってきませんよ」



万 智「でも、亡くなることは生きることの続きで、敗北ではないんです」



万 智「お祖母ちゃんは、あなたが元気で生きていくことを望みながら、亡くなったと思います」



万 智「これから、ご両親と新しい家を見に行きます」



万 智「一緒に見に行きましょう」


 私自身にとって家を買うとはつまりローンを組むことだったし、そうなると必然的に、定年とか生涯収入とかを計算し、子供たちの行く末を考え、最終的には自分はいつごろ死ぬのかなという話になってくる。だから不動産屋の北川さんがここで顧客の子供に「死」の話をするのは、至極まっとうなコミュニケーションのあり方だと思う。
 まあともかくそんなこんなで、私がだらだらと『黒い樹海』のレビューを続けている間にも色々あった。
 脱線した。仕切り直そう。今回のブログのマクラ話は、小松彩夏→アミューズ→さくら学院→武藤彩未→競馬→『馬子先輩の言う通り』→小松彩夏というサイクルになる予定だったけど、武藤彩未の次に沖井礼二が出て来て変な方向へ流れた。



 武藤彩未のお父さんは武藤善則という元ジョッキーの調教師で、武藤彩未も小さいころから馬と親しんで育った。そういえばそういう女の子がヒロインのドラマがあったよね、という流れになるはずだったのだ。

2. 『馬子先輩の言う通り』


 私は最近『馬子先輩の言う通り』をはじめて全話視聴した。これ『M14の追憶』で小松彩夏出演部分を中心にレビューしてくれてたんだけど、なんか途中で立ち消えちゃったんだよな。



 主演の大野いとの、何かしら不幸を背負っていそうなたたずまいが、大家さんのお気に召さなかったのかも知れない。どれくらい不幸を背負っていそうかというと、三池崇史監督の昭和歌謡ミュージカル映画『愛と誠』(2012年、角川・東映)で、学校のトイレで自分でミラーボールを手に持って藤圭子の「夢は夜ひらく」を歌う姿が実にハマっていたくらいだ(どういう状況だよ)。



 競馬が大好きで、いつも馬のことばかり考えていて、人間の男には興味ゼロのOL、馬子先輩(大野いと)25歳と、そんな馬子先輩に一目惚れして、何とか馬子先輩を振り向かせようと、ゼロから競馬の勉強を始めた会社の後輩、岡部豊(松島庄汰)23歳と、二人の不器用な恋の成り行きを時には支え、時には叱咤して見守る、セレブなお嬢様の競馬ファン(予想的中率は7割3分5厘)ナミコンピューターこと並子先輩(小松彩夏)。



 他愛のない話だし、「先輩、来週の菊花賞、もし僕の選んだ馬が勝ったら付き合って下さい」と現実のレース前に予想を立てて、結果次第で「付き合う」「付き合わない」のどちらかに進むゲームシナリオ形式が効果的に機能しているかというと、う〜んどうなんでしょうという感じだ。ちなみに、岡部が馬子先輩に初告白した第3話の翌々日に開催された「第76回菊花賞」(2015年10月25日)では、岡部が選んだ4枠(7)スティーグリッツ(内田博幸)が、シロウト目にもあからさまなほどスタートから出遅れて11着。先輩と付き合うどころではない、マンガのようなオチになった。






 勝者は北島三郎がオーナーの馬。並子先輩のナミコンピュータは、ばっちり当てた。まあこっちは後で撮ったんだろうけど(おいおい)。




 というバカみたいな話だが、でも私はシンプルな恋愛物語を最終話まで楽しんだ。競馬がぜんぜん分からないので、ドラマのあちこちにちりばめられたトリビアはまったくピンとこなかったけど、分からないからこそ面白かったのかもな。こっちよ!研究員の感想が聞いてみたい。



 それはともかく、観ていてザクッとしたレビューを書きたい気持ちも湧いてきたんだけど、どうしようかなぁ。とりあえず次回からは本編(実写版DVDレビュー)を再開するつもりですが、ちょっと考えています。少なくとも小松彩夏に関しては新境地開拓というか、彼女の(決して幅の広くない)個性をうまいぐあいに展開したキャラクターで、どうやってこの「並子先輩」というキャラクターが作り上げられたのか、実写版研究者としてはすこぶる興味を惹かれるテーマである。

3. 知ったこっちゃあない


 先日『中日新聞』に出た愛知県の建設会社の話は、ネットでも話題になったのでご存じの方もいらっしゃるかな。


 「匠(たくみ)」と呼ばれる建築士が住宅をリフォームする人気テレビ番組「大改造!!劇的ビフォーアフター」で、改修工事を請け負った愛知県東海市の建設会社が大幅に追加工事費がかかったとして、番組を放送した朝日放送(大阪)や番組制作会社ジャンプコーポレーション(東京)、建築士事務所などに約2900万円の支払いを求め、近く名古屋地裁に提訴することが分かった。放送倫理・番組向上機構(BPO)にも近く、申し立てをするという。(『中日新聞』2016年7月26日)


 なんでも2014年7月に放送した企画で、予算2200万円で岐阜市の古い店舗兼住宅を改修したんだけど、デザインした名古屋の建築士(「匠」ですね)と番組サイドの指示で、後から追加工事が発生して、最終的には総工費5000万円をオーバー。でも差額分について支払いがない、という訴えだそうである。2014年の案件がなぜ今になって表面化したのか、とか、ただのリフォームで総工費が5000万って異常すぎないか、とか、よく分からない点の多いニュースだな。




 『劇的ビフォーアフター』という番組そのものは、何回か観た記憶がある。ウナギの寝床みたいな細長い間取りをもっと広々と使いたいとか、お母さんの腰が悪くなってきたけど、いまのままだと洗濯物を干すのに屋内をすごく迂回しなきゃなんないとか、問題をかかえた家の主人が番組にリフォームを依頼すると、番組から「匠(たくみ)」と呼ばれる建築士が派遣されてきて、独創的なデザインで依頼人の悩みを解決する。
 テレビ的には奇抜な方が受けるんだろうし、実際、リフォーム後の変わり果てた物件を観て「おー」と感動する依頼主とその家族、というところが見せ場なんだけど、まともに考えると「こんなの最初は目新しいけど、実際住んでいるといろいろ不便じゃないのか?」と思うようなデザインも多い。




 実際、リフォーム内容に依頼主からクレームをつける場合もけっこうあるらしくて、番組としてはそういうときには取りあえず「匠のリフォームに驚き喜ぶ一家」の画だけ撮影した後、こっそり追加工事をして普通に作り直すらしい。上記のニュースはひょっとしたらそのへんにまつわるトラブルなのかな。



 で『家売るオンナ』だ。リフォームと不動産売買という違いはあるけど、テーコー不動産新宿営業所の三軒屋万智(北川景子)がお客様に提案する物件と生活プランも、まともに考えると「将来的にどうなの?」というものが少なくない。で、そのへんの問題に対する対処が、回を追うたびに「雑」になってきているのが『家売るオンナ』というドラマの醍醐味(いや雑味というべきか)だと私は思うんだけど、どうかな。



 たとえば第1話。産婦人科医の土方さん(りょう)と脳外科医のダンナ(外川貴博)は、ずっと一人息子(間中斗環)の面倒を見てくれていたお祖母ちゃんが亡くなったので、二人が勤める大学病院近くの新築物件を探している。



 万智は、お客さん夫婦が「予算一億円程度の広々とした一戸建て」を希望しているのに、五千万円の1LDKのマンションを紹介する。セールスポイントは「一人息子のため」である。



 ロケーションが両親の勤務する大学病院にものすごく近くて、ベランダに出ると、病院の屋上が見えて、大声で親子の会話もできちゃうくらい。



 それに息子はお祖母ちゃんを失った寂しさから、広い家に住むよりも、温もりの感じられる親密な近さを求めている。だから子ども部屋もなくて、寝室も両親と一緒で、食事も勉強も、お父さんお母さんがいるリビングキッチンでやるという狭苦しい環境は、むしろ嬉しいのである。


 
 さらにギミックとして、今まで住んでいた家の庭に植えてあったビワの木の鉢植えが持ち込まれる。これは少年にとって亡くなったお祖母ちゃんの象徴みたいな大切な木なのだ。で息子が「ぼくここがいい!」と叫ぶ。



 さすがに冷静な奥さんのりょうは「ちょっと狭くない?」と言うけど、最後は万智の説得に押し切られる。ダンナは最初からマンマと引っかかって「買おう!」と即決。いやいやいや、奥さんの第一印象の方が正しいと思うよ。狭すぎる。



 要するに、ちょっと手狭すぎて買手がつかなかった物件を、大学病院に近いという一点を理由に、そのほか何やかんやと理屈をつけて売りつけたって話です。まあそれでもダンナには最後のセリフで「こいつが大きくなったら、買いかえればいいさ」と言わせているし、これが一応の「言いわけ」となっている。何しろ夫婦揃って大学病院の先生だし、もともと一億の新築を買おうとしていたくらい蓄えはあるのだから、何年か住んで買い換えることはできそうだしな。と、このあたりが納得のしどころ、というか落としどころ。



 次は第2話。売りたい物件はマンションの1LDKと2LDKの二部屋。どちらもエントランス横にある。マンションの入口付近の部屋というのは、人の出入りも激しかったりして、なかなか売れない。



 ここを売りつける相手として万智が目をつけたのは、自宅の一戸建てを売却したがっている老夫婦(猪股俊明・木野花)。それと、顔を出さないが、実はこの家の2階には、もう20年も引きこもり生活を続けているニートの息子(ビビる大木)がいる。



 40歳を過ぎちゃったので社会復帰も難しそうだ。なので老夫婦は、今の一軒家を5000万で売り払い、2500万円程度のマンションに引っ越して、差額を引きこもりの息子に遺しておきたいと考える。
 でもその程度の蓄えでは何年も生きられないだろう。代わりに万智は、1LDKと2LDKの二部屋を、まとめて4500万円で買うプランを提案する。で、老夫婦と引きこもりは2LDKの部屋で暮らし、1LDKのほうは賃貸して、引きこもりはその賃貸収入で生活する。引きこもり大家さんである。これだと息子は100歳まで今のままで生活していける、いうのが万智の計算である。



 老夫婦はともかく、問題は引きこもりニートのビビる大木である。万智は直接交渉を申し出て彼の部屋に乗り込み、段ボールをかぶってガードを固めた大木を説得にかかる。







 これだけの美女に、段ボール一枚隔ててここまで迫られれば、それはDAIGOだろうがビビる大木だろうが、世界中の男は落ちるよ。というわけで契約成立。
 だけどこれだけだったら視聴者としては当然、そうは言っても「引きこもりが賃貸収入で悠々自適生活プラン」なんて、そんなにうまく行かないもんだよ、と思うよね。そこで脚本は、ちょっとした暴挙に出た。



 ラストでいきなり「3年後」というテロップが出る。万智が物件を売ってから3年後、ビビる大木のブログをまとめた本「ひきこもり大屋のハッピーライフ」が単行本化され、世の引きこもりに新しいライフスタイルを提案する啓蒙書としてベストセラーになっているのだ。



 万智の提案は大成功、ということであるが、連続ドラマのセオリーとして、最終回でもないのにいきなり「3年後」ってそれありか、とは思うよね。



 そして第3話。あらゆるものを捨てまくって、断捨離が生き甲斐みたいになっているミニマリスト男子(中野裕太)と、典型的な「整理できない女」で、部屋中がものであふれている汚部屋女子(はいだしょうこ)。




 二人は以前付き合っていたけど、とにかくライフスタイルが極端に違いすぎるものだから別れてしまった。でも本当はまだお互いに未練たらたら。それがたまたま、二人とも引っ越ししたいと思って頼んだ相手が同じテーコー不動産だった。万智は汚部屋女子の部屋に落ちていた写真を見て二人が元恋人同士であることに気づく。そこでこのカップルにヨリを戻させて、なかなか売れない極小の3階建て物件を売りつけることを思いつく。



 どういうプランかというと、一階の三畳の部屋でミニマリストの男が断捨離のミニマルな生活、三階の六畳の部屋で汚部屋女子が散らかりまくった生活を送るようにすれば、二人はそれぞれ異なるフロアで、今までどおりの生活を続けられる。





 で、二階のキッチンが二人の共用スペースである。



万 智「キッチンで愛を確かめあって頂けます」



万 智「寝室よりもキッチンのほうが燃え上がるとおっしゃる方もおいでですので」


 AVの話をしているのか、それとも新婚の自分のところの話か。なんて下世話ですみません。



 この回は、三十路を越して人妻になった今もなお清楚感ただよう「うたのおねえさん」はいだしょうこが、中野裕太と激しいキスを交わしたり、「キッチンで愛を確かめあう」なんて言葉に深く納得するのを観てドキドキできるところがポイントなのだが(そうか?)お話自体は、過去二回以上に無理のある解決法だ。はいだしょうこの汚部屋女子のスペースはすでにモノで溢れかえっているので、遠からず階段から二階のキッチン、そして一階へと浸食していくように思われる。ていうかそこまで行く以前の段階で、このライフスタイルの違いすぎる二人の間には、また何らかの亀裂が生じるだろう。それに対する万智の見解。



庭 野「これでまたあの二人が不幸なことになったらどうするんですか?三階からモノがあふれてもう……」



万 智「そんなこと私の知ったこっちゃあない」




万 智「私の仕事は家を売ることです」




庭 野「え〜っ……」


 第1話、第2話までの万智は「家を売ることだけを考えているようで、その実お客さんの将来の人生も熟慮しいるのかも知れない」と思える余地があったけど、第3話にいたっては、もう言い訳の余地もない。というか、そもそも言い訳などしていない。このバッサリ吹っ切れた小気味よさもあって、ドラマ『家売るオンナ』は期待以上の好調ぶりである。へんにシリアスになったりせず、どうかこのまま行って欲しい。
 てことで、本日はこのくらいで。