実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第542回】小松彩夏主演『ネオン蝶 第四幕』レビューの巻(その6)



 明日2015年11月15日(日曜)、越谷で小池里奈に会えるらしい。私は先週、法事で埼玉の実家に帰省していたんだけど、惜しかったな(何が?)。


久しぶりのイベントのお知らせです!
越谷レイクタウンで11月15日に行われる「とちぎのふるさと名物商品フェアinイオンレイクタウン」に出演します!!!
12:00〜12:30頃と思われます!!!



場所は イオンレイクタウンmori 1階 水の広場 埼玉県越谷市レイクタウン3-1-1 です。
ぜひ来てくださいね〜〜っ♪


 う〜ん。越谷で栃木の魅力を紹介して、どれほどの経済効果が見込めるかよく分からないが、でも小池里奈はダイエットが功を奏して最近腹筋がうっすら割れてきたそうだ。見せてくれないか。いや、地元おこしのためなら見せてくれるかな。小池里奈だから。



 さて、というわけで、けっこう長々とひっぱってきた『ネオン蝶 第四幕』だがそろそろ完結。でもあまり期待しないでください。話はこのまま、わりと淡々と終わってしまう。
 何度も書くのはどうかと思うけど、これやはり、1話につき1回、1分でいいから、シャワーとかベッドとか、小松彩夏のサービスシーンを入れるべきだった。それは娯楽作品としての義務だったと思う。ユーザーが期待するものを見せれば長続きするし、作品の質も上がる。香川照之と鹿島勤の『静かなるドン』なんて、最初はわりと普通だったけど、5作目を過ぎたあたりからテンションあがって、7作目ぐらいになるとめちゃくちゃ面白くなった記憶がある。
 もし脱いじゃうと女優としてのバリューが下がるから、なんてことを考えているとしたら、それは違うと思う。ダーク・キングダムに行って杉本彩に弟子入りしてみてはどうか。



 ともかく本編です。一夜を過ごした桜子の部屋を出てゆく蓮司。ちょうど佳代がやってくるのとすれ違う。



蓮 司「桜子に会いに行くのか」
佳 代「あなた誰?」
蓮 司「誰だっていいだろう」
佳 代「桜子の何なの?」



蓮 司「別に。何でもねえよ。あいつはまだ寝てるよ」
佳 代「そう」
蓮 司「ひどく疲れてる。しばらく寝かせてやってくれ」


そしてその足でトレゾールに向かう。トレゾールのカウンターでは高杉がひとりグラスを傾けている。



高 杉「君は?」
蓮 司「川口正一郎の……」
高 杉「息子さんか。悪いことしたな」
蓮 司「少し話せるか」


 高杉は自分がどんなふうにして香港マフィアと結びついたかを、蓮司に告白する。



高 杉「おれは昔、事業に失敗して借金を重ね、毎日借金取りから逃げ回る日々を送ってた。そんなとき佳代と再会したんだ。そして桜子という名の娘が生まれたって聞いた。会いたくなってね。でも、情けねえ姿の自分では桜子に会えない、そう思った」



高 杉「それで、古い友人のツテで香港に渡った。がむしゃらに働いたよ。目先の金だけを追って、自分の地位を上げることだけに固執したんだ。そんな時だ、王と知りあったのは。あいつらがあんな連中だって気づいたのは、この店に数億、出資された後だった」
蓮 司「救えねえバカだな」
高 杉「ああ。返す言葉もないよ。いつの間にか自分の足許さえ見えなくなっていた。周りの人間を傷つけ、あげく佳代や桜子まであんな目に……ケリはおれがつけるよ」



蓮 司「あいつらと差し違えるつもりか」
高 杉「あるいはな」
蓮 司「あんたには無理だ。桜子はおれが守る。おれの仕事だ」


一方、佳代も桜子にすべてを話す。母と娘の最後の会話である。



桜 子「……そんなこと知ったって、私、やっぱりあなたたちのことは許せません。許せるわけないじゃないですか」
佳 代「そうよね。でもあの人の気持ちは少しは分かって欲しいの」
桜 子「何が。あの人は私の気持ちを利用して」
佳 代「高杉は桜子を守りたかったのよ。トレゾールに誘ったのも、あなたを近くに置いて守りたかったから。それがあの人なりの親心だったの」
桜 子「……あなたはどうなんですか?お金のために処女を売らせたり、それが親心だって言うんですか?」



佳 代「そうよ。私が教えられることは水商売しかなかった。夜の街でしか生きられない私には、それしか……」
桜 子「……」
佳 代「桜子には私を越える大きなネオン蝶になって欲しい。その気持ちに嘘はないわ」
桜 子「……もう帰ってください……」
佳 代「分かった」




佳 代「ねえ桜子、私、今ではあなたを産んで本当に良かったと思っている」



桜 子「……ずるい。いまさらそんなこと言うなんて、ずるい……」



佳 代「そうよね」



佳 代「元気でね」



 そして再びトレゾール。香港マフィアたちは、高杉の働きの悪さに不満げである。だが、話し合いをしたいと王たちを呼び出したのは高杉だった。テーブルの下には録音装置が隠してあった。



 長らく良心の呵責に苦しんでいた高杉は、ビルの野上オーナー殺しや、川口幹事長収賄事件の真相を語る彼らの会話をすべて録音し、証拠物件として警察に提出し、自分も自首するつもりだったのだ。



しかし、高杉の不自然な様子に不審をおぼえた王たちは録音装置に気づいてしまう。



 拳銃を突きつけられる高杉。そのとき不意に現れた人影があった。蓮司だ。






 でもここで画面はすぐに暗転。次のシーンは、すべてが終わった後で、香港マフィアは全滅して高杉だけが生き残っている。蓮司がどんなふうに凄腕の香港マフィアたちをしとめたのかは、よくわからない。
 クライマックスまで緊迫感を高めておきながら、最後の対決を拍子抜けするくらいあっさりと片づけ、観客に肩透かしをくらわす演出は、実はB級アクション映画の常套手段のひとつである。だからありっていえばありなんだけど、この場合、そんなにテンション高まっていないしなぁ。小松彩夏は脱がないし、見せ場らしい見せ場もないのだから、もうちょっと何とかならなかったのだろうか。



 まあ仕方がない。勝負は一瞬でケリがつき、トレゾールの床には香港マフィアたちの死体が転がっている。そこへ佳代が帰ってきた。



高 杉「いいとこに帰ってきた。いま警察呼んだよ」
佳 代「そう……」
高 杉「佳代」
佳 代「ん?」
高 杉「俺いつかまたさあ、会えるかな桜子に……おれさあ、会いてえよ……桜子に……会いたいよ(泣)」



佳 代「……会えるよ……」


 小沢和義、今作では大人しいまま終わってしまった。



 そして再び桜子のマンション。佳代の会話のあとの余韻も抜けず、ソファでぼーっとしている桜子。



 携帯が鳴る。蓮司からである。



桜 子「もしもし蓮司さん?」
蓮 司「おう桜子か。大丈夫か?」
桜 子「うん大丈夫。ねえ、いまどこ?」



蓮 司「ああ、ちょっとヤボ用でな。でも、もう終わったよ」
桜 子「そう……ねえ、お願い、こっちにきて」
蓮 司「いま向かっているよ」



桜 子「本当?」


 が、そのとき蓮司は、先ほどの撃ちあいで腹に致命傷を負っていたのであった。




 っておい、これ昔の日活アクションていうか、梶原一騎の『愛と誠』っていうか、チンピラとお嬢様の悲恋ものの定石じゃないか。やっぱりこのパターンでまとめたいのか。




蓮 司「本当だ。もう少し、もう少し待ってろ」



桜 子「どうしたの?」



蓮 司「何でもねえ……ちょっと……電話遠いな……すげえ満月だ、観てみろよ」




桜 子「ホントだ。まんまる」



蓮 司「きれいだな……ダイヤモンドみたいだ……」
桜 子「なんかロマンチック」
蓮 司「そういやまだ、フライドチキン食ってねえな」



桜 子「(笑)せっかく誉めたのに。あした行こ」
蓮 司「ああ、行こう。なぁ、あの曲どんなだったっけ、映画の」
桜 子「え(笑いながら口ずさむ)」



蓮 司「そうそう、それだ、続けてくれ」



桜 子「うん……」



 「マイ・オールド・ケンタッキー・ホーム」のメロディーをラララで歌いつづける桜子。小松彩夏はやはり歌う。誰もが、上手いとか下手とかを越えた小松彩夏の歌声の魅力に負けて、出演作では彼女に歌わせるのである。



 ヴィーナスの不思議な歌声を聞き、はるか月の王国シルバー・ミレニアムに思いを馳せながら、蓮司は静かに息をひきとる。



 翌日。「銀座クラブで殺人事件」の見出しの見える新聞が床に投げ出された桜子のマンション。





 抜け殻のようにソファに横たわる桜子。ただ茫然と、蓮司とのやりとりのメールを見ている。




 とそこへ、いつも桜子が凹んでいると励ましてくれる、池袋のキャバクラ時代からのお馴染み、東さん(吉村崇 ex平成ノブシコブシ)からのメールが。



 東 「ここ久しぶりだよね」
桜 子「はい」



 東 「ぜんぜん元気ねえじゃん。ま、元気あるわけねえか」
桜 子「すいません。東さんは相変わらず忙しいんですか?」
 東 「うん。いまうちITに進出して事業拡大中だからさ」



 東 「ほらあれうちの新しいビル」



桜 子「すごい、スマホだ」



 東 「ていうかあれ、ホントにスマホなんだよ」



 東 「いまさ、試験中で、きょう桜子ちゃんに特別に見てもらおうと思って、上から許可とってきたからさ、ホラ」


iPhoneのAirPlayミラーリングみたいな感じで、ビルの壁面がすべてスマートホンの画面になる。



映ったのはデジタルのネオン蝶の画像と「Sakurako Fly!」の文字。



 東 「ね、すごいでしょ」
桜 子「うん」
 東 「ほら、こんなんもあるし」



お店の仲間や常連客から寄せられた、桜子を励ますメッセージが次々に映る。



 「桜子、待ってるよ」「桜子さんがいなくちゃやだ」「帰ってきたらラーメンおごるよ〜」「俺の胸で泣きなさい」「お前がいないと商談もまとまらん」



桜 子「……」
 東 「ね。だから早く帰っておいで」



桜 子「……はい……」


 平成ノブシコブシ吉村は毎回ワンポイント出演で、こういう、凹んでいる桜子を励ます役で出てくる。コストパフォーマンスが高くてお得な役どころだが、このドラマのキャストの中では最も売れっ子ということになるのかな。



 というわけで、お店に戻ってくる桜子。でもけっこうブランクを作ってしまったらしい。



 不安そうな表情で、店の前で思わず入るのをためらってしまう。



蓮 司「おい」




蓮 司「なに立ち止まってんだよ。バーカ」




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マ マ「お帰り、桜子」



桜 子「ただいま」


 おしまい。いろいろ意見はあるとは思う。しかし何はともあれ、全4部作のVシネマという分量だけでも、女優・小松彩夏のキャリアに重要な位置を占める仕事であり、かつ、これを見れば小松彩夏の現状と課題がだいたい分かっちゃうという意味でも、ファン必見の作品ではある。いよいよ三十代に入ろうとする小松彩夏が、さらにもうひと花咲かせるには何が必要か、この作品を復習しながら来年までに各自考えておくように。以上。


【作品データ】『ネオン蝶 第四幕』2013年11月1日リリース/製作:シネマパラダイス、テンダープロ/77分/ビスタ<スタッフ>制作:夏山佳久(シネマパラダイス)/営業統括:木山雅仁(オールインエンタティインメント)/エグゼクティブプロデューサー:井内徳次/プロデューサー:小林良二/キャスティングプロデューサー:夏山牧子/キャスティング協力:矢野彰/原作:『ネオン蝶』(芳文社刊、作:倉科遼・作画:東克己)/制作担当:小泉剛/助監督:伊藤一平/脚本・監督:城定秀夫/演出助手:山城研二/撮影・照明:田宮健彦/撮影助手:川口諒太郎/録音:小林徹哉/音楽・ギター演奏:林魏堂/編集:金子尚樹/衣裳:石月奈々子/ヘアメイク:大橋茉冬・高松未希/衣裳:石月奈々子/あいはら友子担当メイク:白土和恵/フルート演奏:Shizuka/チェロ演奏:山粼朋子<キャスト>小松彩夏/本宮泰風/あいはら友子/上加あむ/小沢和義/奥野匡/吉澤健/大口兼悟/今井メロ/粟島瑞丸/吉岡睦雄/高杉心悟/太田雄路/半仁田みゆき/川村明香/石原理衣/郄橋秀行/三川三三/三谷ありさ/伊谷亜子/水川真理/崎本実弥/桐生コウジ/平川博晶/吉村崇(平成ノブシコブシ)/修士(2丁拳銃)/大島葉子