1. ピンクのパンダにあいたいな
『おかあさんといっしょ』の「うたのおねえさん」は30歳を越えないうちに卒業する、というのは、自分から言い出すか、スタッフから肩たたきがあるか知らないが、たぶん何となくできている暗黙の了解みたいなものなんだろう。先代のはいだしょうこお姉さんは3月生まれで、満29歳になった2008年3月の末をもって卒業、現お姉さんの三谷たくみさんにバトンタッチした。そのたくみお姉さんは5月生まれなので、ひょっとしたら昨年あたりで辞めるのかなぁと思っていた。……という話は昨年の今ごろ書いた(【第505回】参照)。でもまあギリギリまで引っ張って、あと一カ月ちょっとで二十代にさよならするという3月いっぱいをもって、ご卒業の運びとなった。十分やりきった、という感想は心からのものであろう。
音大在学中のオーディション合格という(たぶん)前例のない抜擢であったため、8年にもわたって「うたのおねえさん」を務めたことになり、これは文句なしの歴代最長記録だ。四月からの新しいおねえさんも在学中だそうだが、大学院だって。
お兄さんの方は継続。お姉さんがチェンジしたのにお兄さんがノーチェンジという例も珍しくて、森みゆきお姉さんと神崎ゆう子お姉さんをまたいだ坂田おさむお兄さん以来だと思う。
もうひとつは人形劇。
『ポコポッテイト』に替わり、4月4日(月)から『ガラピコぷ〜』が始まります。
水と緑が豊かな惑星「しずく星」で暮らす、ワクワク元気なチョロミー、心の優しいムームー、遠い星からやってきたロボット・ガラピコのお話です。どうぞお楽しみに!
う〜ん、ルックス的に微妙な気もするが大丈夫か? わずか二年の短命に終わった「モノランモノラン」の轍を踏まないことを祈ります。
2. 舞原慕情
ということでDVDレビュー、Act.13。前回は鴨川で海を見つめる二人、というところまででした。
ごめんね。わざと間違えました。
衛 「今から帰ったら遅くなるな。シンには明日渡せばいい」うさぎ「うん」
うさぎ「あ、あれも買っていこうかな」
台本には「止めたバイクに戻ってくる二人」「売店に売っている中華まん」というト書きがある。バイクが停めてあるかたわらに何か売店があって、店先の中華まんがアップで写る。思わず買いたくなっちゃううさぎ、という感じですね、シロウトのイメージでは。しかし舞原監督は引きの映像のままである。
衛 「あんなの海に関係ないだろ」うさぎ「(構わず)すいません、これひとつ!」
このあと台本は「中華まんを受け取るうさぎは、半分にして衛に差し出す」「受け取る衛。バイクを間に挟んで黙々と食べる二人」と続く。このト書きから舞原監督が作り上げた画面は次のとおり。
うさぎ「ちょっとは、ありがとって言うか」
お小遣い使い果たしちゃったから二つ買えない。ひとつを半分ずつっていうことですよね。いいですね。肉まんかな。あんまんかな。まさかピザまんってことはないだろうね。とにかくこのシークエンスは、舞原監督らしさにあふれています。舞原監督って、海岸に何か思い入れでもあるのだろうか。
3. クンツァイト覚醒
その夜、洋館でひとり膝を抱え窓越しに月を見上げるシンに怪しい変化が。
ダーク・キングダムでは、ベリルに息を吹きかけられた白い花の蕾が見る見るどす黒く染まっていく。
再び場面が洋館に戻ったとき、シンの姿はすでになかった。
そして夜の街。携帯で誰かと話をしながら歩いているアユミ。
演じているのは國光レイナ。Act.3の巫女さん連続失踪事件のとき、火川神社でレイに詰め寄り「もうやめるって約束しなさいよ。アンタのせいで、みんな行方不明になったんだから!」と非難していた子である。Act.3ではレイと同じ制服を着ていたけど今回は違う。あれから転校したのかもね(笑)。
國光レイナはもう芸能界からは身を退いたみたいだけど、背の高い方の「金子瞳」さんは、ひょっとすると当時から『アニー』(2003年版)でダフィ役などを演じられ、現在もミュージカル女優の道を歩んでいる金子ひとみさんと同一人物なのかも知れない。実はよく分かんないので、詳しい情報をご存知の方がいたらご一報ください。
携帯での会話に気を取られていたアユミがふと気づくと、前方に男のシルエットが。
男は自分の髪の毛を白い手袋をはめた掌に乗せて、吹き飛ばす。
すると髪の毛はアユミの首に食い込み、アユミの瞳は異様な色に光るのであった。
てなことでBパート終了。今回はこんなところで。