【はじめにお詫びとお断り】来週末は東京に出張で、土曜の夜は六本木で接待とかやっちゃったりする。日曜日の昼ごろには名古屋に戻って来られそうなんだけど、そのあとKNUのライブもあるみたいだし(苦笑)すみませんがたぶん、週末のブログはお休みさせていただきます。
Dream5の玉川桃奈が、4月30日をもってグループを卒業し、芸能界を引退するそうだ。
「アイドル戦国時代」の終わりの始まりともいえる今シーズン、私は、アイドリング!!!に続いていくつかのグループがやむなく解散する、という流れを想定していたが、現実には、中小グループ内部でのメンバー構成見直しが始まっている。
桃奈の場合、リストラではなく本当に自分の夢を追うための脱退なのかも知れないけど、なんにせよ淋しい話ですね。楽しい歌と踊りをありがとう。夢に向かってがんばれ。
1. だーりお快進撃
さて、前回コメント欄でも話題になったように、内田理央の勢いが止まらない。
平成仮面ライダーは、男優さんということでは、シリーズ当初のオダギリジョーや要潤を始め、次々とスターを輩出している一方、ヒロインではなかなかブレイクする人がいなかった。秋山莉奈や芳賀優里亜みたいに、限定された支持層から高く評価される人がちょっといるくらいで、一作で消えてしまう人も少なくなかった。
それがだんだん、森カンナや清水富美加みたいに、朝ドラやCMやゴールデンの地上波にも普通に進出する女優さんが出てくるようになって、で内田理央だ。
この子はどちらかといえば秋山莉奈・芳賀優里亜の路線だと思った。『仮面ライダードライブ』のヒロインは、ほとんどコスプレみたいな婦警さんだったし、ドライブ以降の初ヒロイン映画が『血まみれスケバンチェーンソー』で、タイトル通りセーラー服のスケバン姿でチェーンソーを振り回して血まみれになって、しかも下は素足にゲタ履きでスカートの中はフンドシというインパクトのあるコスチューム。
なのに本人は、けっこう楽しげですらある。プライベートの趣味は漫画とアニメで、『血まみれスケバンチェーンソー』も、ヒロインのオファーを受けた本人が、原作漫画を読んで「面白い、やってみたい」と快諾したんだそうだ。
そして『掟上今日子の備忘録』。前に紹介したけど、ヒロインの新垣結衣は、一日ごとに(正しくは一回睡眠をとるたびに)記憶がリセットする「忘却探偵」で、コスプレのような白髪にメガネがトレードマーク。一方、内田理央の役は、ヒロインが住んでいる下宿兼カフェの店員で、可愛い容姿に似合わず武術の達人という、まるでライトノベルのような設定の話である。いや実際、原作はライトノベルだったか。とにかくある種のファンタジーというか、特撮っぽいテイストのドラマである。新垣結衣だって特撮出身女優だしね。
しかし客観的にいえば、北川景子や新垣結衣を「特撮出身」と認識する人はそんなにいないだろう。それに『掟上今日子』は早朝でも深夜でもない。日本テレビの地上波で土曜夜9時のゴールデンタイムの放送である。立派なメジャーだ。さらに驚くべきは、『仮面ライダードライブ』のレギュラー放送が終了したのが2015年の9月末で、『掟上今日子』はその翌月から始まっている。ライダーのヒロインが番組終了後、途切れなくゴールデンのドラマにレギュラー出演できた例って、そんなにないと思う。しかも最終回では、彼女が、ヒロインの掟上さんがなぜこの下宿に住んでいるのかという、シリーズの中心的な謎に関わるキー・パーソンの一人であったことが判明する。
そして今年に入ってからも、TBS火曜夜10時の『ダメな私に恋してください』で、歳下の三浦翔平と付き合い出した深田恭子に嫉妬するイヤなOL役でセミ・レギュラー出演し、また日本テレビ日曜午後10時30分の『臨床犯罪学者 火村英生の推理』第3話では、事件の中心となる悲劇のヒロインを美しく演じている。
これを快進撃といわずして何というか。そういう意味ではこの人、マニアック路線(秋山莉奈・芳賀優里亜)でありながら、じつはメジャー路線(森カンナ・清水富美加)もしっかり押さえている、といえるかも知れない。
そして、先日このブログでも紹介したばかりの『ニーチェ先生』にも登場してきた。おどろいたな。役は、新たに深夜コンビニバイト仲間に加わった新人の萌ちゃんである。ツインテールにニーハイという、こういうのをアキバ系と呼ぶ……ってことで良かったかな(自信がないので弱気)。
当然、先輩の仁井君(間宮祥太朗)にもいろいろと教えてもらう。これが気に入らないのが、仁井君にぞっこん、というか、すでにストーカーのゾーンに入っている仁井君マニアのコンビニの常連客で、ドラマの語り手、松駒(浦井健治)の友人でもある楓(松井玲奈)だ。般若の形相で萌を睨みつける。
そして様々なホラーな仕掛けで萌を怖がらせ、バイトを辞めさせようとする。
しかしSKE48出身という出自が災いして、つい踊ってしまう。
いや松井玲奈の奮闘を紹介する場所じゃなかったか。内田理央だ。
ともかく、こういうドラマに出ているので、メジャーとはいえ、結局、内田理央のテイストはかなりマイナーである。もしくはマイナーなままメジャーな舞台でブレイクしている。これは事務所の方針というより、本人の個性であろう。なかなか得がたい逸材だ。
2. 良々受難(8年越しの邂逅)
さて今回はDVDレビューはお休みして、これまたコメント欄でyamabosiさんから教えていただいたネタを。でもこのネタにはけっこう古い前日談があるのだ。
2007年10月放送の『働きマン』第3話より。
週刊『JIDAI』の芸能担当記者、小林(荒川良々)は「ホリメグ」ことグラビアアイドル・堀田めぐみ(小松彩夏)の大ファン。
公私混同でホリメグのグラビア・インタビューを企画したところ、なんと編集会議を通ってしまって大喜び。
ところが肝心のグラビア撮影の当日、小林はインフルエンザで高熱を出してしまう。
小林の代わりに取材を任されたのは、ホリメグにまったく関心のない新人の田中(速水もこみち)と、その指導係の松方(菅野美穂)なのであった。
田 中「あーあ。何でオレがコブさんの代打なんすかね」松 方「新人は代打でもなんでもやりましょうね。てか田中、初めてだっけグラビアの写真」田 中「ええ。でも興味ないですけどね、グラドルの撮影なんか」
松 方「興味あるかどうかは関係ない。とにかく愛想良くしててよ」田 中「はい」
マネージャー「お待たせしました」
めぐみ「おはようございます!」
田 中「……すげえ作り笑い……」
松 方「おはようございます。『JIDAI』の松方です」マネージャー「あ、インフルエンザだってね、小林さん」
めぐみ「大変ですね。お大事に、ってお伝えください」
松 方「ありがとうございます」
╳ ╳ ╳
カメラマン「はいはいはいはい」
カメラマン「はい笑って笑って」
カメラマン「はいオッケー」
カメラマン「いいねこれ」
╳ ╳ ╳
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松 方「写真集、新人さんで50万部ってすごいですね」めぐみ「ありがとうございます。あたしも聞いた時はビックリしちゃって」松 方「若者だけじゃなくてサラリーマンや団塊の世代まで巻き込む人気ぶりですが、それについてはどう思いますか?」
めぐみ「ん〜。幅広い層の方々に支持されるっていうのはすごく嬉しいです。でもそのぶんプレッシャーもあるんですけど、みなさんの期待を裏切らないようにがんばっていかなきゃって思います」松 方「そうですか……前向きでいいですね」めぐみ「ありがとうございます」
╳ ╳ ╳
松 方「いやーさすがコブちゃんのイチオシなだけあるわ」
松 方「可愛いし謙虚だし……」
松 方「……胸もデカかった……」
それからざっと8年半後のつい先日、荒川良々はついに念願かなって小松彩夏に出会うことになる。2016年2月放送の『家族ノカタチ』第6話より。
大手文具メーカー「ペンナ」企画開発部の佐々木(荒川良々)は、結婚願望は人一倍あるけどぜんぜん相手ができない。しかし、ある日参加したお見合パーティーでついに彼女をゲット。
久 美「はじめまして。お話よろしいですか」佐々木「ああ……私ペンナ」
久 美「ペンナって文房具の大手ですよね」
佐々木「ええ」
久 美「すごーい」
佐々木「いえ」
久 美「すてきなお仕事ですね」
そしてパーティー終了後の結果発表で、見事に1番と5番でカップル成立!
ついに彼女ができた佐々木は、調子に乗って二人で撮ったプリクラなんかを職場で見せつけて、同僚の永里(香取慎吾)にロコツに嫌がられたりしている。
一方、そんな彼のことを心配する後輩の入江(千葉雄大)。
なにしろ相手が美人で若すぎるし、話がうますぎる。何かウラがあるんじゃないか、というのだ。
その心配どおり、小松彩夏は付き合い始めて間もなく、荒川良々から10万単位の金を借りる。さらにあるデート帰りの夜。
佐々木「じゃあ、ここで」久 美「はい。じゃあ、また」佐々木「はい。また」
久 美「……あの、佐々木さん」
久 美「ちょっとご相談が」
結婚の準備のため、資金として300万円が必要だ、などと言い出したのである。
翌日、銀行から金を下ろし、仕事あがりに彼女に会いに行こうとする荒川良々を、同僚たちがさすがに見かねて「そんなの結婚サギに決まっているじゃないか」と引き止める。
まあこのあと小松彩夏が画面に出てくることはないので、ドラマの紹介はこのくらいにしておこう。ということで、ざっと8年半もの歳月が過ぎているにも関わらず、昔も今も小松彩夏とロクな関係のもてない荒川良々の話でありました。良々がこまっちゃんとハッピーに結ばれる日は来るのであろうか。
3. ゲスの極み譲二
と、ここで、結婚サギならおれにもやらせろと、なぜかしゃしゃり出てきたのがマスター渋江譲二。ちなみに山下智久のドラマになった漫画『クロサギ』によれば、カモを騙して金銭を巻き上げるのが白サギ、異性を餌として心と体を弄ぶのが赤サギってことだけど、結婚サギのたぐい(異性を騙して金品を巻き上げる)のも「赤サギ」らしい。すみませんどうでもいいか。
『ヒガンバナ 〜警視庁捜査七課〜』(日本テレビ、金曜夜9時)というドラマは、女性が絡んだ事件を専門に捜査する、女性刑事だけで構成された捜査七課、通称「ヒガンバナ」の活躍を描く刑事ドラマ。
腕の良い監察医とかITに強い鑑識捜査員とか天才的プロファイラーとか、みんな才能はあるけどワガママで個性的。……って、そういう設定は、ちょっと前の『ST 赤と白の捜査ファイル』なんかと同様で、ルーティンなので可もなく不可もない。あとは脚本とキャラクターの描き方次第なんだけど、私はちょっと、このドラマはイマイチ乗れないなぁ。
ともかく『ヒガンバナ』第4話(2016年2月3日OA)である。ちなみに脚本は『モップガール』『LADY 〜最後の犯罪プロファイル〜』で北川ファンにはお馴染みの荒井修子。
今回のエピソードは、公園の池で爆発が起こる事件があって、先端科学研究所の女性研究員が巻き添えになって死ぬところから始まる。(被害者の研究員というのは、この間までウルトラマン関係で副隊長をやっていた月船さらら。)
で、渋江君は被害者をたぶらかしてお金をせしめていた結婚詐欺師。月船さららは殺される当夜、身体の不調を訴えていたのだが、それは渋江君の演ずる金沢という結婚詐欺師が農薬を仕込んだせいであった。ていうことは彼女を殺したのも渋江か?
警察は写真に顔も残さず行方をくらましていた渋江を、似顔絵を作ったりしながら捜索し、身柄をなんとか確保する。
黒 田「成川和人……本名金沢卓郎。このライターあんたのやな」
金 沢「そうですよ。だけどオレは曜子を殺してないよ」
金 沢「あいつ結婚結婚うるさくて、あの農薬が具合悪くなるの知っていて嗅がせたの。弱ったところを石段から突き落として入院でもすれば、しばらく会わずに済むかと思ってさ」
峰 岸「女をなんだと思っているの」
金 沢「曜子はいい金づるだったんだ。パトロンから金ならいくらでも引き出せると言ってたし」柳 「パトロンて誰?」
金 沢「なんだっけ……裏山で言っていたんだよ」峰 岸「裏山ってどこ?」
金 沢「研究所の裏。そこでジロウだかガジロウだかがどうとかって言っててさ」黒 田「ガジロウ?」
金 沢「オレ曜子の上司の教授がやったんじゃないかと思うんだよね。曜子のヤツそいつと不倫してたからさ」
峰 岸「なるほど。お気に入りってわけね」
金 沢「殺したりなんかしないよ。オレにとって女は可愛いATM」
峰 岸「ふざけるな!」
どうだろう。渋江君がここまでひどい男を演じたことって、ないんじゃないかな。時代がゲスな方向に流れていると見るや上手に乗っかって、かなりいけてるゲス演技を見せたマスターのトレンディぶりが冴えていた。
4. さようなら世界夫人よ
というわけで今回はお終い。なんかいろんなドラマの断片ばかりだったね。
ところで、小松彩夏が新人グラビアアイドルを演じた『働きマン』だけど、あのあともうちょい、こまっちゃんの出番がある。
速水もこみちは、もっとおしゃれでスタイリッシュな雑誌の編集がしたくてしようがなくて、水着アイドルのグラビア記事なんてダサくてやってらんねーぜと思っている。ところがそんな彼のところに、「小松彩夏は実は有名なカリスマロック歌手の隠し子だ」という驚きのスクープが飛び込んでくる。
実はこれ、「私は小松彩夏と腹違いの妹だ」という虚言癖のある女の子(吉木りさ)が、夜の街で誰かれかまわずに打ち明けている業界では有名なデマ。ところが浮き足立った速水もこみちは真に受けて、「伝説のロックミュージシャンと人気のセクシーアイドルの組み合わせ。これならオレのやりたいようなスタイリッシュなグラビアができる!」と盛り上がってしまう。
でその、もこみちが妄想するグラビア記事のなかで、「希代のカリスマロックミュージシャン」というのを演じているのが頭脳警察のPANTAだったんでビックリした。
今から8年前のドラマではありますが、PANTAとビキニの小松彩夏という珍しい組み合わせなんで、最後にちょっと紹介しました。では。