実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第539回】小松彩夏主演『ネオン蝶 第四幕』レビューの巻(その3)



 ここんところ土・日のイレギュラーな仕事がよく入る。ブラック企業とかそういうわけでもなくて、まあいろいろ事情があるんですが、今日は久しぶりにフルで休みだ。やった……と言いたいところだが、昨夜遅くに電話がかかってきて、またまた日曜昼から出なくちゃいけないことになった。ちょっとつらい。
 さて、昨日は名古屋市の栄で開かれたイベント「東海テレビ感謝祭2015」のアイドルステージに行ってきて、万丈さんが支援する(「支援する」って変か)マイナーアイドルのミニライブを2つ観てきた。VIC:CESSとKNU。VIC:CESSはアイドルというよりダンス・アンド・ボーカル・グループか。



 KNUは確信犯的なB級ノリだが、持ち歌がキャッチーなのが強みで、代表曲の「Brand New Day」なんて、一度だけ聴けばだいたいの人は憶えてしまうのではないか。私は二度目だったが、もうサビは歌えた。



 で、そのあと万丈さんのご案内で物販に向かった。
 私はこれまで、アイドルのライブに行っても、あんまり物販には寄らないで帰っちゃってたので、初めての光景が新鮮だった。地元名古屋のローカルアイドルを始め、いろいろなグループがライブをやった順に出店するが、どのブースも売り場にメンバーがいて、手渡ししてくれて、あと話をしたり、一緒に写真を撮ったりできる。
 もう最近では、メジャーなアイドルとマイナーなアイドルの区別を「ルックス」や「曲」でつけることは難しくなってしまったが、こういう直売り営業をライブ後に「する」か「しない」かっていうのは、ひとつの見分け方かもしれない。
 ……もっとも、AKB48だってCDを買えば握手したりできるというシステムなんだけど。いや、だからこそAKBグループは、これだけ国民的アイドルになっても、どこかメジャー感が薄いのか。
 一瞬、私も記念に何か買おうかと思ったが、でもアイドルの方と何をお話しすれば良いのか見当もつかないので、止めました。だからただボーッと見ていたら、マイナーアイドルとはいえ、一時間やそこらは物販の行列が途絶えない。
 これには驚いたが、でも気づくと、さっき最後尾にいて、どんどん前に行っちゃったはずの人が、また最後尾にいる。気のせいかなと思っていると、しばらくしてまた同じ人が最後尾にやって来る。限られた人数が、繰り返し繰り返し無限ループで並んで、列を途切らせない。まあ五人組なら、五回お買い物をすればメンバー全員とそれぞれツーショット写真を撮れるという理屈だから、そういう人もいて良いだろうが、見たところそういう人ばかりである。
 万丈さんは今回は並ばずに、遠巻きに観察している私にいろいろ解説してくれたが、そりゃいくらファンだからって、毎回これをやってちゃとんでもない出費である。だから「今回は見守っているだけ」という感じの人もいる。でも途中で我慢できなくなって並んだり(笑)。
 場合によっては、この後さらにファンミーティングが開催される場合もあるという。カラオケで一緒に歌ったりとか。なるほどこういうところにマイナーアイドルの醍醐味というものがあるんだろうなぁ、と感心しました。





 さて、ということで今回も時間がなくて本題の『ネオン蝶 第四幕』レビューはほとんど進まない。済まぬ。
 大物政治家でクラブ「手毬」常連客の川口(奥野匡)は、ボディーガードのプロである息子の蓮司(本宮泰風)を連れてきて桜子(小松彩夏)の護衛につけた。



 ここのところ、銀座のナンバーワン・ホステスが夜道で襲われるという事件が続発している。その背後にいるのはクラブ「トレゾール」を足がかりに銀座進出を狙う香港マフィアである。他店の人気ホステスを潰しておこうというわけだ。
 護衛係の蓮司と桜子は、最初はそりが合わない。毎晩、仕事が終わると蓮司の車で送ってもらうが、会話も弾まない。


蓮 司「ホステスなんてのは、会話を楽しむとか、恋の駆け引きだとか言って、客から金を巻き上げんのが商売だろ。」
桜 子「違います。私たちはお客さんに楽しい場を提供しようと……恋の駆け引きだって、それはお客さんが粋な遊びとして楽しもうと思って……」
蓮 司「ふん、あれが粋ねえ……あんなんで金使うんだったらおれはソープにでも行ったほうがいいな」



桜 子「そうですか」
蓮 司「で、おまえぐらいの女だといくらでやらせんだ?」
桜 子「蓮司さんとは話が合わないみたいですね」
蓮 司「なんだよ、ホステスは会話を楽しむんじゃねえのかよ」



桜 子「蓮司さんはお客さんじゃありませんから」
蓮 司「ああそうかい」


 そんな蓮司だが、仕事には真摯で、夜通しマンションの前で車の中で過ごし、不審者をチェックしている。



 桜子もそういうところには敬意を感じているようで、朝はちょっと早起きして、蓮司のために食事を作ってやったりもする。



蓮 司「なんだよ。早いじゃねえか」
桜 子「出勤前にいろいろやりたいので」
蓮 司「乗れよ」



桜 子「車だと不便なんで……これ」


 というわけで屋外ロケである。







 最近はドラマですら、街頭ロケの場面で、一般の通行人の顔をモザイクやボカして消している作品も見かける。昔に較べてプライバシー保護の観念が進んだのは良いことだが、こうなってくると昔、羽仁進や寺山修司がやっていたような町中でのゲリラ撮影なんて、たとえうまく撮れても、モザイクをかけないと公開できないことになるよね。



  そういう意味で前シーズン『探偵の探偵』を観て、最終回で感心したのは、ラストの玲奈と琴葉の対話の背景に、けっこう行き交う人がいっぱいいたことだ。みんな「あっあれ北川景子よ」的に立ち止まったりもせず、自然だったから、ぜんぶエキストラの役者だろう。二人が探偵でありつづける限り、彼女たちは沢山の人々が暮らす都会の雑踏のどこかで生きていく。ラストの引きの画面まで、その雰囲気が良く出ていた。
 対して、たとえば『孤独のグルメ』の町中のロケで、特定の人だけ顔にボカシがかかっているとぎょっとするよね。



 要するに、映り込んでしまったけど許可のとれなかった素人さん、てことなんだろうけど、これドラマですよ。フィクションですよ。どうにかなんないかな。
 でもなあ、テレビ東京だから仕方がないのか。

 と話が脱線したが、以下に見る小松彩夏と本宮泰風の街頭シーンは、予算的に考えても、役者をチラチラ観る人がけっこういることからも、たぶん素人さんがほとんどだと思う。でも許可は取ったのかな。大丈夫かなぁ。



蓮 司「彼氏にプレゼントか」
桜 子「いえ、お客さんの誕生日プレゼントです」
蓮 司「いちいちそんなの買わなきゃいけねえのか。ご苦労だな」



桜 子「あの、もう少し離れて歩けません?」
蓮 司「なんかもう面倒くせえよ」
桜 子「そうですか」



蓮 司「で次は何だ?」
桜 子「映画です」
蓮 司「映画? お買い物の次は呑気に映画か。おまえ本当にいまの状況が分かってんのか?」
桜 子「私たちの仕事は、政治・経済・文化、いろんな情報が必要なんです。こんな時こそ、いつもやっていることをおろそかにしたら駄目だと思うんです」



蓮 司「ああそうですか」


 映画館で二人が観る映画は……わからん。ただサントラでフォスターの「ケンタキーの我が家」が流れていて、この後に続くシーンで蓮司が言うセリフによれば、ラストは主要登場人物が最後にマフィアに殺される映画のようだ。架空の映画じゃないかな。「ケンタキーの我が家」は別れの歌で、マフィアは香港マフィアで、このあと蓮司の身の上に起こることを象徴しているということだろう。



 小松彩夏、いや桜子にとっては、前作の「峠の我が家」に続き、岩手の高校時代に吹奏楽部で吹いた思い出ぶかい一曲であり、映画を観ているうちに、ふと涙ぐんでしまう。


 その様子に、黙ってハンカチを差し出す蓮司。いよいよ本格的に恋愛モード発動である。




 どこかの公園っぽいところの桜の樹の下。ロケ地をご存知の方はいませんか。



桜 子「ハンカチ、ありがとうございました」
蓮 司「ああ」
桜 子「洗って返しますね」
蓮 司「いいよ、安物だ」
桜 子「映画、どうでした」
蓮 司「ああ……なんだかな。よく分かんねえや」



蓮 司「でも音楽は良かったよ」
桜 子「分かります? マイ・オールド・ケンタッキー・ホーム。私が高校の吹奏楽部の時にやった曲なんです」
蓮 司「なんか、フライドチキン食いたくなってくるな」
桜 子「(笑)ちょっと見直したのに」





蓮 司「でもあれだ、あの映画、結末が良くないわな」
桜 子「うん」
蓮 司「なんだかんだやってんのによ。結局最後マフィアに殺されちゃ意味ねえよ」
桜 子「そうですね」
蓮 司「あれだ。親に依存しているとロクなことがねえってことの教訓だ」
桜 子「そうかも知れませんね……今度、食べ行きます?」



蓮 司「あ?」
桜 子「フライドチキン」
蓮 司「へっへ、そうだな」

という感じで、かなりいい感じである。実写版セーラームーンでいうと、Act.1で出会って、Act.7の後楽園のデートで意識するようになって、Act.13の鴨川と、Act.15の泥棒退治ではっきり恋心を自覚する、というあたりまで一気に話が進んでしまった。


Act.1


Act.7


Act.13


Act.15


 となると次はAct.16だ。家庭科の時間に焼いたクッキーを持って、地場衛のマンションまで届けに行くうさぎ。ところが、衛がフィアンセの陽菜と腕を組んで出てきたところと出くわしてしまう。そう、フィアンセの登場である。











 松下萌子だ。久しぶりだな。ちなみに私が仕入れた最新情報では、松下萌子さんの誕生日と万丈さんの奥さんと万丈さん本人の誕生日が3日連続なんだそうだが、みなさんそんなこと言われても困るか。
 『ネオン蝶』に戻ります。いつものように仕事を終えて、蓮司に送ってもらう桜子。



 最初は後部座席に乗っていたが、いまは普通に助手席である。
 がしかし、ヘッドライトに女の影。






蓮 司「マリ」
マ リ「蓮司さん、ご無沙汰しております。最近電話もメールもいただけないので、心配してましたのよ」
桜 子「あの」



マ リ「初めまして。私、渋沢マリと申します。いつも蓮司さんがお世話になっております」
桜 子「はい」



マ リ「私、蓮司さんのフィアンセなんです」


 定番の展開。親の決めた許嫁、メガネっ子のお嬢様フィアンセ、マリ(上加あむ)の登場だ。どうなる桜子。
 というところで今回はこれまで。なかなか話が進まん。