実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第552回】DVD第4巻:Act.13の巻(8)



理不尽な謝罪は男の勲章。
とか思わないとやってらんないよな。

1. オールアップあれこれ



 さて前回のコメント欄に、いくつか気になる書き込みをいただいた。まずなんといっても「イモ版を彫る北川さん」やら「セーラーマーズのウィッグをかぶる北川さん」の動画が世の中に存在する、という事実である。いや「イモ版を彫る」ではなく、厳密には「掘り終えたイモ版を見せる北川さん」か。ともかく『ビビット』という朝の情報番組で、結婚報道の時にオンエアされたようだ。この事実にも驚いたが、yamabosiさんもNakoさんもきちんと録画しているというのがまたすごい。そんなレアな映像、またいつぞやみたいに『BUBUKA』に流出画像が出たりしないかな。期待したい。



 それからこっちよ!さんの書き込みがきっかけで戦士たち(とその他)のオールアップ映像を観直したんだが、これも改めて確認するとちょっと不可解である。結論から言うと、ACT. ZEROはたぶん、全体的にはSpecial Actより先に撮影されているが、ただ同時進行に近いところもあったようだ。だからスケジュールあるいは追加撮影の都合で、ACT. ZEROのカットでオールアップ、という人もいる……と考えればいいのかな。
 ともかく、基本的に戦士のみなさんの全撮影終了はSpecial Actなのだが、北川さんだけ違う。まず沢井さん。




 沢井さんはご覧のとおり、復活した黒木ミオに閉じこめられた牢屋の前でオールアップ。
 次は里香(当時は「梨華」)。




 これもご覧の通り、うさぎの危機をルナから知らされ、アメリカの病院を飛び出していくシーン。
 次が安座間さん。




 自分のフラワーショップで、やはりルナから知らせを受ける。
 次はこまっちゃん。
 



 これはエンド・クレジットだね。どこかのスタジオで歌う美奈子。
 と、ここまでの戦士たちはみんな、Special Actで撮影を終えていることがわかる。しかし北川さんだけがACT. ZEROなのである。本人が「私は高丸組(Act. 3)に始まり高丸組(ACT. ZERO)に終わる」と言っているんだから間違いはない。




 「高丸組に始まり」ってったって実際には、放送開始前のメイキング番組で明らかなように、高丸組の撮影が始まる前に、田崎監督から絞られているんだけどね。







 それはともかく、北川さんだけがACT. ZEROでオールアップ。ほかにACT. ZEROで終わっているのは、河辺千恵子・平井愛子・清浦夏実の三人娘くらいか。




 もうひとつ、ちょっと気になることがある。いまの場面を見ていると、なる・香奈美・桃子にうさぎが花束贈呈をしているんですよね。



 同様に、黄川田君のオールアップでは、ラストでフィアンセとなった安座間さんが花束を贈呈している。




 ついでに、黄川田君がコメントしているところに渋江が無理やり入り込む。



 それから最初の沢井さんのオールアップの様子を見ていると、背後にそっと見守るように渋江譲二が映り込んでいる。



 というように、オールアップ場面では、共演者たちが一緒に映ったり、花束を渡したりしている様子がほほ笑ましいのです。ところが小池里奈のオールアップ。



 実はこの場面で、小池里奈は北川景子とがっつり共演しているのだ。



 でもオールアップの場面に北川さんがいない。気配もない。つまり、まず北川景子と小池里奈が絡む場面だけ撮って、北川さんは先に上がり、小池里奈だけ残って一人のシーンを撮ってオールアップ、ってことなのかな。



 よけいなお世話だが、北川さん、里奈の撮影が終わるのを待って、花束を渡してあげればよかったのにね。なんか小池里奈が、ちょっとボッチな感じである。
 そもそもこのSpecial Act は火野レイだけが最後の戦闘シーンに参加せず変身もしない。明らかに別枠扱いだったし、そういや「握手会事件」なんていうのもこのころではなかったかな。北川景子を引き抜いたスターダストプロモーションは、彼女のキャリアから露骨にセーラームーンの影を払拭したがっていて、このオールアップの謎にも、何かそのあたりの事情が絡んでいるような気がするね。
 まあしかし、北川さん本人がブログなどで、一貫してセーラームーンをデビュー作として公言し続けてくれたせいで、いまでは結婚報道にイモ版の映像が使われるほど、事務所の規制もおおらかになった。人間やはり気持ちにブレのないことが大切だ。事務所に頭は下げても心の頭は下げるな。がんばれ中居正広(何の話だよ)。
 

2. けんかするほどラブラブ


 さてAct.13の続き。
 亀吉を見つけてくれた謎の青年シンが記憶喪失であることを知ると、うさぎはさっそくレイに電話をかける。霊感で何か分かると思ったのか、それともたんに頭が良くて頼れるからレイに相談しようとしたのか、いずれにせよ火川神社ではまことと亜美が初詣でに向けてレイの準備のお手伝いをしていて、それどころではない。



うさぎ「ええっと、こっちはダメだったけど……、大丈夫、私、何か考えるね」



 衛 「おい!」



シ ン「ホントにいいんだけどな……思い出さなくても」
 衛 (こいつも……俺と同じ)


 と、ここでAパート終了。
 でCM明けは、あてもないくせにずんずん街を歩くうさぎと、その後をつけていく衛。うさぎはずーっと衛の存在を意識していて、ついに立ち止まって振り返る。







うさぎ「ちょっと、何で付いてくるのよ。帰れば?」



 衛 「心配なんだよ」



 思わずドキッとしちゃううさぎ。
 でも実はここ、AパートとBパートの間、うさぎがシンの家を飛び出したところで、台本では次のようなやりとりがある。


足早に出て来るうさぎ。
それを追って来た衛が呼び止める。
 衛 「おい、待てよ」
うさぎ「何よ」
 衛 「お前、ホントにあのシンってヤツに何か思い出させるつもりか?」
うさぎ「そうだよ。悪い?」
再び歩き出すうさぎを、衛が追う。
 衛 「本人がいいって言ってるんだぞ。ほっといてやれ」
うさぎが振り返る。
うさぎ「何それ。何にも覚えてないんだよ? そんなの……」
╳    ╳    ╳
フラッシュ。
タキシード仮面の顔。
╳    ╳    ╳
うさぎ「何とかしてあげたい。ほっとけないよ!」
うさぎが憤然と歩き出す。
見つめた衛が後を追う。


 台本はここで、うさぎの一途な善意を改めてダメ押し的に強調する。そして衛はこういう、うさぎの心の清らかさに心を打たれ、しかし世間知らずの純情に心配にもなって、ついうさぎのあとをつけてしまう。こういう説明があった方が、話の流れはスムースである。でも舞原監督は、このやりとりをまるごと削除してしまった。そうしたら完成作品の衛は、ほとんどただのストーカーみたいになってしまった。
 でも、尺の問題もさることながら、おそらく舞原監督は、もうそんな説明は要らないくらい物語に入り込んでしまっているんだね。すでに衛は、シンが記憶喪失と聞いてからのうさぎの反応とその一連の行動に心を打たれている。だから彼女がシンの家を飛び出したときには、自然と身体が反応して後を追ってしまった。それ以上フォローのセリフを入れる必要なんかないじゃない。情熱的な舞原監督の解釈ではそうなるわけね、たぶん。
 で思わず「(お前のその純情なストレートさが)心配なんだよ」と言いかけた衛だけど、ちょっと恥ずかしくなったので「お前がアイツを困らせるんじゃないかと思ってな」なんてかぶせるのである。



うさぎ「ちょっと、何で付いてくるのよ。帰れば?」



 衛 「心配なんだよ」



うさぎ「え……」



 衛 「お前がアイツを困らせるんじゃないかと思ってな」



うさぎ「そんな事するわけないでしょ!」
 衛 「じゃ何するつもりか言ってみろよ」
うさぎ「だから……」





シンの声「花……白い花とか、緑、それに海とか……」



 と、衛を無視してうさぎはひとり、近くに見つけた花屋にスタスタ入ってしまう。

3. オーバーレインボーツアーまで


 それからしばらくして、うさぎは、いっぱいの花束を両手に抱えて店を出てきた……といいたいところだが、うさぎの予算の都合で白い花一輪。
 でも衛の手前、強気な姿勢は崩さない。



うさぎ「……シン君はね、花とか自然とかが好きなの……」
 衛 「……それ見せるだけか?」



うさぎ「他にも、森とか、海とか」
 衛 「あいつは外に出たがらない」



うさぎ「わかってるもん。いい考えがあるの!」


 再びなにやら探し出すうさぎ。そんなうさぎを放っておけず、ちょっかいをかける地場衛。ケンカしながらだんだん親密の度合いを深めていく二人。
 このあたり、ベタな少女マンガのノリで、私はわりとこういうのが生理的に合うんだけど、ダメな人は、ちょっとAct.13を楽しむのは辛いかもしれませんね。
 うさぎは地場衛を半分無視したまま、あちこちのお店に首をつっこみ、シンが自宅にいながら、花とか森とか海とか、自然を楽しめるようにするために、どうしたらいいか考える。で、アートギャラリーに飾られた自然画とか、自然の光景をとらえた写真集とか、環境もののDVDとか、けっこう面白いアイテムに目をつける。だが、いかんせん持ち合わせがほとんどがない。






うさぎ(いち、じゅう、ひゃく、せん、まん…………)


╳    ╳    ╳




うさぎ(7,800円!?……あちゃー)



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 ということで、結局うさぎに買うことができたのは、最初の一輪の花に加えて、海と森の絵はがき一枚ずつ。



うさぎ「これ、ください!」



 いつもは脳天気なうさぎも、さすがにこの結果にはがっくり。いつもくだらないことにお小遣いを使ってしまい、肝心な時に残っていない自分のふがいなさにため息をつく。で、衛はそんなうさぎを、どうしても放っておけなくなってしまう。






うさぎ「何よ……、これだって何かヒントに……」



 衛 「確かに、花の匂いとか、感覚に訴えるのはいいかもな」



 と、うさぎの花を手にしたまま、スタスタ歩いていってしまう。しかたなく後をついていくうさぎ。どこへ行くのか。衛のバイクのあるところだ。そしてちょっと気になり始めていた男の人から、いきなり海までツーリングに誘われちゃった純情な月野うさぎ十四歳、中二。



うさぎ「え……?」



 衛 「海なんだろ、アイツが好きなの」



うさぎ「あ、うん」
 衛 「早く乗れよ」



 さあここからオーバーレインボーツアー。
 いやぁ良いですねえ。くりかえすようだが、少女マンガ的感性がないと、このあたり観ていてつらいかも。私は大好きだけど。
 てことで、今回はこの辺で。以下次回へ。



オマケ画像
問題のイモバン(コメント欄参照のこと)