実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


最新記事〕 〔過去記事〕 〔サイト説明〕 〔管理人

【第545回】DVD第4巻:Act.13の巻(3)


 黒木マリナ時代を支えたセーラージュピター、木野まこと役の渡辺舞だが、最近よくテレビで見かける。沢井美優も最初のころ出ていた『LOVE理論』とか、『仮面ライダーゴースト』とか(観ていないけど)『ワイルド・ヒーローズ』とか、いまやっている新しい『南くんの恋人』にも出ているという。



 で、前回ほめた『掟上今日子の備忘録』の第8話(2015年11月28日、日本テレビ系)にも、けっこう重要な役でゲスト出演していた。いやしかしこの人、すごくキレイになったなぁと思う。ジュピターやっていたころは、顔だちとか整っていたぶん、クールすぎて可愛さが足りない気がしていたが、今はホントに美人さん。

1. まこちゃんはストレート


 さて前回のレビューはワンシーンだけで終わってしまった。ようやく戦士5人がそろったと思ったら、ヴィーナスはしばらく単独行動を続ける、というくだりでしたね。
 ところで、前回Act.12は、冒頭のクラウンのシーンは4人がいたけど、その後、うさぎと美奈子の影武者物語を終えて、最後に変身した戦士たちが集ったときには、ジュピターが欠けていた。だからこのAct.13の冒頭で、まことはこう言ったのだ。



まこと「私も会いたかったなぁ」

 だけど、じゃあ彼女は前回のクライマックスのとき、どこでどうしていたのだろう。
 身もフタもないところから話すと、そもそも実写版セーラームーンは、アニメ版のように、常に必ず全員が揃って戦うというふうになっていない。テレティアで招集をかけて、とりあえずそのとき都合のついたメンバーで戦う、という感じ。まあアニメ版というよりは、いわゆる戦隊もののお約束を破る試みであったといえるだろう。ちなみに普通のスーパー戦隊の場合、ドラマパート(正味15分弱)はエピソードごとに特定のメンバーがクローズアップされることも多いが、そのあとの戦闘シーン(巨大ロボット戦も含めてだいたい7〜8分)は、ほぼ毎回全戦士が出てきて戦う、なんてことはみんな知ってるよね。
 では実際、Act.6でヴィーナスを除く4戦士が全員出そろったあと、戦闘シーンでの戦士たちの欠席状況はどういう感じか。

Act.07遊園地デートで亜美はお休み。マーズは亀仲間の高井君(に憑いた妖魔)に不意をつかれ変身せず
Act.08ナコナココンテストに不参加で亜美がお休み。
Act.09亜美がレイの助手ということで巫女姿になって、レイはお休み。
Act.10全員参加でベリルと初対面。
Act.11全員参加だけどゾイサイトに操られた三人がセーラームーンを攻撃。
Act.12ジュピターが出てこない。

 つまり亜美→亜美→レイ→欠席なし→欠席なしという順序で、そう考えると、まことをAct.12あたりで休ませるというのはローテーション的にも妥当なところである。
 でも上に見るように、亜美やレイがその場にいない理由は、ドラマを観ていると「亜美は塾があってデートには来ないから不参加」とか「レイは霊感少女として特別視されるのがいやだから不参加」とか、それぞれ分かりやすいのだが、まことはよく分からない。
 たぶんそのことへの反省だろう、Act.33、マーズが美しい深夜戦では、半分寝ぼけて出動しかけたまことは、マンションの駐輪場で自転車をドミノ倒ししてしまい、間に合わなかったことになっている。これもなんだかムリヤリな説明だ。








 以上、亜美やレイは屈折しているぶん、その場にいなくても「何かあるんだな」とか思えるし、いろいろ理由づけも簡単だ。だけどストレートな性格のまことは、仲間が戦っているとなればすぐに駆けつけるタイプなので、かえって不在の理由が説明しづらいんでしょうなぁ、という話でした。

2. 覗くカメラ


 あこがれのプリンセスには会えたものの、どうやらそう簡単に行動を共にするわけにはいかないみたいである。 



ヴィーナス「私には、プリンセスとしてどうしてもやらなきゃいけない事があるの」


╳    ╳    ╳



ル ナ「私たちは私たちで敵から地球を守りましょ」



一 同「うん」


 ここでのカメラの動きも舞原賢三らしい。ふつうだと、4人が「うん」と言ったあと、「でもなぜだろう」といった表情で、ヴィーナスの席に目を向ける。するとカメラが彼女たちの視線を追って白い椅子をとらえる、という流れになるんだろう。でもこの場面の戦士たちの視線は、基本的には思い思いの方向を向いている。だからカメラは舞原監督の視線と同一化して勝手にパンする。とくにクラウンの場面では、こういう舞原監督の主観映像的なカメラワークが多いような気がする。少女たちの聖域をあれこれ探索するおじさんの視線。ほとんどストーカーである。



 というわけで、台本のト書きには椅子のことはまったく書かれていないが、画面には主人を待つ白い椅子がズームアップされる。 ん? 白? なぜヴィーナスの色であるオレンジではないの? と思ったあなた、この椅子が主人のコスチューム・カラーであるオレンジ色に変わるのを見たければAct.47まで待たなければならない。しかもそのとき、逆にヴィーナスは死出の装束として純白のドレスを身にまとうのだ。






 もっと詳しく知りたい方は、だいぶ昔に書いたものだけど【第173回】を参照されよ(ここ)。

3. もう少し進める


 と今回はこのへんで、と思ったら、これでは話が前回のレビューよりまったく先に進んでいないことに気づいた。ガシュン(古いね)。というわけで次のシーンにちょいと進もう。



 ダーク・キングダムだ。ふだんは遠景から始まるが(台本でもそうなっている)今回はベリル様の胸元のアップから始まっちゃいます。



ベリル「ゾイサイトが倒れるとは、さすがプリンセスと言うべきか……」



ネフライト「ベリル様、ゾイサイトが間際に妙なことを……」
ベリル「妙なこと?」



ネフライト「エンディミオン……と」




ネフライト「あのタキシード仮面とか名乗る男に何か……」



ベリル「忘れよ 二度とその名を口にしてはならん!」


 動揺したベリルの一喝で操られてしまうネフ吉。哀れよのう。そういえば先月開催されたという「セーラー戦士以外会」(渋江譲二の命名による)でも、ネフライトいなかったよな。2015年11月5日付け「小池里奈オフィシャル・ブログ」より。


左上から タキシード仮面。ゾイサイト。ジェダイト。進悟。
左下から ルナ(わたし)。脚本家の小林靖子さん。黒木ミオ。



 ちなみに、みんながやっているポーズはBABYMETALの「キツネサイン」ではなくてセーラームーンだからな。





 それはともかく、ネフライトがベリル様の魔術にかかって骨抜きになっちゃって、それでダーク・キングダムのシーンは終わりかと思うと、まだまだ続く。前回も述べたけど、前世で何があったのかの伏線は(回収されないけど)このダーク・キングダムのシークエンスでばらまかれていて、それが第一クール終盤あたりから、回を増すごとに複雑に増えてきている。そのぶん、ダーク・キングダムのシーンも時間が長くなってくる。




ベリル「ネフライト、幻の銀水晶がプリンセスの元にあるとわかったのだ、お前は今まで通り、銀水晶を追え」



ネフライト「……はい……」



ベリル「……エンディミオン……。まさか……」



ベリル「だとしても、すべては大いなる悪を目ざめさせてからの事だ……」



ベリル「四天王最後の一人……。気が進まぬが、使うほかあるまい……」



 さあいよいよ四天王の華、クンツァイトの登場だ。
 と、このへんで本日はお開きということで。